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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問2まず、850hPa面の気温と風、700hPa面の鉛直流の分布から前線解析をする基本的な留意点について述べておきたいと思います。着目する要素として、850hPa面では等温線の集中帯の南縁(暖気側の縁)と風のシアー、700hPa面では上昇流域を参考にしながら、上昇流域が途切れるところを前線の端して850hPa面の前線を解析します。このように解析した850hPa面の前線から地上前線を解析する際の留意
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)本文の「地球大気において地球放射を最も多く吸収している気体」とは、温室効果ガスと考えられます。主な温室効果ガスとして、水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンが挙げられますが、温室効果への寄与率は、水蒸気が約50%、二酸化炭素が約30%、その他で約20%となっています。また、「一般気象学」p118の図5.10を見ますと、地球大気中において、長波放射は主に二酸化炭素分子と水蒸気分子によって吸収され
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問1(2)まず、地点B付近の6℃と15℃の等温線の間の水平距離を求めてみます。風向は南南西ですので、それに合わせて定規で測りますと図上で6mm、実際の距離を求める目安として、緯度10°=40mm=600海里ですので、6÷40=0.150.15×600=90(海里)つまり、水平距離が90海里で9℃の温度差があるということですから、1海里につき0.1℃の温度差となり、あとは風速30ノットでかけると、1時間あた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(三重大学・北海道大学・新潟大学2018「⽇本の異常気象が遠く南極に関係がある―北極振動と南極振動が⼀緒に変動していることを発⾒―」新潟大学HPより)問題文についてどういう状況なのか、わかりやすい図が新潟大学HPにあったので挙げてみました。図は北極振動についての説明図ですが、この北極振動とセットで学習するとわかりやすいかと思います。北極振動とは、北極域と中緯度域の気圧の平年差が逆符号となる
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)【気象業務法】(変更認可)第19条第1項第17条第1項の規定により許可を受けた者が同条第2項の予報業務の目的又は範囲を変更しようとするときは、気象庁長官の認可を受けなければならない。本文のように、予報業務の目的または範囲を変更しようとするとき、は気象庁長官に「届け出」をするのではなく、気象庁長官の「認可」が必要となります。例えば「許可を受けた区域とは別の区域を対象に予報業務を行おうとする場
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)数値予報モデルで表現可能な現象は、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍以上になります。例えば格子間隔が13kmの全球数値予報モデル(GSM)なら、表現可能なのは65km〜104km以上の現象であり、格子間隔が5kmのメソ数値予報モデル(MSM)なら、表現可能なのは25km〜40km以上の現象となります。下線部の「数値予報モデルで予測可能な現象の水平スケールの下限は、水平格子間隔が小さいほど小さくなる。」とは
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識まず初めに、アンサンブル予報の概要について簡単に触れておきたいと思います。数値予報の計算における数値予報モデルの初期値は客観解析から作成されていますが、この初期値には、観測誤差などの影響でわずかな誤差が含まれています。このため、仮に数値予報モデルが完全なものであるとしても、その初期値に含まれるわずかな誤差が時間とともに増大し予測結果に大きく影響してしまいます。この結果、総観スケール現象の予測可能な時間は2週間程
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問224時間後における850hPa面の温度分布について、地上低気圧の中心とその半径400km(約216海里)の範囲を図5(左下)に重ねてみました。これによりますと、特に地上低気圧の中心付近から南東側において、3℃〜9℃の等温線が混んでいることから水平温度傾度が大きくなっていることがわかります。また、注意点として次の②の問題では温度移流について言及する問題があるため、あくまで温度分布がどのようになっているか
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(b)ラジオゾンデとは気象要素を直接観測するセンサおよび測定した情報を送信するための無線送信機が搭載された高層気象観測に使用される測器のことをいいます。気象要素の測定には、温度計と湿度計がラジオゾンデから突き出たアームに取り付けられており、白色の発泡スチロールでできたラジオゾンデの本体には、無線送信機、電池等が搭載されています。気象庁で使用しているラジオゾンデは、高度の計算や風向・風速の測定にGPS信号を利
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)まず、赤外画像で明るく、可視画像で暗いことから、上層雲と判断されます。次に、この領域Aに見られる波状の雲列は何かということですが、この雲列は下線部にもありますように、強風軸に対応していると推定され、強風軸周辺において密度の異なる空気が接して風速の鉛直シアーが強くなって、「ケルビン・ヘルムホルツ波」という波動性の振動が発生します。この波の上昇部で、雲が発生することで乱気流が目に見える形となります。この雲列
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)「移流霧」は暖かく湿った空気が冷たい地表面や海面に移動したときに空気が下から冷却されることにより、空気内の水蒸気が過飽和になることで凝結して発生する霧のことをいいます。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)「放射霧」は、主に陸上で風が弱いとき、地表面の放射冷却によって地表面に接した気塊の温度が低くなる、すなわち気塊の水蒸気圧はそのままで気温が低下することによって、水蒸気が過飽和に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識今回は、「一般気象学」p177の図7.10、「東西風の南北鉛直分布」を見ながら考えてみます。(a)図によりますと、亜熱帯ジェット気流に対応する中緯度付近の強風軸は、南北両半球とも200hPa付近の高度に現れていることがわかります。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)次に12月〜2月と6月〜8月の図とを比較しながら考えてみます。北半球の亜熱帯ジェット気流の部分に着目しますと、12月〜2月では亜熱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識ある地点における相対渦度(ζ)の値を求める式は、ζ=(v4-v2)/2Δx-(u1-u3)/2Δyすなわち、相対渦度=(y方向の速度差/x方向の間隔)-(x方向の速度差/y方向の間隔)にそれぞれの数値を代入して渦度の値を求めて比較してみますと、A{(2-2)/2000}-{(5-5)/2000}=0{(5-5)/2000}-{(2-2)/2000}
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識Aまず、比湿の定義について確認しましょう。大気の熱力学におきましては用語がたくさん出てきますのでそこが結構難しいところなんですが、比湿とは、水蒸気と水蒸気を含んだ状態の空気との質量比、言い換えますと、水蒸気と空気全体との質量比のことをいいます。すなわち、比湿=水蒸気の質量(g)/空気全体の質量(kg)ということです。以上を踏まえて比湿の定義に代入して求めますと、10/(990
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1まず、今回のようなトラフ解析の問題につきましては過去に何度も問われていますので、解析の留意点を整理しておきたいと思います。トラフ(気圧の谷)は周囲と相対的に低圧な領域をいいます。基本的にはその領域は500hPa等高度線では曲率の大きな部分を結んだ線として解析することができます。トラフは低気圧の中心を起点として解析することが多いです。ここから曲率の大きな部分を結んで延ばしていくわけですが、注意すべき点はトラフ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識まず、500hPa高度及び850hPa相当温位のアンサンブル平均図において、120時間後、144時間後、168時間後の順序を求めてみます。(500hPa高度)トラフとリッジ、網掛けで示された正渦度域に着目します。まずBにおいて日本の東にあるトラフと正渦度域を追跡しますと等高度線も混んでいて、これを基準に考えるとわかりやすそうです。AのトラフはBのトラフよりも東に移動しており、Cではさらに東に移動している
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)本文にあります通り、梅雨前線を維持している水蒸気輸送には、一方では、インド洋からチベット高原の南側を流れる湿った南西風(インドモンスーン)が梅雨前線に流れ込んでおり、もう一方では、太平洋高気圧の縁辺の沿って湿った南風が梅雨前線に流れ込んでいます。これら2つの湿った空気の流れで、大量の水蒸気が輸送されることにより梅雨前線が維持されています。したがって、本文の内容は正しいとなります。(b)相当温位と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>解析積雪深・解析降雪量、降雪短時間予報より)解析積雪深は、解析雨量や局地数値予報モデル(LFM)などの降水量、気温、日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算した後、アメダスの積雪計の観測値で補正することにより作成されます。積雪変質モデルでは、新たに積もる雪の量、とける雪の量、時間の経過により積雪が沈み込む深さ等を計算することで積雪の深さを求めます。(気象庁H
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1今回は、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句または数値を考えてみます。(第1段落)まず、「図1によると、千島近海には前線を伴った低気圧があり、ゆっくりと(①)ノット以下の速さで北に進んでいる。」とあります。地上天気図では、高気圧や低気圧の進行方向や進行速度が記入されています。進行方向は白抜きの矢印で表示され、速さはノット(KT)で表示されます。1KTとは1海里(1852m)を1時
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識まず、問題文の最後に「ただし、大気の密度はどこも同じで一定とする。」とあります。この問題においては、質量保存の法則、すなわち直方体に入ってくる空気の量と直方体から出ていく空気の量が等しい、ということと、実際に空気は地上から上空にかけて気圧が下降し、空気密度が小さくなっていきますが、ここでは考えなくてよいことを意味しています。問題を整理しますと、⭐︎直方体の南側と北側の面を通過する風はなく、西側と東側で
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)大気中に浮遊しているごく小さな水滴や湿った微粒子が浮遊していますと、光がその中を通過する際に散乱してしまうため、遠くまで届かなくなることにより、視程、すなわち水平方向の見通しが悪くなります。この中で、本文にあります「ごく小さな水滴が大気中に浮遊し、そのため水平距離が1km未満になっている現象」のことを地上気象観測では「霧」とよんでいます。なお、「微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)気象業務法第15条第1項気象庁は、第十三条第一項、第十四条第一項又は前条第一項から第三項までの規定により、気象、地象、津波、高潮、波浪及び洪水の警報をしたときは、政令の定めるところにより、直ちにその警報事項を警察庁、消防庁、国土交通省、海上保安庁、都道府県、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社又は日本放送協会の機関に通知しなければならない。地震動の警報以外の警報をした場合において、警戒
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)「一般気象学」p238、図8.32の「鉛直断面内における大西洋西部のハリケーンの動径速度分布の平均」を見ながら考えてみます。先日の第63回試験・一般知識・問9(b)において、「動径速度は高度950hPa付近で最大、つまり大気境界層の中で最大になっていることがわかります。これは地表面摩擦により、風が等圧線を横切り、中心に向かって吹くことによるものです。」と述べました。この中心へ向かう風の流れによ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)災害対策基本法(市町村の責務)第5条第1項市町村は、基本理念にのつとり、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施する責務を有する。市町村の責務を規定した災害対策基本法第5条第1項では、市町村の住民の生命、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)一般に台風が発生するのは、主に海面水温が26℃~27℃の海域です。台風が発生するためにはそのエネルギー源として、暖かい海面から供給される水蒸気が凝結する際に放出される潜熱が必要となります。なお、「一般気象学」p232の図8.23「1979年から1988年に発生した顕著な熱帯低気圧の経路」を見ますと、北緯5°以南の赤道付近では、台風がほとんど発生していないことがわかります。このことについてもよく問われますの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識はじめに、問題の文中にある、「温度風の関係」について、簡単に触れておきたいと思います。「一般気象学」p145の図6.4、「南北方向の温度傾度により東向き(西より)の地衡風速が高度とともに増大する模式図」を見ながら考えてみます。簡単のため、1000hPa面を水平であるとしますと、例えば対流圏では一般的に極側の方が赤道側よりも気温が低く、したがって、極側の方が空気密度が大きいため、等圧面は赤道側から極側に向かって低い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)大雨特別警報(土砂災害)の指標に用いる基準値は、総務省が定めた「地域メッシュ」(約1km四方)毎に設定しています。基準値以上となる1kmメッシュが概ね10個以上まとまって出現すると予想され、かつ、激しい雨がさらに降り続くと予想される場合に大雨特別警報(土砂災害)を発表します。(気象庁HP:大雨特別警報(土砂災害)の指標に用いる基準値の格子別一覧知識・解説>特別警報について>気象等に関する大雨特別警報
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)気象業務法施行規則(予報業務の許可の申請)第10条第1項法第17条第1項の規定により予報業務の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した予報業務許可申請書を、気象庁長官に提出しなければならない。第2項前項の申請書には、次に掲げる書類(地震動、火山現象及び津波の予報の業務に係る申請にあつては、第二号に掲げる書類を除く。)を添付しなければならない。第2号事業所ごとに置
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問2まず、500hPa面における強風軸解析について簡単に触れておきたいと思います。300hPa面では、300hPa天気図に等風速線が描かれていて等風速線の尾根に沿って解析されます。一方、500hPa面では等風速線のような情報はありませんが、渦度の分布に着目して解析することができます。一般知識の大気の力学でも学習しましたが、風向に対して左側に正渦度域、右側に負渦度域がある場合、正渦度域と負渦度域
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問1まずは、一般知識の「大気の力学」で学習した温度移流とは何か、再度振り返ってみます。温度移流とは風が吹くことによりある地点における温度が変化することを「温度移流」とよんでおり、風により温度が高くことを「暖気移流」、逆に温度が低くなることを「寒気移流」とよぶ、ということでした。これを踏まえて、図3(下)の地点Aから見ますと、風がは北北西30ノットであることを示しており、3℃ごとに引かれている等温線を、6℃、9℃