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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)(ドナルド・アーレン最新気象百科p5、表1.1を基に作成)対流圏の大気組成は表を見ますと、窒素と酸素とアルゴンの3種類の気体の体積比を合わせて約99%以上を占めていることがわかります。したがって、本文の内容は正しいとなります。(b)乾燥空気の平均分子量について、どこの高さまで均質に存在しているのか、「一般気象学」p23、表2.1、「諸物理量の各高度における値(米国標準大気モデル.1
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2まず始めに、図1の佐渡付近にある地上低気圧の中心を図5に重ねますとこのようになります。そうしますと、地上低気圧の中心のわずかに南西にある-129×10-6/sの正渦度の極大値があることから、この値が地上低気圧に対応するものとかんがえられます。したがって、正渦度の極大値は単位を付して、-129×10-6/sということになります。次にこの地上低気圧とトラフとの位置関係ですが、特に5720mの等高
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問1(3)今回は、問1(3)②③の解答に基づき、図5の14日09時に観測された状態曲線(エマグラム)の地点は、名瀬、鹿児島のどちらか判断せよ、という内容です。まず初めに、問1(3)②において、14日09時に位置していたと判断される東経130°における850hPa面の温暖前線の緯度は北緯29°または北緯30°ということでした。名瀬の位置を改めて図1で確認しますと、先ほどの850hPa面の温暖前線の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います・第61回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p45)より)地球大気において、風向・風速、気圧、水蒸気量などといった物理量は流体をなしており、連続的な分布をしています。しかし、数値予報を行うにあたって、この状態ではコンピュータで取り扱うことが困難です。そこで地球大気をコンピュータでどのようにして表現するのかというところで、「地球大気中において数多くの値が連続的に分布している」と考えて、東西・南北・鉛直の3
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p251の図9.1「1月における経度平均温度の緯度高度分布」を見ながら考えてみます。これによりますと、本文にあります通り、経度方向に平均気温が最も低い領域が赤道付近の高度15km(10km〜20km)付近、すなわち赤道付近の上部対流圏から下部成層圏に見られることがわかります。これは、低緯度において対流活動が活発でハドレー循環の上昇流域にあたり、対流圏界面の高度が15~17km付近と
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図において、「破線は等温位面」であることに着目します。対流圏における一般的な温位の鉛直分布は高度につれて高くなります。もしも、上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、もしくは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位が高度とともに低くなる気層の場合、その気層は不安定(対流不安定)な気層となります。すなわち、この問題の冒頭に「安定」とある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識気象業務法第6条第1項気象庁以外の政府機関又は地方公共団体が気象の観測を行う場合には、国土交通省令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。但し、左に掲げる気象の観測を行う場合は、この限りでない。第1号研究のために行う気象の観測第2号教育のために行う気象の観測第3号国土交通省令で定める気象の観測第2項政府機関及び地方公共団体以外の者が次に掲げる気象の観測を行う場合には
こんばんは。早速ですが考えて見たいと思います。問3①はじめに、(ア)における黄海〜東シナ海の雲域について、・位置・面積・雲の形状の特徴を(イ)のそれらと比較して述べなさい、という問題から考えてみます。まず、「雲域の位置」とは、ここでは筋状雲が発生しはじめる海域の位置を比較するものと考えられます。そこで(ア)と(イ)を比較しますと、大陸の沿岸から雲が発生する海域までの距離に大きな違いが見られます。(イ)では大陸の沿岸から筋状雲が発生するところまでの距離が短いのに対し、(
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3今回は、降水域と地形との関係について、領域Aと領域Bにどのような違いが見られるか、その降水量の多寡の特徴を山の違いに留意しながら述べよ、という内容です。まず、図14(左)に着目して状況を見てみますと、領域Aでは、西側においては降水量が多いですが、東側では降水が見られないことがわかります。一方、領域Bでは、西側で降水量が多いですが、東側も弱いながら降水域が見られることがわかります。なぜ両者にこのよう
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、降水過程から、雲の中の水滴の成長について、(a)~(d)の正誤を判断する内容です。早速(a)から見ていきます。(a)雲は空気塊が上昇することで発生する場合が多いですが、空気塊は断熱的に上昇していきますと冷やされ、飽和水蒸気圧の値が小さくなります。このことによってある水滴が過飽和、すなわち水滴の水面から出ていく水分子よりも入ってくる水分子の割合が多い状態が続きますと水滴に水分子が入り続けて水
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問2今回は、図8(上)の25日21時に見られる紀伊半島から四国にかけて表現されている降水域について、降水量が多くなると予想される2つの暖湿空気に関わる要因をいずれも「暖湿空気が、」の書き出しに続けて、書き出しを含む25字程度で述べよという問題です。前問の問2(3)で温暖前線を解析しましたが、温暖前線の前面では348Kから最大357Kの高い相当温位を伴う暖湿空気が強い南から南西の風となっているのに対し、温暖前線の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問1(4)まず、エマグラム上において、温暖前線面では、気温と風にどんな特徴が見られるか考えてみます。エマグラムの観測点である潮岬では、対馬海峡付近の低気圧に伴う温暖前線の前面に位置しています。つまり、温暖前線はまだ潮岬を通過する前ですので、寒気の中にある、ということになります。温暖前線面においては、寒気の上空に暖気が流れ込み、寒気の上を滑昇する形となり、寒気と暖気とが接する部分に遷移層ができ、この遷移
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)今回は、本文を読みながら、空欄部分を考えてみます。まず、「ジェット気流うのうち、高緯度側に位置し、(a)hPa高度付近に中心を持つものが寒帯前線ジェット気流である。」とあります。(C.DonaldAhrens著古川武彦監訳椎野純一・伊藤朋之訳『最新気象百科』丸善2008p277図10.9を基に作成)図1の高度に着目しますと、高度が低いところで北極付近および沿海州、サハリン、オホー
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象レーダー(大阪・高安山)2018.03.22大阪・高安山のレーダーへゆくより)気象ドップラーレーダーは、アンテナを回転させながらパルス状の電波を発射し、半径数百kmの範囲内に存在する雨や雪を観測しています。発射された電波は、雨や雪といった降水粒子にあたりますと散乱(レイリー散乱)が起きます。このうちレーダーの位置する方向に跳ね返って戻ってきた電波(後方散乱)があり、これを捉えて分析する
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4今回は、図10(下)の「内之浦を通る東西鉛直断面の相当温位・風・湿数」の24時間予想図を用いて内之浦上空の21時における図の範囲内の相当温位の最大値と最小値および、それぞれの高さと湿数を答えよ、という読み取りの問題です。まず先に、相当温位の最大値とその高度、およびその高度における湿数から見ていきます。読み方は図10の下にあります通り、相当温位は実線で示し、等値線は細実線1Kごと、太実線3Kご
こんばんは。今回から、第48回試験の実技2に入ります。事例は2016年の4月9日~11日を採りあげています。問1(1)では、気象衛星画像の判読、全般海上警報の知識、300hPa強風軸の解析、寒冷渦の知識を問う穴埋め問題となっています。単なる穴埋め問題と考えるのではなく、これまでの知識の蓄積を確認する意味でいい問題ではないかと思います。※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。考察編は18日23時更新予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技2・問1(解答図)今回は、図1の地上天気図において気圧の尾根や谷がわかりやすくなるように、解答図に1014hPaの補助等圧線を破線で記入せよ、ということで考えてみます。解答図には、北海道の北、四国沖、日本のはるか南の3か所に×印があり、これらの中心を通るように表現せよ、という条件が付されていますので、北海道の北の×印付近の枠からスタートさせることにします。まず、最初の着目点として日本海にある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験2・問1(4)今回は、図5の500hPa天気図を用いて、地上低気圧に対応するトラフを経度線と平行に描くときのトラフの経度を解答し、さらに等高度線と等温線に着目して、6日9時以降に低気圧が発達する可能性とその根拠を述べよ、という内容の問題です。まず、等高度線に着目して、低気圧に対応するトラフを解析してみます。なお、低気圧の中心位置は黒の×印で示しています。問題文では、「トラフを経度線と平行に描くとき、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>高解像度降水ナウキャストより図の薄い灰色が250m解像度で予測を提供する領域で、やや濃い灰色が1km格子で予測を提供する領域。さらに濃い灰色は予測対象領域外。)高解像度降水ナウキャストは、高解像度化した気象庁の気象レーダーや国土交通省のXバンドMPレーダネットワーク(XRAIN)の観測データ等を利用して作成する250m格子の降水ナウキャストで、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)まず初めに設問の空気塊の動きについて想定されている「ハドレー循環」について「一般気象学」p171の図7.5を見ながら少し触れておきたいと思います。図によりますと、赤道付近で上昇して南北30°付近で下降する大気の流れが、上図の12月~2月の平均、下図の6月~8月の平均とも見られることがわかります。このように低緯度帯において見られる大気の南北方向の循環を「ハドレー循環」とよんでいます。次に、地球
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技1・問2今回は、図7と図10を用いて24時間後に予想される温暖前線と寒冷前線の位置を記号を付して解答図に記入せよ、という内容です。まず、問題文に「問1で述べた地上低気圧に伴う前線のうち」と書かれているところが気になります。そこで図1の初期時刻の状況を振り返ってみますと、低気圧の中心からは西へすでに閉塞前線が延びており、閉塞点から温暖前線と寒冷前線がそれぞれ延びていることから、地上低気圧は初期時刻の段階で
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問2(図1)(図2)図1は前問の問2(2)で持ち上げ凝結高度・自由対流高度・平衡高度を求めたときの図、図2は露点温度が18日9時と変わらないとしたときの18日の最高気温が30℃になる場合の持ち上げ凝結高度・自由対流高度・平衡高度を新たに求めた図になります
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)まず、台風に伴う風の接線成分と動径成分について、一般気象学p257、図8.30「台風に伴う接線速度と動径速度の2成分に分解する」の右側、「(b)下層の風」を見ますと、接線成分は、台風の中心を中心とした円周に接した成分、一方の動径成分は接線成分に対して直角で台風の中心に向かう成分のことをいいます。これを踏まえて、まず、風の接線成分について、一般気象学p238、図8.31「風の接線成分の鉛直断面図」を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問2今回は、地上低気圧の24時間後より先の発達に最も関係すると考えられる500hPa面の低気圧の中心、およびトラフに伴う正渦度の極大の位置する12時間後と24時間後の緯度・経度を読み取る問題です。試験本番の時間が限られた状況で焦っていると、つい、九州付近の500hPa低気圧と正渦度極大値の方を答えとしてしまうかもしれません。しかし、問題文をよく読みますと、「地上低気圧の24時間後より先の発達に最
こんばんは。今日はインフルエンザの予防接種を受けました。この冬は全国的に気温が平年よりも低い気温の日が続いていますので、それまでに罹ったらどうしようと思っていたんですが、ホッとしました。皆さんもどうぞ風邪など召されませんよう、ご自愛ください。さて今回は、北海道十勝地方のある地点における予想気温を850hPaの気温を使って、計算してみましょう、という問題を一緒に考えてみたいと思います。※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。考
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)本文の初めの「擾乱」とは、とくに気象学では「気象擾乱」とよぶ場合もあり、水平規模が約10km程度の雷雨をもたらす積乱雲から台風、さらに大雨をもたらす温帯低気圧などの総観規模のスケールまで、一般的に大気が乱れる現象のことをいいます。(気象衛星センターHP:2015年10月10日03UTC赤外よりトランスバースラインの例(矢印))次に、本文を読みますと、「北側に広がる上層雲が急速に発達し、北縁に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問2(1)この図12の気温の鉛直分布で顕著にみられる特徴として、地上から400hPaの全層にわたって南西側で気温が高く、北東方向への途中で急激に気温が低く落ち込むとことがあり、またそれが、高度が増すつれて北東に傾いていることが挙げられます。また、風向の鉛直分布を見ますと、特に気温が落ち込みが北東に傾いている領域において、高度が増すにつれて風向が時計回りに変化していることがわかります。これは、暖気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識(a)まず、「一般気象学」p166の図7.1、「地球が吸収する太陽放射量と地球から出ていく放射量の緯度分布」を見ながら考えてみます。一般知識の「大気における放射」では、地球が受け取る太陽放射量と地球放射量は釣り合っている、という「放射平衡」について学習しますが、これはあくまで地球全体で考えた場合で、実際に緯度別で考えますと放射平衡は成立していません。概ね低緯度では地球放射よりも太陽放射の方が大きく、高緯度では太
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識長期予報では、空間スケールの大きな大気の流れに関わる偏西風や気圧の谷、シベリア高気圧や太平洋高気圧などの動向を予測の対象とし、この問題では1月の1か月平均の事例ですが、5日以上の期間における平均的な大気の状態が平年と比べてどうなるかを予測するため、「平均天気図」を用いています。では、問題のある年の1月の月平均における「500hPa高度・平年差」と「海面気圧・平年差」の2枚の図を用いて順に検討して
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問1(3)まず初めに、「温暖前線面」とはどの部分を指すのかについて触れてみたいと思います。前線面とは、異なる気団が接する面のことをいい、その前線面が地上に接しているところを前線と呼んでいます。上に温暖前線面について簡単な模式図を描きましたが、左側の図の青い矢印でそれぞれ示しているところです。では、これを状態曲線(エマグラム)で見た場合、温暖前線面はどの部分にあたるかを示したのが右側の図になります