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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3今回は、初期時刻(27日21時)において、図9、図10を用い、図1の日本海の低気圧付近の700hPa鉛直流について、前線付近及び、本州付近の地形の影響による各特徴をまとめて45字程度で述べよ、という設問です。以前、問2(2)②の設問において解析した、日本海の低気圧に伴う850hPaの寒冷前線と温暖前線を図9に重ね合わせてみました。重ね合わせてみますと、温暖前線付近では、風のデータと図10よ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問2今回は、図6及び図7(下)に基づき、本文を読みながら空欄を穴埋めしていきます。まず、「予想図によると、18日21時には、地上低気圧の中心は500hPa面の渦度ゼロの等値線から推測される(①)の(②)に位置する。」とあります。まず、図6(上)の500hPa面における渦度の分布を見てみます。本文の「渦度ゼロ」とは、北側の正渦度域と南側の負の渦度域の境界の部分にあたり、500hPa面の強風軸に対応します。す
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)まず初めに設問の空気塊の動きについて想定されている「ハドレー循環」について「一般気象学」p171の図7.5を見ながら少し触れておきたいと思います。図によりますと、赤道付近で上昇して南北30°付近で下降する大気の流れが、上図の12月~2月の平均、下図の6月~8月の平均とも見られることがわかります。このように低緯度帯において見られる大気の南北方向の循環を「ハドレー循環」とよんでいます。次に、地球
こんばんは。今回からは、第52回試験の実技1の問題に入っていきます。まずはじめは、2015年9月9日9時を初期時刻とする地上天気図の実況を問題文に沿って読み取り、穴埋めしていく問題について、次回一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技試験※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。26日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問2(解答図)今回は、図1、図2と図6(上)を用いて図6(下)のオホーツク海に予想されている低気圧に対応するトラフを作図する内容の問題です。まず、図6から、28日9時のトラフから解析してみます。(28日9時)図6(下)のオホーツク海にある低気圧は北緯52°東経146°付近に位置していますが、図6(上)を見ますと、その西側に正渦度の極大域があり、5100mの等高度線の曲率が大きく、+258×10-6/sの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問3今回は、前問の問3(2)および図6(下)に着目して、図5(下)の日本の東の低気圧の伴う前線、および低気圧に伴う寒冷前線とつながって西に延びる停滞前線を記号を付して解答図に作図せよ、ということで考えてみます。まず、前問の(2)より、名瀬の状態曲線(エマグラム)から読み取れることをおさらいしますと、下の前線性逆転層の上端の高度は900hPaの高度にあることがわかっています。つまり、これから解析しよう
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問3㏗今回は、図8(上)に基づいて図1の初期時刻の日本付近にあるこの前線が、12時間後にどういう予想位置になるかを図7(上)の地上予想図の枠で囲った範囲内に解析せよ、という問題です。まずはじめに、12時間後の地上において予想される前線の位置を解析するには、図8(上)の850hPa面における前線の位置を解析してみる必要があります。その理由は後ほど述べることにします。今回の850hPa面における前
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1今回は図1の初期時刻22日9時における九州の南にある低気圧の動向の予想について、図6(下)の12時間予想図、図7(下)の24時間予想図も用いて下表の空欄を埋めてみたいと思います。(移動方向)初期時刻の22日9時では英文に記されています通り、北緯31°東経130°に位置していますが、図6(下)の12時間後、22日21時の予想では、北緯34°東経142°に位置しており、東北東に進む予想になっています。次に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問4(1)今回は、前問(1)①の結果を含めて、破線で示されているシアーラインを挟んで風と気温にどのような特徴の違いが見られるかを解答せよ、という内容の問題です。では、風の特徴から見ていきます。破線で示されているシアーラインの西側では、所沢の静穏を除いて、八王子、青梅、鳩山で1m/s〜3m/sの弱い北西風となっているのに対し、東側の海老名、府中、練馬、さいたまでは、練馬で3m/sと弱いものの、概ね5m/s
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問2今回は、解答用紙の図に予め27日9時に北海道の北から日本海北部にある前線の28日9時の予想位置が記入されており、これにならって27日9時に日本海中部にある低気圧に伴う前線の28日9時の予想位置を前線記号を付して記入せよ、という作図の問題を考えてます。まず、問題となっている前線を伴っている日本海中部の低気圧の動きから見ていきます。初期時刻の図1では、この低気圧は30ノットの速さで東北東に進
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)台風は上陸しますと、地上との摩擦が増大し、また海面からの熱と水蒸気の供給が大きく減少することから、眼が不明瞭化し、軸対称性も崩れてくる形で衰弱していきます。赤外画像ではその衰弱期にある台風が示されていますが、依然として東日本を中心に白く写っている領域が見られます。赤外画像では、地表面や雲から放射された地球放射を捉えて、その放射量を測定することによってステファン・ボルツマンの法則(I*=σT
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2(1)まず、逆転層の種類として、問題文の下枠の「接地逆転層」、「沈降性逆転層」、「前線性逆転層」について、一般知識のおさらいとして簡単に振り返ってみたいと思います。《接地逆転層》夜間の放射冷却によって地表に接する空気が冷やされて、その上にある空気より気温が下がる場合に、形成される逆転層です。特に冷気が溜まりやすい山地に囲まれた盆地で発達しやすいのが特徴です。《沈降性逆転層》高気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)パラメタリゼーションとは、本文の通りですが、数値予報モデルの時間・空間分解能以下の小さい現象が格子点の物理量に影響を及ぼす効果を見積もって、格子点の物理量に反映させて予報精度を高める作業のことをいいます。したがって、本文の内容は正しいということになります。(b)(気象庁HP:第4章数値予報モデルp29より)数値予報モデルに使用される基本方程式には、水平方向の運動方程式、非静力学平
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問3(1)今回の設問は、図7(下)で予想されている関東の東海上の低気圧について、図1に表示されている佐渡付近の低気圧の移動方向と移動速度では12時間後ではこの位置に達しないことから、この18日21時に関東の東海上に予想される予兆が図1に現れているということで、その気圧分布の特徴を、着目する等圧線の値と低気圧の発生状況に言及して60字程度で述べよ、というものです。まず、図1の佐渡付近の低気圧の移動方向
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験1今回の問題は、図4(上)の500hPa高度・渦度12時間予想図及び、図5(上)の500hPa高度・渦度24時間予想図を用い、さらに初期時刻15日9時における図1の地上天気図と図2の500hPa高度・渦度解析図も用いてトラフの解析を行う作図の問題です。解答図には、すでに紀伊半島沖の低気圧中心の位置が15日9時及び15日21時・16日9時の予想位置と15日9時のトラフAとトラフB、16日9時に予想され
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(電気式温度計2017.10.20「アメダスへゆく50柏原(かいばら)」(兵庫県)より)電気式温度計についての問題は、過去に第32回試験・専門・問1や、第36回試験・専門・問1など複数回出題されていますので、しっかり過去問題を復習されていれば大丈夫だったかと思います。気象庁の各気象台や四要素(気温・降水量・風向風速・日照時間)を観測しているアメダスに設置され、日々気温の観測に使用されている温度
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)(b)(ブリューワー分光光度計気象庁HP「オゾン層の観測」より)ブリューワー分光光度計は、太陽光の波長毎の強度を測定し、オゾンに吸収されやすい波長の紫外線と、吸収されにくい波長の紫外線の強度比を地上で測定することによって、上空のオゾンの総量を観測する機器です。館野(つくば)および南極昭和基地でこの機器を使って観測しています。したがって、ブリューワー分光光度計の観測対象の中から「上空の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2まず、①②に関連する表のいちばん上の項目、「500hPa渦度極大点の地上中心からみた方角」から見ていきたいと思います。図8(上)の25日21時および図8(下)の26日21時に予想されている台風の中心位置をトレーシングペーパーで写し(赤色の×印)、図9に重ねますと、上図のようになります。この結果、25日21時では500hPa面の中心付近にある渦度極大点284×10-6/sにほぼ同位置とみることができます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2(1)今回も本文を読みながら、適切な語句を穴埋めしてみます。(第1段落)図5、図6によると、沖縄本島地方では、台風およびその周辺の温かく湿った空気が流れ込んでくるため、16日9時までの前12時間に最大(①)の降水量が予想されている。一方、図9のメソモデルでは最大(②)が予想される地域がある。とあります。まず16日9時までの前12時間の最大降水量は、図5(下)、沖縄本島の西側に86mm/12hの極値があ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問(1)図1の地上天気図でみると、関東の南東海上の気圧の傾きは緩やかなのに、実はこの付近に弱い擾乱が存在しているというのですが、その根拠は何でしょうか、各図で見ていきたいと思います。①《雲分布および上/中/下層雲の別》図3(上)の赤外画像において、関東の南東海上付近に着目しますと、灰色の雲域があり、雲域Aのような、明灰色の帯状で一様な雲域ではなく、それよりは暗く、まとまっていることから、中層雲
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験・問4今回は、本文を読みながら、空欄に入る語句や数値を考えてみたいと思います。まず、「図12によると、地上付近の相当温位はシアーライン(▲の位置)の東側のほうが西側より(①)く、シアーライン付近で相当温位の水平傾度が大きい。」とあります。①では、図12における鉛直方向の等相当温位線を読み取って、▲で表されているシアーラインの位置に対して東西どちら側が高いかということですが、シアーラインの西側では等相当温位線が集
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3今回は、降水域と地形との関係について、領域Aと領域Bにどのような違いが見られるか、その降水量の多寡の特徴を山の違いに留意しながら述べよ、という内容です。まず、図14(左)に着目して状況を見てみますと、領域Aでは、西側においては降水量が多いですが、東側では降水が見られないことがわかります。一方、領域Bでは、西側で降水量が多いですが、東側も弱いながら降水域が見られることがわかります。なぜ両者にこのよう
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問4今回は、図13の土砂災害に危険度分布(キキクル)を用いてこのような状況になった時に、東京都八王子市及び神奈川県相模原市に対して、土砂災害を対象に発表される防災情報について、下の枠内から全て選び、記号で答えよ、という内容の問題です。(気象庁HP:知識・解説>土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)より)まず初めに、八王子市から見てみます。八王子市では、東側の一部に黄色で色分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問2今回は、図7の850hPa面の気温と風について、初期時刻(29日21時)の黄海付近における地上低気圧の中心付近の温度移流と、24時間後(30日21時)の九州の南東海上に予想されている地上低気圧の中心付近の温度移流の特徴を比較したとき、図7の地上低気圧の中心付近に対応する850hPaの温度移流の特徴を、図1の黄海の低気圧の中心付近に対応する850hPaの温度移流の特徴と比較して25字程度で述べよ、と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4(2)今回は,内之浦において大雨をもたらす対流不安定以外の大気の状態のうち、水蒸気の供給について、相当温位、湿数および風に言及して述べよ、という問題です。(2)③に関連して、第18回試験・一般知識7の問題を採り上げたときに少し触れましたが、大気が対流不安定の状態になるには、下層に高い相当温位の空気が流れ込むことにより下層の湿潤な状態が維持されることが主な条件となります。問題では「大雨を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4(2)今回は、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲で、相当温位のの極値が東西に延びている」とあり、この極値と湿数の関係について述べよ、という問題になります。まず、問題文の通り、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲」を青の線で囲ってみました。この囲った範囲における相当温位の極値とは、例えば、東経130.2°付近では
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・専門知識(a)(第37回試験・専門知識・問11より)降雪量とは、ある時間内に地表面に積もった雪の深さのことをいいます。降雪の予報において降雪量を直接予測することは難しいですので、初めに降水量を予測して、それを降雪の深さに変換するという方法がとられています。厳密には、図のように、地上の気温と雪水比(降雪量の降水量に対する比率)の関係から降雪量の予測値を求めることができますが、簡易的に変換する方法とし
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2今回の問題は、図10の「内之浦を通る東西鉛直断面の相当温位・風・湿数」の12時間および24時間の各予想図について、内之浦のすぐ西の東経131°における大気の鉛直構造において、950hPaから700hPaまでの間で温度移流が弱いのは30日9時・30日21時のどちらかという内容です。まず、わかりやすくするため、問題文の内容を基に、950hPaと700hPaを青い線、東経131°を赤い線で引いてみました。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第27回試験・一般知識(a)まず、本文にあります「外向き長波放射量」とは宇宙空間に向かう長波放射量のことです。次に、「対流活動が活発で雲頂高度の高い領域の方が、その周囲の雲がない領域に比べて値が小さい。」は正しいかどうかですが、ここでステファン・ボルツマンの法則の知識が問われています。黒体が放射する電磁波の放射強度、すなわち1秒間で1㎡に入射するエネルギーを(I)、絶対温度(T)、ステファン・ボルツマン定数をσとしますと、I=
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識(a)(気象庁HP:各種データ・資料>地球環境・気候>地球温暖化>気温・降水量の長期変化傾向>世界の年平均気温より)上図は、気象庁HPから、1891年から2021年にかけての130年間にわたる年平均気温の長期変化傾向を示す図を載せてみました。図の見方として、緯度経度ともに5度で区切った領域ごとに変化傾向を算出した結果を示しています。1891〜2021年の期間における長期変化傾向を見ますと、気温