ブログ記事173件
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問2まず、850hPa面の気温と風、700hPa面の鉛直流の分布から前線解析をする基本的な留意点について述べておきたいと思います。着目する要素として、850hPa面では等温線の集中帯の南縁(暖気側の縁)と風のシアー、700hPa面では上昇流域を参考にしながら、上昇流域が途切れるところを前線の端して850hPa面の前線を解析します。このように解析した850hPa面の前線から地上前線を解析する際の留意
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識まず、今回の問題の表題である「フェーン現象」とは何かについて、簡単に触れておきたいと思います。フェーン現象とは、気流が山を越えることによって風下側の気温が上昇する現象のことをいいます、強風を伴って、湿度が低下して乾燥するため、火災が発生する原因になることがあります。また、フェーン現象には2種類あり、水蒸気の凝結によって降水が伴うもの、つまり空気塊が移動中、飽和した状態時に湿潤断熱減率に沿って温度が変化するもの
こんばんは。今回は台風について図9の20日17時、18時、19時、20時の地上実況図を用いた問題です。まずは、各時刻で観測された気圧の最低値を読み取ってみましょう。次回一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。26日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)数値予報モデルで表現可能な現象は、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍以上になります。例えば格子間隔が13kmの全球数値予報モデル(GSM)なら、表現可能なのは65km〜104km以上の現象であり、格子間隔が5kmのメソ数値予報モデル(MSM)なら、表現可能なのは25km〜40km以上の現象となります。下線部の「数値予報モデルで予測可能な現象の水平スケールの下限は、水平格子間隔が小さいほど小さくなる。」とは
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識今回は、「一般気象学」p177の図7.10、「東西風の南北鉛直分布」を見ながら考えてみます。(a)図によりますと、亜熱帯ジェット気流に対応する中緯度付近の強風軸は、南北両半球とも200hPa付近の高度に現れていることがわかります。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)次に12月〜2月と6月〜8月の図とを比較しながら考えてみます。北半球の亜熱帯ジェット気流の部分に着目しますと、12月〜2月では亜熱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2今回の実技試験2は2016年9月19日から20日にかけての日本付近における気象概況と予想についての事例ということで、本文を読みながら空欄に入る適切な語句または数値を考えてみます。(第一段落)まず、「地上天気図によると、九州の南西海上に(①)(②)台風XX号がある。台風の中心位置の確度は正確であり、その推定誤差は概ね(③)以下である。中心気圧は945hPa、中心付近の最大風速は(④)ノットで、
こんばんは。今回の一般知識は、経度方向に帯状平均した南北両半球の1月の月平均温どの緯度高度分布を示した図を用い他問題です。図中にA、B、Cの3つの点が示されていますが、この中で温度風の関係から高度が高くなるにつれて東風成分が増加する点はどれか、という内容です。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。14日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問1まず初めに、前線面とはどの部分を指すのかについて触れてみたいと思います。前線面とは、異なる気団が接する面のことをいいます。その前線面が地上に接しているところを前線とよんでいます。上に温暖前線面を例として簡単な模式図を描きましたが、左側の図の青い矢印でそれぞれ示しているところです。では、これを状態曲線(エマグラム)で見た場合、温暖前線面はどの部分にあたるかを示したのが右側の図になります。寒気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験2・問4(1)問題文の冒頭の後半に記されているただし書によりますと、㋐は本文の下の枠内から選んで解答。㋑と㋓は府県天気予報で用いられている時間細分で解答。㋒と㋔は風の強さを表す予報用語で解答。となっています。また、「なお、このときの台風情報の予想内容は図1の予想と同じであるものとする。」ということに留意しながら本文の空欄を埋めていきます。まず「鹿児島は21時の時点では、暴風域に(㋐)である。」とありま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1今回は図11のレーダーエコー合成図の、陸上における降水強度20mm/h以上のエコー域(以下「エコー域」)について、この付近の地上気圧と850hPa面の気温の特徴を述べよ、という問いについて考えてみます。(地上気圧)図9の地上実況図を用いて地上気圧の場に対してどうなっているのかということですが、問4で完成させた解答図がよりわかりやすいので、こちらに着目しますと、エコー域付近では、1000hPa、100
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(気象庁HP:各種申請・ご案内>報道発表資料>令和2年報道発表資料>東京レーダーで二重偏波気象レーダーの運用を開始しますより)気象庁の二重偏波ドップラーレーダーは、上図に示していますように、水平方向と垂直方向の2つの異なる振動面をもつ電波(水平偏波、垂直偏波)を送受信することで、従来型の水平偏波による単偏波の気象ドップラーレーダーよりも多くの情報が取得可能となったレーダーです。従来型は水平偏波
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問5まず、問5の冒頭部分で、「なお、エコー域は形状と強さを保ちながら一定の速さで東に進み、その東端は18時40分に御前崎に到達した。」とありますので、図11より御前崎と同じ緯度で西に延ばしたエコー域の東端との距離を求めます。図上での距離を測りますと25mm、一方で緯度1°の図上の距離は60mmであり、実際の距離では約111kmですので求める距離を計算しますと、25÷60≒0.42111×0.42
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>解析積雪深・解析降雪量、降雪短時間予報より)解析積雪深は、解析雨量や局地数値予報モデル(LFM)などの降水量、気温、日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算した後、アメダスの積雪計の観測値で補正することにより作成されます。積雪変質モデルでは、新たに積もる雪の量、とける雪の量、時間の経過により積雪が沈み込む深さ等を計算することで積雪の深さを求めます。(気象庁H
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識ある地点における相対渦度(ζ)の値を求める式は、ζ=(v4-v2)/2Δx-(u1-u3)/2Δyすなわち、相対渦度=(y方向の速度差/x方向の間隔)-(x方向の速度差/y方向の間隔)にそれぞれの数値を代入して渦度の値を求めて比較してみますと、A{(2-2)/2000}-{(5-5)/2000}=0{(5-5)/2000}-{(2-2)/2000}
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1まず初めに、今回の問題を解くにあたって、エマグラムの等飽和混合比線について、簡単に触れておきたいと思います。エマグラムにおいて、細く最も立っている実線がありますが、これは、ある混合比の値をもつ空気が高度(気圧)によって何℃で飽和するのかを示した線で「等飽和混合比線」とよんでいます。例えば図7で10g/kgの混合比を持つ空気があるとしますと、1000hPaでは14℃、900hPaでは12℃、800hPaでは約
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識はじめに、問題の文中にある、「温度風の関係」について、簡単に触れておきたいと思います。「一般気象学」p145の図6.4、「南北方向の温度傾度により東向き(西より)の地衡風速が高度とともに増大する模式図」を見ながら考えてみます。簡単のため、1000hPa面を水平であるとしますと、例えば対流圏では一般的に極側の方が赤道側よりも気温が低く、したがって、極側の方が空気密度が大きいため、等圧面は赤道側から極側に向かって低い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(三重大学・北海道大学・新潟大学2018「⽇本の異常気象が遠く南極に関係がある―北極振動と南極振動が⼀緒に変動していることを発⾒―」新潟大学HPより)問題文についてどういう状況なのか、わかりやすい図が新潟大学HPにあったので挙げてみました。図は北極振動についての説明図ですが、この北極振動とセットで学習するとわかりやすいかと思います。北極振動とは、北極域と中緯度域の気圧の平年差が逆符号となる