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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識まず、問題文の最後に「ただし、大気の密度はどこも同じで一定とする。」とあります。この問題においては、質量保存の法則、すなわち直方体に入ってくる空気の量と直方体から出ていく空気の量が等しい、ということと、実際に空気は地上から上空にかけて気圧が下降し、空気密度が小さくなっていきますが、ここでは考えなくてよいことを意味しています。問題を整理しますと、⭐︎直方体の南側と北側の面を通過する風はなく、西側と東側で
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識(a)気象業務法(気象測器等の保全)第37条何人も、正当な理由がないのに、気象庁若しくは第6条第1項若しくは第2項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者が屋外に設置する気象測器又は気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。)、津波、高潮、波浪若しくは洪水についての警報の標識を壊し、移し、その他これらの気象測器又は標識の効用を害する行為をしてはならない。(罰則)第4
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識今回の問題は、「地球大気の平均的な気温の高度分布」ということで、「一般気象学」p22の図2.1「温度の高度分布と大気層の区分」の図を見ながら考えてみます。(a)まず、中間圏における気温についてですが、図2.1によりますと、高度約50km付近の最下部である成層圏界面において気温が極大になっており、この高度から上がるにつれて気温が次第に低下していき、最上部の中間圏界面である高度約80km付近で極小
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。(気象庁HP:各種データ・資料>地球環境・気候>エルニーニョ/ラニーニャ現象より)では、本文の、エルニーニョ現象発生時におけるインドネシア近海から日付変更線付近にかけての太平洋
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず初めに、温度風についての概要を触れておきたいと思います。温度風とは、実際に吹いている風ではなく、「ある2つの等圧面における地衡風の差」のことであり、等圧面間の平均気温分布における等温線と平行になります。また温度風は下層側の地衡風のベクトルの先から上層側の地衡風のベクトルの先に向かう形で、北半球では、高温部を右側に見る温度風のベクトルとなります。これを踏まえて、今回の問題の模式図に基づいて解答へ導くた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識今回は、「気圧」と「コリオリパラメータ」について、質量、長さ、時間の形式で表したとき、a、b、cの部分はどう表現されるか、という問題です。まずは、気圧から見ていきたいと思います。【気圧】気圧、すなわち(大気の)圧力は、「単位面積(1㎡)あたりにかかる力」ですので、圧力=力/面積で表現されます。では次に、「面積」および「力」がさらにどう表現されるのか考えてみます。面積=長さ×長さで
こんばんは。今回の一般知識は、エルニーニョ現象とウォーカー循環についての問題です。問題の下の図ではダーウィンとタヒチの位置が示されていますが、エルニーニョ現象時に見られる傾向とウォーカー循環とな何かなどについて次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。18日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・一般知識今回の設問では、気温、気圧、相対湿度、さらに水蒸気の気体定数と与えられた気温における飽和水蒸気密度の値が与えられており、これらの値から、ある空気塊における乾燥空気の分圧を求める、というものです。まず、これらの値の中に、気温・気圧・水蒸気の気体定数があることから、問題文を読んだ時点で気体の状態方程式を使うのではないかということが見え透いてきます。気体の状態方程式とは、p=ρRTp:気圧(
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識まず初めに地球のアルベドと放射平衡温度について「一般気象学」p128の図5.17を見ながら簡単に触れておきたいと思います。地球に入射してきた太陽放射に一部は、雲、エーロゾル、大気によった反射され、また地表面に達した太陽放射の一部も地表面によって反射されて再び宇宙空間に戻っていることがわかります。このように地球に反射された放射量の入射してきた太陽放射量に対する比のことを「地球のアルベド」といい、概ね0.30として
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)問題の図を基にして答えを導き出すための図を描いてみました。点Aを通るように10℃の等温線と14℃の等温線の間に垂線を描きますと、交差角が30°とありますので、30°と60°の直角三角形が△ABCと△ADEの2つできることがわかります。ここで、高校数学で学習する三角比の知識が必要になるのですが、気象予報士試験では30°と60°の直角三角形ではAB:AC:BC=1:2:√3となることを理解できていれば十分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、大気における放射から、地球のエネルギー収支を基に地球大気の温室効果の原理について述べた文章の下線部(a)~(d)の正誤を判断する内容の問題です。早速、問題の冒頭の下に挙げられている4つの条件を念頭に、本文を読み進めてみることにします。「地球に大気がないときの、地表面が受け取る太陽放射量と放射平衡状態にある地表面温度の絶対温度をT0とする。」とあります。この大気のないときの放射平衡は上の図
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)本文の「地球大気において地球放射を最も多く吸収している気体」とは、温室効果ガスと考えられます。主な温室効果ガスとして、水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンが挙げられますが、温室効果への寄与率は、水蒸気が約50%、二酸化炭素が約30%、その他で約20%となっています。また、「一般気象学」p118の図5.10を見ますと、地球大気中において、長波放射は主に二酸化炭素分子と水蒸気分子によって吸収され
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識今回は、「一般気象学」p177の図7.10、「東西風の南北鉛直分布」を見ながら考えてみます。(a)図によりますと、亜熱帯ジェット気流に対応する中緯度付近の強風軸は、南北両半球とも200hPa付近の高度に現れていることがわかります。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)次に12月〜2月と6月〜8月の図とを比較しながら考えてみます。北半球の亜熱帯ジェット気流の部分に着目しますと、12月〜2月では亜熱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第43回試験・一般知識(a)まず、気塊の鉛直加速度の式が与えられていて、その下の段落では、「地表付近で温められた気塊が、気温が17℃の高度まで上昇し、そのときの気塊の温度が周囲の空気よりも6℃だけ高かったとすると、この高度における気塊の鉛直加速度は、」とあります。気塊の温度をT、周囲の空気の温度₸は絶対温度Kですので、・気塊の温度T=273+(17+6)=296(K)・周囲の空気の温度₸=273+17=290(K
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識気象業務法第17条第1項気象庁以外の者が気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水の予報の業務(以下「予報業務」という。)を行おうとする場合は、気象庁長官の許可を受けなければならない。第2項前項の許可は、予報業務の目的及び範囲を定めて行う。気象業務法施行規則第10条法第17条第1項の規定により予報業務の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した予報業務許可申請書を、気象庁長
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p171、図7.5「風の南北循環」を見ながら考えてみます。対流圏下層では南北の緯度30°付近から赤道付近に向かって吹く東よりの風があって、この風を「貿易風」とよんでいます。またこの南北の貿易風が収束する領域のことを「熱帯収束帯」とよんでいます。この付近では、暖湿な空気が収束するため対流活動が活発で、熱帯収束帯で上昇した空気は対流圏界面で南北それぞれ発散して南北の緯度20°〜30
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識まず初めに、「地衡風」の概要から触れておきたいと思います。地衡風とは、気圧傾度力とコリオリ力が釣り合っているときに吹く風のことをいいます。北半球では風は右に曲げられ等圧線に平行となる形で吹きます。気圧傾度力をPn、コリオリ力をf、風速をvとしますと、すなわち、Pn=fv…(1)と表わされます。さらにコリオリ力fは、コリオリパラメータ×風速で表されます。地球の自転角速度をΩ、緯度をφと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・一般知識(a)(第25回試験・一般知識・問8より)本文の内容の詳細として類似問題を挙げてみました。(a)の「増加」は誤りで、「減少」に直しますと(類似問題の正解は④)、本文についての詳細な説明になります。もう少し付け加えますと、第25回試験の模式図において、Aの状態からCの状態になったときに、暖気が上昇して寒気が下降することにより空気全体の重心が少し下がることになります。このことは空気全体が少しだ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識(a)(図地球システムにおけるエネルギー変化量地球の気候システムの各構成要素が蓄積したエネルギー量。(IPCC,2013のBox3.1のFigure1を引用)気象庁HP気候と海洋の知識>海洋への熱の蓄積について)より地球表面の7割を占める海洋は、大気に比べて熱容量が大きいため大量の熱を蓄積しており、大気との熱のやり取りを通して様々な時間・空間スケールで気候に大きな影響を与えます。図によ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)本文の前半の「暖かい雨」とは主に熱帯地方でよく降る雨なんですが、この「暖かい」とはどういうことかといいますと「雲の中に氷晶を含まない」という意味を持っています。すべての高度で温度が0℃以上で氷晶を含んでいない雲は「暖かい雲」と呼ばれています。湿った空気塊が上昇しますとその空気塊は断熱膨張するため温度が下がって相対湿度が上昇します。やがて相対湿度が飽和に達し、またはわずかに過飽和の状態に達したとき、その空気塊に凝
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識(a)今回の問題は、「地表面付近の未飽和の水蒸気を含む空気塊」とあることから、湿潤空気塊を持ち上げたときの温位および水蒸気の混合比の変化を考えるわけですが、その前に乾燥空気塊を地表面から持ち上げる際の温位の変化を「一般気象学」p72図3.14「自由対流高度の説明図」を見ながら考えてみます。乾燥空気塊を断熱的に持ち上げるときは水蒸気の凝結は考えなくていいわけですから飽和に達することもありません。すなわち、空
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識(a)【気象業務法】(予報業務の許可)第17条第1項気象庁以外の者が気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水の予報の業務(以下「予報業務」という。)を行おうとする場合は、気象庁長官の許可を受けなければならない。第2項前項の許可は、予報業務の目的及び範囲を定めて行う。(変更認可)第19条第1項第17条第1項の規定により許可を受けた者が同条第2項の予報業務の目的又は範囲を変更しよう
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験。一般知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤について考えてみます。まず、「傾度風平衡にあるこの低気圧においては(a)気圧傾度力がコリオリ力と遠心力の和と釣り合っている。」とあります。問題の図は低気圧の例ですが、等圧線が円形をなしている場合には風はどのような風が吹くかを考えてみますと、下の図で中心ほど周囲より気圧が低くなっている低気圧と、気圧が高くなっている高気圧の2通りがあり、風は等圧線に対して平行に吹くのです
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。ジェット気流は狭い範囲に集中してほぼ水平に吹く強風のことをいいます。特に、主として対流圏界面において存在するジェット気流に、「亜熱帯ジェット気流」と「寒帯前線ジェット気流」があります。(a)亜熱帯高圧帯では、赤道付近で空気が上昇し、北緯30°付近で下降する、ハドレー循環という、子午面循環が存在します。これだけですと、上昇した空気は北向きの流れになるはずですが、コリオリ力の影響で、北半球の場合、直角右向きに向きを変え、本文の通り、
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(a)春分の日あるいは秋分の日もそうなんですが、自分がいる地点に対して、太陽は真東から昇って真西に沈む日の正午のときの太陽高度(南中高度)は90°-緯度で表わすことができます。地点Xでは緯度が60°ですから90°-60°=30°地点Yでは緯度が0°ですから90°-0°=90°となります。そうなりますと、両地点を比較して直達日射量、すなわち入射してくる太陽光の放射強度にも違いが出てくるはずです。そこで簡単な
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。はじめに、図の凡例に着目しますと、細い実線は乾燥断熱線、点線が湿潤断熱線であることに注意します。その上で大気の静的安定度について確認してみることにします。「一般気象学」のp71にも載っていますが、簡単な図にしてみました。エマグラムを学習されている方はすぐにお分かりかと思いますが、傾きが大きい(寝ている)方が乾燥断熱線、傾きが小さい(立っている)方が湿潤断熱線です。実はこの知識だけで選択肢は絞られてしまいます。したがって
こんばんは。早速ですが、考えた見たいと思います。この問題は、図の大気の鉛直流の高度分布から、①~⑤の各高度の中で、水平方向の収束している高度はどこかという問題です。第26回試験・一般・問5、第29回試験・一般・問4、など大気中の立方体を考えて、空気の収束・発散を考える問題が何回も出題されていますが、その立方体の空気の出入りをイメージできるか、すなわち、質量保存の法則の知識が問われています。質量保存の法則とは、ある高度に大気中の立方体を置いて、その6面を出入りする空気を考え
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)ある波長における、ここでは太陽放射における波長ごとのエネルギーの強度分布のことを「スペクトル」といいます。一般気象学p117の図5.9を見ながら考えてみますと、太陽放射エネルギーの約半分は0.38μm〜0.77μmの可視光線域に含まれているのは正しいのですが、太陽放射エネルギーのスペクトルのピークは約0.5μm付近にあり可視光線域にあることがわかります。したがって、「紫外線域」とする本文の内容は誤りという
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識まず、地衡風について、簡単に触れておきたいと思います。地衡風とは、水平気圧傾度力とコリオリ力が釣り合っている時に等圧線に平行に吹く風の吹くことをいいます。北半球では気圧の低い方を左に見て、南半球ではコリオリ力向きが北半球とは逆ですので、気圧の低い方を右に見て吹きます。コリオリパラメータ(f)はφを緯度としますと2Ωsinφ、風速をvとしますと、コリオリ力は2Ωsinφ・v=fv一方の水平気圧傾度力(Pn
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識(a)「一般気象学」p117の図5.9「太陽が真上にあるとき、大気の上端と地表面で観測された太陽放射のスペクトルグラム」を見ながら考えてみます。これによりますと、太陽放射スペクトルは0.5μm付近の可視光線の波長帯で極大になっていることがわかりますが一方、0.77μmより長い赤外線波長領域において、CO2で示された二酸化炭素の強い吸収帯が3つあることがわかります。したがって、本文では二酸化炭素の大気中濃度の増