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こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図において、「破線は等温位面」であることに着目します。対流圏における一般的な温位の鉛直分布は高度につれて高くなります。もしも、上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、もしくは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位が高度とともに低くなる気層の場合、その気層は不安定(対流不安定)な気層となります。すなわち、この問題の冒頭に「安定」とある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識初めに、図の夏のモンスーン期(6月〜9月)の200hPa及び850hPaの流線関数の平年値の読み方から簡単に触れておきますと、各図の下の凡例に着目しますと、青色が濃くなるほど負の値で反時計回りの流れ、北半球では低気圧性循環(南半球では高気圧性循環)が強くなり、逆に赤色が濃くなるほど正の値で時計回りの流れ、北半球では高気圧制循環(南半球では低気圧性循環)が強くなることを示しています。(a)これを踏まえてチベット
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず、気象衛星赤外画像および水蒸気画像の特徴について簡単に触れておきたいと思います。赤外画像は、地表面、海水面、雲から放射された赤外線、すなわち地球放射をとらえて画像化しています。一般知識で学習した「ステファン・ボルツマンの法則」では、ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度で決まる、ということでした。気象衛星はこれを利用して放射量を測定し物体の絶対温度(輝度温度)を求めます。しかし雲は完
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4(2)今回は、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲で、相当温位のの極値が東西に延びている」とあり、この極値と湿数の関係について述べよ、という問題になります。まず、問題文の通り、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲」を青の線で囲ってみました。この囲った範囲における相当温位の極値とは、例えば、東経130.2°付近では
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1(気象庁HP:知識・解説>防災気象情報と警戒レベルとの対応についてより)上図は段階的に発表される防災気象情報と対応する行動についてまとめた図になっています。この図と図14とを見ながら問題を考えてみます。まず志摩市から見ますと、市の全域が黄色で示されており、キキクルでは注意【警戒レベル2相当】となっています。これに対応する警報・注意報は「大雨警報に切り替える可能性が高い注意報」ということで下枠からエ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験。一般知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤について考えてみます。まず、「傾度風平衡にあるこの低気圧においては(a)気圧傾度力がコリオリ力と遠心力の和と釣り合っている。」とあります。問題の図は低気圧の例ですが、等圧線が円形をなしている場合には風はどのような風が吹くかを考えてみますと、下の図で中心ほど周囲より気圧が低くなっている低気圧と、気圧が高くなっている高気圧の2通りがあり、風は等圧線に対して平行に吹くのです
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識(a)ある空気塊があって、その空気塊の高度を上下させたときの温度を考えます。空気塊は断熱的に上昇させますと、気圧が下がって断熱膨張することによって気温が下降しますし、断熱的に下降させますと気圧が上がり断熱圧縮することによって気温が上昇します。すなわち気圧の変化によって空気塊の温度も変化してしまうことを意味しています。(受験時代のノートより)天気の移り変わりを考える上でこのままですと不便なこと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p171、図7.5「風の南北循環」を見ながら考えてみます。対流圏下層では南北の緯度30°付近から赤道付近に向かって吹く東よりの風があって、この風を「貿易風」とよんでいます。またこの南北の貿易風が収束する領域のことを「熱帯収束帯」とよんでいます。この付近では、暖湿な空気が収束するため対流活動が活発で、熱帯収束帯で上昇した空気は対流圏界面で南北それぞれ発散して南北の緯度20°〜30
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)冬にシベリア付近に現れるシベリア高気圧は、ユーラシア大陸北部において主として放射冷却によって形成される対流圏の下層1000〜2000m程度の背の低い寒冷な空気で満たされた高気圧です。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)冬型の気圧配置が強まったときに、日本海上に北西季節風が収束して、積雲や積乱雲から構成される帯状の雲域となって現れる収束帯のことを、「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3(6)今回の設問は、問3(6)④で求めた表面雨量指数に基づき、実況で示された現象が事前に予想されたとし、発表される可能性が最も大きいのは、表1の危険度分布基準のいずれであるかを解答するというものです。問3(6)④では、求めた表面雨量指数が22.2でした。そこで表1のいちばん右の「表面雨量指数基準値」に着目しますと、危険度分布基準のうち、基準Ⅱ(警戒)の基準において、その基準値22をわずかに上回っていることが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験1・問4(5)前回の問題では、鹿児島における温暖前線の通過時刻とその時刻に通過したと判断される理由を考えましたが、今回は寒冷前線が通過した時刻およびその時刻に通過したと判断される理由を考える問題になります。前問では、鹿児島において温暖前線が通過した時刻は21時0分で、理由については風と気温に着目して、風が急激に強まり、気温の急上昇が収まったため、ということでした。(問2(5)解答例:10日21時予
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3今回は、初期時刻(27日21時)において、図9、図10を用い、図1の日本海の低気圧付近の700hPa鉛直流について、前線付近及び、本州付近の地形の影響による各特徴をまとめて45字程度で述べよ、という設問です。以前、問2(2)②の設問において解析した、日本海の低気圧に伴う850hPaの寒冷前線と温暖前線を図9に重ね合わせてみました。重ね合わせてみますと、温暖前線付近では、風のデータと図10よ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)まず、「一般気象学」p254、図9.4「中層大気のラグランジュ的子午面循環の模式図」を見ながら考えてみます。オゾンは、大気中にある酸素分子が、太陽光線に含まれる紫外線を吸収して光解離を起こし、再び酸素分子と酸素原子が結合することによって生成されます。このため太陽光線が垂直に近い方向から入射する低緯度帯の成層圏内で多く生成されます。特に図の高度20km付近までの下部成層圏では、低緯度から中・高緯度に向かう流
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問2今回は、図7および図8(下)を参考に24時間後に日本の東に予想されている低気圧に伴う地上の前線を解答図の枠線まで延びているものとし、前線記号を付して記入せよ、という内容で考えてみます。まず、図8の850hPa面の気温と風、700hPa面の鉛直流の分布から前線解析で着目する要素として、等温線の集中帯の南縁(暖気側の縁)と風のシアー、および上昇流域を参考にします。次に、地上低気圧が閉塞している段階
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p251の図9.1「1月における経度平均温度の緯度高度分布」を見ながら考えてみます。これによりますと、本文にあります通り、経度方向に平均気温が最も低い領域が赤道付近の高度15km(10km〜20km)付近、すなわち赤道付近の上部対流圏から下部成層圏に見られることがわかります。これは、低緯度において対流活動が活発でハドレー循環の上昇流域にあたり、対流圏界面の高度が15~17km付近と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、北半球の偏西風帯におけるジェット気流について、亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流の2種類のジェット気流の特徴や前線帯との対応などに関する問題です。早速、(a)から見ていきます。(a)まず初めは、ジェット気流の風速が下流ほど強くなっている領域、すなわち、ジェット気流が加速している領域と、ジェット気流の風速が下流ほど弱くなっている領域、すなわち、ジェット気流の風速が風下ほど減速している領
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識図にありますように、雲の中にある雲粒は凝結過程が進んできますと、大きさ(重さ)の違いから、雲粒どうしの落下速度も違いが生じてきます。このため雲粒どうしが衝突し、併合が起こりやすくなってきて短時間のうちに水滴が降水粒子となる大きさまでに成長します。この過程のことを「併合過程」とよんでいます。この併合過程により水滴の半径は時間とともに加速度的に成長していくことになります。(a)「大きな水滴の質量の単位時間あたりの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技1・問2(4)(気象業務支援センター解答例)今回の問題文を一気に読んでしまいますと論点がわかりにくいですので、3つに分けて考えてみます。(a)8日21時に時点で、局地解析によると関東地方には①で描いたようなシアーラインが解析され、(b)総観スケールでは(2)で描いた850hPaの前線に対応する地上の温暖前線が本州を通過している。(c)②のシアーラインの特徴を踏まえて、このシアーラインと地上の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1今回は、本文を読みながら空欄に入る適切な語句を考えてみます。(第1段落)まず、「図1によると、日本海中部には前線を伴って発達中の1000hPaの低気圧があり、(①)ノットの速さで東北東に進んでいる。この低気圧に対して(②)警報が発表されており、低気圧中心の南西側1100海里以内と北東側900海里以内では、最大で(③)ノットの風が吹いている。」とあります。ここまでの文では、日本海中部にある前
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技1・問2まず初めは、勝浦における地上の温暖前線の通過時刻から考えてみます。前問の前線解析でもわかります通り、一般的に前線とは寒気と暖気の境界を意味していますので、ある地点に前線が通過しますと、気温や風といった気象要素に何らかの変化が起きると考えられます。今回の問題は温暖前線の通過ですので、ある地点で温暖前線が通過しますと、風が北よりから南よりに変わり、気温は暖気側に入るために急激な上昇が認められることが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問1今回は、15日21時を対象時刻とする500hPa気温、700hPa湿数12時間予想図を用いて、15日21時の地上天気図の台風中心から200km以内の、500hPa面の気温分布の特徴、および700hPa面の乾湿の分布の特徴をそれぞれ述べよ、ということで考えてみます。上図は地上の台風中心を図1から写し、半径200kmの円で囲ったものです。半径200kmは、緯度10°を1100kmとし、図上の緯度
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)以前、第62回試験・一般知識・問8(a)のところで、対流圏下層では南北の緯度30°付近から赤道付近に向かって吹く東よりの風があって、この風を「貿易風」とよんでおり、またこの南北の貿易風が収束する領域のことを「熱帯収束帯」とよんでいることについて述べました。また、暖湿な空気が収束するため対流活動が活発で、熱帯収束帯で上昇した空気は対流圏界面で南北それぞれ発散して南北の緯度20°〜30°付近の「亜熱帯高
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識初めに問題に入る前に、混合比、温位、相当温位について触れておきたいと思います。まず、混合比は混合比(q)=水蒸気の質量/乾燥空気の質量で表されます。これを湿潤空気の気圧(p)、水蒸気圧(e)、乾燥空気の分圧(p-e)で表す場合の混合比(q)は、q=0.622×(e/p-e)ふつうe/pは0.04を越えることはなく、つまり水蒸気圧は湿潤空気の気圧より2桁小さく、分母のeは省略することができ、q=0.
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識(a)まず、「プランクの法則」ですが「一般気象学」p111の図5.6「3つの違った温度の黒体からの放射」に着目しますと、図では温度が300K、250K、200Kである黒体からの放射量を電磁波別に示されています。この3つのグラフから2点わかることは、右の200K、真ん中の250K、左の300Kと温度が上昇するにつれて放射強度が強くなっていること。もう一つは、黒体の温度が上昇するにつれて短い波長の電磁波を強く放射
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技1・問1(2)今回は、初期時刻の10日9時の前3時間、つまり、10日6時~9時の3時間の間において、東シナ海の地上低気圧が盛衰せず、その周辺の気圧分布も問1(1)①②、つまり東北東へ10ノット移動していると仮定したときに名瀬における10日6時から9時までの気圧変化量を求めよ、という問題です。まず、東シナ海の地上低気圧およびその周辺の気圧分布が、問1(1)の①②の解答より、東南東へ10ノット進んでいる
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)まず、台風等を要因とする特別警報の指標(発表条件)についてですが、台風では指標(発表条件)の中心気圧または最大風速を保ったまま、中心が接近・通過すると予想される地域(予報円がかかる地域)における暴風・波浪・高潮の警報を特別警報として発表されます。また温帯低気圧では指標(発表条件)の最大風速と同程度の風速が予想される地域における、暴風(雪を伴う場合は暴風雪)・波浪・高潮の警報を特別警報として発表されます。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識水防法(国の機関が行う洪水予報等)第10条第1項気象庁長官は、気象等の状況により洪水、津波又は高潮のおそれがあると認められるときは、その状況を国土交通大臣及び関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(以下「報道機関」という。)の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。第2項国土交通大臣は、二以上の都府県の区域にわたる河川その他の流域面積が大
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(小倉義光「一般気象学第2版補訂版」2016東京大学出版会p69図3.11を基に作成)まず、温度T(問題文ではT0)未飽和の空気の混合比が飽和して飽和混合比とイコールになるということは、図にありますようにある地点の気温Tと同じ気圧pのときの等飽和混合比線との交点T1の温度、つまり「露点温度」ということであり、この部分で誤りということになります。一方で「湿球を通過した空気」とあります
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3(5)今回は、図11のGSMガイダンス(上)と、MSMガイダンス(下)とを比較して、降水量が多い場所の違いとその要因を、「MSMガイダンスは、」という主語に続けて述べよ、という問題ですが、まず始めに専門知識で学習するGSM(全球モデル)とMSM(メソモデル)の概要について復習してみることにします。(気象庁HP:数値予報>数値予報モデルの種類より)全球モデルは、予報領域が地球全体であり、水
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2今回の問題は、図10の「内之浦を通る東西鉛直断面の相当温位・風・湿数」の12時間および24時間の各予想図について、内之浦のすぐ西の東経131°における大気の鉛直構造において、950hPaから700hPaまでの間で温度移流が弱いのは30日9時・30日21時のどちらかという内容です。まず、わかりやすくするため、問題文の内容を基に、950hPaと700hPaを青い線、東経131°を赤い線で引いてみました。