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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問1(気象衛星画像)今回の問題では、図1と図2の縮尺が同じであることから、図1の台風中心の位置及び台風中心から概ね400kmの範囲を図2に重ねてみました。一般的に発達中の台風では台風の中心付近に眼があって発達した対流雲の雲域は中心に対してほぼ円対称となる特徴が見られます。一方、前問の(2)②でも触れましたが、台風に伴う発達した対流雲の雲域は台風中心の北から東側にかけて広がっており、対称性がないことがわかり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問1①(12時間後)まず、図6(上)を用いて、間隔が最も狭いところを探してみますと、朝鮮半島の東から九州付近で狭くなっており、図上で21mmと計測されます。緯度10°=図上39mmとし、緯度10°=600海里=1111(km)としますと、図上の距離から21÷39≒0.54求める実際の距離は100km刻みの指示ですので、0.54×1111=599.94≒600(km)となります。なお、気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3今回も、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句、あるいは数値を考えてみます。まず、「13時のレーダーエコーによると、西郷付近に楕円形の渦Aが見られ、西郷の西約(①)kmにも渦Bが見られる。」とあります。13時の図において、渦Aの中心付近と見られる西郷の位置から、その西にある渦Bの中心との図上の距離を測りますと42mm、一方の緯度1°の図上の距離は23mmとなりますので、42÷23
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問1(2)まず、地点B付近の6℃と15℃の等温線の間の水平距離を求めてみます。風向は南南西ですので、それに合わせて定規で測りますと図上で6mm、実際の距離を求める目安として、緯度10°=40mm=600海里ですので、6÷40=0.150.15×600=90(海里)つまり、水平距離が90海里で9℃の温度差があるということですから、1海里につき0.1℃の温度差となり、あとは風速30ノットでかけると、1時間あた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識(a)今回は、本文を読みながら考えてみます。まず、「北半球の緯度30°の地点Aと緯度45°の地点Bにおいて、1000hPa等圧面上で風速5m/sの南風が吹いている。」とあります。ここまでの状況を図にしますと、上図のようになります。地衡風の原理から考えますと、1000hPa面で南風が吹いているということは、西側で1000hPa面高度が低く、東側で1000hPa面高度が高い、東西方向に1000hP
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識まず、500hPa高度及び850hPa相当温位のアンサンブル平均図において、120時間後、144時間後、168時間後の順序を求めてみます。(500hPa高度)トラフとリッジ、網掛けで示された正渦度域に着目します。まずBにおいて日本の東にあるトラフと正渦度域を追跡しますと等高度線も混んでいて、これを基準に考えるとわかりやすそうです。AのトラフはBのトラフよりも東に移動しており、Cではさらに東に移動している
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1まず、図6(右下)で予想されている前12時間降水量の見方を学習しましょう。図中に示されている破線は予想時刻前12時間降水量を表しています。最も外側の破線が0mmを示し、10mmごとに破線が引かれ、最大は50mm、それ以上は表示されず、+印とともに極値が示されることがあります。これを踏まえて12時間後に予想される台風中心から見て降水強度が最も強い50mm/12hの範囲の分布を見ますと、台風中心の西に+144mm
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1・問5まず、問題文では、「積乱雲に伴う雨以外の大気現象」とあり、さらに「エコー域付近の大気の成層状態は図7の状態曲線と風の鉛直分布と同じとする。」とあります。すなわち、問3(1)の問題を振り返りますと、成層状態は館野の観測と同じとし、中立浮力高度=雲頂高度と考えて雲頂が450hPa、温度が-24℃に達するほどの積乱雲に伴う大気現象を挙げればよく、したがって解答は、雷、突風(竜巻、ダウンバースト、ガストフロント
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識今回は「一般気象学」p69図3.11「エマグラム上で、熱力学のいろいろな量の間の関係」に基づいて作成した模式図を見ながら初めに湿潤空気に含まれる水蒸気量を表す方法について考えていきます。(a)まず、「混合比(w)」とは、ある湿潤空気に含まれている水蒸気と乾燥空気の質量比のことをいいます。前々回の一般知識・問2では気圧と水蒸気圧を用いた表現でしたが、質量で表現する場合の混合比(w
こんばんは。今回は、24時間後の地上低気圧に伴う強風の範囲n12時間後からの変化について、それをもたらした気圧分布の変化にも言及して述べよ、という問題です。台風が温帯低気圧化したときに強風の範囲がどう変化するかについての問題は過去にも類似した内容が出題されています。気圧の分布がどう変化して、それによって強風の範囲がどうなるのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問3(3)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問1「8日21時には、200hPa〜300hPa付近を流れるジェット気流が朝鮮半島から千島近海にかけて解析されている。」ということで、これが図2の気象衛星赤外画像でどのような形で表れているのか見てみますと、九州南部の台風に伴う雲域があって、その北側にある主に巻雲で構成される細長い筋状の上層雲朝鮮半島北部から沿海州まで延びており、そこから千島近海にかけては不明瞭にはなりますが、ジェット気流の存在を示唆する雲が認めら
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識(a)初めに、図の領域Aについて一般気象学p175、図7.8「年平均で見た降雨量と海面・地表面からの蒸発量とその両者の差の緯度分布」を見ながら考えてみます。この領域Aは赤道を挟んで南緯10°〜北緯10°の範囲表しており、概ね蒸発量よりも降雨量の方が多い領域と一致しています。これは北東貿易風と南東貿易風が収束し、強い上昇気流が発生する場所であるためで、熱帯収束帯とよんでいます。したがって、本文の内容は誤り
こんばんは。今回は図13を用いて、シアーライン周辺の気象状況について説明した文の空欄に穴埋めをする内容の問題です。図13(上)の相当温位と風、図13(下)の湿数と鉛直流の各図をどう読み取るのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問4※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。13日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問1(2)今回は、図2の雲の分布から推定される上層トラフの位置を推定せよ、という問題です。問1(1)の本文中では、「この台風は今後24時間以内に温帯低気圧に変わる見込み」とあり、初期時刻の図1では、地上の前線はまだ解析されておらず、台風の構造が維持されているように見えます。一方、同じ初期時刻の図2を見ますと、台風に伴う発達した対流雲の雲域は維持されていながらも眼は不明瞭であり、また台風中心から見て北から東
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識(a)大気上端に入射する太陽放射の全エネルギーの組成のうち、可視光線は約46.6%、赤外線は約46.6%、紫外線は約7%で、その他X線などが微量という構成になっています。したがって、本文の通り可視光線域の放射エネルギーと、赤外線域の放射エネルギーが同程度含まれていますので、本文の内容は正しいとなります。(b)「一般気象学」p109図5.5、「いろいろの月日および緯度において、大気の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1「一般気象学」p71の図3.13、「湿潤大気の静的安定性」の図を見ながら逆転層とは何かを考えます。気温減率が湿潤断熱線よりも小さい場合は安定であるということができ、このような部分が見られる気層のことを「安定層」とよんでいるわけですが、中でも特に高度が上がるにつれて気温が高くなる気温の逆転が見られるケースがあり、このような気層を「逆転層」とよんでいます。これを踏まえて、図4の名瀬の状態曲線(エマグラム)から、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2①12時間後の図4(下)および24時間後の図5(下)の地上予想図を見ますと、12時間後では、収束帯(赤い線)は朝鮮半島東部から北陸地方西部まで延びていますが、24時間後になりますと、日本海西部から山陰地方に延びており、収束帯は西に移動する予想であることがわかります。したがって、移動方向は4方位で、西となります。②図5(下)において、24時間後では、収束帯は山陰地方の島根県付近の海岸線と交わっており、これを
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識まず、問題に入る前に混合比と水蒸気圧と相対湿度について簡単に触れておきたいと思います。はじめに混合比は式で表しますと、混合比(w)=水蒸気の質量/乾燥空気の質量で表されます。これを湿潤空気の気圧(p)、水蒸気圧(e)、乾燥空気の分圧(p-e)で表す場合の混合比(w)は、w=0.622×(e/p-e)ふつうe/pは0.04を越えることはなく、つまり水蒸気圧は湿潤空気の気圧より2桁小さく、分母のeは省略
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)本文にあります通り、梅雨前線を維持している水蒸気輸送には、一方では、インド洋からチベット高原の南側を流れる湿った南西風(インドモンスーン)が梅雨前線に流れ込んでおり、もう一方では、太平洋高気圧の縁辺の沿って湿った南風が梅雨前線に流れ込んでいます。これら2つの湿った空気の流れで、大量の水蒸気が輸送されることにより梅雨前線が維持されています。したがって、本文の内容は正しいとなります。(b)相当温位と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3まず、表の①〜⑥を明らかにするために図を描いてみます。ここで問題文の最後に、「ただし、風は傾度風であるものとする。」という文言がありますが、これは換言しますと、「摩擦力は考えなくてよい。」とも解釈されますので、円形等圧線に沿う形で風が反時計回りに吹いているものと考えよい、ということになります。(北西側)①④渦が地点Xの北西側にあるときは、地点Xの風向は南西となり、南風成分は①正、西風成分は④正
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問2まず、状態曲線(エマグラム)のある気層において、問題文の「大気の成層状態」について問われた場合ですが、エマグラムには、乾燥断熱線、湿潤断熱線、等飽和混合比線が引かれています。このうち、乾燥断熱線の傾きと湿潤断熱線の傾きに対して、ある気層の温度減率の傾きがどんな傾きを示しているかを見ることによって、「絶対安定」、「絶対不安定」、「条件付き不安定」を判断します。そこで一般知識の大気の熱力学の復習、「一般
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)気象業務法施行規則(予報業務の許可の申請)第10条第1項法第17条第1項の規定により予報業務の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した予報業務許可申請書を、気象庁長官に提出しなければならない。第2項前項の申請書には、次に掲げる書類(地震動、火山現象及び津波の予報の業務に係る申請にあつては、第二号に掲げる書類を除く。)を添付しなければならない。第2号事業所ごとに置
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識(a)国際標準大気とは「一般気象学」p46の表にありますように、地球大気の圧力、温度、密度、および重力の加速度が高度によってどのように変化するかを表したモデルのことをいいます。これによりますと、対流圏における気温減率は6.5℃/km、すなわち高度が1km増すごとに、気温が6.5℃ずつ低下していることになります。一方、ここからは、大気の熱力学で詳しく学習する内容になりますが、温位とは何かといいますと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識今回は、本文を読みながら(a)(b)(c)に当てはまる語句を考えてみます。(a)まず「北半球の成層圏では、寒候期には極夜渦と呼ばれる北極付近を中心とした循環が存在し、中高緯度では(a)が卓越している。」とあります。「一般気象学」p259、図9.10「5hPa(高度約35〜37km)天気図n見る成層圏の四季の移り変り」を見ながら考えてみます。左側は典型的な夏型の気圧配置と気温分布、右側は冬型でアリューシャン
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問1(2)まず、③の問題の結果を基に、九州付近の低気圧が、初期時刻から12時間後、および12時間後から24時間後の移動方向と速さについて、図1、図4(下)、図5(下)より、図にしてみました。この結果、移動方向について、初期時刻から12時間後は東北東、12時間後から24時間後については北東に変化していることがわかります。一方、速さは、12時間あたりに進む距離が、初期時刻から12時間後よりも12時間後から24時間
こんばんは。今回は、図12の斐川及び松江の2地点における風・気温の時系列図を用いた問題です。図12とこれまでの知見に基づいて、シアーラインがそれぞれ何時何分に通過したと判断されるか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1・問4(2)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。9日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)「一般気象学」p238、図8.32の「鉛直断面内における大西洋西部のハリケーンの動径速度分布の平均」を見ながら考えてみます。先日の第63回試験・一般知識・問9(b)において、「動径速度は高度950hPa付近で最大、つまり大気境界層の中で最大になっていることがわかります。これは地表面摩擦により、風が等圧線を横切り、中心に向かって吹くことによるものです。」と述べました。この中心へ向かう風の流れによ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(気象庁HP:知識・解説>海上警報・予報より)(a)熱帯の海上で発生する低気圧を熱帯低気圧とよんでいます。この熱帯低気圧に対して海上強風警報が発表された場合を考えてみます。上にあります海上警報の種類を見ますと、海上強風警報は現在あるいは24時間以内に最大風速が34ノット以上48ノット未満になると予想される場合に発表されることになります。一方、台風は中心付近の最大風速が34ノット以上の熱帯
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・実技試験1今回は本文を読みながら空欄に当てはまる語句または数値を考えてみます。(第一段落)まず、図1によると、九州南部には中心気圧988hPaの(①)台風第AA号があって(②)ノットの速さで(③)に進んでいる。この台風は今後24時間以内に温帯低気圧に変わる見込みで、最大風速は今後24時間以内に(④)ノットに達すると予想され、(⑤)警報が発表されている。一方、関東の東にも中心気圧980hPaの台風第BB号がある。とあり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第64回試験・一般知識まず初めに、三角比について復習しておきたいと思います。直角三角形ABCがあるとします。点Aにおける角度がαであるとき、横辺ACの長さ/斜辺ABの長さという比の値のことをcosα(コサインα)といいます。同様に、縦辺BCの長さ/斜辺ABの長さという比の値のことをsinα(サインα)、縦辺BCの長さ/横辺ACの長さという比の値のことをtanα(タンジェントα)とい