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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2まず初めは、新潟付近に見られる閉じた等温線の値を答えよ、ということで読み取ってみます。850hPa面の等温線は3℃ごとに引かれています。大東諸島付近に12℃、朝鮮半島の東岸付近に-6℃で極側ほど気温が低くなっていますのでこれらの数値を参考に、3℃ごとに気温を追っていけばOKです。四国から北陸で屈曲して東海地方に延びている等温線は9℃ですが、新潟付近では、6℃と9℃の等温線の間に独立して閉じた等温線
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問2今回は、解答用紙の図に予め27日9時に北海道の北から日本海北部にある前線の28日9時の予想位置が記入されており、これにならって27日9時に日本海中部にある低気圧に伴う前線の28日9時の予想位置を前線記号を付して記入せよ、という作図の問題を考えてます。まず、問題となっている前線を伴っている日本海中部の低気圧の動きから見ていきます。初期時刻の図1では、この低気圧は30ノットの速さで東北東に進
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)今回は、本文を読みながら、空欄部分を考えてみます。まず、「ジェット気流うのうち、高緯度側に位置し、(a)hPa高度付近に中心を持つものが寒帯前線ジェット気流である。」とあります。(C.DonaldAhrens著古川武彦監訳椎野純一・伊藤朋之訳『最新気象百科』丸善2008p277図10.9を基に作成)図1の高度に着目しますと、高度が低いところで北極付近および沿海州、サハリン、オホー
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)数値予報モデルで表現可能な現象は、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍以上になります。例えば格子間隔が13kmの全球数値予報モデル(GSM)なら、表現可能なのは65km〜104km以上の現象であり、格子間隔が5kmのメソ数値予報モデル(MSM)なら、表現可能なのは25km〜40km以上の現象となります。下線部の「数値予報モデルで予測可能な現象の水平スケールの下限は、水平格子間隔が小さいほど小さくなる。」とは
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図において、「破線は等温位面」であることに着目します。対流圏における一般的な温位の鉛直分布は高度につれて高くなります。もしも、上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、もしくは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位が高度とともに低くなる気層の場合、その気層は不安定(対流不安定)な気層となります。すなわち、この問題の冒頭に「安定」とある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1(第1段落)図1(地上天気図)の日本海にある中心気圧986hPaの低気圧について図の下の方に英文情報がかかれていますので読み取ってみましょう。発達中の低気圧中心気圧986hPa中心位置北緯37°東経133°移動方向東北東移動速度35ノット今後12時間以内に低気圧の南東900海里の半円内と、その他(北西)300海里の半円内では、風速が30ノットから50ノットに達する見込み。と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験。一般知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤について考えてみます。まず、「傾度風平衡にあるこの低気圧においては(a)気圧傾度力がコリオリ力と遠心力の和と釣り合っている。」とあります。問題の図は低気圧の例ですが、等圧線が円形をなしている場合には風はどのような風が吹くかを考えてみますと、下の図で中心ほど周囲より気圧が低くなっている低気圧と、気圧が高くなっている高気圧の2通りがあり、風は等圧線に対して平行に吹くのです
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技1・問2まず初めは、勝浦における地上の温暖前線の通過時刻から考えてみます。前問の前線解析でもわかります通り、一般的に前線とは寒気と暖気の境界を意味していますので、ある地点に前線が通過しますと、気温や風といった気象要素に何らかの変化が起きると考えられます。今回の問題は温暖前線の通過ですので、ある地点で温暖前線が通過しますと、風が北よりから南よりに変わり、気温は暖気側に入るために急激な上昇が認められることが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回の問題は、図1の地上天気図と図4の名瀬における状態曲線(エマグラム)を用いて、名瀬で観測された雲のうち、中・上層雲の雲底の高度と下層雲の雲頂の高度をエマグラムから読み取って推定するという内容です。(気象庁HP:国際式の天気記号と記入方式より)まず、名瀬ではどんな雲が観測されたのかを読み取ります。中・上層雲は全雲量の上にある記号は上の凡例にはありませんが、正確には「不透明の高積雲
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)まず、図Aの月平均500hPa高度・平年偏差図から見てみます。平年偏差とは、等圧面高度が平年値からどれくらいズレているか、ということで、図の下にスケールが示されており、暖色が濃いほど正偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が高く高温傾向を表し、逆に寒色が濃いほど負偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が低く低温傾向であると読み取ることができます。本文に述べられている通り、アリューシャン列島の東と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)問題の図を基にして答えを導き出すための図を描いてみました。点Aを通るように10℃の等温線と14℃の等温線の間に垂線を描きますと、交差角が30°とありますので、30°と60°の直角三角形が△ABCと△ADEの2つできることがわかります。ここで、高校数学で学習する三角比の知識が必要になるのですが、気象予報士試験では30°と60°の直角三角形ではAB:AC:BC=1:2:√3となることを理解できていれば十分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2(1)今回は穴埋め問題ということで、本文を読みながら見ていきます。(第1段落)「8日9時現在、この低気圧の地上中心の直上500hPa面の高度は(ⓐ)mである。」ということで、初期時刻8日8時の地上天気図(図1)と500hPa天気図(図4)を見ますと、低気圧の地上中心の位置をそのまま500hPa面に移しますと、地上中心のやや南側を通る等高度線があることがわかります。等高度線の読み取り方は太実
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識(a)ご承知の通り、太陽の正中時の高度は季節によって変化するわけですが、これは地球が自転する回転軸(地軸)は地球の公転面に対して約23.5°傾いているためです。ここで、緯度をφとしたとき、その緯度φにおける正中時の太陽高度角をα、また問題文にあります「太陽からの光が地球の赤道面となす角度」をδとしますと、α=90-φ+δ…(1)という式が成り立ちます。δの値は季節によって変化し
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1(3)初めに、図3(下)に着目しますと、東シナ海において、地上の停滞前線は850hPa面の12℃の等温線に概ね対応しており、これに直交するように南西風が吹いていることがわかります。福岡はその概ね北東の延長上に位置していることから②の問いで勾配を求めることができ、また、③の問いにおいて転移層よりも上層で湿数が小さいことから、福岡で観測される主に上・中層の雲の成因に前線面が大きく関わっていることが考えられ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)数値予報プロダクトの格子点値は格子の中心に対応する地点の値をピンポイントで表しているのではなく、格子に対応する水平の2次元あるいは水平と鉛直の3次元の格子点周辺の領域を代表する値を表しています。したがって、本文の内容は誤りということになります。(b)全球モデルにおける計算領域は地球全体を対象としていますので、境界がなく、大気の流れを全体的に取り扱うことができるわけですが、メソモデルは日本とその近海の限
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2①12時間後の図4(下)および24時間後の図5(下)の地上予想図を見ますと、12時間後では、収束帯(赤い線)は朝鮮半島東部から北陸地方西部まで延びていますが、24時間後になりますと、日本海西部から山陰地方に延びており、収束帯は西に移動する予想であることがわかります。したがって、移動方向は4方位で、西となります。②図5(下)において、24時間後では、収束帯は山陰地方の島根県付近の海岸線と交わっており、これを
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問3今回は、図11の名瀬における状態曲線と風の鉛直分布を用いて、①では、図に見られる2つの前線性逆転層のそれぞれについて、逆転層の上端の高度およびその高度の上層50hPaから下層50hPaの範囲における温度移流の種類を、②では、750hPa〜550hPa、および550hPa〜450hPaにおける温度移流の状況について、温度移流が明確な場合はその方向を示して簡潔に答えよ、という内容の問題を2問まとめて考えてみま
こんばんは。今回から、第52回試験・実技2の問題に入りたいと思います。まずは、地上天気図から6月6日9時の日本付近の気象概況を読み取る穴埋め問題を次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技2※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。29日分の考察編は次回更新の予定です。
くこんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(竜巻:気象庁HP知識・解説>竜巻・ダウンバースト・ガストフロント>竜巻などの激しい突風とはより)竜巻は、台風や低気圧、前線において発達した積乱雲に伴う上昇気流により発生する激しい渦のことをいいます。多くの場合、漏斗状または柱状の雲を伴い風向分布に収束性がみられる特徴があります。被害域は、幅数十~数百メートルで、長さ数キロメートルの範囲に集中しますが、数十キロメートルに達することもあります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識前回の問題編でも述べましたが、パラメタリゼーションとは、数値予報モデルの格子スケールより小さい現象が格子点の物理量に影響する効果を見積もって格子点の物理量に反映させることをいい、数値予報において予報精度を高めるための重要な作業になります。(気象庁HP:第4章数値予報モデルp29より)数値予報モデルに使用される基本方程式には、水平方向の運動方程式(南北方向・東西方向)、静力学平衡の式、連続の式(
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問2(2)まず、今回の前線解析の際の基本的な要素として、850hPa等温線集中帯の暖気側の縁(南縁)、700hPa鉛直p速度において上昇流域になっているところに着目します。次に、前線の閉塞の有無を確認します。図6(下)の地上24時間予想図における低気圧中心は北緯44°東経151°付近にあるのに対し、暖気の極側へ突っ込んでいる3℃の等温線の先端部の位置、つまり等温線の集中帯が2つに別れ
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。①地上天気図地上天気図と雲域Aとの位置関係を重ねると概ねこのピンク色に塗った範囲になるかと思います。したがって、「停滞前線付近」ということになります。「停滞前線」とすると、飛行機雲みたいな雲が細長く停滞前線上をなぞっている状態ではないので、おそらくアウトと思います。「停滞前線付近」とすることで面的な表現を示すことになります。ご注意ください。②500hPa面の渦度場500hPaの渦度場と雲域Aとの位
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)気象衛星画像では、同じ雲でも、可視画像と赤外画像とで写り方が異なることを利用して雲型の判別を行うことができます。ちなみに気象衛星画像から判別した雲の種類を「雲型」、地上から観測された雲の種類を「雲形」と使い分けられています。気象衛星センター2002:「気象衛星画像の解析と利用」p8図1-3-1可視画像と赤外画像による雲型判別の概念図に加筆そこでこの図も参考にしながら下線部を考えてみます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問3図14の25日5時では、台風の中心位置が×印で記されているのに倣って、以後の25日6時から8時までの毎時の台風の中心位置を解析し、さらに前問の⑩に留意しつつ実線で結んで台風経路図を完成させよ、という問題です。(上図:台風の中心と推定される位置を図14に赤の×印で加筆)地上の風のデータに基づいて台風の中心位置を求めるには、基本的に矢羽が反時計回りに回転しているところの内側のどこかになりますので、まずは
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識(a)「一般気象学」p128図5.17「地球のエネルギー収支」の図を見ながら考えてみます。これによりますと、地球大気の上端に入射する太陽放射342Wm-2のうち、雲・エーロゾル・大気による散乱と反射の77Wm-2及び、地表面での反射の30Wm-2の約3割にあたる107Wm-2の太陽放射が宇宙空間に戻ることがわかります。このように入射した太陽放射量に対する地球で反射された太陽放射量の比のことを「アルベ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(気象庁HP:各種データ・資料>過去の気象データ検索>利用される方へ>「天気欄と記事欄の記号の説明」より)今回は穴埋め問題ということで第1段落から見ていきますが、その前に図12の中の天気記号および大気現象記号につきましては、上図にあります気象庁HPの「天気欄と記事欄の記号の説明」などを用いて覚える必要がありますので、充分に覚えていないなと感じておられる方はこの機会に覚えておきましょう。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識(a)今回は、一般気象学p154図6.23「晴天日の大気境界層の日変化の模式図」及び、p155図6.24「地方時の正午ごろ、大気境界層内の温度、温位、風速、混合比の高度分布の模式図」を見ながら考えてみます。まず、図6.24の温位の高度分布で、特に接地層の部分に着目しますと、高度とともに減少しており、絶対不安定を示していることがわかります。また、温度の図においては、乾燥断熱減率がどんな傾
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技1・問2(4)(気象業務支援センター解答例)今回の問題文を一気に読んでしまいますと論点がわかりにくいですので、3つに分けて考えてみます。(a)8日21時に時点で、局地解析によると関東地方には①で描いたようなシアーラインが解析され、(b)総観スケールでは(2)で描いた850hPaの前線に対応する地上の温暖前線が本州を通過している。(c)②のシアーラインの特徴を踏まえて、このシアーラインと地上の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p34より)上の2つの図を見ながら考えてみます。数値予報では、前回の予報値を第一推定値に利用してデータ同化(客観解析)を行うことで解析値を作成し、さらに初期値化を行なって初期値から予報計算を実行して次のデータ同化の第一推定値として利用するということを繰り返して解析精度が保たれています。この繰り返しのことを「解析予報サイクル」とよんでいます。観測点
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識今回は、「一般気象学」p177の図7.10、「東西風の南北鉛直分布」を見ながら考えてみます。(a)図によりますと、亜熱帯ジェット気流に対応する中緯度付近の強風軸は、南北両半球とも200hPa付近の高度に現れていることがわかります。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)次に12月〜2月と6月〜8月の図とを比較しながら考えてみます。北半球の亜熱帯ジェット気流の部分に着目しますと、12月〜2月では亜熱