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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識(a)今回は、一般気象学p154図6.23「晴天日の大気境界層の日変化の模式図」及び、p155図6.24「地方時の正午ごろ、大気境界層内の温度、温位、風速、混合比の高度分布の模式図」を見ながら考えてみます。まず、図6.24の温位の高度分布で、特に接地層の部分に着目しますと、高度とともに減少しており、絶対不安定を示していることがわかります。また、温度の図においては、乾燥断熱減率がどんな傾
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象レーダー(大阪・高安山)2018.03.22大阪・高安山のレーダーへゆくより)気象ドップラーレーダーは、アンテナを回転させながらパルス状の電波を発射し、半径数百kmの範囲内に存在する雨や雪を観測しています。発射された電波は、雨や雪といった降水粒子にあたりますと散乱(レイリー散乱)が起きます。このうちレーダーの位置する方向に跳ね返って戻ってきた電波(後方散乱)があり、これを捉えて分析する
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(小倉義光「一般気象学第2版補訂版」2016東京大学出版会p69図3.11を基に作成)まず、温度T(問題文ではT0)未飽和の空気の混合比が飽和して飽和混合比とイコールになるということは、図にありますようにある地点の気温Tと同じ気圧pのときの等飽和混合比線との交点T1の温度、つまり「露点温度」ということであり、この部分で誤りということになります。一方で「湿球を通過した空気」とあります
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)まず、図Aの月平均500hPa高度・平年偏差図から見てみます。平年偏差とは、等圧面高度が平年値からどれくらいズレているか、ということで、図の下にスケールが示されており、暖色が濃いほど正偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が高く高温傾向を表し、逆に寒色が濃いほど負偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が低く低温傾向であると読み取ることができます。本文に述べられている通り、アリューシャン列島の東と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識まず、本文にある、「理想気体における一般気体定数と乾燥空気及び水蒸気の気体定数の関係」について考えてみます。一般気体定数とは、「同じ数の分子を含む気体は同じ圧力・同じ温度のもとでは同じ容積を占める」というアボガドロの法則から、1キロモルの気体について、pV/T(p:圧力、V:容積、T:温度)の量は、気体の種類に関係なく一定であり、それを示す一定の値のことで、R*で表されます。なお、「キロモル数(n)」は物質の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず初めに、温度風についての概要を触れておきたいと思います。温度風とは、実際に吹いている風ではなく、「ある2つの等圧面における地衡風の差」のことであり、等圧面間の平均気温分布における等温線と平行になります。また温度風は下層側の地衡風のベクトルの先から上層側の地衡風のベクトルの先に向かう形で、北半球では、高温部を右側に見る温度風のベクトルとなります。これを踏まえて、今回の問題の模式図に基づいて解答へ導くた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識問題では、「北半球中緯度にある平坦な地域」と仮定しています。しかし、図の等圧線分布に着目しますと、気圧の高低については示されていないことに注意する必要があります。次に、本文中の「北にいくほど間隔が狭くなっており、」および「相対渦度の鉛直成分が図の範囲でどこでも正になっているとする。」という2つの条件について考えてみますと、北にいくほど等圧線の間隔が狭い、ということは間隔が狭いほど風が強いということがわかり、北半
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識(a)と(b)大気中には、いろいろな化学成分や大きさを持つ微粒子が浮遊しています。このような微粒子のことを総称して「エーロゾル」とよんでいます。「いろいろな化学成分」と書きましたが、主な起源は、例えば地表から吹き上げられた土壌粒子、海洋において波の飛沫などによってできる海塩粒子、火山の噴火に伴う火山灰、自動車や工場などから出る汚染粒子が挙げられます。このようなエーロゾルの中で吸湿性を持つエーロゾルがあり
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図について問題文の冒頭に説明があり、「北半球中緯度において水平方向にも高度方向にも一様な西風が吹く場があり、ある波動がこの場に重なった状況を考える。」とし、さらに「図は、そのような状態における東西方向の鉛直断面図で、等圧面pおよびp+Δp(Δp>0)の高度を細い実戦で、気圧の谷の軸を太い実線で示している。」とあります。ここで、pとp+Δp(Δp>0)がわかりにくい方は、例えば、p=500、Δp=200
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)問題の図を基にして答えを導き出すための図を描いてみました。点Aを通るように10℃の等温線と14℃の等温線の間に垂線を描きますと、交差角が30°とありますので、30°と60°の直角三角形が△ABCと△ADEの2つできることがわかります。ここで、高校数学で学習する三角比の知識が必要になるのですが、気象予報士試験では30°と60°の直角三角形ではAB:AC:BC=1:2:√3となることを理解できていれば十分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)まず初めに設問の空気塊の動きについて想定されている「ハドレー循環」について「一般気象学」p171の図7.5を見ながら少し触れておきたいと思います。図によりますと、赤道付近で上昇して南北30°付近で下降する大気の流れが、上図の12月~2月の平均、下図の6月~8月の平均とも見られることがわかります。このように低緯度帯において見られる大気の南北方向の循環を「ハドレー循環」とよんでいます。次に、地球
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験2・問2今回は、初期時刻から24時間後の8日9時の実況の地上天気図(図11)も用いて、初期時刻で同じ8日9時の数値予報の予想(図9)と比較して、相違が見られるとし、図11における本州の南の熱帯じょう乱および北陸付近の低気圧について、図1の初期時刻における台風、もしくは問1(4)③で解析した850hPa面の前線との関連をそれぞれ述べよ、という内容です。まず、(2)③を振り返ります。僕の答案では、「85
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2まず、図8の3つの状態曲線が、秋田、館野、松江のいずれかは現時点で不明であるものの、(A)の状態曲線において、気温と風向の鉛直分布から判断される最下層から2つ目の前線面の高度は何hPaか気温分布から考えてみます。前線面では、寒気の上空に暖気が流れ込みますと、暖気と寒気の接する部分に遷移層が形成され、その中では気温減率が小さい気層、すなわち安定層が見られます。また場合によって気温の逆転が見られ逆転層が見
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず、「温度減率が0.6℃/100mの大気中の高度Aにおいて、周囲の大気と気圧が等しく、周囲より温度が4℃低い空気塊を静かに放出した」というところに着目して考えてみます。この空気塊の温度は周囲の大気の温度よりも低い、ということはすなわち、空気塊の空気密度が大きいですので、落下してい行くことになります。いま大気の温度減率は0.6℃/100mであるのに対して、問題では未飽和の空気塊の鉛直運動を考えて
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問3今回は、図9の22日21時以降で風が観測された高度の上限がそれまでより大きく低下していることについて、その理由として考えられる八丈島上空での大気の状態の変化を図8に見られる気象状況にも言及して述べよ、ということで問題文の内容から、専門知識で学習した「ウィンドプロファイラ観測の特徴」と、図8から読み取れる「風が観測された高度の上限が大きく低下した要因の2つのアプローチに分けて考えて整理してみたいと思いま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・一般知識(a)「一般気象学」p183の「温帯低気圧の発達の模式図」を見ながら考えてみることにします。図の上段が500hPa面天気図、下段が地上天気図を表わしており、また図の左側から、発達の初期段階を「第1期」、中央の発達期を「第2期」、右側の発達過程が終了した段階を「第3期」として表わしています。また図中において、塗りつぶしで表している範囲を寒気、ドットで表している範囲を暖気、500hPa面の低気圧と地上低気圧
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問4(4)今回は、浜田の時刻B(15時00分)における地上の気象要素の変化と関連があるものを問題文の下枠のⓐⓑのいずれか、または該当するものがないときは「なし」、両方関連する場合は「ⓐⓑ」と解答せよ、という内容の問題です。まず、図12の18日12時と15時の950hPa面予想図における浜田の付近に着目して問4(2)③を振り返りますと、12時では「中国山地に沿って等温線とほぼ平行な西南西の風が吹き、寒気移流は
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問2今回は、図8を参考に36時間後に予想されている低気圧に伴う地上の前線を解答図の枠線まで延びているものとし、前線記号を付して記入せよ、という内容で考えてみます。まず、図8の850hPa面の気温と風、700hPa面の鉛直流の分布から前線解析で着目する要素として、等温線の集中帯の南縁(暖気側の縁)と風のシアー、および上昇流域を参考にします。次に、地上低気圧が閉塞している段階なのかを判断します。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2今回は実技2の初めの問題ということで、図1の初期時刻(8月24日21時)の地上天気図を見ながら、概況について述べた文の空欄を穴埋めしながら読んでいきたいと思います。(第1段落)九州に接近中の非常に強い台風について、この台風の中心は、問題文の冒頭で方角を16方位で解答するよう指示がありますので、方角は①南西となります。次は台風の中心が鹿児島から何kmの位置にあるか、ということですが、ここで試験で持ち込
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、大気における放射から、地球のエネルギー収支を基に地球大気の温室効果の原理について述べた文章の下線部(a)~(d)の正誤を判断する内容の問題です。早速、問題の冒頭の下に挙げられている4つの条件を念頭に、本文を読み進めてみることにします。「地球に大気がないときの、地表面が受け取る太陽放射量と放射平衡状態にある地表面温度の絶対温度をT0とする。」とあります。この大気のないときの放射平衡は上の図
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2(第1段落)図1の地上天気図を見ますと、佐渡付近に中心を持つ低気圧があります。その中心気圧はその右側の数値にあります通り、①1006hPa、移動速度と移動方向は、②10ノットで、16方位で③南東へ進んでいることがわかります。次に、中国大陸から山陰にかけて梅雨前線が延びています。この前線の表示されている記号は④停滞前線となります。次に図2の7月17日21時を初期時刻とする850hPaの相当温位・風12時間予想図に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2(1)今回も本文を読みながら、適切な語句を穴埋めしてみます。(第1段落)図5、図6によると、沖縄本島地方では、台風およびその周辺の温かく湿った空気が流れ込んでくるため、16日9時までの前12時間に最大(①)の降水量が予想されている。一方、図9のメソモデルでは最大(②)が予想される地域がある。とあります。まず16日9時までの前12時間の最大降水量は、図5(下)、沖縄本島の西側に86mm/12hの極値があ
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図において、「破線は等温位面」であることに着目します。対流圏における一般的な温位の鉛直分布は高度につれて高くなります。もしも、上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、もしくは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位が高度とともに低くなる気層の場合、その気層は不安定(対流不安定)な気層となります。すなわち、この問題の冒頭に「安定」とある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問3(2)前回の①の問題において、地点アと地点イのそれぞれの風速から図9を使って推算した波高の値は、地点ア:1.8m、地点イ:2.6mということでした。今度は図10から実線および破線で0.5mごとに引かれている両地点における波高の予想を読み取ってみますと、地点アは3m、地点イは2.5mと読み取ることができます。したがって、この両地点のうち、波高の予想と①で求めた推算値との差が大きいのは地点アとい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、台風の一般的な特徴について述べた文の正誤を判断する内容の問題です。早速(a)から見ていきます。(a)まず初めは、台風の中心付近の気温について、「一般気象学」p237図8.29「1964年10月1日、飛行機観測によるハリケーン・ヒルダ(Hilda)の気温偏差の鉛直断面図」を見ながら考えてみます。図によりますと、台風の中心付近は、海面高度から対流圏界面付近まで周囲の大気より気温が高い特徴が見
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識(a)赤道域上空の成層圏では、東風と西風が約26か月ごとに交代する現象が起こります。この現象を準二年周期振動とよんでいます。「一般気象学」p266の図9.14「カントン島における月平均東西風の時間と高度による変化」によりますと、風の交代は上層から風向の変化が起き、時間の経過とともに下層へ伝わっていくことを示しています。したがって、本文の内容は、正しいとなります。(b)次に、「一般気象学」p2
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識まず初めに地球のアルベドと放射平衡温度について「一般気象学」p128の図5.17を見ながら簡単に触れておきたいと思います。地球に入射してきた太陽放射に一部は、雲、エーロゾル、大気によった反射され、また地表面に達した太陽放射の一部も地表面によって反射されて再び宇宙空間に戻っていることがわかります。このように地球に反射された放射量の入射してきた太陽放射量に対する比のことを「地球のアルベド」といい、概ね0.30として
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1今回は本文を読みながら、空欄に入る適切な語句を考えてみます。(第1段落)まず、「図1によると、九州の西には前線を伴った1014hPaの低気圧があり、20ノットの速さで(①)に進んでおり、進行方向前面にあたる鹿児島の現在天気は弱い(②)となっている。」とあります。1014hPaの低気圧に伴う温暖前線の右側にある白抜きの矢印がその進行方向を表しています。読み取りますと東北東とも東とも読み取れる微妙な進行方向ですが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験1・問3(1)今回は低気圧の中心付近における気温の立体的な分布について考えてみます。問題文から、この問題における論点は、まず図中で気温が顕著に高いあるいは低いところで特徴的な分布が必ず見られるはずですので、大きく2つの切り口から、一つは低気圧性循環の中心に対してどこに特徴的な分布が見られるか、もう一つはその特徴が最も顕著に現れている高度はどこかを明らかにして解答せよ、という内容になっています。初めに、これ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3(5)今回は、図11のGSMガイダンス(上)と、MSMガイダンス(下)とを比較して、降水量が多い場所の違いとその要因を、「MSMガイダンスは、」という主語に続けて述べよ、という問題ですが、まず始めに専門知識で学習するGSM(全球モデル)とMSM(メソモデル)の概要について復習してみることにします。(気象庁HP:数値予報>数値予報モデルの種類より)全球モデルは、予報領域が地球全体であり、水