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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)数値予報モデルで表現可能な現象は、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍以上になります。例えば格子間隔が13kmの全球数値予報モデル(GSM)なら、表現可能なのは65km〜104km以上の現象であり、格子間隔が5kmのメソ数値予報モデル(MSM)なら、表現可能なのは25km〜40km以上の現象となります。下線部の「数値予報モデルで予測可能な現象の水平スケールの下限は、水平格子間隔が小さいほど小さくなる。」とは
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図について問題文の冒頭に説明があり、「北半球中緯度において水平方向にも高度方向にも一様な西風が吹く場があり、ある波動がこの場に重なった状況を考える。」とし、さらに「図は、そのような状態における東西方向の鉛直断面図で、等圧面pおよびp+Δp(Δp>0)の高度を細い実戦で、気圧の谷の軸を太い実線で示している。」とあります。ここで、pとp+Δp(Δp>0)がわかりにくい方は、例えば、p=500、Δp=200
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識まず、問題文の最後に「ただし、大気の密度はどこも同じで一定とする。」とあります。この問題においては、質量保存の法則、すなわち直方体に入ってくる空気の量と直方体から出ていく空気の量が等しい、ということと、実際に空気は地上から上空にかけて気圧が下降し、空気密度が小さくなっていきますが、ここでは考えなくてよいことを意味しています。問題を整理しますと、⭐︎直方体の南側と北側の面を通過する風はなく、西側と東側で
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識Aまず、比湿の定義について確認しましょう。大気の熱力学におきましては用語がたくさん出てきますのでそこが結構難しいところなんですが、比湿とは、水蒸気と水蒸気を含んだ状態の空気との質量比、言い換えますと、水蒸気と空気全体との質量比のことをいいます。すなわち、比湿=水蒸気の質量(g)/空気全体の質量(kg)ということです。以上を踏まえて比湿の定義に代入して求めますと、10/(990
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)まず、「水蒸気を除いた乾燥空気における窒素、酸素、アルゴンの存在比」とはそれぞれの占める割合はどれだけなのか、振り返ってみます。その割合として、窒素が最も多く約78%、次に酸素で約21%、アルゴンは約0.9%ほどで、残りの微量な割合の中に二酸化炭素、ヘリウム、ネオンなどが存在しています。では、この乾燥空気の構成する存在比を大気の鉛直構造で見た場合、どこの高さまで均質に存在しているのか、と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>解析積雪深・解析降雪量、降雪短時間予報より)解析積雪深は、解析雨量や局地数値予報モデル(LFM)などの降水量、気温、日射量などを積雪変質モデルに与えて積雪の深さを計算した後、アメダスの積雪計の観測値で補正することにより作成されます。積雪変質モデルでは、新たに積もる雪の量、とける雪の量、時間の経過により積雪が沈み込む深さ等を計算することで積雪の深さを求めます。(気象庁H
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1今回は図1の初期時刻22日9時における九州の南にある低気圧の動向の予想について、図6(下)の12時間予想図、図7(下)の24時間予想図も用いて下表の空欄を埋めてみたいと思います。(移動方向)初期時刻の22日9時では英文に記されています通り、北緯31°東経130°に位置していますが、図6(下)の12時間後、22日21時の予想では、北緯34°東経142°に位置しており、東北東に進む予想になっています。次に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問1まず初めに、温度移流から考えてみます。図3(下)の850hPa気温・風、700hPa鉛直流解析図ではその名の通り、異なる高度の情報が1枚の図に盛り込まれているわけですが、温度移流に関連する情報は、850hPa等温線と850hPaの矢羽に着目します。850hPaの等温線は3℃ごとに引かれており、矢羽は、850hPa面の風向・風速を表しています。次に、学科試験・一般知識の大気の力学で温度移流について学習しま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識問題では、「北半球中緯度にある平坦な地域」と仮定しています。しかし、図の等圧線分布に着目しますと、気圧の高低については示されていないことに注意する必要があります。次に、本文中の「北にいくほど間隔が狭くなっており、」および「相対渦度の鉛直成分が図の範囲でどこでも正になっているとする。」という2つの条件について考えてみますと、北にいくほど等圧線の間隔が狭い、ということは間隔が狭いほど風が強いということがわかり、北半
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識(a)気象業務法(許可の基準)第18条第1項気象庁長官は、前条第一項の規定による許可の申請書を受理したときは、次の基準によつて審査しなければならない。第1号当該予報業務を適確に遂行するに足りる観測その他の予報資料の収集及び予報資料の解析の施設及び要員を有するものであること。第2号当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受けることができる施設及び要員を有するものであること。第3号地震
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。(気象庁HP:各種データ・資料>地球環境・気候>エルニーニョ/ラニーニャ現象より)では、本文の、エルニーニョ現象発生時におけるインドネシア近海から日付変更線付近にかけての太平洋赤道
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)数値予報モデルは、本文にありますように、予報領域に応じたモデルに用いる時間間隔(ステップ:「タイムステップ」・「積分時間間隔」ともいいます。)ごとに大気の状態の計算を繰り返して将来の状態を予測するという構造になっています。気象庁の現業における数値予報モデルの仕様では、全球モデル(格子間隔20km)で400秒(6分40秒)、メソモデル(格子間隔5km)で20秒となっています。したがって、下線部
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。(2)①問題文を整理してみます。いま、300hPa面のRS間の平均高度は9240mで平均気温が-40℃、PQ間の平均高度は9600mで平均気温は-33℃であることがわかっています。つまり、RS間とPQ間を同じ300hPa等圧面に揃えたときの平均気温を比較している状態になっています。問題では、これを今度はPQ間の平均高度における平均気温を、RS間の平均高度の高さの9240mを基準に揃えたときのPQ間の平均気温の値がどうなる
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識まずは、底面の鉛直流から考えてみます。上面の鉛直流は東西10km、南北10kmの領域で、下向き1m/sで直方体に入ってきますので、入ってくる空気の量は、10km×10km×1m/s=100となります。今度は東西南北の各側面における空気の出入りを考えてみます。いま、直方体の空気の出入りを考えていますので東西の側面は東西成分、南北の側面は南北成分に着目します。各側面の面積は10km×1km
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(気象庁HP:各種申請・ご案内>報道発表資料>令和2年報道発表資料>東京レーダーで二重偏波気象レーダーの運用を開始しますより)気象庁では2020年3月から二重偏波気象ドップラーレーダーの導入が始まっています。二重偏波ドップラーレーダーでは、水平方向と垂直方向に振動する電波を用いることで雲の中の降水粒子の種別の判別、降水の強さを正確に推定することができるようになっています。これによって現在の降水の面的分布
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識今回も本文を読んでいきながら選択肢のどれが当てはまるか考えてみます。「この大気において、高度500mで気温が20℃とすると、高度1.5kmにおける気温Tの範囲は(a)である。」とあります。この文について、「一般気象学」p71の図3.13「湿潤大気の静的安定性」を見ながら考えますと、問題文の冒頭で、「乾燥断熱減率は10℃/km、湿潤断熱減率は5℃/km」という条件から、高度500m(0.5km)の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第10回試験・一般知識(受験時代のノートより)(a)地衡風とは気圧傾度力とコリオリ力が釣り合っているときに吹く風のことをいいます。すなわち、気圧傾度力をPn、コリオリ力はコリオリパラメータ×風速で表されますので、コリオリパラメータをf、風速をVとしますと、Pn=fV…(1)で表すことができます。(1)式において左辺のPnが変化しますと、この等式を維持するためには右辺のコリオリ力も同じ割合で変化することに
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識まず、本文を読んで、この問題で最終的に何の値を求めるのかを明確にしましょう。「空気塊が山脈の最高点にあった時の空気の相対湿度」であるということで考えてみます。相対湿度とは、「一般気象学」p60にありますように、「単位容積(1㎥)内の水蒸気の量とその時点の温度に対応する飽和水蒸気密度の比である。」ますが、当問では、本文の下の表で、温度と飽和水蒸気圧の関係が示されていることから、ある空気塊がもつ水蒸気圧の飽和水蒸気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問1(3)問1(1)の⑩では、図1の右下の別枠になっている東京の実況から、気温が3℃で天気は国際式天気記号を読み取って弱い雪であることがわかっています。では、気温が0℃以上であるにも関わらず、雪となる要因は何か、というのが今回の問題になります。改めて図5に着目しますと前問の(3)①では、0℃となる高度について、970hPaと地上に近く、高度が低いという特徴が見られます。次に、湿数において、970hPaの高
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2ショワルターの安定指数(SSI)とは、850hPaにある空気塊の気温と露点温度によって持ち上げ凝結高度を求め、さらにその空気塊を湿潤断熱線に沿って500hPaまで持ち上げたとき、実際の500hPaにおける気温から、その500hPaまで持ち上げた空気塊の気温を差し引いた値のことで、大気の鉛直安定度を求める方法の一つです。値が負であれば不安定、正であれば安定となりますが、正の値であっても+2℃以下であれば雷の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず、「温度減率が0.6℃/100mの大気中の高度Aにおいて、周囲の大気と気圧が等しく、周囲より温度が4℃低い空気塊を静かに放出した」というところに着目して考えてみます。この空気塊の温度は周囲の大気の温度よりも低い、ということはすなわち、空気塊の空気密度が大きいですので、落下してい行くことになります。いま大気の温度減率は0.6℃/100mであるのに対して、問題では未飽和の空気塊の鉛直運動を考えて
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識(a)(b)気圧傾度力とコリオリ力が釣り合っているときに吹く風のことを「地衡風」とよんでいます。北半球では気圧の低い極側に向かって気圧傾度力、その逆向きのにコリオリ力が働き、西風すなわち西から東に向かって地衡風が吹いています。また地衡風は等圧線の走向に沿って吹きますので等圧線の走向は東西方向となります。したがって、(a)は「東西方向」で正しく、(b)は「北から南に向かって吹く」となりますので誤りということにな
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。この問題の図、どっかで見たことがあるなと思ったら、やっぱりありました。(小倉義光一般気象学p155より引用)もう、答えが出ちゃいましたが、どういうことか見てみます。(小倉義光一般気象学p154より引用)まず問題にある「晴れた日の正午頃」は大気境界層がどういう状態か、日変化の模式図で見てみますと、図の両端ということになります。簡単にいいますと接地逆転層が解消されている時間帯とも言えると思います。このうちの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・専門知識(図A)Aの500hPa高度と平年差の図での特徴は、沿海州からオホーツク海、さらに東のカムチャツカ半島付近にかけて大きな正偏差が見られることです。500hPa平均天気図では、図Aですと8月中旬における等圧面高度の平年偏差についての情報が掲載されているわけですが、この平年偏差とは等圧面高度の平年値からどれだけずれているか表わしており、平年値よりも高い部分は正偏差、低い部分は負偏差と読み取ります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・専門知識(a)晴れた日の日中は、地表面が日射によって加熱されることで対流が起こりやすくなります。対流が起こりますと、主に顕熱・水蒸気量・運動量が混合されて、温位・水蒸気量・風速などがほぼ一様となる層が形成されます。この層のことを混合層とよんでいます。混合層が形成されますと、上空の相対的に強い風が地上付近まで影響が及ぶようになりますので、気圧傾度が同じであれば地上付近の風速は夜間より大きくなることが多くな
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技1・問2今回は、図7と図10を用いて24時間後に予想される温暖前線と寒冷前線の位置を記号を付して解答図に記入せよ、という内容です。まず、問題文に「問1で述べた地上低気圧に伴う前線のうち」と書かれているところが気になります。そこで図1の初期時刻の状況を振り返ってみますと、低気圧の中心からは西へすでに閉塞前線が延びており、閉塞点から温暖前線と寒冷前線がそれぞれ延びていることから、地上低気圧は初期時刻の段階で
こんばんは。今回の専門知識は、気象庁が発表している解析積雪深と降雪短時間予報についての問題です。解析積雪深、降雪短時間予報それぞれの概要を学びながら、問題の下線部の正誤を考えていきます。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。4日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)(気象庁HP:知識・解説>気象衛星・気象観測>ウィンドプロファイラ「データの見方の例前線の通過」より)上図の2015年5月12日の市来(鹿児島県)のウィンドプロファイラの観測と12時の地上天気図の例を使って考えてみます。12時の地上天気図では薩摩半島にある市来はすでに寒冷前線が通過した後であることがわかります。そこで、寒冷前線が市来をいつ通過したのか、ウィンドプロファイラの観測で見てみますと、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験・問3まず、簡単に等値線解析における留意点について触れておきますと、今回は10℃と14℃の間を2℃ごとの12℃の等温線を記入するという問題ですが、例えば、ある2つの観測点があったとします。一つは14.0℃、もう一つが11.9℃としますと、12℃の等温線は11.9℃のわずかに近い形で通ることが推定されますので、そのわずかに高温側を通すといった形で、概ね比例配分することによって等温線の位置を推定し描画していきます。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問4今回は、前問の問4(2)の海老名における18日の気象経過について述べた文章の下線部、「気温の急変が起こり、」の要因を述べよ、という設問です。まず、この要因を考えるにあたり、この文章で最も重要な手掛かりとなる部分があります。それは、「14時頃、瞬間風速が一時的に強まるとともに風向が大きく変化した。これに伴ってしゅう雨が観測され、10分間降水量の最大値は⑥11.5mmに達した。」という部分です。さらに、図8で