ブログ記事3,816件
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・一般知識(a)地球が受ける太陽放射は赤道付近で最も強く、極付近へ行くほど弱くなっていきます。これによって、気温の南北差が生じることになります。もちろん気温に南北差が生じるということは、空気密度にも差が生じることになりますので、気圧の南北差も生じるということになります。このような大気のことを傾圧大気とよんでいます。これを踏まえて(a)の内容は第51回試験・一般・問1の本文の後半の内容と重複しますが、対流圏内の同じ高
こんばんは。今回の一般知識は、大気における放射についての問題です。問題では、図Aおよび図Bがそれぞれ、中緯度における大気上端から対流圏界面付近までの層と、大気上端から地表面付近までの層のいずれかによる、太陽放射と地球放射の波長ごとの吸収率を示したものとなっており、さらに両図の下には、波長と吸収に寄与する気体(吸収体)が示されています。これに基づいて述べられた本文の空欄(a)(b)(c)に入る適切な語句の組み合わせはどれかを考える内容になっています。これら2つの図をどう読み取るのか、次回
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問4(1)1時50分~2時50分における気象状況ということで、図14でその時間帯に着目しますと、際立った特徴が見られるのは、10分間降水量のグラフであることがわかります。そこで、さらに10分間降水量について詳しく見てみますと、1時50分で9mm/10min、2時00分で8mm/10minですが、それ以降では10分間降水量が10mm/10minを越えた数値となります。以降、2時10分で12m
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象レーダー(大阪・高安山)2018.03.22大阪・高安山のレーダーへゆくより)気象ドップラーレーダーは、アンテナを回転させながらパルス状の電波を発射し、半径数百kmの範囲内に存在する雨や雪を観測しています。発射された電波は、雨や雪といった降水粒子にあたりますと散乱(レイリー散乱)が起きます。このうちレーダーの位置する方向に跳ね返って戻ってきた電波(後方散乱)があり、これを捉えて分析する
こんばんは。第50回気象予報士試験の受験申請期間は7月6日(金)までとなっています。受験を予定の方は、お早めに申請されますことをお勧めします。それでは、問題を考えてみたいと思います。問1①この問題での湿潤層とは、問題文にあります通り、湿数6℃以下の気層ということですので、これに従って図4の(ア)から順に10hPa刻みで読み取っていきます。(ア)の鉛直プロファイルでは湿潤層が2箇所見られることがわかります。一つは地表から870hPaにかけての気層、もう一つは410hPa
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識まずは、底面の鉛直流から考えてみます。上面の鉛直流は東西10km、南北10kmの領域で、下向き1m/sで直方体に入ってきますので、入ってくる空気の量は、10km×10km×1m/s=100となります。今度は東西南北の各側面における空気の出入りを考えてみます。いま、直方体の空気の出入りを考えていますので東西の側面は東西成分、南北の側面は南北成分に着目します。各側面の面積は10km×1km
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問2今回は、解答用紙の図に予め27日9時に北海道の北から日本海北部にある前線の28日9時の予想位置が記入されており、これにならって27日9時に日本海中部にある低気圧に伴う前線の28日9時の予想位置を前線記号を付して記入せよ、という作図の問題を考えてます。まず、問題となっている前線を伴っている日本海中部の低気圧の動きから見ていきます。初期時刻の図1では、この低気圧は30ノットの速さで東北東に進
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・専門知識(a)本文にあります通り、台風が発生するのは、主に海面水温が26℃~27℃の海域であるという前半の部分は正しいです。では、後半の部分、「特に北緯5°以南の赤道付近において平均的な発生数は多いでしょうか?「一般気象学」p232の図8.23「1979年から1988年に発生した顕著な熱帯低気圧の経路」を見ますと、北緯5°以南の赤道付近では、台風がほとんど発生していないことがわかります。赤道付近では海
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(2)問1(2)の①と②におけるこれまでの考察をまとめますと、①では、500hPaの風と300hPaの風からこの層間における温度風の風向が北北東であることがわかり、②ではこの温度風の風向から温度風の東側の方が低温であることがわかりました。図2に見られる明域Q内に見られる雲の渦は一見すると台風を含む熱帯低気圧に伴うものに見えますが、これまでの考察でそうではないということがわかってきます。もし
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識(a)まず初めに、「北極振動(AO:ArcticOscillation)」とは、北緯60°を境にしてその南北の領域において、高気圧と低気圧とで逆の関係になる現象のことをいいます。図Aですと、北緯60°以北の北極域で高気圧が見られる場合、逆に北緯60°以南の中緯度域で低気圧が見られるという関係となり、この場合を「負の北極振動(AOマイナス)」、またこの逆で北緯60°以北の北極域で低気圧が見られる場合、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問2(1)前回の問2(1)①では、12時間後及び24時間後のトラフと5280mとの交点を求めました。今回は、前問で求めました交点を利用して初期時刻から24時間後までの移動の平均の速さを求めてみます。上図は初期時刻のトラフと5280mの等高度線との交点および、前問で求めた12時間後(T=12)、24時間後(T=24)の交点を転写したものです。初期時刻から12時間後の図上の距離を測
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問3(1)今回の設問は、図7(下)で予想されている関東の東海上の低気圧について、図1に表示されている佐渡付近の低気圧の移動方向と移動速度では12時間後ではこの位置に達しないことから、この18日21時に関東の東海上に予想される予兆が図1に現れているということで、その気圧分布の特徴を、着目する等圧線の値と低気圧の発生状況に言及して60字程度で述べよ、というものです。まず、図1の佐渡付近の低気圧の移動方向
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤を考えてみます。(a)まず、「太平洋高気圧は亜熱帯高気圧の1つで、(a)東西方向の水平スケールが3000km程度の総観規模現象である。」とあります。太平洋高気圧は季節によって勢力圏の大きさが異なりますが、盛夏期における太平洋高気圧は、ハワイ諸島付近を中心にアメリカ西海岸から日本付近にかけて北部太平洋を広く覆い、その水平スケールは3000kmを上回ります。した
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第6回試験・専門知識適中率:現象が発現した回数/注意報・警報を発表した回数=A/A+B見逃し率:注意報・警報を発表しなかったのに現象が発現した回数/現象が発現した回数=C/A+C空振り率:現象が発現しなかった回数/注意報・警報を発表した回数=B/A+B今回は、注意報・警報の発表におけるカテゴリー予報の精度評価についての問題です。適中率・見逃し率・空振り率の各計算
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)気象業務法(予報及び警報)第13条第1項気象庁は、政令の定めるところにより、気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。第16条を除き、以下この章において同じ。)、津波、高潮、波浪及び洪水についての一般の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。ただし、次条第1項の規定により警報をする場合は、この限りでない。予報及び警報を規定した気象業務法第13条第1項についての内容そのもの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識(a)まず、「プランクの法則」ですが「一般気象学」p111の図5.6「3つの違った温度の黒体からの放射」に着目しますと、図では温度が300K、250K、200Kである黒体からの放射量を電磁波別に示されています。この3つのグラフから2点わかることは、右の200K、真ん中の250K、左の300Kと温度が上昇するにつれて放射強度が強くなっていること。もう一つは、黒体の温度が上昇するにつれて短い波長の電磁波を強く放射
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問4今回は、前問の問4(2)の海老名における18日の気象経過について述べた文章の下線部、「気温の急変が起こり、」の要因を述べよ、という設問です。まず、この要因を考えるにあたり、この文章で最も重要な手掛かりとなる部分があります。それは、「14時頃、瞬間風速が一時的に強まるとともに風向が大きく変化した。これに伴ってしゅう雨が観測され、10分間降水量の最大値は⑥11.5mmに達した。」という部分です。さらに、図8で
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識まず、本文にある、「理想気体における一般気体定数と乾燥空気及び水蒸気の気体定数の関係」について考えてみます。一般気体定数とは、「同じ数の分子を含む気体は同じ圧力・同じ温度のもとでは同じ容積を占める」というアボガドロの法則から、1キロモルの気体について、pV/T(p:圧力、V:容積、T:温度)の量は、気体の種類に関係なく一定であり、それを示す一定の値のことで、R*で表されます。なお、「キロモル数(n)」は物質の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。問2①問題では、「地上の前線が東経140°線と交差する緯度」とあります。ですのでこの近辺において前線がどこに位置するのかを実際に解析してみます。まず、24時間後の10日9時から見ますと、850hPaの前線にあたる図7(左下)の等温線集中帯の南縁、または図10のT=24の図の等相当温位線集中帯の南縁に着目し、青線で示しますとこのようになります。寒冷前線であることを考慮し、850hPa前線から1°ほど暖気側にずらし、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第37回試験・専門知識(a)数値予報モデルでは、モデルの水平解像度によって表現できる大気現象の規模に限界があることに留意する必要があります。数値予報モデルにおいて表現できる大気現象は、モデルの格子間隔の5倍~8倍まで、すなわち本文にあります水平格子間隔が20kmのモデルでは、100~160kmの大きい規模の大気現象ということになります。したがって、個々の積乱雲のようにモデルの水平格子間隔が20kmよりも小さい大気現
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識今回は、「気圧」と「コリオリパラメータ」について、質量、長さ、時間の形式で表したとき、a、b、cの部分はどう表現されるか、という問題です。まずは、気圧から見ていきたいと思います。【気圧】気圧、すなわち(大気の)圧力は、「単位面積(1㎡)あたりにかかる力」ですので、圧力=力/面積で表現されます。では次に、「面積」および「力」がさらにどう表現されるのか考えてみます。面積=長さ×長さで
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・専門知識(a)数値予報の計算における数値予報モデルの初期値は客観解析から作成されていますが、この初期値には、観測誤差などの影響でわずかな誤差が含まれています。このため、仮に数値予報モデルが完全なものであるとしても、その初期値に含まれるわずかな誤差が時間とともに増大し予測結果に大きく影響してしまいます。この結果、総観スケール現象の予測可能な時間は2週間程度といわれており、予報には限界があることになるわけです。この
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識(a)赤道域上空の成層圏では、東風と西風が約26か月ごとに交代する現象が起こります。この現象を準二年周期振動とよんでいます。「一般気象学」p266の図9.14「カントン島における月平均東西風の時間と高度による変化」によりますと、風の交代は上層から風向の変化が起き、時間の経過とともに下層へ伝わっていくことを示しています。したがって、本文の内容は、正しいとなります。(b)次に、「一般気象学」p2
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第9回試験・一般知識まず、発散・収束とは何か復習してみましょう。ある領域を考えます。この領域の中に空気が集まることを「収束」、その逆で空気が流出することを「発散」といいます。ある2点間で発散・収束がある場合は、その2点間には風向、風速、またはその両方に差が見られます。このある2点間における風の差のことを「風のシアー」とよんでいます。風向や風速の差が大きければ「シアーが大きい」、または「シアーが強い」と表現され、小さければ「シアーが小
こんばんは。今回の専門知識は、気象庁で使用されている観測機器、特に電波や光を利用した観測機器について、観測機器と観測対象の組み合わせが正しい選択肢を選ぶ内容の問題です。観測機器にある「ブリューワー分光光度計」、「ドップラーレーダー」、「(空港)ドップラーライダー」とは、どのような観測機器なのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。18日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(気象庁HP:各種申請・ご案内>報道発表資料>令和2年報道発表資料>東京レーダーで二重偏波気象レーダーの運用を開始しますより)気象庁では2020年3月から二重偏波気象ドップラーレーダーの導入が始まっています。二重偏波ドップラーレーダーでは、水平方向と垂直方向に振動する電波を用いることで雲の中の降水粒子の種別の判別、降水の強さを正確に推定することができるようになっています。これによって現在の降水の面的分布
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問2今回は、36時間後の28日21時に南西諸島付近で発生すると予想される低気圧の発生に至る過程について述べた文の穴埋め問題です。早速、本文を読みながら考えていきます。(第1段落)「27日9時に日本海中部にある低気圧の中心から南西にのびる前線は、(①)には鹿児島付近に進み、その後南西諸島付近に南下する。」とあります。初期時刻の27日9時(図1)に日本海中部にある低気圧から南西にのびる寒冷前線およ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(a)全球モデル(GSM)とメソモデル(MSM)の降水予測結果が異なる要因として、水平格子間隔の違いによる、地形性降水の違いや、データ同化に用いられる観測データの違いが挙げられるところまでは正しいのですが、今回の問題ではその後の、「積雲対流過程などの物理過程の違い」が2つのモデルの予測結果の違いに影響するかどうかというところで、これまでのパラメタリゼーションに関する過去問題よりも踏み込んだ内容となってい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識今回も本文を読んでいきながら選択肢のどれが当てはまるか考えてみます。「この大気において、高度500mで気温が20℃とすると、高度1.5kmにおける気温Tの範囲は(a)である。」とあります。この文について、「一般気象学」p71の図3.13「湿潤大気の静的安定性」を見ながら考えますと、問題文の冒頭で、「乾燥断熱減率は10℃/km、湿潤断熱減率は5℃/km」という条件から、高度500m(0.5km)の
こんばんは。早速ですが、考えた見たいと思います。この問題は、図の大気の鉛直流の高度分布から、①~⑤の各高度の中で、水平方向の収束している高度はどこかという問題です。第26回試験・一般・問5、第29回試験・一般・問4、など大気中の立方体を考えて、空気の収束・発散を考える問題が何回も出題されていますが、その立方体の空気の出入りをイメージできるか、すなわち、質量保存の法則の知識が問われています。質量保存の法則とは、ある高度に大気中の立方体を置いて、その6面を出入りする空気を考え