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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず初めに、「天気予報ガイダンス」について、簡単に概要を述べておきたいと思います。数値予報において求められた計算結果(予測値)は未来の大気の状態に対応する様々な数値の羅列で、1億以上の格子点が持つビッグデータとなっていますが、天気予報においてはこれらをそのまま発表しているわけではありません。求められた予測値と観測値から統計的な関係(翻訳・修正)を見つけ出し、これを使って予測値から天気予報として発表するの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識水防法(国の機関が行う洪水予報等)第10条第1項気象庁長官は、気象等の状況により洪水、津波又は高潮のおそれがあると認められるときは、その状況を国土交通大臣及び関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(以下「報道機関」という。)の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。第2項国土交通大臣は、二以上の都府県の区域にわたる河川その他の流域面積が大
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識初めに問題に入る前に、混合比、温位、相当温位について触れておきたいと思います。まず、混合比は混合比(q)=水蒸気の質量/乾燥空気の質量で表されます。これを湿潤空気の気圧(p)、水蒸気圧(e)、乾燥空気の分圧(p-e)で表す場合の混合比(q)は、q=0.622×(e/p-e)ふつうe/pは0.04を越えることはなく、つまり水蒸気圧は湿潤空気の気圧より2桁小さく、分母のeは省略することができ、q=0.
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p34より)上の2つの図を見ながら考えてみます。数値予報では、前回の予報値を第一推定値に利用してデータ同化(客観解析)を行うことで解析値を作成し、さらに初期値化を行なって初期値から予報計算を実行して次のデータ同化の第一推定値として利用するということを繰り返して解析精度が保たれています。この繰り返しのことを「解析予報サイクル」とよんでいます。観測点
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)まず、図Aの月平均500hPa高度・平年偏差図から見てみます。平年偏差とは、等圧面高度が平年値からどれくらいズレているか、ということで、図の下にスケールが示されており、暖色が濃いほど正偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が高く高温傾向を表し、逆に寒色が濃いほど負偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が低く低温傾向であると読み取ることができます。本文に述べられている通り、アリューシャン列島の東と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず初めに、温度風についての概要を触れておきたいと思います。温度風とは、実際に吹いている風ではなく、「ある2つの等圧面における地衡風の差」のことであり、等圧面間の平均気温分布における等温線と平行になります。また温度風は下層側の地衡風のベクトルの先から上層側の地衡風のベクトルの先に向かう形で、北半球では、高温部を右側に見る温度風のベクトルとなります。これを踏まえて、今回の問題の模式図に基づいて解答へ導くた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)まず、「一般気象学」p254、図9.4「中層大気のラグランジュ的子午面循環の模式図」を見ながら考えてみます。オゾンは、大気中にある酸素分子が、太陽光線に含まれる紫外線を吸収して光解離を起こし、再び酸素分子と酸素原子が結合することによって生成されます。このため太陽光線が垂直に近い方向から入射する低緯度帯の成層圏内で多く生成されます。特に図の高度20km付近までの下部成層圏では、低緯度から中・高緯度に向かう流
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)気象官署における地上風の観測につきましては、本文の通り、観測は風車型風向風速計を使い、0.1m/s単位で行われていますが、地上実況気象通報式(SYNOP)では単位にノットを用い、その1の位まで通報します。(超音波式風向風速計2023.04.09「アメダスへ行く60今津」より)なお、アメダスにつきましては、令和3年3月から、特に冬季に積雪が多い地域において湿った雪が風車などの駆動部が凍り付
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3(4)③まず、前問の問3(4)②でも触れましたが、問3(2)②において渦Aの移動方向は東南東で西郷の北側にあることがすでにわかっています。したがって、11時50分から13時10分の時間帯における、一般的な風向の変化は南西→西→北西と時計回りに変化することになります。④③では、一般的にある地点の北側を渦が東南東に通過する際の風向の変化は時計回りに変化することを述べました。ところが、図10(上)の11時50分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤について考えてみます。(第1段落)まず、「数値予報には、数値予報モデルやその初期値が完全でないことなどに起因する誤差が含まれる。地球大気を扱う数値予報モデルでは、格子間隔より小さなスケールの現象によって生じる効果を、(a)格子点における物理量を用いて近似的に評価しているので、実際の現象とは厳密に一致せず、誤差が生じる要因の一つとなっている。」とあります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず、気象衛星赤外画像および水蒸気画像の特徴について簡単に触れておきたいと思います。赤外画像は、地表面、海水面、雲から放射された赤外線、すなわち地球放射をとらえて画像化しています。一般知識で学習した「ステファン・ボルツマンの法則」では、ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度で決まる、ということでした。気象衛星はこれを利用して放射量を測定し物体の絶対温度(輝度温度)を求めます。しかし雲は完
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)気象レーダーは、上空の降水を捉えてそれを降水強度に変換して、広範囲を面的に連続して観測ができるという特徴があります。しかし、気象レーダーによる降水の観測は、アメダスなどに設置されている雨量計に比べると、観測の精度が高くないのもそうなんですが、地形(グランドクラッター)や海上の波(シークラッター)による反射をも降水として認識してしまうという欠点もあります。(大阪・高安山気象レーダー観測所2018.
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)エーロゾルの数は一般的に海上よりも陸上の方が多く、陸上の積雲の方が単位体積あたりの雲粒の数が多く、かつ雲粒の平均的な大きさは小さくなります。これは、土壌あるいは都市からエーロゾルが供給され、海洋上に比べてエーロゾルの密度が高くなるためです。逆に言いますと本文にありますように、海洋上の方が単位体積(1㎥)あたりのエーロゾルの数が少なく、より大きな粒径の雲粒子が存在することになります。したがって、本文の内容
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「アルベド」とは、宇宙空間から地球に入射する短波放射量のうち地球によって反射された短波放射量の割合のことをいいます。地表面状態の変化として、例えば気温が低下して地球表面の雪や氷の面積が増大しますと、そのアルベドが大きくなることが挙げられます。つまりアルベドが大きくなることによって太陽からの放射エネルギーの吸収が減り、さらに気温が低下して寒冷化となり、全球平均気温が下降することになります。これを「アイス
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2今回は、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句または数値を考えてみます。(第1・第2段落)図1の地上天気図では、前線を伴った低気圧が秋田沖および九州付近にあって、発達しながら東に進んでいる。また、沖縄の南から日本の南にかけて停滞前線がのびており、南西諸島では雨を観測している。低気圧が接近している秋田の現在天気は(①)雨で、気圧は(②)時間前に比べて3.6hPa下降している。一方、東京の現在天気は晴れで、(
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)表面雨量指数とは、短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標です。降った雨が地中に浸み込みやすい山地や水はけのよい傾斜地では、雨水が溜まりにくいという特徴がある一方、地表面の多くがアスファルトで覆われている都市部では、雨水が地中に浸み込みにくく地表面に溜まりやすいという特徴があります。表面雨量指数は、こうした地面の被覆状況や地質、地形勾配などを考慮して、降った雨が地表面にど
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p171、図7.5「風の南北循環」を見ながら考えてみます。対流圏下層では南北の緯度30°付近から赤道付近に向かって吹く東よりの風があって、この風を「貿易風」とよんでいます。またこの南北の貿易風が収束する領域のことを「熱帯収束帯」とよんでいます。この付近では、暖湿な空気が収束するため対流活動が活発で、熱帯収束帯で上昇した空気は対流圏界面で南北それぞれ発散して南北の緯度20°〜30
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)まず、発達した積乱雲により強い雨やひょうが降ることにより農作物、建物、車などが被害を受けることがあります。ひょうが降る条件として、本文にある「発達した積乱雲の存在」ともう一つ、概ね5月〜7月の「高すぎない気温」があげられます。積乱雲が発達しますと、雷が発生し落雷による災害のおそれがあるわけですが、これに付随して発生する突風や降ひょうによって災害が起こるおそれがあるときは、大雨注意報ではなく、雷注意報を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識今回は、本文を読みながら、(a)(b)(c)の空欄にあてはまる語句を考えてみます。まず、「図A、図Bより、波長(a)の紫外線は、大気上端から対流圏界面付近までの層の中でほぼ吸収されてしまい、地表面付近にはほとんど到達しないことが分かる。」とあります。(気象庁HP:紫外線とは「各領域の紫外線とオゾン層の関係」より)上図のように紫外線は波長域ごとに分類されており、波長の長いほうからUV-A(0.40μ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p251の図9.1「1月における経度平均温度の緯度高度分布」を見ながら考えてみます。これによりますと、本文にあります通り、経度方向に平均気温が最も低い領域が赤道付近の高度15km(10km〜20km)付近、すなわち赤道付近の上部対流圏から下部成層圏に見られることがわかります。これは、低緯度において対流活動が活発でハドレー循環の上昇流域にあたり、対流圏界面の高度が15~17km付近と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3(4)まず、渦Aが13時00分に西郷に最接近する前後1時間に着目し、図10(上)の風向の変化と、問3(3)の結果から、渦Aの中心が西郷の北側または南側のどちら側にあるのか考えてみます。問3(3)の結果より、もしも渦が北側にあるとしたら風向はどう変化するはずか。渦Aは問3(2)②より東南東に移動していることはすでにわかっていますが、単純に渦が西から東に移動していると考えた場合、渦は西郷から見
こんばんは。第62回試験・一般知識気象業務法(許可の基準)第18条第1項気象庁長官は、前条第一項の規定による許可の申請書を受理したときは、次の基準によつて審査しなければならない。第1号当該予報業務を適確に遂行するに足りる観測その他の予報資料の収集及び予報資料の解析の施設及び要員を有するものであること。第2号当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受けることができる施設及び要員を有するものであること。第2項気象庁長官は、前項の規定により審査し
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、(A)について見ますと、湿数は全層にわたって湿潤で、図6(上)の予想においても湿数3℃以下の湿潤域と700hPaと一致していること、また地上における風向については、図4(下)の等圧線の走向から北から北西と推定され、状態曲線でも地上付近で弱い北から北西の風向となっていることから、秋田と判断されます。したがって、(A)は秋田となります。次に(B)について見ますと、(2)でも考察しましたように、風向が全層
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)気象業務法(気象予報士となる資格)第24条の4試験に合格した者は、気象予報士となる資格を有する。(登録)第24条の20気象予報士となる資格を有する者が気象予報士となるには、気象庁長官の登録を受けなければならない。現在、気象予報士を目指して勉強をされておられる方でご承知の方は多いかと思いますが、気象予報士となる資格を規定した気象業務法第24条の4では、「気象予報士試験に合格した者は、気象予
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問2今回は、図6(右下)の地上予想図によると、南西諸島から東日本にかけて降水が予想されており、その中で降水量が最も多く予想されている領域における、地形的な特徴と下層風の状況について述べよ、という内容です。まず、図6(右下)で予想されている降水の予想を見てみます。図中の破線は予想時刻前12時間降水量を表していますが、見方としましては、最も外側の破線が0mmを示し、10mmごとに最大50mmまで線が引かれていま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2大気の静的安定性につきましては、大気の熱力学、図として一般気象学p71の図3.13「湿潤大気の静的安定性」で学習しましたように、気温減率が湿潤断熱減率より小さい、すなわち立っている状態であれば「絶対安定」、乾燥断熱減率より大きい、すなわち寝ている状態であれば「絶対不安定」、乾燥断熱減率より小さく、湿潤断熱減率より大きければ「条件付き不安定」ということでした。(A)これを踏まえて(A)の状態曲線から
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問1まず初めに、温度移流から考えてみます。図3(下)の850hPa気温・風、700hPa鉛直流解析図ではその名の通り、異なる高度の情報が1枚の図に盛り込まれているわけですが、温度移流に関連する情報は、850hPa等温線と850hPaの矢羽に着目します。850hPaの等温線は3℃ごとに引かれており、矢羽は、850hPa面の風向・風速を表しています。次に、学科試験・一般知識の大気の力学で温度移流について学習しま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問4まず、問題にある「対流不安定」について簡単に触れておきたいと思います。上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、あるいは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位(相当温位)が高度とともに低くなる気層となる場合、その気層は対流不安定な気層となります。そこで、図13(左)に着目して、高度とともに相当温位が低くなる気層はどこか見ます
こんばんは。新年あけましておめでとうございます。2025年も当ブログ「てるてる風雲録」を宜しくお願いします。いよいよ第63回気象予報士試験も今月ということで、早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、850hPa面での前線について、初期時刻の29日21時では問1(2)①、24時間後の30日21時では問1(5)の考察より、ともに6℃の等温線に対応してることがわかりましたので、12時間後の30日9時においても6℃の等温線に対応しているものと考えます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず初めに、状態曲線(エマグラム)を見ることによって、ある地点上空の空気の湿り気がわかるという特徴について簡単に触れておきたいと思います。この図8では、気温を実線、露点温度を破線で表しています。この両者のの差のことを「湿数」と呼んでいるわけですが、ある高度において、気温と露点温度の線が大きく離れていれば、その高度における空気は乾燥していることを示し、逆に接近していれば湿潤であることを示し