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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)今回のケースでは気温ですが、気温の他に、降水量、降雪量、風速といった具体的な数値で示す予報のことを、「量的予報」とよんでいます。この量的予報の精度評価には、平均誤差(ME)と二乗平均平方根誤差(RMSE)が用いられています。例として、前回の第60回試験・専門知識・問14から平均誤差および二乗平均平方根誤差を実際に求めてみます。まず、この期間の最高気温の予報について平均誤差を算出してみます。平均誤差を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)「一般気象学」p185、図7.16「発達中の地上低気圧と500hPaの気圧の谷の相互位置」および、図7.17「上図発達中の低気圧に伴う雲域」を見ながら考えて見ます。まず、地上天気図の寒冷前線は、温度の異なる気団の間の遷移層の暖気側の境界が地表面と交わるところに描かれます。したがって、寒気側とする本文の内容は誤りとなります。(b)寒冷前線に伴う降水域は温暖前線に伴う降水域に比べて幅が狭いことが多い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤について考えてみます。(第1段落)まず、「数値予報には、数値予報モデルやその初期値が完全でないことなどに起因する誤差が含まれる。地球大気を扱う数値予報モデルでは、格子間隔より小さなスケールの現象によって生じる効果を、(a)格子点における物理量を用いて近似的に評価しているので、実際の現象とは厳密に一致せず、誤差が生じる要因の一つとなっている。」とあります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識今回は、本文を読みながら、(a)(b)(c)の空欄にあてはまる語句を考えてみます。まず、「図A、図Bより、波長(a)の紫外線は、大気上端から対流圏界面付近までの層の中でほぼ吸収されてしまい、地表面付近にはほとんど到達しないことが分かる。」とあります。(気象庁HP:紫外線とは「各領域の紫外線とオゾン層の関係」より)上図のように紫外線は波長域ごとに分類されており、波長の長いほうからUV-A(0.40μ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず、問題に入る前に、ウィンドプロファイラとはどういう観測機器なのか、概要に触れておきたいと思います。(ウィンドプロファイラ美浜(和歌山県)2019.02.04美浜のウィンドプロファイラへゆくより)ウィンドプロファイラは、地上から上空に向けて電波を発射し、大気中の風の乱れなどによって散乱され戻ってくる電波を受信・処理することで、上空の風向・風速を測定する機器です。雨が降って
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象レーダー(大阪・高安山)2018.03.22大阪・高安山のレーダーへゆくより)気象ドップラーレーダーは、アンテナを回転させながらパルス状の電波を発射し、半径数百kmの範囲内に存在する雨や雪を観測しています。発射された電波は、雨や雪といった降水粒子にあたりますと散乱(レイリー散乱)が起きます。このうちレーダーの位置する方向に跳ね返って戻ってきた電波(後方散乱)があり、これを捉えて分析する
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)まず、図Aの月平均500hPa高度・平年偏差図から見てみます。平年偏差とは、等圧面高度が平年値からどれくらいズレているか、ということで、図の下にスケールが示されており、暖色が濃いほど正偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が高く高温傾向を表し、逆に寒色が濃いほど負偏差が大きい、つまり平年値よりも等圧面高度が低く低温傾向であると読み取ることができます。本文に述べられている通り、アリューシャン列島の東と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)「一般気象学」p251の図9.1「1月における経度平均温度の緯度高度分布」を見ながら考えてみます。これによりますと、本文にあります通り、経度方向に平均気温が最も低い領域が赤道付近の高度15km(10km〜20km)付近、すなわち赤道付近の上部対流圏から下部成層圏に見られることがわかります。これは、低緯度において対流活動が活発でハドレー循環の上昇流域にあたり、対流圏界面の高度が15~17km付近と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず、「温度減率が0.6℃/100mの大気中の高度Aにおいて、周囲の大気と気圧が等しく、周囲より温度が4℃低い空気塊を静かに放出した」というところに着目して考えてみます。この空気塊の温度は周囲の大気の温度よりも低い、ということはすなわち、空気塊の空気密度が大きいですので、落下してい行くことになります。いま大気の温度減率は0.6℃/100mであるのに対して、問題では未飽和の空気塊の鉛直運動を考えて
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)エーロゾルの数は一般的に海上よりも陸上の方が多く、陸上の積雲の方が単位体積あたりの雲粒の数が多く、かつ雲粒の平均的な大きさは小さくなります。これは、土壌あるいは都市からエーロゾルが供給され、海洋上に比べてエーロゾルの密度が高くなるためです。逆に言いますと本文にありますように、海洋上の方が単位体積(1㎥)あたりのエーロゾルの数が少なく、より大きな粒径の雲粒子が存在することになります。したがって、本文の内容
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)気象業務法(気象予報士となる資格)第24条の4試験に合格した者は、気象予報士となる資格を有する。(登録)第24条の20気象予報士となる資格を有する者が気象予報士となるには、気象庁長官の登録を受けなければならない。現在、気象予報士を目指して勉強をされておられる方でご承知の方は多いかと思いますが、気象予報士となる資格を規定した気象業務法第24条の4では、「気象予報士試験に合格した者は、気象予
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3(4)まず、渦Aが13時00分に西郷に最接近する前後1時間に着目し、図10(上)の風向の変化と、問3(3)の結果から、渦Aの中心が西郷の北側または南側のどちら側にあるのか考えてみます。問3(3)の結果より、もしも渦が北側にあるとしたら風向はどう変化するはずか。渦Aは問3(2)②より東南東に移動していることはすでにわかっていますが、単純に渦が西から東に移動していると考えた場合、渦は西郷から見
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)表面雨量指数とは、短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標です。降った雨が地中に浸み込みやすい山地や水はけのよい傾斜地では、雨水が溜まりにくいという特徴がある一方、地表面の多くがアスファルトで覆われている都市部では、雨水が地中に浸み込みにくく地表面に溜まりやすいという特徴があります。表面雨量指数は、こうした地面の被覆状況や地質、地形勾配などを考慮して、降った雨が地表面にど
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず、気象衛星赤外画像および水蒸気画像の特徴について簡単に触れておきたいと思います。赤外画像は、地表面、海水面、雲から放射された赤外線、すなわち地球放射をとらえて画像化しています。一般知識で学習した「ステファン・ボルツマンの法則」では、ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度で決まる、ということでした。気象衛星はこれを利用して放射量を測定し物体の絶対温度(輝度温度)を求めます。しかし雲は完
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識初めに問題に入る前に、混合比、温位、相当温位について触れておきたいと思います。まず、混合比は混合比(q)=水蒸気の質量/乾燥空気の質量で表されます。これを湿潤空気の気圧(p)、水蒸気圧(e)、乾燥空気の分圧(p-e)で表す場合の混合比(q)は、q=0.622×(e/p-e)ふつうe/pは0.04を越えることはなく、つまり水蒸気圧は湿潤空気の気圧より2桁小さく、分母のeは省略することができ、q=0.
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3(4)③まず、前問の問3(4)②でも触れましたが、問3(2)②において渦Aの移動方向は東南東で西郷の北側にあることがすでにわかっています。したがって、11時50分から13時10分の時間帯における、一般的な風向の変化は南西→西→北西と時計回りに変化することになります。④③では、一般的にある地点の北側を渦が東南東に通過する際の風向の変化は時計回りに変化することを述べました。ところが、図10(上)の11時50分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識水防法(国の機関が行う洪水予報等)第10条第1項気象庁長官は、気象等の状況により洪水、津波又は高潮のおそれがあると認められるときは、その状況を国土交通大臣及び関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(以下「報道機関」という。)の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。第2項国土交通大臣は、二以上の都府県の区域にわたる河川その他の流域面積が大
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問3まず、表の①〜⑥を明らかにするために図を描いてみます。ここで問題文の最後に、「ただし、風は傾度風であるものとする。」という文言がありますが、これは換言しますと、「摩擦力は考えなくてよい。」とも解釈されますので、円形等圧線に沿う形で風が反時計回りに吹いているものと考えよい、ということになります。(北西側)①④渦が地点Xの北西側にあるときは、地点Xの風向は南西となり、南風成分は①正、西風成分は④正
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず初めに、温度風についての概要を触れておきたいと思います。温度風とは、実際に吹いている風ではなく、「ある2つの等圧面における地衡風の差」のことであり、等圧面間の平均気温分布における等温線と平行になります。また温度風は下層側の地衡風のベクトルの先から上層側の地衡風のベクトルの先に向かう形で、北半球では、高温部を右側に見る温度風のベクトルとなります。これを踏まえて、今回の問題の模式図に基づいて解答へ導くた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、(A)について見ますと、湿数は全層にわたって湿潤で、図6(上)の予想においても湿数3℃以下の湿潤域と700hPaと一致していること、また地上における風向については、図4(下)の等圧線の走向から北から北西と推定され、状態曲線でも地上付近で弱い北から北西の風向となっていることから、秋田と判断されます。したがって、(A)は秋田となります。次に(B)について見ますと、(2)でも考察しましたように、風向が全層
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p34より)上の2つの図を見ながら考えてみます。数値予報では、前回の予報値を第一推定値に利用してデータ同化(客観解析)を行うことで解析値を作成し、さらに初期値化を行なって初期値から予報計算を実行して次のデータ同化の第一推定値として利用するということを繰り返して解析精度が保たれています。この繰り返しのことを「解析予報サイクル」とよんでいます。観測点
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず初めに、「天気予報ガイダンス」について、簡単に概要を述べておきたいと思います。数値予報において求められた計算結果(予測値)は未来の大気の状態に対応する様々な数値の羅列で、1億以上の格子点が持つビッグデータとなっていますが、天気予報においてはこれらをそのまま発表しているわけではありません。求められた予測値と観測値から統計的な関係(翻訳・修正)を見つけ出し、これを使って予測値から天気予報として発表するの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)問題の図を基にして答えを導き出すための図を描いてみました。点Aを通るように10℃の等温線と14℃の等温線の間に垂線を描きますと、交差角が30°とありますので、30°と60°の直角三角形が△ABCと△ADEの2つできることがわかります。ここで、高校数学で学習する三角比の知識が必要になるのですが、気象予報士試験では30°と60°の直角三角形ではAB:AC:BC=1:2:√3となることを理解できていれば十分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問4下層と上層の2つの等圧面における地衡風の差のことを、「温度風」とよぶことは前回の問題でも触れました。次に、風が吹くことによりある地点、(この問題では尾鷲)において温度が変化することを「温度移流」とよんでおり、風により温度が高くことを「暖気移流」、逆に温度が低くなることを「寒気移流」とよんでいます。前問の問4(1)において、下層(950hPa等圧面)~上層(800hPa等圧面)の風ベクトルより温
こんばんは。今回の一般知識は、気候変動と地球温暖化についての問題です。地表面の状態の変化、永久凍土の融解、大規模な火山噴火により大気中に留まる火山灰の影響、成層圏オゾンを破壊するフロンガスの温室効果について、問題を通して次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。15日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回行われました令和6年度第1回(通算第62回)気象予報士試験の合格発表がありました。今回の合格率は5.8%、学科試験では、一般・専門ともそれぞれ15問中正解が10以上ということで、前回の第61回試験と比べてやや難しかったのかな、という印象でした。特に一般知識の「大気の熱力学」や「大気の力学」は新しい角度から出題されることが多いですが、学習する基本的知識は有限ですので、繰り返し問題演習を通して定着させていく、また専門知識では、数値予報、アンサンブル予報、天気予報ガイダ
こんばんは。新年あけましておめでとうございます。2025年も当ブログ「てるてる風雲録」を宜しくお願いします。いよいよ第63回気象予報士試験も今月ということで、早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、850hPa面での前線について、初期時刻の29日21時では問1(2)①、24時間後の30日21時では問1(5)の考察より、ともに6℃の等温線に対応してることがわかりましたので、12時間後の30日9時においても6℃の等温線に対応しているものと考えます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)気象官署における地上風の観測につきましては、本文の通り、観測は風車型風向風速計を使い、0.1m/s単位で行われていますが、地上実況気象通報式(SYNOP)では単位にノットを用い、その1の位まで通報します。(超音波式風向風速計2023.04.09「アメダスへ行く60今津」より)なお、アメダスにつきましては、令和3年3月から、特に冬季に積雪が多い地域において湿った雪が風車などの駆動部が凍り付
こんばんは。今回は図13(左)より、12日18時の尾鷲を挟んだ東経136.0°〜東経136.3°の領域についての問題です。①では、この領域での下層の上昇流分布の特徴について述べ、②では、その特徴をもたらしたと考えられる要因を簡潔に述べよ、という内容です。実技試験において、よく問われる内容ですので、しっかり押さえておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問4問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問1①(12時間後)まず、図6(上)を用いて、間隔が最も狭いところを探してみますと、朝鮮半島の東から九州付近で狭くなっており、図上で21mmと計測されます。緯度10°=図上39mmとし、緯度10°=600海里=1111(km)としますと、図上の距離から21÷39≒0.54求める実際の距離は100km刻みの指示ですので、0.54×1111=599.94≒600(km)となります。なお、気