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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問1(4)まず、エマグラム上において、温暖前線面では、気温と風にどんな特徴が見られるか考えてみます。エマグラムの観測点である潮岬では、対馬海峡付近の低気圧に伴う温暖前線の前面に位置しています。つまり、温暖前線はまだ潮岬を通過する前ですので、寒気の中にある、ということになります。温暖前線面においては、寒気の上空に暖気が流れ込み、寒気の上を滑昇する形となり、寒気と暖気とが接する部分に遷移層ができ、この遷移
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2設問では、(2)③で求めた秋田における温暖前線とは別に下層にも特徴的な気温変化をしている層がある、とあります。このときの考察でも少し触れましたが、この「下層の特徴的な気温変化をしている層」とは、高度900hPa~850hPaに見られる高度につれて気温が上昇する安定な層、すなわち逆転層のことを指します。したがって、設問の下端と上端の気圧は10hPa刻みで、下端:900hPa、上端:850hPaと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技1・問5①図14のエマグラムを用いて、富山で露点温度が最低を示す時刻の空気塊が、山岳の影響によりどの高度まで上昇した後下降したか、2時の気温に着目して50hPa刻みで答えなさい、ということです。問題文では、2時の気温に着目とありますが、図13では露点温度と風速の情報しかありません。しかし、(2)の冒頭で、「気温と露点温度は、山越えする前は図13の2時の富山の観測値と同じものとする」とありますので、2時
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2(3)今回の問題では、950hPaから500hPaまでの風向および風速の鉛直分布の特徴を述べよ、ということで、該当する高度間の風の鉛直分布に着目しますと、まず風向は全体的に西南西の風となっており、温度移流の特徴がわかる大きな変化が見られないことがわかります。次に、風速はどうか見ますと、弱いところで950hPa付近の30ノット、500hPa付近で35ノット、その他の高度では45ノットが多い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回の問題は、図1の地上天気図と図4の名瀬における状態曲線(エマグラム)を用いて、名瀬で観測された雲のうち、中・上層雲の雲底の高度と下層雲の雲頂の高度をエマグラムから読み取って推定するという内容です。(気象庁HP:国際式の天気記号と記入方式より)まず、名瀬ではどんな雲が観測されたのかを読み取ります。中・上層雲は全雲量の上にある記号は上の凡例にはありませんが、正確には「不透明の高積雲
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問3今回は、図12の状態曲線(エマグラム)において、この図に見られる逆転層は前線の転移層であることに関連し、28日21時における館野の転移層の上端の気圧と厚さを求めよ、という内容です。問題文だけを読みますと、ややこしいですが、解答欄を見ますと、上端の気圧(hPa)、上端の高度(m)、転移層の厚さ(hPa)、転移層の厚さ(m)をそれぞれ答えよ、という内容になっていることがわかります。まず、上端の気圧(hPa)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3今回は、図13の輪島における状態曲線(エマグラム)について、地上の空気塊の気温が、加熱により同じ混合比で7℃になったとき、その空気塊が上昇して浮力がなくなる高度を20hPa刻みで解答せよ、という内容です。問題文はすなわち、輪島の9日21時における気温、約3.5℃を加熱により7℃に上昇させる一方で、露点温度約0.5℃に対応する混合比はそのまま同じ値とすることを意味しています。加熱により7℃になっ
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問題文そのものはサラッと書かれていますが、この問題を解くためには温位・相当温位・湿球温位についての理解と、頭の中でエマグラムを使って空気塊を操作しながら考えることができる必要があります。まず、温位・相当温位・湿球温位について整理してみたいと思います。温位とは、ある未飽和の空気塊を1000hPaまで乾燥断熱線に沿って下降または上昇させ、1000hPa面にそろえたときに示す温度のことをいいます。(受験時代のノートより)
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問2(図1)(図2)図1は前問の問2(2)で持ち上げ凝結高度・自由対流高度・平衡高度を求めたときの図、図2は露点温度が18日9時と変わらないとしたときの18日の最高気温が30℃になる場合の持ち上げ凝結高度・自由対流高度・平衡高度を新たに求めた図になります
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問1(4)今回は、本文を読みながら、㋐、㋑、㋒の空欄に入る適切な語句を考えてみます。まず、「鹿児島上空では790hPa付近から650hPa付近にかけて気温減率は(㋐)断熱減率とほぼ同じで、湿数はほぼ0℃である。」とあります。790hPa付近から650hPa付近に着目しますと、気温の分布は、湿潤断熱線とほぼ平行していることから、湿潤断熱減率とほぼ同じとなり、湿数は露点温度の分布とほぼ重なっていることから
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(4)まず、高度700hPa付近にみられる逆転層の上端の温位から読み取ってみます。逆転層の上端は具体的にはおよそ690hPaのところにあり、ここの温位を乾燥断熱線に沿って読み取りますと、290Kと295Kの間、1K刻みで293K付近であることがわかります。次に、前線面は等温位面であると仮定して850hPa面におけるこの前線上の気温ですが、「等温位面であると仮定」とありますので、乾燥断熱線に沿
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1(3)初めに、図3(下)に着目しますと、東シナ海において、地上の停滞前線は850hPa面の12℃の等温線に概ね対応しており、これに直交するように南西風が吹いていることがわかります。福岡はその概ね北東の延長上に位置していることから②の問いで勾配を求めることができ、また、③の問いにおいて転移層よりも上層で湿数が小さいことから、福岡で観測される主に上・中層の雲の成因に前線面が大きく関わっていることが考えられ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2図5によりますと、秋田付近では温暖前線の降水に伴う降水エコーが観測されているが、図1の地上天気図では秋田の現在天気は観測されていないのはなぜか、という設問です。図5で秋田付近の降水強度を見ますと、凡例の下から2番目、0.1~2mm/hと降水強度が弱いことがわかります。一方、図4では600hPa付近にある温暖前線に対応する逆転層から下層では湿数が大きく、空気が乾燥しており、また秋田上空の温暖前線か
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第33回試験・一般知識前回の問題では、模式図を用いて考えてみましたが、今回は問題文で与えられた条件の空気塊を自分でエマグラムを操作しながら相対湿度と持ち上げ凝結高度を求める、という内容です。「一般気象学」などのテキストを読んで理解したつもりでも、本当に理解できたかどうかは自分でエマグラムを操作できるように練習して慣れておく必要があると思います。今回はその理解力が問われている問題の一つと考えられます。まず、空気塊の条件とし
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2ショワルターの安定指数(SSI)とは、850hPaにある空気塊の気温と露点温度によって持ち上げ凝結高度を求め、さらにその空気塊を湿潤断熱線に沿って500hPaまで持ち上げたとき、実際の500hPaにおける気温から、その500hPaまで持ち上げた空気塊の気温を差し引いた値のことで、大気の鉛直安定度を求める方法の一つです。値が負であれば不安定、正であれば安定となりますが、正の値であっても+2℃以下であれば雷の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1(3)今回の問題は地上前線の位置から福岡の距離は500kmで福岡上空まで転移層の厚さが一定であるとしたときの前線面の勾配を求め、さらに求めた勾配と(3)①の解答を基に地上における前線帯の水平幅を求めよ、という内容の問題です。まず、前線面の勾配値1/Fの分母の値Fを求めてみます。地上前線の位置から福岡までの距離が500kmですので、簡単のためmに換算しますと500000mとなります。一方、(3)①
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問1(3)まず初めに、「温暖前線面」とはどの部分を指すのかについて触れてみたいと思います。前線面とは、異なる気団が接する面のことをいい、その前線面が地上に接しているところを前線と呼んでいます。上に温暖前線面について簡単な模式図を描きましたが、左側の図の青い矢印でそれぞれ示しているところです。では、これを状態曲線(エマグラム)で見た場合、温暖前線面はどの部分にあたるかを示したのが右側の図になります
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2まず、図8の3つの状態曲線が、秋田、館野、松江のいずれかは現時点で不明であるものの、(A)の状態曲線において、気温と風向の鉛直分布から判断される最下層から2つ目の前線面の高度は何hPaか気温分布から考えてみます。前線面では、寒気の上空に暖気が流れ込みますと、暖気と寒気の接する部分に遷移層が形成され、その中では気温減率が小さい気層、すなわち安定層が見られます。また場合によって気温の逆転が見られ逆転層が見
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2まず、(A)について見ますと、湿数は全層にわたって湿潤で、図6(上)の予想においても湿数3℃以下の湿潤域と700hPaと一致していること、また地上における風向については、図4(下)の等圧線の走向から北から北西と推定され、状態曲線でも地上付近で弱い北から北西の風向となっていることから、秋田と判断されます。したがって、(A)は秋田となります。次に(B)について見ますと、(2)でも考察しましたように、風向が全層
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2今回は図5(下)の館野の状態曲線について、地上から700hPaまでの高度にみられる2つの逆転層のうち、高度の高い方にある逆転層の上端の高度とその逆転層の種類について、問題文の下枠の中から解答せよ、という問題です。まず、「高度の高い方の逆転層」とは、下端が830hPaで上端が800hPaのことを指していますので、解答はその上端の高度、800hPaとなります。なお、気象業務支援センター解答例では790h
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1(3)問1(1)⑧⑨の問いにおいて、図1の福岡の実況は、「上・中層雲を主体とする雲に覆われており、下層雲の雲量は8分の1である。」ということでした。この知見から図4を見る以前に、福岡においては下層よりも上・中層の方が雲が多いのに対応して湿数が小さいのではないかと概ね推察されます。実技試験の問題演習をするにあたって、問題を解きながら、行き当たりばったりではなく、これまで積み上げてきた学科試験の知識をベ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1本文の冒頭で、「館野では、地上から850hPaの間は湿度が高く850hPa付近が特に湿っている」とあります。状態曲線(エマグラム)の見方の一つが、気温(実線)と露点温度(破線)によって気層の湿り具合が分かることです。気層が乾燥しているか湿っているかは気温と露点温度の差、すなわち湿数がここでは指標となります。これがエマグラムでどう表現されるかといいますと、気温を示す実線と、露点温度を示す破線が大きく離れ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1問題では、図4の福岡の観測では、華中から東シナ海にのびる停滞前線の転移層がみられる、とあります。この「転移層」とは何かと言いますと、前線面において、寒気と暖気が接している気層のことで「遷移層」とも呼ばれていて、先に解答を述べることになりますが、下端650hPa〜上端630hPaかけて高度が上がるにつれて気温が上昇している部分がそれにあたります。ここで一般知識の大気の熱力学で学習した大気の静的安定度について
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2今回は、図8の鹿児島の状態曲線(エマグラム)から自由対流高度を求めてみます。図8の右側に「エマグラムの右下枠内の拡大図」が抜き出されており、求めやすいように配慮されていますので、これを用いてみましょう。地上の空気塊は飽和するまでは乾燥断熱線に沿って上昇しますが、持ち上げ凝結高度まで上昇して空気塊が飽和し、水蒸気が凝結し始めますと、空気塊は湿潤断熱線に沿って上昇することになります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2(2)まず始めに、秋田と850hPaの温暖前線との水平距離を求めてみます。図2において、風が南南東50ノットの矢羽の根元に位置する秋田から、太破線に沿って12℃の等温線に沿っている温暖前線までの図上の距離を測りますと、1.2cmとなります。一方、緯度10°を図上で測りますと、4.0となります。緯度10°は約1,110kmとしますと、求める秋田と850hPaの温暖前線との水平距離は、4
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1今回は、図9の輪島の状態曲線(エマグラム)について、この大気の状態のときの地上にある空気塊が上昇したことで発生する雲の雲底の高度を求めよ、という内容です。まず、この「雲底の高度」とは何かを考えます。地上における空気塊は温度が-1.2℃、露点温度が-5.5℃という状態です。この時点での空気塊は未飽和ですので、空気塊の上昇は乾燥断熱線に沿って上昇していきます。一方、この空気塊の混合比は露点温度5.5℃から等
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1今回は、館野における29日21時のエマグラムを用いて、最も高い高度にある逆転層の上端の高度とその気温、またこれよりも下層において気温が最も低い高度とその気温をそれぞれ高度は50m刻み、気温は1℃刻みで解答せよ、という読み取りの問題です。最も高い高度にある逆転層の上端の高度とその気温を赤で、気温が最も低い高度とその気温は青で読み取った結果を示しています。まず、最も高い高度にある逆転層の上端
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問1今回は、図6の潮岬における状態曲線(エマグラム)を使って複数見られる逆転層のうち、下層から1番目と2番目の逆転層の上端の高度を答えよ、という内容です。「一般気象学」p71の図3.13、「湿潤大気の静的安定性」の図を見ながら逆転層とは何かを考えますと、気温減率が湿潤断熱線よりも小さい場合は安定であるということができ、このような部分が見られる気層のことを「安定層」とよんでいるわけですが、中でも特に高度が
こんばんは。今回は、問2の(1)〜(4)のこれまでの考察に基づいて、(A)(B)(C)の状態曲線がそれぞれどの地点のものなのか、という問題です。気温減率、湿数、風向からその地点と判断できる決め手は何かを考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいとお見ます。第62回試験・実技試験2・問2問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。5日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第41回試験・専門知識まず、問題にありますように、図のエマグラムの細実線は観測された気温の鉛直分布で、太実線はA点にある未飽和の空気塊を断熱的に持ち上げたときの温度変化ということで(a)から見ていきます。(a)未飽和の空気塊をA点から持ち上げていきますと、初めは乾燥断熱線に沿って持ち上げ、やがてその空気塊の露点温度に達するところのB点で飽和します。これが持ち上げ凝結高度(LCL)です。すなわち空気塊内の水蒸気が凝結し始める高度にな