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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問3今回は、図11の名瀬における状態曲線と風の鉛直分布を用いて、①では、図に見られる2つの前線性逆転層のそれぞれについて、逆転層の上端の高度およびその高度の上層50hPaから下層50hPaの範囲における温度移流の種類を、②では、750hPa〜550hPa、および550hPa〜450hPaにおける温度移流の状況について、温度移流が明確な場合はその方向を示して簡潔に答えよ、という内容の問題を2問まとめて考えてみま
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問2(図1)(図2)図1は前問の問2(2)で持ち上げ凝結高度・自由対流高度・平衡高度を求めたときの図、図2は露点温度が18日9時と変わらないとしたときの18日の最高気温が30℃になる場合の持ち上げ凝結高度・自由対流高度・平衡高度を新たに求めた図になります
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(4)今回は、これまでの考察で見てきましたオサン(韓国)における8日9時(図5)の逆転層上端の高度が3039mであることがわかっており、この時刻に対馬海峡にある低気圧(図14)に伴う前線について地上低気圧の中心~オサン間の平均の勾配の大きさを1/Fで表すときの分母Fにあたる数値を答えよ、という問題です。すなわち、底辺の長さが地上低気圧の中心~オサンまでの距離、高さが逆転層上端の高度の3039
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問題文そのものはサラッと書かれていますが、この問題を解くためには温位・相当温位・湿球温位についての理解と、頭の中でエマグラムを使って空気塊を操作しながら考えることができる必要があります。まず、温位・相当温位・湿球温位について整理してみたいと思います。温位とは、ある未飽和の空気塊を1000hPaまで乾燥断熱線に沿って下降または上昇させ、1000hPa面にそろえたときに示す温度のことをいいます。(受験時代のノートより)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3今回は、図13の輪島における状態曲線(エマグラム)について、地上の空気塊の気温が、加熱により同じ混合比で7℃になったとき、その空気塊が上昇して浮力がなくなる高度を20hPa刻みで解答せよ、という内容です。問題文はすなわち、輪島の9日21時における気温、約3.5℃を加熱により7℃に上昇させる一方で、露点温度約0.5℃に対応する混合比はそのまま同じ値とすることを意味しています。加熱により7℃になっ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2ショワルターの安定指数(SSI)とは、850hPaにある空気塊の気温と露点温度によって持ち上げ凝結高度を求め、さらにその空気塊を湿潤断熱線に沿って500hPaまで持ち上げたとき、実際の500hPaにおける気温から、その500hPaまで持ち上げた空気塊の気温を差し引いた値のことで、大気の鉛直安定度を求める方法の一つです。値が負であれば不安定、正であれば安定となりますが、正の値であっても+2℃以下であれば雷の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回の問題は、図1の地上天気図と図4の名瀬における状態曲線(エマグラム)を用いて、名瀬で観測された雲のうち、中・上層雲の雲底の高度と下層雲の雲頂の高度をエマグラムから読み取って推定するという内容です。(気象庁HP:国際式の天気記号と記入方式より)まず、名瀬ではどんな雲が観測されたのかを読み取ります。中・上層雲は全雲量の上にある記号は上の凡例にはありませんが、正確には「不透明の高積雲
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2大気の静的安定性につきましては、大気の熱力学、図として一般気象学p71の図3.13「湿潤大気の静的安定性」で学習しましたように、気温減率が湿潤断熱減率より小さい、すなわち立っている状態であれば「絶対安定」、乾燥断熱減率より大きい、すなわち寝ている状態であれば「絶対不安定」、乾燥断熱減率より小さく、湿潤断熱減率より大きければ「条件付き不安定」ということでした。(A)これを踏まえて(A)の状態曲線から
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3(2)前問の①では、エマグラム上において混合比を同じとした場合、地上付近の空気塊の温度を上昇させて7℃になったとき、その空気塊は、初めは未飽和ですので乾燥断熱線に沿って上昇し、その空気塊の露点温度を通る等飽和混合比線と交差した910hPa付近のところで飽和に達して凝結が始まります。このとき元の温度分布よりも高いことから、さらに今度は湿潤断熱線に沿って上昇し、元の温度分布と交差する高度640(660)hPa
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2(1)まず、逆転層の種類として、問題文の下枠の「接地逆転層」、「沈降性逆転層」、「前線性逆転層」について、一般知識のおさらいとして簡単に振り返ってみたいと思います。《接地逆転層》夜間の放射冷却によって地表に接する空気が冷やされて、その上にある空気より気温が下がる場合に、形成される逆転層です。特に冷気が溜まりやすい山地に囲まれた盆地で発達しやすいのが特徴です。《沈降性逆転層》高気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問1(4)今回は、本文を読みながら、㋐、㋑、㋒の空欄に入る適切な語句を考えてみます。まず、「鹿児島上空では790hPa付近から650hPa付近にかけて気温減率は(㋐)断熱減率とほぼ同じで、湿数はほぼ0℃である。」とあります。790hPa付近から650hPa付近に着目しますと、気温の分布は、湿潤断熱線とほぼ平行していることから、湿潤断熱減率とほぼ同じとなり、湿数は露点温度の分布とほぼ重なっていることから
こんばんは。今回からは図7の館野の状態曲線(エマグラム)と風の鉛直分布の図を用いた問題です。まず初めは1000hPaの空気塊が、断熱的に自由対流高度を超えて上昇したとして、その空気塊の持ち上げ凝結高度を雲底高度と見なしたときの高度を10hPa刻みで解答し、さらに高度を求めるにあたって用いたエマグラム内の等値線の名称を漢字で解答せよ、という内容です。一般知識の大気の熱力学で学習した内容ですので、これから問われる問3の問題でしっかり確認しておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2(2)設問は、図4のエマグラム(状態曲線)を用いて秋田上空における②で作図した850hPaの温暖前線に対応する前線面の気圧を答えなさい、というものです。上の模式図の左側を見ますと、寒気と暖気が接していて、その境目の黒く塗って表している鉛直方向で約1000m程度の気層が存在しています。この気層のことを「遷移層(転移層)」とよんでいます。その遷移層における暖気側の境界のことを「前線面」とよび、前線
こんばんは。今日は気象庁から、僕が住む大阪を含む近畿地方が梅雨入りしたとみられる、との発表がありました。前回は850hPaの高度から500hPaの高度まで空気塊を持ち上げてショワルターの安定指数(SSI)を求める問題でしたが、今回は、地上から空気塊を持ち上げたときの持ち上げ凝結高度、自由対流高度、平衡高度(中立浮力高度)を求めよ、という問題です。今回の設問も一般知識の「大気の熱力学」の復習として、持ち上げ凝結高度、自由対流高度、平衡高度(中立浮力高度)のそれぞれの意味を確認
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第41回試験・専門知識まず、問題にありますように、図のエマグラムの細実線は観測された気温の鉛直分布で、太実線はA点にある未飽和の空気塊を断熱的に持ち上げたときの温度変化ということで(a)から見ていきます。(a)未飽和の空気塊をA点から持ち上げていきますと、初めは乾燥断熱線に沿って持ち上げ、やがてその空気塊の露点温度に達するところのB点で飽和します。これが持ち上げ凝結高度(LCL)です。すなわち空気塊内の水蒸気が凝結し始める高度にな
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(4)まず、高度700hPa付近にみられる逆転層の上端の温位から読み取ってみます。逆転層の上端は具体的にはおよそ690hPaのところにあり、ここの温位を乾燥断熱線に沿って読み取りますと、290Kと295Kの間、1K刻みで293K付近であることがわかります。次に、前線面は等温位面であると仮定して850hPa面におけるこの前線上の気温ですが、「等温位面であると仮定」とありますので、乾燥断熱線に沿
こんばんは。今回は、問2の(1)〜(4)のこれまでの考察に基づいて、(A)(B)(C)の状態曲線がそれぞれどの地点のものなのか、という問題です。気温減率、湿数、風向からその地点と判断できる決め手は何かを考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいとお見ます。第62回試験・実技試験2・問2問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。5日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2設問では、(2)③で求めた秋田における温暖前線とは別に下層にも特徴的な気温変化をしている層がある、とあります。このときの考察でも少し触れましたが、この「下層の特徴的な気温変化をしている層」とは、高度900hPa~850hPaに見られる高度につれて気温が上昇する安定な層、すなわち逆転層のことを指します。したがって、設問の下端と上端の気圧は10hPa刻みで、下端:900hPa、上端:850hPaと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問2今回は図5(下)の館野の状態曲線について、地上から700hPaまでの高度にみられる2つの逆転層のうち、高度の高い方にある逆転層の上端の高度とその逆転層の種類について、問題文の下枠の中から解答せよ、という問題です。まず、「高度の高い方の逆転層」とは、下端が830hPaで上端が800hPaのことを指していますので、解答はその上端の高度、800hPaとなります。なお、気象業務支援センター解答例では790h
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3(2)今回は、図13の輪島における状態曲線(エマグラム)についての最後の問題で、高度690hPaから430hPaにかけての大気の鉛直安定性を見る内容です。高度690hPa~430hPaにかけての大気の鉛直安定性につきましては、この間の温度分布の気温減率、細実線の乾燥断熱線、太実線の湿潤断熱線を比較して考えます。まず、一般気象学p71、図3.13「湿潤大気の静的安定性」の図で一般知識
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問1(4)まず、エマグラム上において、温暖前線面では、気温と風にどんな特徴が見られるか考えてみます。エマグラムの観測点である潮岬では、対馬海峡付近の低気圧に伴う温暖前線の前面に位置しています。つまり、温暖前線はまだ潮岬を通過する前ですので、寒気の中にある、ということになります。温暖前線面においては、寒気の上空に暖気が流れ込み、寒気の上を滑昇する形となり、寒気と暖気とが接する部分に遷移層ができ、この遷移
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1今回は、図5の高度700hPa付近にみられる逆転層の下方と上方それぞれ厚さ100hPa程度の気層内の平均的な風を比較し、風向と風の強さに関する相違点を40字程度で述べる記述問題です。僕が初めて実技試験の勉強を始めたとき、記述問題に対してどのような切り口から書けばいいのかというところで大きな壁に阻まれたのですが、このような問題では、大きく2種類のタイプに分けられると考えています。一つは図に示さ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問3今回は、図12の状態曲線(エマグラム)において、この図に見られる逆転層は前線の転移層であることに関連し、28日21時における館野の転移層の上端の気圧と厚さを求めよ、という内容です。問題文だけを読みますと、ややこしいですが、解答欄を見ますと、上端の気圧(hPa)、上端の高度(m)、転移層の厚さ(hPa)、転移層の厚さ(m)をそれぞれ答えよ、という内容になっていることがわかります。まず、上端の気圧(hPa)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1(3)初めに、図3(下)に着目しますと、東シナ海において、地上の停滞前線は850hPa面の12℃の等温線に概ね対応しており、これに直交するように南西風が吹いていることがわかります。福岡はその概ね北東の延長上に位置していることから②の問いで勾配を求めることができ、また、③の問いにおいて転移層よりも上層で湿数が小さいことから、福岡で観測される主に上・中層の雲の成因に前線面が大きく関わっていることが考えられ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2図5によりますと、秋田付近では温暖前線の降水に伴う降水エコーが観測されているが、図1の地上天気図では秋田の現在天気は観測されていないのはなぜか、という設問です。図5で秋田付近の降水強度を見ますと、凡例の下から2番目、0.1~2mm/hと降水強度が弱いことがわかります。一方、図4では600hPa付近にある温暖前線に対応する逆転層から下層では湿数が大きく、空気が乾燥しており、また秋田上空の温暖前線か
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1今回は、図9の輪島の状態曲線(エマグラム)について、この大気の状態のときの地上にある空気塊が上昇したことで発生する雲の雲底の高度を求めよ、という内容です。まず、この「雲底の高度」とは何かを考えます。地上における空気塊は温度が-1.2℃、露点温度が-5.5℃という状態です。この時点での空気塊は未飽和ですので、空気塊の上昇は乾燥断熱線に沿って上昇していきます。一方、この空気塊の混合比は露点温度5.5℃から等
こんばんは。今回の問題は、図4の状態曲線(エマグラム)に基づいて鹿児島上空の大気の状態について述べた本文中の空欄ア、イ、ウに入る適切な語句を穴埋めする内容です。一般知識の大気の熱力学の復習として正解できるようにしておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問1(4)問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。12日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第33回試験・一般知識前回の問題では、模式図を用いて考えてみましたが、今回は問題文で与えられた条件の空気塊を自分でエマグラムを操作しながら相対湿度と持ち上げ凝結高度を求める、という内容です。「一般気象学」などのテキストを読んで理解したつもりでも、本当に理解できたかどうかは自分でエマグラムを操作できるように練習して慣れておく必要があると思います。今回はその理解力が問われている問題の一つと考えられます。まず、空気塊の条件とし
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2まず、図8の3つの状態曲線が、秋田、館野、松江のいずれかは現時点で不明であるものの、(A)の状態曲線において、気温と風向の鉛直分布から判断される最下層から2つ目の前線面の高度は何hPaか気温分布から考えてみます。前線面では、寒気の上空に暖気が流れ込みますと、暖気と寒気の接する部分に遷移層が形成され、その中では気温減率が小さい気層、すなわち安定層が見られます。また場合によって気温の逆転が見られ逆転層が見
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2(2)まず始めに、秋田と850hPaの温暖前線との水平距離を求めてみます。図2において、風が南南東50ノットの矢羽の根元に位置する秋田から、太破線に沿って12℃の等温線に沿っている温暖前線までの図上の距離を測りますと、1.2cmとなります。一方、緯度10°を図上で測りますと、4.0となります。緯度10°は約1,110kmとしますと、求める秋田と850hPaの温暖前線との水平距離は、4