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2次試験に限らず、試験問題は、“読み換え“が求められます。そして、“読み換え“には、知識と技能が必要です。2次試験は、診断・助言の事例問題です。診断の結果、いいところがあれば、もっと活用する助言をする。あるいは、悪影響が出ないようにする助言をする。いま一つのところがあれば、解消・補完する助言をする。出題者側は、助言が成り立つように事例を設定する必要があります。助言は、「◯◯しなさい」ということですから、「◯◯しなさい」が成り立つ根拠を埋め込みます
前回、助言の余地に読み換える知識と技能の話をしました。この技の習得にあたっては、“逆向きの練習“も行うと一層効果的です。「助言の余地を埋め込む」練習です。出題者が行うことですね。たとえば、次の内容を解答のキーメッセージにしたいとします。解答:データに基づいて行いなさい。この根拠をどう埋め込むか?根拠:担当者それぞれの経験で行なっている。これは、読み換え:データに基づいて行なっていない。ということです。ただし、この根拠だけだと、
まずは、前回のお題から。記述①:経験に基づいて行っている。問記述①は、助言の余地を表現している。どのような解釈ができるか?助言は、「◯◯する」ですから、その余地は「◯◯していない」です。それを読み取ればよい。経験に基づいて行っている。↓何をしていないか?データに基づいて行っていない。客観性・透明性のあるやり方になっていない。標準化・体系化されていない。組織化されていない。・・・・・といった感じです。これら以外もあり得ますし、
診断士の1次試験は解答・配点が公表されます。またマークシート型ですから、採点基準は明確です。アとウを半分ずつ塗ったらどうなる?とかありますけど、あらかじめプログラムされた基準に従ってマシンが判断しますので、基準がばらつくことはありません。一方で、2次試験では解答および設問レベルでの配点が公表されません。また記述(論述)型ですから、採点基準が仮にあったとしても複数のヒト(採点者たち)が読み取った上で判断しますから不明確です。受験者によって、問題の読み取りに差が出るように
前回のお題から。1次試験:問題数が多い2次試験:問題数が少ないこの対比で試験対策はどうなるか?2次は問題数が少ないから、1問あたりにたっぷり時間をかけられる?いや、2次は答えを作らないといけないので、そんなことはない。1次と2次では、“問題(処理)“そのものが違う。共通する点は?100点満点で、6割以上で合格。この基準は同じだから、以下のように、問題処理における意思決定の影響度が異なる、と言える。1次試験:一つのミスが与える影響は数点。
どうして合格したい。これを実現しようとすれば、「どういう場合に不合格になるのか?」「不合格の答案って具体的にどういうものか?」といったことを考えます。合格者になるには、不合格者の中に入ってはいけないわけですから。問題の指示に従った解答をしたい。これを実現しようとすれば、「どういう場合に指示を外すのか?」「指示を外した解答って具体的にどういうものか?」といったことを考えます。指示に従うということは、指示を外さないことであり、そのためには、“指示を外
2次試験は時間制限があります。特別意識しなくても、“急ぎモード“になりやすい。(特別意識しないからなるのかもしれません。)問題処理においてもっとも重要な問題文の読み取りにおいて、十分な作業品質を確保できない要因は、十分な作業を行わないことにあります。そして、その要因が「処理を急ぐこと」。あるいは「十分な時間をかけないこと」。でも、それだけなのか?問いを具体化すると、「もし、処理を急がず、十分な時間をかけると、問題文の読み取りの十分な作業品質は実現できるの
何かの原因が気になるのはどんな時?たとえば、演習で自信を持って作成した解答が解答例とまったくちがった時。「なんで?」気になりますね。でも、「気にして、原因がわかったとして、どうしたいのか?」は、気にしない。「自信を持って作成した解答が解答例とまったくちがった」という事象は、何なのか?あ合格確率を高めるための機会のもといショックなこと、腹立たしいことうただ気になること演習は試験対策として行うことですから、(あ)であることは間違いない。
【補助線】図形の証明のために便宜的に加える線。もともとは存在しない。ないところに線を引く。ここから、図形以外のことでも、話の内容をイメージしやすく(見えやすく)するための内容を便宜上加えることを「補助線を引く」と言ったりします。2次試験の問題文から出題者の意図を読み取る作業において「補助線を引く」ことは重要です。というより欠かせません。何しろ、「解答内容を特定するための情報」の多くが省略されていますから。たとえば、「2代目経営者時代のA社の戦略について・・・・」
この場に何度か書いているように、私、ピアノの練習をしております。もう何年もやっています。旅行とか行かない限り、毎日練習しています。レッスンも受けています。それでもなかなか思うような状態になりません。「ピアノが苦手?」そんなふうに考えたことはありません。ただただ、修行が足りていないだけ。そのように考えています。ですから、やっても(努力しても)うまくできない=苦手ではない。別な要素も含まれるということでしょう。何なのでしょう?“苦手
この場にも何度も書いているように、「解答欄はビッシリ埋まっている方がいい」という価値観というか、好みというか、思い込みには根強いものがあります。実際、演習をやっても、多くの答案の解答欄はビッシリ埋まっています。解答が絞りきれないので、目一杯書く。そういった“自分の都合“でビッシリ埋めることはあるでしょう。でも、これは“ビッシリ埋めることを前提に、解答を編集する“ことと同じではありません。そうなってしまうと、「ビッシリ埋めるので、解答を絞り切らない」↓「
問題を読んだとき、どんなことを知りたい?“答え“ですかね。「どんな答えなのか?」知りたいですよね。では、「どんなことは答えではないか?」こちらは?知りたい?「どんな答えなのか」を知ることができれば、「どんな答えではないか」は不要?そう思うかもしれません。でも、そうはいきません。「どんな答えなのか」を正確に知るには、「どんなことは答えにならないか(含まれないか)」も知る必要があります。たとえば、R6の事例2の第2問は、「返礼品の企
今日から渋谷校では、2次実力養成演習が始まります。80分間で行う本番同様の演習です。演習ですから、結果は点数化されますし、得点分布も出ます。「演習のデキが良かった。」というと、どんな印象を持ちます?A得点が良かった。Bやろうと思っていたことができた。C上記の両方。こうして並べると、Cだろうと思います。CはBを含みます。そして、BはAより難しいです。Aは「たまたま」起きることがありますが、Bにはそれがありません。それだ
試験対策には「問題集」がつきものです。問題集は、問題と解答・解説で構成されます。順序は、こうなっています。①問題②解答③解説これは、①問題を処理する。②答え合わせをする。③解説を読む。という作業に向いています。主要な作業は①②であって、③はおまけ。よって典型的な使い方は、②で正解しなかった場合のみ③に進む。すべて正解なら③はなし。あるいは、時間がないなら①②を繰り返し、正解できる問題を増やしておしまい。つまり、かなり簡単な(=多くが得点で
2次試験は“考える力“が問われる試験である。と言われることがあります。確かにそういう面があります。2次試験は80分間です。そして、問題数は4つとか5つです。一つの問題処理に数分から10数分使う。その間、頭は回転し続けます。走るイメージでいくと、100mではなく、1500mから5000mです。短距離ではなく中距離です。瞬発力も必要ですが、持久力(考え続ける力)も欠かせません。考えることは、潜水と似ています。苦しくてすぐに水面に出
コントロールのよいピッチャーは、「外角低めギリギリいっぱいを狙う」ことができたりするだけではなく、「ボール1個分外す」ことができる。これは、次の2つが前提になります。①ストライクゾーンを知っている。②意図したところに正確に投げることができる。もちろん②は100%ということはないでしょうけど、“意図したところに“というところがポイントです。コントロールが悪いピッチャーでも「外角低めギリギリいっぱい」や「ボール1個分外れ」たところにボールが行くことはあるでしょう。
A社は、資本金1千万円、従業員15名(正社員5名、アルバイト10名)の蕎麦店である。これはR5事例1の問題本文の冒頭の一文です。この後、このA社の経営統合を中心とした記述が続きます。そして、第1問統合前のA社における①強みと②弱みについて、それぞれ30字以内で述べよ。問題指示が与えられます。この指示は、何を前提にしているのか?・統合前のA社には強みと弱みがある。・統合前のA社の強みと弱みは特定可能である。・上記強みと弱みはそれぞれ30字以内で表現可能
覚えた知識を試験場で“すっと“使えるようにするにはどうしたらいいか?試験場は“使う場面“ですから、使う場面とセットにしておけばよい。使う場面は具体的でたくさんあります。よって、ひとつの知識をいろいろな場面ごとにあてはめる例を作ってみる。こうすることにより、場面の知識(事例問題の知識)も同時に“使う“ことになります。具体例を示します。知識の代表的なものでやってみましょう。知識①事例1は強みが中心の事例である。知っていますね?この知識を実際
意図的にあてはまらないことを考える。これによって、あてはまることへの理解を深める。どうして理解が深まるかというと、対比するから。たとえば、前回最後に紹介したやつ。↓今日1日を望み通りにしたい?それなら、どんな1日を望まないかを考えてみましょう。やってみます。「どんな1日を望まないか?」↓やることがぎっしり詰まって、あくせくして終わる1日。↓ということは?時間的にゆとりがあってのんびりできる1日が望み?↓でも、やることが
先月(2月)の13日に種まきし、1週間後に育てた問いと答えですが、そこからさらに1ヶ月経過しました。こんなやつでした。↓問2次試験においては“対比(比較)“が重要である。その理由を説明しなさい。また、具体例をあげなさい。<今回の答え>試験問題であるから、問題と解答の間にはギャップがある。そのギャップを読みとることが“出題者の意図“と呼ばれるものである。出題者は、問題文で解答を指示するが、その作り方は省略する。問題本文に解答を特定するための根拠を示すが、その意味(ど
2次試験の合格記述は1次試験と同じ。平均で6割以上。1次試験だと、1問ごとの配点が明確で、部分点などありませんから、6割ってどれくらいなのかイメージできます。たとえば、25問で配点すべて4点なら、15問正解すれば6割。10問はできなくてもいい。2次では?たとえば、事例1だと5問で配点がすべて20点というケースが多いです。5問中3問正解すれば6割。そんなふうに考える受験者はいませんね。配点20点の問題で20点とれることは考えにくいですから。(0点
試験問題に限らず、クイズ、なぞなぞ、質問、疑問、・・・こういったものに対しては、「こたえは何?」が気になります。これはごく自然なことです。自然という意味は、「特別やろうしなくてもやる。」これは、使いようによっては、都合がよい。疲れていても、意志の力を使わなくてもできるわけですから。2次試験では、“答え“そのものではなく、“答えの作り方“に興味を持ちたい。でも、どうしても“答えは何?“の興味の方が強いので、実践が難しい。自然で
2次試験では、ある程度“根拠の示し方のパターン“を知らないと合格しにくくなります。理由は、解答内容を特定するための根拠が、“間接的な示し方“とか、“明示的でない示し方“をするからです。しかも、同じ根拠であっても複数の示し方があります。具体的なケースで考えてみましょう。出題者が用意した解答:短納期化による受注獲得力強化【根拠の示し方A】同業他社の納期:平均で2週間C社の状況:納期は平均で4週間技術力で優位なものの失注するケースが出てきた。【根拠
4月に入りました。今月から2次本番と同様の80分の演習がスタートします。そこで、ひとつ質問です。問次のうち望ましい方を選びなさい。Aすべての問題の処理を終え、やることがないので腕組みして終了を待つ。B最後の問題の解答構成・内容をどうするか検討するため腕組みをする。試験には制限時間があります。(演習にもあります。)「制限時間内に解答を仕上げる(作成すること)」は大事です。ただしこれは、「制限時間内に終わりさえすればいい」ということではありません。
2次試験問題では、事例企業の強み、弱みを診断するケースが多いです。これらは“内部(環境、資源)“に起因します。この場合の“内部“は、「直接手出しができる」という意味もあります。たとえば、“原材料の調達先との良好な関係“が強みになる場合があります。経営リソース(資源)として、この“関係“は他の企業との間にあります。よって、内部に分類しにくい。でも、“手出し“はできる。関係強化を図ることも、やめてしまうこともできます。この場にも何度か書いているように、2
次の2つを比べてみてください。A)十分な知識・スキル、優れた手順とマネジメントにより演習で安定して高得点B)演習で安定して高得点が可能な十分な知識・スキル、優れた手順とマネジメント同じことでしょうか?A)とB)それぞれの結論を端的に答えると、A)演習で安定して高得点B)十分な知識・スキル、優れた手順とマネジメントとなります。まったく違います。たとえば、問試験場で生かせる強みは何か?という問いに対して、A)演習で安定して高得点は当てはまり
2次試験は、どの程度自分の力があるのか、ついているのか、伸びているのか、といったことがわかりにくい、と言われます。試験対策は、試験の合格確率を高めるために行うわけですから、対策により、合格確率が変化するはずです。変化は、変化前の状態と変化後の状態の差です。“変化前の状態“をはっきりさせておかないと、変化を認識しにくくなります。そこで、状態を把握するための作業をしてみましょう。<以下の問いに答える>自分の2次試験の合格確率は何%だと考えるか?
試験問題には出題者が用意した答えがある。小論文や論述、口述であっても“期待する構成・内容“があるでしょう。「解答がある」ということと、「解答を知ることができる」は別のことです。どのような試験であっても、試験中に解答を知ることはできません。(試験になりませんから。)解答を知ることができる試験があるとして、それはあくまで過去に行われたものについてです。試験には多くの場合「過去問題集」があります。過去問題集には【解答(例)】がついています。それが“あたりまえ“。
問題処理手順やそのマネジメントは、演習によってどんどん改良していくことができます。そのためには、次の2つの観点から、“自分の現状“を把握することが必要です。①望ましい状態の要件を満たしているか?②やろうとしていることを満たしているか?“適切なやり方で処理できている“状態は、やろうとしていることが適切であり、やろうとしている通りに行っていることで実現できます。やろうとしていることが要件を満たしていなければ、仮に100%その通りにやったとしても要件を満たし
なぜ、A社は、首都圏の市場を開拓するためにプロジェクトチームを組織したのか。また、長女(後の2代目)をプロジェクトリーダーに任命した狙いは何か。100字以内で答えよ。これは令和6年度事例1の第2問です。再現答案では、次のようなものがありました。・「なぜ」に対応する部分と「狙い」に対応する部分の区別がつかないもの。・2つの部分に分かれてはいるものの、「狙い」に対応する部分の内容が狙いになっていないもの。このようなことが起きるのは、問題文の解釈およびその引き継ぎが“不十分“だ