十月二十二日、天候は予報通り終日雨模様。その中を小生は牧之原市にバスで赴いた。十八世紀後半、徳川幕府内にあって側用人、そして老中に出世して権勢を振るった田沼意次は、この地に城を築いた。その相良城は安永九(1780)年に完成したが。意次の失脚に伴い、天明八(1788)年には破却された。かつて本丸があった場所には史料館があり、その入口の傍には意次の銅像が立つ。だが、相良城の遺構は殆ど残っておらず、近辺に僅かに見られるのは、かつての二の丸の土塁と、仙台河岸と呼ばれる船着き場の跡だけである。他に、近在の