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あくまでも公式ブログなので、特定の薬剤についてあれこれ書くのは禁じ手であると思ってはいるが、面白い薬なので今日はルトラールとデュファストンについて語ってみようと思います。黄体ホルモンには、投与経路の分類では、膣坐薬、筋注、内服の3種類があり、内容的には①天然型プロゲステロン製剤と、②合成黄体ホルモン類似物質に大別されます。ここで、黄体ホルモン剤については、こちらの過去ログを再掲します。①天然型黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤基礎体温は上昇し、P4の検査結果として反映します。【膣
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズ、今日で第14回です、今夜はFSH調節法後編です。だいぶ引っ張ったので、皆さまのご期待の応えられる記事になったか非常に心配ですが、、、はじまりはじまり。前編では、視床下部下垂体系からの命令を卵巣が受けて働くことをご説明しました。要旨としては、卵巣は、脳の視床下部・下垂体系からの指令(主にFSHの分泌)により働く(卵胞が発育する、E2が分泌される)が、卵巣の働きが悪いと(卵胞発育不良、
みなさん、こんばんは。ふと、生殖医療解説シリーズを半月も書いていないことに気づきました。最初からこのブログをお読みではない方もおられると思いますが、このブログは一定の更新頻度を守るのではなく、筆者が心から書きたいと思った題材ができた時に書き始め、納得のいく記事ができた時だけアップする、というスタイルで行きたいのです。が。半月はちょっと長いです。これでは読者離れしてしまう。どうしよう。ということで、今日はニーズな高そうな題材に挑戦してみました。過去記事でも類似記事は書きましたが、今日の題材は
ダイレクト分割とは、通常1つの割球が分裂して2つの割球になるところを、1つの割球から3つ以上の割球に分裂する分割様式のことで、染色体数の異常が考えられます。今回ご紹介する論文は、2-3細胞期でダイレクト分割(DC2-3)した胚の移植結果を検討したものです。本論文では、5,225個の胚のうち715個(13.7%)でDC2-3胚が確認されました。移植は初期胚移植(受精後2-3日の胚)されました。移植された胚は合計1,659個でこのうち109個(6.6%)がDC2-3胚でした。非DC2
排卵してしまったのでしょうか、というのは外来で時々聞かれる質問です。排卵の兆候として皆さまがお感じになるのは、「おりものが増えた」「お腹が痛い」「(排卵誘発中の場合など)お腹の張りがラクになってしまった」などです。では、これらは本当に排卵の兆項なのでしょうか。「おりものが増えた」は、体内のE2(エストロゲン)が増えたことを反映しています。卵胞発育→E2増加→排卵、という流れがありますので、おりものが増えたあと排卵という流れは間違いではありませんが、排卵と直接関連があるわけではなく、あ
以前のブログで、理論上ではこうであるというようなことは必ずしも実測統計と一致しない(理論が実態を忠実に示すとは限らない)、ということを説明しました。理論的にはこうなるはずなんだけど、実際にには、そうではない、ということは医療に限らず世の中いくらでもあります。もちろん、実測統計も、その統計の取り方によって簡単に結論がフラフラしますので、実測統計が常に真実というわけでもありません。例えば、吉野家と松屋はどっちが美味しいか、セブンイレブンとファミマはどっちが人気があるか、スーパードライと一
DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)に代表されるオメガ3脂肪酸は、細胞膜の流動性を高めることや、炎症抑制作用があることが知られています。(DHA欠乏が精子の細胞膜構成に及ぼす影響についての論文を過去に紹介しています→こちら)また、DHAやEPAを豊富に含む地中海式食生活が受精卵の発育に与える効果についても過去に紹介しました→こちら(この論文はDHA、EPA等を含むサプリメント投与による研究となっています)今回は、オメガ3脂肪酸が妊娠中および出産後の女性と産ま
こんばんは。今日は、月経中に、いわゆる「遺残卵胞」がある場合や、小卵胞数が少ない場合についてお話します。遺残卵胞とは正式な用語ではなく俗語であり、様々な場合があり、1つの状態を示すわけではありません。そして、それぞれについて対応が異なることはすでに何度か解説してきました。(正式な用語ではないため、""あるいは「」で囲ったり、いわゆる、と断り書きをつけたりしています)『「遺残卵胞」(生殖医療解説シリーズ7)』みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容
みなさん、こんばんは。早いもので4月になりました。関東のお花見は卒業シーズンですが、北日本はこれからが見頃ですね。毎年、日本は縦に長いなあと思う瞬間です。さて、今日は胎児の心拍についてです。前回の記事(妊娠週数の数え方)では、妊娠週数の数え方についてご説明しましたが、一般的に胎児の心拍が確認できるのは、妊娠6週半ば~7週にかけてです。ものすごく成長が早くて妊娠5週末に心拍がかすかに見える方、妊娠8週になってやっと心拍が見える方、それぞれおられますが、いずれも頻度は少なめです。胎児の心拍は
妊娠前の女性の飲料摂取と体外受精結果に関する論文を読みましたので、ご紹介します。この論文は、2014年から2016年までの間に体外受精を行った340人の女性を対象に卵巣刺激を開始した日、又は、採卵日に日頃摂取している飲み物の種類や頻度について質問し、採卵数、成熟卵数、受精卵数、良好胚数、hCG陽性、臨床妊娠率、出産率について調査したものです。質問結果から、フィルターコーヒー、インスタントコーヒー、エスプレッソ、カフェイン抜きコーヒー、カプチーノ、ハーブティー、カフェイン入り紅茶、チョ
以前に「胚移植の技術」について書いたところ、「いいね」が100を超えたので、気をよくして今日は採卵の技術について書いてみようと思います。過去ログはこちら。『胚移植の技術』松林医師のブログや、他の医師ブログで解説されているこの記事ですが、以前よりこうしたデータはありましたが、なかなか信じていただけません。少し解説を加えていきたい…ameblo.jp採卵は、容易に卵巣が描出でき、膣から卵巣までの間に子宮や膀胱などのが入り込んでいなければ、比較的容易な技術です。回収そのもののイメージは、中
3月になりましたね。ちょうど今頃は三寒四温と言われたりもします。寒い日と暖かい日を繰り返しながら、だんだん春に近づいている感じがします。春といえば、今年の春分の日は3月20日木曜日。春分とは天文学的に、太陽が春分点を通過することをいうそうです。年によって3月20日になったり、21日になったりします。その日が国民の祝日となっているんですね。(図は国立天文台ホームページより)昼と夜の時間がほぼ同じになる日と思っていましたが、調べてみると春分の日は少しだけお昼の方が長いよう
一年で最も気温が高くなる季節を迎えました汗が出ることでお肌のトラブルが気になりますね汗によりお肌が潤っているように思われますが、お肌の内側では乾燥が進んでいます…その原因は、エアコンの効いた室内では湿度が低下していること。日焼けにより肌がダメージをうけることで、水分をキープする働きが損なわれ、毛穴の開きにより角質が詰まりやすく吹き出物の原因につながってきますそんなデリケートな夏の肌をいたわるのにおすすめのハーブを紹介いたします今月のおススメの
先日もお知らせいたしましたが、本日放送となりますので、あらためて紹介させていただきます!KissFMKOBEの【Kissホームドクター】に副院長の岡本先生が出演します放送日は11月11日(木)と25日(木)の10:50-10:54になりますそれでは収録当日の様子を少し、、、お話のお相手はサウンドクルーの宇田満里子さん収録の前に”入念”な読み合わせ収録中はとても和やかな雰囲気でした
皆さんこんばんは。様々な医師ブログやクリニックブログでは、しきりに「〇〇のほうが妊娠率がよい、確率がよい」という記事ばかりだが、リプロ公式は、斜に構えているので?もちろん定石は大事だけど、定石通りにだけやったってうまくいかない例に対してどう切り込むのか迫ってみたい。なお、プライバシーと分かりやすさのため、似たような実例を複数ふまえてアレンジしていますが、作り話ではありませんので、こういうような方がいるよという例としてお読みください。①クロミッドで自然周期移植移植には新鮮
新しく出版されました書籍をご紹介したいと思います。11月に出版されました、「はじめての精子学」です。当院でも診療されている兵庫医科大学医学部産科婦人科学講座主任教授の柴原浩章先生が編著された本になります。精子学を学ぶことは、生命のスタート地点を知ることです。(書籍の帯より)生殖医療の場で活躍されている様々な職種の方に役立つ、精子学に関する幅広い知識を整理し、精子学に対する理解を最大限に深めることができる書籍となっています。英ウィメンズクリニックの塩谷雅
10月になり、朝晩はようやく涼しくなてきましたね秋は、過ごしやすくいろいろなことをするのに適した季節なので、「○○の秋」という言葉がたくさんあります。読書の秋📖、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋などが浮かびますよね。芸術といえばどのようなものを思い浮かべますでしょう。美術や文学、音楽や演劇なども芸術と呼ばれるみたいですね。これらの作品を作ったり演じたりすることはもちろん、観賞することでも感動や気持ちが落ち着いたり充実したりといったことが得られるのではないでしょうか。
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズも第21回となります。今夜は、少し大きなテーマで書いてみたいと思います。まずは用語の整理から。受精とは、卵子の中に精子が入り、融合して細胞分裂可能な状況になる(いわゆる正常受精卵になる)ことをいいます。英語では、fertilizationです。これに対して「授精」("てへん"がつく)は、文字通り精子を授けるところまでの作業のことを言います。人工授精は、子宮内に精子を授けるから人工「
やわらかな日ざしが心地よく感じられる季節になってまいりました春は新しい気持ちでがんばりたいと思っていても、なんだか気持ちがついてこない、からだがだるい感じがする・・・ということはありませんか?春は1年のうちで寒暖差が一番大きく交感神経・副交感神経のバランスが崩れやすい季節、なにかとやることが多くなってくる時期は無理をしがちです。そんなご自身のこころやからだの声に耳を傾けていきましょう今月は不安定な気持ちを落ち着け、あかるく気持ちを前向きにしたいとき、日ごろの緊張が取れず
6月のアロマ情報ですとうとう梅雨入りして、すっきりしないお天気が続いていますその割には気温も高く、蒸し暑かったりもしますね💦今月は「湿気の多い季節にご自宅でも爽やかな香りを」ということでご紹介しています。ご自宅でスッキリ爽やかなおすすめブレンドをご紹介カンタン!精油の活用法~アロマスプレー~の記事もあらためてお読みいただければと思います。さて、今回は今月のおすすめ商品のご紹介です。気温が上がるとついつい冷たい飲み物が欲しくなりますが、女性にと
夏の気配が近づいてきましたね春の心地よい風と気温が感じられる時期から、夏の暑さへとガラッと季節感が変わる5月、6月。植物は色味を増し、紫陽花が綺麗に咲く情景が美しい季節ですが、お天気が不安定な日も多くなりますね季節の変わり目というのは、体や心もついて行くのが大変体のダルさや、浮腫、気圧の変化による頭痛を感じやすい時期でもあります。そんな季節を乗り越えられるよう今月はスッキリ爽やかなおすすめブレンドをご紹介します今月のおすすめブレンド〜ペパーミント、レ
当院では診療とともに、生殖医療の発展に向けてさまざまな研究にも取り組んでいます。今回は、当院の医師部門の江夏徳寿らが2022年にReproductiveMedicineandBiology(RMB)に発表した論文を紹介したいと思います。タイトルは「Anovelsystembasedonartificialintelligenceforpredictingblastocystviabilityandvisualizingtheexplanation」「人工
7月になりました今年の梅雨はあっという間に明けたかと思うと、いきなり猛暑の日々・・・かと思えばまた梅雨に戻ったような空模様が続いてますね💦7月といえば七夕🎋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。七夕には短冊に願い事を書いて笹の葉に飾りますね。竹や笹は日本では昔から神聖なものとされていたそうです。また、歌に出てくる「五色のたんざく」のそれぞれの色にも意味があるそうですね。みなさまの願い事がかないますように暑い日が続いておりますので、どうぞご体調に気を付けてご自愛く
5月になりましたゴールデンウイークはいかがお過ごしでしょうか。五月晴れの日が続いて気持ちいですね五月晴れという言葉はもともとは、旧暦の5月(今の6月頃)の梅雨の季節の晴れのことを言っていたそうです。梅雨に入る前の今の気持ちのいい季節を楽しめるといいですねさて、今日は2022年4月に多く読まれたハナブロ記事をご紹介したいと思いますあらためて、みなさんの関心の高い内容や、あらためてお役に立てる情報が見つかるかもしれませんねハナブロでは、エビデンス(根拠)をお示し
10月になり、秋本番といった気候になってきましたね秋は、過ごしやすくいろいろなことをするのに適した季節なので、「○○の秋」という言葉がたくさんあります。読書の秋📖、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋などが浮かびますよね。読書といえば、最近は電子書籍も普及して、スマートフォンやタブレットなどで読むこともできて便利ですが、個人的には紙の本を読みたい派です昔読んだ本を、久しぶりに読んだりすると、また違った感想が持てたりして、新鮮な気持ちになったりしますみなさまがすてきな秋
あけましておめでとうございます本年もどうぞよろしくお願いいたします。1月には、初売り、福袋をお目当てにされている方も多いのではないでしょうか。福袋といえば、行列に並んでゲットするイメージもありますが、最近は抽選に当たらないと買えないものもありますね。私はファッション関係は疎いのですが、好きなファーストフード店の福袋の抽選に参加しました。当たる気満々で、中身の使い方まで考えていたのですが、結果は見事にはずれ意外と競争率が高かったみたいです一度はずれた人は次は確率が上がると
6月12日日曜日に開催された日本生殖医療支援システム研究会JRMSSに参加してきましたのでレポートしたいと思います。近年、インターネットやスマートフォンなどの情報端末の普及は目覚ましく、医療においても、会計システムだけでなく、電子カルテ、画像保存などへの電子機器の応用が進められています。一方、医療は最先端技術の導入等により高度化し、また患者ニーズは多様化していることから、より安心・より安全・より確実な医療サービスの提供をおこなうためには、様々な診療支援システムの活用が期待されます。こ
お久しぶりです総務部です今月も岩﨑豊惠さんにお花を生けて頂きましたのでご紹介致しますカラフルで可愛らしく生けてくださいました〇もも〇グロリオサ〇トルコ桔梗〇スプレーカーネーション〇マトリカリア〇レモンリーフ〇菜の花以上7種類のお花を生けてくださってますでは、今回も2つほどお花をご紹介したいと思います菜の花黄色の菜の花といえば元気が溢れるような様子が想像できませんか春の訪れを告げる菜の花が咲くと人々の心が明るくなることから、【快活な愛
新しく出版されました書籍の紹介です。11月に出版されました、生殖医療フロントラインMOOKシリーズ受精とその障害です。受精の仕組みは今なお解明されていない部分もあります。体外受精治療においては、どのように受精するのか、あるいは受精させるのかはとても重要な要素になります。本書は生殖医療の中で受精を意識して、受精を理解するために最新の知見を踏まえて、基礎と臨床の立場からそれぞれのテーマの第一人者によって平易に解説されています。英ウィメンズクリニックの塩谷雅英
先日、朝日新聞社さまより、不妊治療が保険適用となるこについて、素晴らしい点や、気になる点先進医療の仕組みや手続きなどについて取材のお申し込みがあり、英ウィメンズクリニック理事長の塩谷雅英がインタビューにお答えいたしました。その時の内容が、1月9日日曜日の朝刊に記事が掲載されました。当院の取り組みとして、体外受精の保険化によって治療の選択肢が狭くならないように、保険診療と自費診療が併用できる「先進医療」として、SEET法をはじめ3つの技術を厚生労働省に申請していることも紹介され