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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識まず初めに、「天気予報ガイダンス」について、簡単に概要を述べておきたいと思います。数値予報において求められた計算結果(予測値)は未来の大気の状態に対応する様々な数値の羅列で、1億以上の格子点が持つビッグデータとなっていますが、天気予報においてはこれらをそのまま発表しているわけではありません。求められた予測値と観測値から統計的な関係(翻訳・修正)を見つけ出し、これを使って予測値から天気予報として発表するの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識(a)パラメタリゼーションとは、本文の通りですが、数値予報モデルの時間・空間分解能以下の小さい現象が格子点の物理量に影響を及ぼす効果を見積もって、格子点の物理量に反映させて予報精度を高める作業のことをいいます。したがって、本文の内容は正しいということになります。(b)(気象庁HP:第4章数値予報モデルp29より)数値予報モデルに使用される基本方程式には、水平方向の運動方程式、非静力学平
こんばんは。早速ですが、問題文のaから順に考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2(3)a図11の9日9時の解析雨量による3時間積算降水量図の領域Xに着目しますと、その後の文、「台風は温帯低気圧に変わりつつあり、地形の影響を受け、降水域は台風の経路に沿った軸対称から偏りを持った分布をしている。」からもわかりますように、この降水域は「台風本体」に伴う降水域であることがわかります。なお、気象業務支援センター解答例では、「台風の渦」も正解としています。b、c
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(気象庁予報部数値予報課:ガイダンスについて〜近年の特性と降⽔量ガイダンスの改良〜p5より)(a)(気象庁予報部数値予報課:ガイダンスについて〜近年の特性と降⽔量ガイダンスの改良〜p14より)数値予報モデルでは、予報時間が長くなるにつれて、その特性によって予測値に誤差が生じ、その誤差の傾向が変化することがあります。例えば、地形表現の不完全さがあげられますが、このような特性により発生した
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報プロダクト(天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値)の利用にあたって留意すべき事項について述べた文の正誤を判断する内容の問題です。天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値、すなわち数値予報モデルの計算によって得られた段階で、これから予想天気図などに加工される前の段階における予想値のことを「数値予報プロダクト」といいます。それでは(a)から見ていきます。(a)数値予報プロダクト
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・専門知識(a)全球モデル(GSM)とメソモデル(MSM)の降水予測結果が異なる要因として、水平格子間隔の違いによる、地形性降水の違いや、データ同化に用いられる観測データの違いが挙げられるところまでは正しいのですが、今回の問題ではその後の、「積雲対流過程などの物理過程の違い」が2つのモデルの予測結果の違いに影響するかどうかというところで、これまでのパラメタリゼーションに関する過去問題よりも踏み込んだ内容となってい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報の誤差について述べた文の下線部の内容が正しいか誤りかを判断する問題です。早速(a)から考えてみます。(a)まず解析値の精度についてですが、観測データは空間的に不規則に分布していることから、豊富に観測データがある場所と乏しい場所とで偏りがあります。観測データが豊富な場所では、個々の観測データにおいて観測機器による誤差や観測値が局地的な気象状態を表わしている場合などがあるものの相対的に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識今回は、本文を読みながら、下線部の正誤について考えてみます。(第1段落)まず、「数値予報には、数値予報モデルやその初期値が完全でないことなどに起因する誤差が含まれる。地球大気を扱う数値予報モデルでは、格子間隔より小さなスケールの現象によって生じる効果を、(a)格子点における物理量を用いて近似的に評価しているので、実際の現象とは厳密に一致せず、誤差が生じる要因の一つとなっている。」とあります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2(4)①の考察では、メソモデルの予想では、関東地方から東北地方にかけて南北に延びる帯状の強雨域がゆっくり北上することがわかりました。この状況はすなわち、南北の帯状の強雨域が北上する地域において同じところで長時間にわたり大雨が持続することを意味します。そこで、この状況において予想される災害は何かを考えますと、大きな河川では、河川の改修や築堤が進んでいるとはいえ、同じ地域に大雨が持続したり、また
こんばんは。今回は、図11に示されている9日9時に実況で観測された解析雨量に示されている3つの領域について、図10の2つのモデルがどれだけ実況に近い予想をしているか、という文の穴埋め問題を次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2(3)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。17日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p34より)上の2つの図を見ながら考えてみます。数値予報では、前回の予報値を第一推定値に利用してデータ同化(客観解析)を行うことで解析値を作成し、さらに初期値化を行なって初期値から予報計算を実行して次のデータ同化の第一推定値として利用するということを繰り返して解析精度が保たれています。この繰り返しのことを「解析予報サイクル」とよんでいます。観測点
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います・第61回試験・専門知識(a)(気象庁HP:令和5年度数値予報解説資料集p45)より)地球大気において、風向・風速、気圧、水蒸気量などといった物理量は流体をなしており、連続的な分布をしています。しかし、数値予報を行うにあたって、この状態ではコンピュータで取り扱うことが困難です。そこで地球大気をコンピュータでどのようにして表現するのかというところで、「地球大気中において数多くの値が連続的に分布している」と考えて、東西・南北・鉛直の3
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)数値予報プロダクトの格子点値は格子の中心に対応する地点の値をピンポイントで表しているのではなく、格子に対応する水平の2次元あるいは水平と鉛直の3次元の格子点周辺の領域を代表する値を表しています。したがって、本文の内容は誤りということになります。(b)全球モデルにおける計算領域は地球全体を対象としていますので、境界がなく、大気の流れを全体的に取り扱うことができるわけですが、メソモデルは日本とその近海の限
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)数値予報モデルで表現可能な現象は、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍以上になります。例えば格子間隔が13kmの全球数値予報モデル(GSM)なら、表現可能なのは65km〜104km以上の現象であり、格子間隔が5kmのメソ数値予報モデル(MSM)なら、表現可能なのは25km〜40km以上の現象となります。下線部の「数値予報モデルで予測可能な現象の水平スケールの下限は、水平格子間隔が小さいほど小さくなる。」とは
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2まず9日9時に全球モデルとメソモデルの2つのモデルが予想した台風の中心気圧から読み取ってみます。2つのモデルとも太線の等圧線が10hPaごと、細線の等圧線が2hPaごとであることに留意して、全球モデルは990hPa、メソモデルは992hPaということになります。次に、中心位置を読み取ります。2つのモデルとも、緯度・経度に0.2°ごとの目盛りが振られていますので、それぞれの中心位置から、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2まず、問題文から、解答すべきポイントが2つあります。整理しますと、一つは「前3時間降水量が50mm以上の強雨域の形状の特徴」、もう一つは「強雨域の移動の特徴」となります。「形状の特徴」では、前3時間降水量が50mm以上とありますので、凡例にあります黄・橙・赤の暖色の部分に着目しますと、4枚のメソモデルの予想のいずれも南北に帯状に延びていることがわかります。一方、「移動の特徴」について、
こんばんは。今回は、9日9時を初期時刻とする12時間後の全球数値予報モデルと、メソ数値予報モデルの2つのモデルが予想した本州付近の台風における、それぞれの中心気圧と中心位置を緯度・経度で解答する問題について次回一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。15日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識数値予報を計算するとき、積分時間間隔(時間ステップ)をより小さくすればするほど予報の精度はよくなるのですが、その一方で計算量が多くなってしまうことで、計算時間が膨大になってしまい、予報作業において実用的でなくなってしまいます。そこで、大気の流れの速さ(波の位相速度)と格子間隔との関係の中で、精度を維持しながら、安定的に計算が行えるだけの積分時間間隔(時間ステップ)を求める必要が出てきます。この安定的
こんばんは。数値予報モデルの限界の一つに「分解能による限界」がありますが、この問題ではその知識が問われています。では早速考えてみたいと思います。(a)初めにこの問題文で問われていることは何かといいますと、その限界の中で「CFL条件」というものがあるんですがご存知ですか?ということです。「CFL条件」とは、格子間隔/時間ステップ>大気の流れの速さという式で表される計算安定条件で、CFLはこの条件を説明したクーラン、フリードリヒ、ルーウィーの3人の名前の頭文字から取ったもの
こんばんは。今回は、9日0時を初期時刻とした4枚のメソモデルの予想図について、関東地方から東北地方における前3時間降水量が50mm以上の強雨域に着目して、その形状と移動の推移について述べよ、という問題を次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。19日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は、数値予報から、メソモデルおよび局地モデルについて述べた文中の下線部の正誤を判断する内容の問題です。本題に入る前に、数値予報モデルの概要を簡単に触れておきたいと思います。(気象庁HP:気象に関する数値予報モデルの種類より)(気象庁HP:メソモデル・局地モデルの領域(左図)と、メソモデルの地形(右上図)と局地モデルの地形(右下図)より)気象庁では、予報の目的に応じて複数の数
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)数値予報モデルで表現可能な現象は、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍以上の現象になります。例えば格子間隔が間隔が5kmのメソ数値予報モデルなら、水平スケールが格子間隔の5倍〜8倍ですから25km〜40km以上の現象で精度良く表現しうることになります。したがって、「同程度以上」とする下線部の内容は誤りということになります。(b)前問の問4では、数値予報モデルに使用される7つの基本方程式を
こんばんは。前回の問題では、9日0時を初期時刻とするメソモデルの前3時間降水量が50mm以上の強雨域について、南北に帯状に延びており、時間経過とともにゆっくり北上する予想であることがわかりました。今回は、前回の問題のような状況からどんな災害が起こることが予想されるか3つ挙げよ、という問題について次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問1(4)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。21日分の考察編は次
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識前回の問題編でも述べましたが、パラメタリゼーションとは、数値予報モデルの格子スケールより小さい現象が格子点の物理量に影響する効果を見積もって格子点の物理量に反映させることをいい、数値予報において予報精度を高めるための重要な作業になります。(気象庁HP:第4章数値予報モデルp29より)数値予報モデルに使用される基本方程式には、水平方向の運動方程式(南北方向・東西方向)、静力学平衡の式、連続の式(
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)数値予報における全体のフローを簡単に示してみました。今回の問題はこの図の上の部分になる客観解析の部分についての内容になります。まず、入電した観測データの取り扱いについてですが、上図に示していますように、入電した観測データは品質管理を受けることになります。観測データの品質を一定期間モニタリングをした結果、第一推定値と比較して定められた基準より誤差が大きい観測値は信頼性の低いデータと判断され客観解析
こんばんは。今回はメソ数値予報モデルで計算される「パラメタリゼーション」について一緒に考えてみたいと思います。「パラメタリゼーション」とは数値予報モデルの格子スケールまたは時間スケールより小さい現象が格子点値に影響する効果を見積もって格子点値に反映させる作業のことで、より高精度な予報をするための重要な作業です。それでは具体的にどの現象が「パラメタリゼーション」として数値予報モデルに反映されているのかを問題を通じて考えます。第46回試験・専門知識・問5からです。第46回試
こんばんは。今回の専門知識は、数値予報から数値予報プロダクトについての問題です。天気予報ガイダンスに加工される前の格子点値を数値予報プロダクトとよんでいますが、その利用にあたって留意すべき事項について問題を解きながら次回一緒に考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。3日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。昨日、記事を書いた後、どうも最近頭から離れないオースティン・マホーンのDirtyWorkを買っちゃった「35億、あと5千万人」の一人です♪曲を買って、愛用のWALKMANに入れたはいいけど、電車や街の中で聴きながら、ネタを思い出して吹き出さないように気を付けないとです♪♪さて、今回は専門知識問題の定番、数値予報モデルの問題を一緒に考えてみたいと思います。第47回試験・専門知識・問4からです。第47回試験・専門知識・問4気象庁が運用している数値予報モデル
こんばんは。今回の専門知識は、数値予報から、数値予報モデルとその予測対象である大気現象についての問題です。数値予報が予測できる大気現象は数値予報モデルによってどのような方程式系が用いられているか、またパラメタリゼーションとは何かについて、次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。20日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回の専門知識は、数値予報から、客観解析における観測データの取り扱いについての問題です。観測データは日々、アメダスなどの地上気象観測やラジオゾンデなどの高層気象観測によって入電されてくるわけですが、そのデータは果たして常に高い精度と言えるのか、またそうとは限らない場合に数値予報ではどのような処理が行われるのか問題を通して次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。24日