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【質問】小学1年生の子の保護者からの質問です。子どもは保育園のときから緘黙症状があって、学校ではまだ一言も話していないようです。支援学級や通級は使っておらず、「授業中に当てない」といった程度の支援しかしていません。小学校の先生に相談してもあるのですが「焦らなくていいですよ」と言われます。たしかに「スモールステップ」の練習では焦らず少しずつやっていくのが大切とも聞きます。焦らなくても大丈夫でしょうか。【回答】ダメです。焦りましょう。今の状態で「焦らなくてもいい」と
「場面かんもく相談室いちりづか」の紹介です。当相談室は、場面緘黙専門のカウンセリング・コンサルテーションを行っています。一人ひとりの状態に応じた、緘黙症状を改善させるための最も効果的な方法を提案しています。場面緘黙の症状の治し方は一人ひとり違う場面緘黙の症状は、「適切な方法」で練習すれば比較的簡単に改善させることが多いです。小中学生なら、数ヶ月から1、2年で大幅に症状が改善できるケースがほとんどです。ただ、その「適切な方法」というのが人によって全然違っています。「
緘黙症状を改善させるための、最も基本的な4パターンを紹介します。500かどうかは分からないですが、緘黙症状改善のための練習方法は実際無数にあります。(基本的な考え方は、外部のページになりますが、こちらの記事が分かりやすいです)「人」×「場所」×「すること」の要素を組み合わせて「話しやすい条件」を作るこれが緘黙症状改善の基本です。このかけ算の組み合わせは、細かく見ていくと膨大な数になります。その中でもよく使う(=採用されやすい)型が4つあります。1.「放課後に教室
こちらの記事で「個別の指導計画」について触れましたので、改めて解説しておきます。「個別の指導計画」、ちゃんと作ってますか?「特別支援教育」の対象の子は作成が必須!「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」はどちらも、学校が作成するものです。特別支援学級・通級を利用している場合はいずれも作成が必須になっています。もちろん作るだけでなく、保護者にしっかり説明する義務があります。もし「今、手元になかったら」早急に学校に確認することをお勧めします。「個別の指導計画
【質問】高校2年生の緘黙症状のある方の保護者からの質問です。前回の相談で決めた話す練習には2学期から取り組んでいます。廊下に先生がいる状態で、小さい声で教科書の音読ができたそうです。練習は進んでいるのですが、正直「治る」という姿が想像できません。こんなことを聞いてしまっていいのか分かりませんが、本当に場面緘黙は治るのでしょうか。【回答】「緘黙症状」自体は、コツコツ練習すれば改善します。ですがそれですべての問題が解決するわけではありません。緘黙症状が治っても、まだ
【質問】小学3年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。先日面談で教えていただいた通り、本人に「練習すれば話せるようになるよ」と伝えました。ですが本人は話したい気持ちがあまり無いようでした。これまでクラスの中では話さないできたので、「しゃべった」と言われるのが嫌だそうです。もともと注目されるのも苦手で、目立つことをしたくないというのもあると思います。また学校生活で特に困ることがないというのもあるかもしれません。親としてはできれば話せるようにさせてあげたいですが、どう
【質問】小学5年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。4月から6年生になります。先日、中学の話が出た時に本人が「知ってる子のいない学校がいい」と言っていました。私たち(両親)もここが変わるチャンスになるのではと考え、情報収集を始めました。そこで伺いたいのですが、現在の時点では候補の中学校が2つあります。どちらも隣接する学区の中学なのですが、クラス数が違います。1つは7クラスくらいある大規模校で、もう1つは小規模です。親としては、小規模の学校の方がいいかなと思って
4月に適切な計画を立てれば、1年間で大幅に症状を改善できる可能性が高いこのブログではいつも、場面緘黙の症状は適切な対応をすれば改善できると説明しています。緘黙症状の改善はいつから始めることもできるのですが、4月に始めるのが最も効果的です。「話す練習」の計画は2つのステップで考える話せるようになるための練習は、行き当たりばったりでやっても上手くいきません。「しっかりした計画」を立てて取り組む方が、はるかに上手くいきやすいです。では「しっかり計画」とはどのような計画でし
「緘黙症状が改善しているか」を振り返る場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば比較的簡単に改善するケースが多いです。数ヶ月で改善する子もいますし、長くても数年あれば改善させることができます。早期から適切な対応ができれば、多くは小学校低学年のうちには話せるようにります※。※症状が重い、緘黙症状以外の問題が大きい、二次障害が大きい、取り組みが遅れた、等の例外はありますところが実際には、症状が改善しないまま長期化してしまっているケースもあります。そこで今回は緘黙症状を長期化させないため
「話せるようになる」と本人に伝えたことで、短期間で緘黙症状が解消に向かったケース【対象】なぎささん(仮名)女性小学5年生【概要】保育園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でも話せない状態が続いていました。オンラインの相談で保護者と話し、保護者から本人に「話せるようになるよ」と伝えてもらいました。その後は保護者と本人とで相談し、話す練習を始めることができました。その結果、学校で話せる場面が増えていき、相談開始から半年ほどで顕著な改善が見られました。【相談開始時の状態】
小学2年生から続いた場面緘黙の症状が解消し、高校進学に向けて踏み出した中学生の子の話【不登校状態の場面緘黙の子の相談は多い】「いちりづか」は場面緘黙専門のオンライン相談室です。ですので、相談の対象はほとんどが緘黙症状のある方です。「場面緘黙」と言っても、「話せないことだけ」が問題の人はほとんどいません。話すこと以外にも、・運動や食事、トイレなどの行動ができない・学校に行けない、家から出られない・不安や緊張が強い・刺激に敏感で疲れやすいなど様々な困りごとを抱えてい
効果的な「引継ぎ」のための最大のポイントは、「完全な引継ぎは不可能」と知ることこと「引継ぎが難しい」は永遠のテーマおそらくすべての保護者が経験があることだと思いますが、「引継ぎ」は難しいです。「毎年、担任が替わるたびに「0から」説明し直さないといけない」こういう話は本当によく聞きます。これは緘黙症状のある子だけではありません。特別な支援や配慮が必要な、すべての子に言えることです。なぜ引継ぎは難しいのでしょう。これを理解するには、「先生側」の立場から考えてみるとよ
「話せる相手が増えているか」大事なのはこれだけ。専門機関にかかっていても緘黙症状が改善しない場合緘黙症状のある子の多くは、様々な専門機関で治療やカウンセリングを受けていると思います。しっかりした知識のある専門職が対応すれば、緘黙症状は改善することが多いです。緘黙症状は、やり方さえ間違えなければわりと簡単に改善できるケースが多いからです。これは通級でもカウンセリングでも放課後デイでも同じです。適切な対応ができれば、症状は改善していきます。ところが、専門機関にかかってい
知らない人と話す練習なら、お店での練習がお勧め。新しい環境で「話せる」状態でスタートしたい人は前回の記事で、心と体の元気を蓄えるためにしっかり休むことが大事と書きました。しかしこの時期の練習が効果的なケースもあります。それは「3月に練習しておくことが4月からのスタートにつながる」ことが明確な場合です。ですので全員にお勧めという訳ではないのですが、条件が合えばとても強力です。4月から新しい環境で話せる状態でスタートしたい人はぜひ挑戦してみましょう。「中学生にな
【質問】小学5年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。学校からの勧めで、児童精神科を受診しました。受診の時に、こちら(いちりづか)で提案された「話す練習」のこともお話ししました。ところが児童精神科は「無理をさせてはいけない」と言い、話す練習には否定的でした。「無理をさせると、症状が悪化することもある」とのことです。また「自閉スペクトラム症があるから緘黙症状は治りにくい」とも言われました。医師によると、「話せなくても、コミュニケーションがとれれば生活できる」とのこと
「担任ガチャ」の攻略方法は、「人事」という視点から考えるとよく分かる。教師によっては、緘黙症状は簡単に治ることもある場面緘黙の症状は多様です。でも、学齢期の子ならほとんどすべてに共通する点があります。それは、緘黙症状の改善の成否は、担任によって変わるということ。担任の関わり方が上手なら、緘黙症状は改善していくことが多いです。反対に、担任によっては全然症状が改善していかないこともあります。もちろん症状が重めのケースではそうもいかないので、100%という訳ではあり
「場面緘黙が治ったきっかけ」これまで数多くの「緘黙症状が治った方」「話せるようになった方」に出会ってきました。場面緘黙の症状が人それぞれなように、緘黙症状が治ったきっかけも人それぞれです。このテーマではそんな、「話せるようになったきっかけ」を紹介していきます。【きっかけ】「学区外の中学校を選択」「学区外の中学校を選択」して緘黙症状が治る子は多いです。私がこれまで関わってきた子で、この方法で失敗したケースはほとんどないと思います。そのくらい強力な方法です。【事例】中学1
前回の続きです。本人・保護者と学校との共同作業で効果のある「個別の指導計画」を作る!架空の事例による解説私が例として作ったものを見ながら解説していきましょう。小学2年生の緘黙症状のある子(架空の例)の通級(自校通級)の個別の指導計画です。学校では緘黙症状があり、一言も声を出すことができません。小学1年生から「通級による指導」で週1時間の指導を受けています。個別の指導計画で重要なのは、以下の項目です。1.主訴2.本人の願い3.長期目標4.短期目標5
場面緘黙の症状は年度の変り目で大きく変化する場面緘黙の症状はとても環境の影響を受けやすいです。本人自身が変わらなくても、環境が変わるだけで症状は大きく変化します。例えば3学期まで学校の先生と話す練習を続けていても、環境が変わればリセットされます。もちろん成果が0に戻る訳ではありませんが、新しい先生とまた練習を始める必要があります。ですので、この時期に改めて緘黙症状の改善を目指して計画を考えるのが効果的です。計画を立てるなら4月がお勧め新しい計画を立てるのは、新年
【質問】小学5年生の子の保護者からの質問です。夏休みに子どもと、「話す練習」の話をしました。1学期中は担任の先生と「話す練習」を続けて、音読などができるようになりました。ただ息子は、「このままずっと話せないかも」と言っています。「そんなことないよ、話せるようになるよ」と言ったのですが、納得していないようでした。私も正直、このまま改善していくのか、緘黙症状がいつまで続くのか分かりません。この先のことについて、息子にどう伝えたらよいでしょうか。場面緘黙の症状が治るのには、どの
【質問】小学3年生の子の保護者からの質問です。通級の利用の申請について質問です。他の緘黙症状のある子の保護者の話では、申請が却下されることもあると聞きました。娘は家では話せますが、学校では一言も話すことができません。はっきりした場面緘黙の症状があるのですが、やはり心配になってきました。申請が通りやすくするために、受診して診断書を書いてもらっておくのは有効でしょうか。教育委員会に問い合わせてみましたが、個別に判断しますという回答でした。【回答】確かに自治体によ
小6の1年間かけて話す練習を進め、中学進学時に「話せる」状態を目指す!新しい環境で「話せる子」になる小学校高学年の子の相談で多いのは、「中学校で話せる」ことを目指すケースです。というより、小学校高学年の子の相談なら必然的に「中学で話す」が視野に入ります。小学校で「話せない子」になってしまうと、話したくても話せない状態が続きやすいです。こういう場合に有効なのは環境を変えること。中学受験等で周りが「知らない人」だけになれば、話せる可能性が高まります。この方法で場面
前回の記事の続きです。緘黙症状のある子は、困ったことがあってもなかなか人に言えません。・怪我をしても誰にも言えず、血を流して帰ってきた・熱があるのに先生に伝えられず、帰ってから熱を測ったら38度あった・お箸を忘れたのに言えなくて、お弁当が食べられなかった「こういうとき、どうしたらよいでしょうか」という質問に答えていきます。「コミュニケーションのカード」は、使えないことが多い「声が出せない代わりに、意思表示のためのカードを使ったら?」と考える人もいます。学校の先生が