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園や学校で見た子どもの様子が、家での姿と全然違うことに気付いたら新年度が始まってしばらくすると、園や学校の参観日があります。親が場面緘黙の症状に気付くきっかけの1つが参観日です。子どもが園や学校で話していないことに気付いたら、どうしたらよいでしょうか。先生から知らされるケースの方が多い保護者が子どもの緘黙症状に気付くのは、ほとんどが次の2つのパターンです。・先生から知らされる・園や学校での様子を見て知る実際には先生から知らされるケースが多いです。子どもにはっき
場面緘黙の症状は年度の変り目で大きく変化する場面緘黙の症状はとても環境の影響を受けやすいです。本人自身が変わらなくても、環境が変わるだけで症状は大きく変化します。例えば3学期まで学校の先生と話す練習を続けていても、環境が変わればリセットされます。もちろん成果が0に戻る訳ではありませんが、新しい先生とまた練習を始める必要があります。ですので、この時期に改めて緘黙症状の改善を目指して計画を考えるのが効果的です。計画を立てるなら4月がお勧め新しい計画を立てるのは、新年
【質問】小学校高学年の緘黙症状のある子からの質問です。(内容を大幅に改変してありますので、質問そのままではありません)同級生から、授業のときに「なんで話せないの?」と聞かれました。こういうとき、どうしたらいいでしょうか。社会科の授業でグループで話し合いをしているときに、同じ班の女の子から聞かれました。学校では話せないので、そのときも答えることはできませんでした。その話はすぐに終わりになったのですが、どう答えたらよかったでしょうか。【回答】クラスの子たちに、ちゃんと説
「スモールステップ」で練習しているのに、うまくいかないのはなぜ?「スモールステップ」だけでは、緘黙症状は治せない場面緘黙について調べると、よく「スモールステップ」ということばに出会います。「医師からスモールステップで練習するように言われた」「カウンセラーからスモールステップで発話練習をするように提案された」「講演会で場面緘黙にはスモールステップが有効だと聞いた」こういった話はとてもよく聞きます。専門家から勧められる緘黙症状への対応の第一位がスモールステップではない
「場面緘黙が治ったきっかけ」これまで数多くの「緘黙症状が治った方」「話せるようになった方」に出会ってきました。場面緘黙の症状が人それぞれなように、緘黙症状が治ったきっかけも人それぞれです。このテーマではそんな、「話せるようになったきっかけ」を紹介していきます。【きっかけ】「私立中学校への進学」「私立中学校への進学」も緘黙症状改善の方法としてよく使われます。これもしっかり計画して進めていけば、成功する可能性はかなり高い方法です。【事例】中学1年生の女の子です。保育園の頃
小学6年生の夏から練習を開始し、中学校入学で緘黙症状が解消した子【対象】さちこさん(仮名)女性相談開始時は小学6年生【概要】保育園年中の頃から緘黙症状がありました。小学6年生の夏に相談があり、学校で話せるようになるための練習を開始しました。同時に中学校との連携もスタートし、緘黙症状の解消を目指しました。はじめは担任の先生をターゲットに練習を始め、3学期からは「卒業式で話す」ことを目標に、クラスの子にも声を出す練習をしました。練習は順調に進み、中学校入学後は学校で話せるように
【質問】小学3年生の子の保護者からの質問です。通級の利用の申請について質問です。他の緘黙症状のある子の保護者の話では、申請が却下されることもあると聞きました。娘は家では話せますが、学校では一言も話すことができません。はっきりした場面緘黙の症状があるのですが、やはり心配になってきました。申請が通りやすくするために、受診して診断書を書いてもらっておくのは有効でしょうか。教育委員会に問い合わせてみましたが、個別に判断しますという回答でした。【回答】確かに自治体によ
小6の1年間かけて話す練習を進め、中学進学時に「話せる」状態を目指す!新しい環境で「話せる子」になる小学校高学年の子の相談で多いのは、「中学校で話せる」ことを目指すケースです。というより、小学校高学年の子の相談なら必然的に「中学で話す」が視野に入ります。小学校で「話せない子」になってしまうと、話したくても話せない状態が続きやすいです。こういう場合に有効なのは環境を変えること。中学受験等で周りが「知らない人」だけになれば、話せる可能性が高まります。この方法で場面
コミュニケーションのためにICT機器を使うのは場面緘黙の子には逆効果かも?目立つ道具を使うと、明らかに「話せない子」だと思われてしまいます。前回の記事で、<「話せない子」と思われるからよけいに話せなくなる>と説明しました。緘黙症状のある子をクラスで「話せない子」にさせないために、どうしたらよいでしょうか。「話せる場面」を作る一番シンプルな方法は、「話せる場面」を作ることです。(もちろんこれができるのは「緘黙症状があっても少しは学校で話せる」、症状が軽い子だけです)
一番大事なことは、「話せるようになるよ」と伝えること。場面緘黙について周りの人に説明するシリーズです。クラスの子たちみんなへの説明は、こちらの記事をご覧下さい。場面緘黙をクラスの子たちに説明するなら場面緘黙をクラスの子たちに説明するときの、色々なやり方今回は「本人と、話せないことについて話題にする」ことについてお話しします。年齢によって対応が変わってくるので、今回は「小学校高学年」くらいを想定して説明します。「意識させてしまうのでは」「話せなくなってしまうこと」
「この辺の地理は知らないですが、間違いなくこっちだと思います」という道案内みたいなもの前回の記事で「場面緘黙に効果のない治療法」の5つのタイプを説明しました。ただ実際に、今受けている治療法に効果があるかを見極めるのは、簡単ではないと思います。そこで今回は、「場面緘黙に効果のない治療法」かどうかを見分ける方法を解説します。一般の保護者の方向けに書いていますので、普通に考えてできる範囲のことで説明します。①その専門家は「場面緘黙に詳しい」か判断のポイントの1つ目は
こちらの記事で「個別の指導計画」について触れましたので、改めて解説しておきます。「個別の指導計画」、ちゃんと作ってますか?「特別支援教育」の対象の子は作成が必須!「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」はどちらも、学校が作成するものです。特別支援学級・通級を利用している場合はいずれも作成が必須になっています。もちろん作るだけでなく、保護者にしっかり説明する義務があります。もし「今、手元になかったら」早急に学校に確認することをお勧めします。「個別の指導計画
【質問】高校2年生の緘黙症状のある方の保護者からの質問です。前回の相談で決めた話す練習には2学期から取り組んでいます。廊下に先生がいる状態で、小さい声で教科書の音読ができたそうです。練習は進んでいるのですが、正直「治る」という姿が想像できません。こんなことを聞いてしまっていいのか分かりませんが、本当に場面緘黙は治るのでしょうか。【回答】「緘黙症状」自体は、コツコツ練習すれば改善します。ですがそれですべての問題が解決するわけではありません。緘黙症状が治っても、まだ
「場面緘黙が治ったきっかけ」これまで数多くの「緘黙症状が治った方」「話せるようになった方」に出会ってきました。場面緘黙の症状が人それぞれなように、緘黙症状が治ったきっかけも人それぞれです。このテーマではそんな、「話せるようになったきっかけ」を紹介していきます。【きっかけ】「中学校への進学」これまで「学区外の中学校」「私立中学校」について述べてきました。もちろん地域の「公立中学校への進学」でも、緘黙症状を改善させることはできます。しっかり準備して、「中学校で話せるようになる」こ
「話せるようになる」と本人に伝えたことで、短期間で緘黙症状が解消に向かったケース【対象】なぎささん(仮名)女性小学5年生【概要】保育園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でも話せない状態が続いていました。オンラインの相談で保護者と話し、保護者から本人に「話せるようになるよ」と伝えてもらいました。その後は保護者と本人とで相談し、話す練習を始めることができました。その結果、学校で話せる場面が増えていき、相談開始から半年ほどで顕著な改善が見られました。【相談開始時の状態】
子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら②はじめにするのは「情報収集」テーマ「子どもが「話してない」ことに気付いたら」の記事は、「子どもが園や学校で話していないことに初めて気付いた保護者」向けの内容です。緘黙症状に気付いたら「最初の段階で何をすべきか」を解説します。【目次】「子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら」①場面緘黙とは②はじめにするのは「情報収集」③最初の段階で相談しておくこと④園や学校での対応の基本⑤家庭での関わり方の基本⑥緘黙症状の改善に
「担任ガチャ」の攻略方法は、「人事」という視点から考えるとよく分かる。教師によっては、緘黙症状は簡単に治ることもある場面緘黙の症状は多様です。でも、学齢期の子ならほとんどすべてに共通する点があります。それは、緘黙症状の改善の成否は、担任によって変わるということ。担任の関わり方が上手なら、緘黙症状は改善していくことが多いです。反対に、担任によっては全然症状が改善していかないこともあります。もちろん症状が重めのケースではそうもいかないので、100%という訳ではあり
「場面緘黙が治ったきっかけ」これまで数多くの「緘黙症状が治った方」「話せるようになった方」に出会ってきました。場面緘黙の症状が人それぞれなように、緘黙症状が治ったきっかけも人それぞれです。このテーマではそんな、「話せるようになったきっかけ」を紹介していきます。【きっかけ】「学区外の中学校を選択」「学区外の中学校を選択」して緘黙症状が治る子は多いです。私がこれまで関わってきた子で、この方法で失敗したケースはほとんどないと思います。そのくらい強力な方法です。【事例】中学1
子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら⑥⑥緘黙症状の改善に向けてテーマ「子どもが「話してない」ことに気付いたら」の記事は、「子どもが園や学校で話していないことに初めて気付いた保護者」向けの内容です。緘黙症状に気付いたら「最初の段階で何をすべきか」を解説します。【目次】「子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら」①場面緘黙とは②はじめにするのは「情報収集」③最初の段階で相談しておくこと④園や学校での対応の基本⑤家庭での関わり方の基本⑥緘黙症状の改善に向け
子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら③「当面の対応」を相談するテーマ「子どもが「話してない」ことに気付いたら」の記事は、「子どもが園や学校で話していないことに初めて気付いた保護者」向けの内容です。緘黙症状に気付いたら「最初の段階で何をすべきか」を解説します。【目次】「子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら」①場面緘黙とは②はじめにするのは「情報収集」③最初の段階で相談しておくこと④園や学校での対応の基本⑤家庭での関わり方の基本⑥緘黙症状の改善に向け
子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら①「場面緘黙」とはテーマ「子どもが「話してない」ことに気付いたら」の記事は、「子どもが園や学校で話していないことに初めて気付いた保護者」向けの内容です。緘黙症状に気付いたら「最初の段階で何をすべきか」を解説します。【目次】「子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら」①場面緘黙とは②はじめにするのは「情報収集」③最初の段階で相談しておくこと④園や学校での対応の基本⑤家庭での関わり方の基本⑥緘黙症状の改善に向けて
「話せる相手が増えているか」大事なのはこれだけ。専門機関にかかっていても緘黙症状が改善しない場合緘黙症状のある子の多くは、様々な専門機関で治療やカウンセリングを受けていると思います。しっかりした知識のある専門職が対応すれば、緘黙症状は改善することが多いです。緘黙症状は、やり方さえ間違えなければわりと簡単に改善できるケースが多いからです。これは通級でもカウンセリングでも放課後デイでも同じです。適切な対応ができれば、症状は改善していきます。ところが、専門機関にかかってい
【質問】保育園年少の子の保護者(母親)からの質問です。昨年度まで育休をとっていて、子どもが保育園に入ったので4月から仕事に復帰しました。現在は育休前からの職場で正社員で、時短勤務です。夫も仕事が忙しく、協力しながら子育てや家事などをやりくりしています。子どもにしっかり向き合わないといけないと思うのですが、仕事が大変で余裕がありません。この頃、子どものためにはやはり仕事を辞めた方がいいのではと思うようになりました。子どもが話せるようになるためには、親が仕事を辞めた方がいいので
前回の記事の続きです。緘黙症状のある子は、困ったことがあってもなかなか人に言えません。・怪我をしても誰にも言えず、血を流して帰ってきた・熱があるのに先生に伝えられず、帰ってから熱を測ったら38度あった・お箸を忘れたのに言えなくて、お弁当が食べられなかった「こういうとき、どうしたらよいでしょうか」という質問に答えていきます。「コミュニケーションのカード」は、使えないことが多い「声が出せない代わりに、意思表示のためのカードを使ったら?」と考える人もいます。学校の先生が
子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら④園や学校での対応の基本テーマ「子どもが「話してない」ことに気付いたら」の記事は、「子どもが園や学校で話していないことに初めて気付いた保護者」向けの内容です。緘黙症状に気付いたら「最初の段階で何をすべきか」を解説します。【目次】「子どもが園や学校で「話してない」ことに気付いたら」①場面緘黙とは②はじめにするのは「情報収集」③最初の段階で相談しておくこと④園や学校での対応の基本⑤家庭での関わり方の基本⑥緘黙症状の改善に向けて
【質問】中学2年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。学校で職場体験や進路の学習があり、将来のことが不安になりました。「話せなくてもできる仕事」「場面緘黙があってもできる仕事」はあるでしょうか。子どもは、家では普通に会話することができますが、担任の先生には挨拶程度しかできません。習いごとなどでも、慣れて話せるようになるまで半年以上かかりました。仲の良い友だちとオンラインゲームでボイスチャットで話すだけで、友人関係も広がりません。このままだと将来が心配です。以前、
前回の続きです。本人・保護者と学校との共同作業で効果のある「個別の指導計画」を作る!架空の事例による解説私が例として作ったものを見ながら解説していきましょう。小学2年生の緘黙症状のある子(架空の例)の通級(自校通級)の個別の指導計画です。学校では緘黙症状があり、一言も声を出すことができません。小学1年生から「通級による指導」で週1時間の指導を受けています。個別の指導計画で重要なのは、以下の項目です。1.主訴2.本人の願い3.長期目標4.短期目標5
幼稚園から続いていた緘黙症状が、王道の練習方法ですぐに解消したケース【対象】ひろみさん(仮名)女性中学1年生【概要】幼稚園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でもほとんど話せない状態でした。中学受験をして私立の中学に進学しましたが、そこでも緘黙症状は改善しませんでした。地域の総合病院の発達外来でのカウンセリングを4年ほど継続していますが、改善がみられないため「いちりづか」に相談がありました。保護者・本人とオンラインで面談し、練習の計画を一緒に考えました。中学の担任をターゲット
クラスの子に説明するときに、本人はその場にいてもいいの!?場面緘黙について周りの人に説明するシリーズです。基本的な考え方や伝えるべき内容については、こちらの記事をご覧下さい。今回は「伝えるときの方法」をお話しします。注意点言うまでもなく、すべて「ケースバイケース」です。ここに書いてあるやり方が「正解」ではありません。何も考えずにこの通りにやったら、多分失敗しますのでくれぐれも気をつけてください。また、どの方法を採るにしても、必ず本人の同意を得て行ってください
【質問】小学6年生の子の保護者からの質問です。支援会議で、コーディネーターの先生から心療内科の受診を勧められました。「今後必要になってくるから」というのが理由です。保育園で地域の療育センターで医師に診てもらったことはありますが、それ以降はありません。それと言うのも、私(親)は精神科や心療内科の受診には抵抗があるからです。薬漬けにされるのではという心配もあります。病院は行っておいた方がよいのでしょうか。【回答】受診の目的やメリットをよく考えてみましょう。病院