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園や学校で見た子どもの様子が、家での姿と全然違うことに気付いたら新年度が始まってしばらくすると、園や学校の参観日があります。親が場面緘黙の症状に気付くきっかけの1つが参観日です。子どもが園や学校で話していないことに気付いたら、どうしたらよいでしょうか。先生から知らされるケースの方が多い保護者が子どもの緘黙症状に気付くのは、ほとんどが次の2つのパターンです。・先生から知らされる・園や学校での様子を見て知る実際には先生から知らされるケースが多いです。子どもにはっき
小学6年生の夏から練習を開始し、中学校入学で緘黙症状が解消した子【対象】さちこさん(仮名)女性相談開始時は小学6年生【概要】保育園年中の頃から緘黙症状がありました。小学6年生の夏に相談があり、学校で話せるようになるための練習を開始しました。同時に中学校との連携もスタートし、緘黙症状の解消を目指しました。はじめは担任の先生をターゲットに練習を始め、3学期からは「卒業式で話す」ことを目標に、クラスの子にも声を出す練習をしました。練習は順調に進み、中学校入学後は学校で話せるように
場面緘黙の症状は年度の変り目で大きく変化する場面緘黙の症状はとても環境の影響を受けやすいです。本人自身が変わらなくても、環境が変わるだけで症状は大きく変化します。例えば3学期まで学校の先生と話す練習を続けていても、環境が変わればリセットされます。もちろん成果が0に戻る訳ではありませんが、新しい先生とまた練習を始める必要があります。ですので、この時期に改めて緘黙症状の改善を目指して計画を考えるのが効果的です。計画を立てるなら4月がお勧め新しい計画を立てるのは、新年
「場面かんもく相談室いちりづか」の紹介です。当相談室は、場面緘黙専門のカウンセリング・コンサルテーションを行っています。一人ひとりの状態に応じた、緘黙症状を改善させるための最も効果的な方法を提案しています。場面緘黙の症状の治し方は一人ひとり違う場面緘黙の症状は、「適切な方法」で練習すれば比較的簡単に改善させることが多いです。小中学生なら、数ヶ月から1、2年で大幅に症状が改善できるケースがほとんどです。ただ、その「適切な方法」というのが人によって全然違っています。「
【質問】小学5年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。4月から6年生になります。先日、中学の話が出た時に本人が「知ってる子のいない学校がいい」と言っていました。私たち(両親)もここが変わるチャンスになるのではと考え、情報収集を始めました。そこで伺いたいのですが、現在の時点では候補の中学校が2つあります。どちらも隣接する学区の中学なのですが、クラス数が違います。1つは7クラスくらいある大規模校で、もう1つは小規模です。親としては、小規模の学校の方がいいかなと思って
4月に適切な計画を立てれば、1年間で大幅に症状を改善できる可能性が高いこのブログではいつも、場面緘黙の症状は適切な対応をすれば改善できると説明しています。緘黙症状の改善はいつから始めることもできるのですが、4月に始めるのが最も効果的です。「話す練習」の計画は2つのステップで考える話せるようになるための練習は、行き当たりばったりでやっても上手くいきません。「しっかりした計画」を立てて取り組む方が、はるかに上手くいきやすいです。では「しっかり計画」とはどのような計画でし
「話せる相手が増えているか」大事なのはこれだけ。専門機関にかかっていても緘黙症状が改善しない場合緘黙症状のある子の多くは、様々な専門機関で治療やカウンセリングを受けていると思います。しっかりした知識のある専門職が対応すれば、緘黙症状は改善することが多いです。緘黙症状は、やり方さえ間違えなければわりと簡単に改善できるケースが多いからです。これは通級でもカウンセリングでも放課後デイでも同じです。適切な対応ができれば、症状は改善していきます。ところが、専門機関にかかってい
「緘黙症状が改善しているか」を振り返る場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば比較的簡単に改善するケースが多いです。数ヶ月で改善する子もいますし、長くても数年あれば改善させることができます。早期から適切な対応ができれば、多くは小学校低学年のうちには話せるようにります※。※症状が重い、緘黙症状以外の問題が大きい、二次障害が大きい、取り組みが遅れた、等の例外はありますところが実際には、症状が改善しないまま長期化してしまっているケースもあります。そこで今回は緘黙症状を長期化させないため
「話せるようになる」と本人に伝えたことで、短期間で緘黙症状が解消に向かったケース【対象】なぎささん(仮名)女性小学5年生【概要】保育園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でも話せない状態が続いていました。オンラインの相談で保護者と話し、保護者から本人に「話せるようになるよ」と伝えてもらいました。その後は保護者と本人とで相談し、話す練習を始めることができました。その結果、学校で話せる場面が増えていき、相談開始から半年ほどで顕著な改善が見られました。【相談開始時の状態】
効果的な「引継ぎ」のための最大のポイントは、「完全な引継ぎは不可能」と知ることこと「引継ぎが難しい」は永遠のテーマおそらくすべての保護者が経験があることだと思いますが、「引継ぎ」は難しいです。「毎年、担任が替わるたびに「0から」説明し直さないといけない」こういう話は本当によく聞きます。これは緘黙症状のある子だけではありません。特別な支援や配慮が必要な、すべての子に言えることです。なぜ引継ぎは難しいのでしょう。これを理解するには、「先生側」の立場から考えてみるとよ
計画を立てたら、しっかり振り返りをする。学期末は「個別の指導計画」も返ってくる学期末になると、ほとんどの学校では通知票が配られます。年度末の通知票は1年間の集大成としての評価が記載されているはずです。これと同時に「個別の指導計画」も、1年間の指導を終えた評価が記載されます。年度末の評価は、個別の指導計画を作成している子なら100%例外なく行われます。ですので年度末には必ず、個別の指導計画を確認しましょう。もちろん、紙で渡されるだけではなく、通常は担当の先生からの説明
知らない人と話す練習なら、お店での練習がお勧め。新しい環境で「話せる」状態でスタートしたい人は前回の記事で、心と体の元気を蓄えるためにしっかり休むことが大事と書きました。しかしこの時期の練習が効果的なケースもあります。それは「3月に練習しておくことが4月からのスタートにつながる」ことが明確な場合です。ですので全員にお勧めという訳ではないのですが、条件が合えばとても強力です。4月から新しい環境で話せる状態でスタートしたい人はぜひ挑戦してみましょう。「中学生にな
3月中に「しっかり休む」3月は効率重視で「しっかり休む」3月に限らず、しっかり休んで心と体の元気を蓄えるのは大事なことです。元気が最大100だとしたら、いつも全力の100で走り続けることはできません。適度に力を抜きながら、長く進み続けることが大切です。ではなぜ、特に3月に「心と体の元気を蓄えること」が大事なのでしょうか。それは「3月にがんばっても効率がよくないから」です。3月から4月にかけては環境が大きく変わります。3月に頑張ってできるようになっても、それが4月に同じよう
4月に「いい環境」が整えられるかが、ここからの1年間を大きく左右する。「環境の変化」は緘黙症状改善のための重要な要素3月になると、いよいよ学校はあと数週間。登校日数が少ないので、練習できる回数もわずかです。この時期に最も大事なのが「環境の変化」について考えること。「環境の変化」は緘黙症状改善のための重要な要素です。進学やクラス替えは最大級のチャンスになります。先生やクラスが変わる機会に「話せる子」で再スタートすることができる子もいます。そのためにもしっかり計画を立て
【質問】高校2年生の緘黙症状のある方の保護者からの質問です。前回の相談で決めた話す練習には2学期から取り組んでいます。廊下に先生がいる状態で、小さい声で教科書の音読ができたそうです。練習は進んでいるのですが、正直「治る」という姿が想像できません。こんなことを聞いてしまっていいのか分かりませんが、本当に場面緘黙は治るのでしょうか。【回答】「緘黙症状」自体は、コツコツ練習すれば改善します。ですがそれですべての問題が解決するわけではありません。緘黙症状が治っても、まだ
【質問】小学5年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。学校からの勧めで、児童精神科を受診しました。受診の時に、こちら(いちりづか)で提案された「話す練習」のこともお話ししました。ところが児童精神科は「無理をさせてはいけない」と言い、話す練習には否定的でした。「無理をさせると、症状が悪化することもある」とのことです。また「自閉スペクトラム症があるから緘黙症状は治りにくい」とも言われました。医師によると、「話せなくても、コミュニケーションがとれれば生活できる」とのこと
幼稚園から続いていた緘黙症状が、王道の練習方法ですぐに解消したケース【対象】ひろみさん(仮名)女性中学1年生【概要】幼稚園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でもほとんど話せない状態でした。中学受験をして私立の中学に進学しましたが、そこでも緘黙症状は改善しませんでした。地域の総合病院の発達外来でのカウンセリングを4年ほど継続していますが、改善がみられないため「いちりづか」に相談がありました。保護者・本人とオンラインで面談し、練習の計画を一緒に考えました。中学の担任をターゲット
【質問】小学2年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。前回相談した学校での「話す練習」は、担任の先生に協力してもらって続けています。教科書の音読(1文)や先生からの質問の答えを録音して、聞いてもらうことができました。不安レベルも少しずつ下がっているようです。今回は学校での発表会についての質問です。2月末に発表会があるのですが、担任の先生から録音した声を流してみてはと提案されました。先生に録音を聞かせるのはできていますので、私もできそうかなと思いました。ただ本人に提案した
今の練習が上手くいかないなら、4月からの再スタートを目指せばいい。焦っても上手くいかないことはある前の記事でも書いてますが、3学期はとにかく短いです。学校は年度末が近づくと、色々なものが「まとめ」に向かっていきます。通級の場合、3月のはじめ頃が最終回になることが多いので、あと数回だけしかありません。気の早い先生ならもう通知表を書く準備を始めているでしょう。ですので、3学期に大事なのは焦らないこと。短い期間で焦っても、成果はでません。もし今の練習があまりうまくいってい
「担任ガチャ」の攻略方法は、「人事」という視点から考えるとよく分かる。教師によっては、緘黙症状は簡単に治ることもある場面緘黙の症状は多様です。でも、学齢期の子ならほとんどすべてに共通する点があります。それは、緘黙症状の改善の成否は、担任によって変わるということ。担任の関わり方が上手なら、緘黙症状は改善していくことが多いです。反対に、担任によっては全然症状が改善していかないこともあります。もちろん症状が重めのケースではそうもいかないので、100%という訳ではあり
4月に「いい環境」でスタートするためには、今から準備をしておくことが必要。残りの2ヶ月よりも、4月以降のことを考える2月は短いです。3月は学校が終わるのが早いのでもっと短いです。2月になれば、3学期の残りはあと6、7週間ほど。通級ならもっと早めに今年度が終了になるでしょう。週1回の練習なら、練習回数は片手で数えられるくらいしかないはずです。この短い期間で焦って練習を進めようと思っても上手くいきません。ですので2月に新たな計画を立てるのはお勧めしません。3学期のうちは
「スモールステップ」で練習しているのに、うまくいかないのはなぜ?「スモールステップ」だけでは、緘黙症状は治せない場面緘黙について調べると、よく「スモールステップ」ということばに出会います。「医師からスモールステップで練習するように言われた」「カウンセラーからスモールステップで発話練習をするように提案された」「講演会で場面緘黙にはスモールステップが有効だと聞いた」こういった話はとてもよく聞きます。専門家から勧められる緘黙症状への対応の第一位がスモールステップではない
3学期は短いが、とても変化が大きい時期。一気に緘黙症状が改善することもある。3月までの目標=「今年度の目標」前回の記事で、1月に考えるのは「3月までの目標」だと説明しました。年度末になりますので、3月までの目標は「今年度の目標」とも言えます。「今年度中にどこまでがんばるか」を意識して、具体的な目標を考えてみましょう。3学期は決して長くないですが、この時期に大きくステップアップする人もいます。年度の締めくくりだからこそ、改めて目標を明確にしておきましょう。一気
場面緘黙の症状は年度単位で変化する。考えるのは「3月までの目標」。「今年の抱負」よりも、もっと現実的な目標を考える普通、年のはじめに目標を考えるときは、「今年の目標」「今年の抱負」を考えると思います。今年の抱負は「今年こそ話せるようになりたい!」「今年は緘黙症状を改善させたい!」でも構いません。でもこれはあくまで「意気込み」です。「今年こそ話せるようになりたい」は具体的な「目標」とは言えません。ですのでこれだけでは、具体的な計画を考えることができません。
【質問】小学3年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。先日面談で教えていただいた通り、本人に「練習すれば話せるようになるよ」と伝えました。ですが本人は話したい気持ちがあまり無いようでした。これまでクラスの中では話さないできたので、「しゃべった」と言われるのが嫌だそうです。もともと注目されるのも苦手で、目立つことをしたくないというのもあると思います。また学校生活で特に困ることがないというのもあるかもしれません。親としてはできれば話せるようにさせてあげたいですが、どう
【質問】中学2年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。先日、中学校の先生と支援会議がありました。担任の先生とコーディネーターの先生に参加していただきました。授業のときの配慮についても相談したのですが、いい方法が思いつかないので教えてください。社会科や数学の授業でアクティブラーニングがあります。例えば「クラスの3人と話し合って、3人分終わったら席に戻る」という授業があります。またグループワークも多く、参加がとても難しいようです。こういう方法が苦手なのは分かっていま
先日お知らせした「話す練習」資料改訂につづき、資料第二弾が完成です。今回は「小学校就学で緘黙症状を改善させる準備」。【表紙】「場面かんもく相談室いちりづか」は、場面緘黙だけを専門にしたオンライン相談室です。「緘黙症状を治す」ための具体的で効果のある、一人ひとりに合った方法を提案しています。今回の資料は、小学校に入るときに話せる状態でスタートするための準備についてです。緘黙症状が改善するタイミングは人それぞれですが、おそらく最も成功率が高いのがこの時期。年長の
計画を立てた時と比べてできるようになったことがたくさんある(はず)「年内の計画」がどのくらい進んだか、を考える年度の最初や2学期に計画を立てる際に、「今年中に」という目標の立て方をしたでしょうか。もしそうなら「今年中に」の期限がくるのが12月です。練習というのは、つい「今のこと」に目が行きがちです。「今できていること」の先には、必ず「まだできないこと」が待っています。そうすると、いつまで経ってもできないことばかりが目の前に出てきます。ですので、ここで以前に立てた目
相談室で使っている「話す練習」(緘黙症状の改善)の資料の改訂がやっと終わりました。春から改訂に着手して、半年もかかってしまいました。【表紙】「場面かんもく相談室いちりづか」は、場面緘黙だけを専門にしたオンライン相談室です。「緘黙症状を治す」ための具体的で効果のある、一人ひとりに合った方法を提案しています。この資料は、本人や保護者に練習方法を説明し、一緒に計画を考えるために作成しました。使いにくいところや分かりにくいところがあったので、今回時間をかけて全面改訂しました。
今年のうちのどこまで行けそうか無理せず焦らず、成果を出していく練習が進んでいれば、必ずできることは増えていく4月から始めた「話す練習」の計画も半年が経ちました。ここまでしっかり練習、記録、振り返りができていれば、ステップアップしてきているはず。11月は年末に向けたまとめの時期です。ここまでの成果を振り返って、どんなことができるようになったかを振り返ってみましょう。年内に練習できる回数を考えてみる長い2学期も後半になりました。11月から冬休みまで、あと何週間学