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8月にたくさんのキノコが出てくる狂言「菌(くさびら)」を見てとても面白かったので、今月も狂言(矢来能楽堂狂言大蔵会)へ。お酒の好きな「福の神」の次は「柑子」。柑子とは日本に昔からあるみかんの一種のことです。三つが一緒に実っている珍しい三つ成りのみかんを主人に代わって預かっていた太郎冠者、三つともを食べてしまって次から次へと言い訳をするコミカルな話でした。続けて、お舅さんに差し上げるお酒を飲んでしまった「船渡聟」、主人の御用をする前に飲み過ぎてしまった「抜殻」とお酒に因む狂言が2つ、そして最後
松の幹に藁が巻いてあります。都立旧古川庭園で。菰(こも)巻きといい、江戸時代から続いている冬の風物詩。本来は、より暖かい菰の中にマツの害虫の幼虫をおびき寄せ、越冬場所として集まっているところを春の啓蟄の頃、菰ごと焼くのが目的でした。しかし、姫路城と周辺の公園の松約300本の菰に、どんな昆虫が集まっているのかを姫路工業大学の研究者が調べたところ、むしろ、害虫の天敵となるクモなど益虫がより多く集まっており、ターゲットとしていた害虫(マツカレハ)の幼虫はいないということが明らかになりました
稲刈りの後に、稲わらを積んで天日乾燥するのが「藁ぼっち」。藁を餌や肥料などに使うためです。農大稲花小には前理事長の手を通して頂戴した茨城県在住の洋画家武石絹枝様の藁ボッチの絵が一枚あります。稲花小だから稲に関係のある絵、ということで頂戴しました。武石様は、藁ぼっちに魅せられて、様々な藁ぼっちの絵を描かれているそうです。冬の風物詩を味わうことのできる、素敵な絵です。また、場合によっては稲わらなどを傘のように積んだり編んだりしたものを藁ぼっちといいます。これは、霜よけや雪除けに植物を覆う藁
冬に備えて、樹木、また建物などを寒さや雪から守るために何かで覆ったり、囲ったりすることが行われます。雪の重みから樹木を守る雪吊りは、金沢兼六園のものが有名です。北陸や東北のように重い雪が降る地方だからこその風物なのでしょう。都内にも雪吊りを設える都立公園があります。雪が降っても降らなくても、雪吊りそのものの姿が美しいと思ってしまいます。傘のように見える部分の一番上にあるのは、頭飾りといい、一番下の裾回りとともに、庭師あるいは公園によってスタイルが違うそうです。都立旧古河庭園で
ケヤキの花は枝の先端に雌花が、そしてその少し下に雄花が付くイメージです。そのため、種(果実)も枝の先端(小枝)に付きます。風に飛ばされてきた種付きの小枝は、これです。一方、今までたくさん落ちていたケヤキの落ち葉もありました。落葉を踏みしめて歩きました。考えてみると、小枝についていた葉っぱより、サイズも大きく、量も圧倒的に多いです。こちらは通常の葉っぱで、枝はつかずに葉っぱだけで落葉してきていたのですね。農大稲花小では大学教員の指導を受けて、落ち葉たい肥を作ります。砕けやすく発酵しや
今日は風が強く、落ち葉がたくさん。お掃除をする人も大変です。落ち葉がいっぱい入った袋が道に並んでいました。そんな中で、ケヤキの葉っぱも落ちてきています。よく見ると、種付きの小枝もあります。これはちょっと小さい感じですが、ケヤキの種を冷蔵庫に保存しておき、春に播くと芽が出ます(たいてい)。盆栽風に育ててもよいし、お庭が広ければ大木にも!小さい枝ごと、ひらひら飛んで種を落とすそうですが、種はちょっとした衝撃で小枝から剥がれ落ちます。そのため、春になるとケヤキの木の周りに、赤ちゃんのケ
冬休みはそう長くはありません。その間に、子どもたちは終業式、そして家族では年末年始のいろいろな行事、クリスマスやお正月、そして、すぐに新学期の準備となります。大掃除をしない家庭が増えているのも、よくわかります。むしろ、日ごろからお家をきれいに片付ける方向に世の中は動いていて、それは良いことと思います。年末年始があわただしい一つの理由は、年末はどちらかというと洋の設え、お正月は和の設えと、趣も変えることにあるかもしれません。家庭内のオーナメントを出して、飾って、片付けて、また新しく出して、飾
山形つながりで、稲花餅も。農大稲花小がスタートしたとき、稲花をキーワードに検索したところ、千葉県の稲花酒蔵とともに、山形県蔵王温泉などを中心に売られている稲花餅というのがあることを知りました。ただ、読み方は「いがもち」です。蔵王温泉に買いにいかなくてはならないかと何年も思っていましたが、今日、山形県のアンテナショップでもしやと思い探してみるとありました。山形県の稲花餅(いがもち)は、こしあんの入った白いお餅が熊笹の上に鎮座し、そのお餅には稲花・稲穂を表す黄色い米粒が乗っているものです。とて
今日は山形県のアンテナショップでお友だちとランチ。アンティパストは山形産各種野菜のバーニャカウダ風。甘かったり、苦みがちょっとあったり、汁気があったり、パリッとしていたり。いろいろな野菜がたくさん。庄内産魚醤とカリフラワーのピュレが真ん中にあります。(ヤマガタサンダンジェロ)ということで、帰りに思わず、キクイモとアスパラ菜を購入。お家でも上手に料理できるかな。菊芋は生でサラダでもよいし、ローストしてほくほくにもできます。キク科。英語ではJerusalemart
12月も半ばですが、鮮やかなケイトウ(鶏頭)を見かけました。直径が20cm以上あるように見えます。倒れないように支えをするなど、大切に育てておられるのでしょう。葉っぱはもう厳しくなっていますが、花はまだ大丈夫そうです。「鶏頭」は秋の季語ですが、がんばっています。ケイトウは好みの分かれる花かもしれません。英語でも「cockscomb=とさか」といわれ、ニワトリのとさか(鶏冠)のようでもあるし、脳のようでもあり、その色や形がちょっと....と思う方もいらっしゃるかもしれません。一方で華
一重のサザンカと八重のサザンカとがあります。基本的には花の構造については、ABCモデルと言われる3つの遺伝子グループが決めていることが知られています。Aグループは萼、AグループとBグループで花びら、BグループとCグループで雄蕊、そしてCグループが雌蕊を作るのです。八重咲では雄蕊がCグループの変異により働きが無くなったり弱くなると、その分をAグループが補い、結果として雄蕊が花びらになる例が多く知られています。雄蕊が無い(あるいは十分な発達でない)ことにより、花粉もできなくなります。
椿餅です。やわらかい道明寺に餡を包み、椿の葉で挟んであります。道明寺というのは、道明寺粉ともよばれる米粉で作った生地(お餅)で、やわらかいです。米粉といっても、生米を粉にしたのではなく、蒸し煮をしたもち米を乾燥させて粉にしたものだそうです。また、東京あたりの桜餅は小麦生地ですが、関西の桜餅は道明寺の生地を使っています。椿餅は年明けから売るお店もあるのですが、こちらは年内のみとのことでしたので、私もちょっと急ぎました。文京区一炉庵椿餅
「かきねのかきねのまがりかど」で始まる童謡「たきび」の2番は、「さざんかさざんかさいたみち。たきびだたきびだおちばたき」と続きます。1952年から約50年にわたって教科書などにも登場していたという童謡です。今では法律や各地の条例で野焼きは原則禁止ですが、私が子どものころは庭で落ち葉や紙ごみなどを焼くこともあったのを、その匂いとともに思い出します。さざんか(山茶花)が咲く時期になると、どうしてもこの童謡を思い出してしまいます。2番は「しもやけおててがもうかゆい」で終わり
ザクロは、果実の中にたくさんの赤い種子があることから、古代から「命」や「豊穣」を表す果物、女性や母性とも密接な関係がありました。子だくさんだった鬼子母神は人間の子どもを食べていましたが、お釈迦様の教えにより、子どもを守る神様になりました。お供物として、ザクロが供えられるようにもなりました。雑司ヶ谷鬼子母神の手水鉢にある神紋もザクロですし、絵馬もザクロの実が描かれています。なお、ざくろは英語でpomegranateといいます。pomeとはリンゴやナシを意味し、種を意味するgraineがつ
豊島区の雑司ヶ谷霊園から、雑司ヶ谷鬼子母神堂へ。江戸の名所でもあった場所で、建造物は国の重要文化財にも指定されています。参道には見事なケヤキの大木が4本ほどあります。若い木もありますが、いずれも、まっすぐに大きく育っています。樹齢700年を超える大きなイチョウもあります。面積はそれほど広くはないのですが、都心にいながらタイプスリップした感を味わいました。農大稲花小で低学年の子どもたちと話をしていると、やはり人生経験が数年!しかないせいもあって、年月の長短とか、時代という感覚が
若い研究者だったころは、共同研究者にクリスマスカードを出すのが11月終わりから12月初め。きれいな切手を選んで送っていました。今は、海外とやりとりするクリスマスカードも、お年寄りの先生方ばかりですが、これはこれで無事の確認になっています。残りは、やはりSNSですね。年賀状の枚数も、教員という職業柄もあって、毎年数百枚レベルで出したり、頂いたりしていました。しかし、最近は枚数も減ってきています。若い卒業生からの年賀状や近況はfacebookなどでいただいますが、即時性があるのでよいと思って
日が短くなっています。同時に、影は長くなってきています。お子様とご一緒に、自分の影をしっかり見ることのできる場所に立って、影の長さを楽しんでみてください。よく晴れた日に道路などで試すのがわかりやすいのですが、安全には気を付けて。日を変えて、時々、同じ時刻に同じ場所で影を観察することで、太陽の動きを実感することができます。公園の立ち木などでも同じ観察ができますが、自分が登場することで、子どもにとってはより楽しい観察になるのではないでしょうか。撮影しておけば、よい記録になり、比べるこ
セイヨウトチノキの花。スペインマドリッドの王立植物園で。花は白く、花弁に赤い斑点があることが特色です。外側にたくさん綿毛があるそうですが、この撮影をしたときは、気づきませんでした。セイヨウトチノキあるいはマロニエと言われることもありますが、英語ではHorseChestnutといいます。栗に似ているという意識があるのですね。日本では縄文時代から食用にしていましたが、海外では薬用として種子からの抽出エキスを関節痛、発熱そのほかに使っていたそうです。ちょっと色の濃いトチノキの蜂蜜
とち餅です。これは山形から。餡が包まれています。トチノキとその仲間は、日本だけでなく、ヨーロッパでも街路樹になったりしています。マロニエと呼ばれるものも、その仲間です。ただ、その実のアクを抜いて食べるという文化は、日本に特有だそうです。日本では縄文時代から食べてきたことが知られますが、実を水にさらしたり、半月以上かけてアクを抜くなど、大変な手間がかかる食品です。餡を入れた菓子だけでなく、雑煮用のとち餅にする地域もあります。子どもたちの読む「モチモチの木」はトチノキの巨木。その実で作っ
これはパースニップという野菜です。撮影は12月にドイツで。白ニンジンと記している例もありますが、同じセリ科ではあるものの、ニンジンとは異なる属で、異なる植物です。ただ、見た目は白いニンジンに似ています。大根にも似ていますが。ヨーロッパ原産。色は白で、ほかの色の品種はありません。秋から冬の根菜として、ローストにしてほくほくとした味を楽しんだり、煮込みやスープにしたりします。セリ科のような香りや苦みも少しありますが、甘みもあると思います。私は何十年も前のことですけれどもスコットラ
黄色いニンジンを細く切って、サラダにしました。ニンジンらしい味と香りがあり、同時に甘みもありおいしく頂きました。さて、普通のニンジンはオレンジ色です。フランスの小説にある「にんじん」は、ニンジンのような赤毛の少年が家族にも疎まれながら成長する物語です。ヒトでは、Mc1rという遺伝子の突然変異によりメラニン色素(の前駆体)の生産量が変わり、髪の毛の色や肌の色が変わることが知られています。かつ、この遺伝子は潜性(劣性)のため、両親が赤毛でなくても、赤毛の子どもになることがあります。赤毛
オレンジ色のニンジン、黄色のニンジン、そして鮮やかな赤い京ニンジンをいただきました。もみ殻、米ぬか、発酵竹粉、完熟牛糞、鶏糞などを使って丁寧に栽培されたと聞き、感謝しながら味わいます。見た目にも、元気づけられますね。ニンジンといえば鮮やかなオレンジ色を思い浮かべますが、栽培化されたころのニンジンは、白から黄色だったことが遺伝子の解析やそのほかの研究で明らかになっています。白から黄色がかったニンジンは、9~10世紀に西アジアや中央アジアで栽培化されました。この栽培が広まり、交配によってオレン
クリスマスカラーとしてよく使われる赤、緑、白は、それぞれ意味をもっています。加えて、光をイメージするゴールドなども使われます。しかし、街中でクリスマスオーナメントを見ると、寒色系の白、青、銀などが多用されるようになっている気がしました。また、デザインもシンプルですっきりしたものが多いように思われます。もちろん、華やかなオーナメントもたくさんあり、そして、どれもが素敵です。調べてみると、今年のツリーやオーナメントのトレンドも、白、青、銀を基調にしたものや、フロスト系とのこと。以前のように赤
日の入りの時刻が早くなったと感じます。日が短くなるというと、冬至ですが、今年の当時は12月22日。太陽が一番低く動くので、昼間の時間は一年で一番短くなります。でも、日の入りの時刻が一番早いのは、冬至の日ではありません。日の出の時刻が最も遅い日や日の入りの時刻が最も早い日は冬至とは一致しません。今日、東京農業大学北海道オホーツクキャンパスの先生のSNSを見ていたところ、網走の日の入りは15時45分ごろとのこと。国立天文台(暦計算室₋こよみの計算)というサイトを使って計算してみると網走で
引き続き、東京都北区にある尾久車両センター・車両基地周辺で。見習いから一人前へ、です。くすっと笑える看板でした。見習うって大切なことだと思っています。誰かがやっていること、言っていることを見たり聞いたりして、習うこと。やっている人の体温を感じながら、やり方を習うこと。見習うのは技術の事だけではありません。大人になって新しい環境に入った時、まずは周囲を見習う。何かのお役についたとき、どう振舞えばいいのか、同僚や先輩のやり方を見習うということもあるでしょう。そのとき
東京都北区にある尾久車両センター・車両基地は、たくさんの線路、車両、また管理施設があり、広い面積を占めています。寝台列車カシオペアも停まっていました。また、その横を、高崎線、宇都宮線、上野東京ラインが次々に走行し、少し離れたところは新幹線の線路も見えるのです。このあたりで育ったら、「鉄分の高い子」すなわち「鉄道好き」の子どもが育つ確率は高いに違いありません。しかし、加えてそこに、保護者や学校からよい導きがあれば、素晴らしい鉄道技術者が生まれるかもしれません。あるいは、数学的な能力を発揮する
基本的には勝手に海の生き物を採取することができません。潮干狩りでは、場所や日時、料金を払って持ちかえっていい量も決まっています。貝殻やシーグラスについては、個人の楽しみの範囲でマナーを守って拾うことについてはよさそうですが、一方で、海岸保全区域や自然公園などを中心に、砂や石を含めた持ち出しが禁止されている場所もあります。また、有毒なクラゲが打ち上げられていたり、安全ではないゴミが落ちていたりもします。ですから、貝殻拾いに適した海岸について調べておくことは必要でしょう。少しずつ拾ったり、
貝の仲間は4億5千万年前頃に進化して、現在は大きく7つのグループ(綱)に分かれ、その中には、二枚貝が含まれる二枚貝綱、タコなどを含む頭足綱、巻貝を含む腹足綱などがあります。同じ貝でも、二枚貝と巻貝は、かなり前に枝分かれしたことがわかります。農大稲花小の子どもたちが北海道オホーツクキャンパス宿泊学習で行く流氷館で見られるクリオネも、腹足綱で巻貝の仲間です。ただ、クリオネは成長して大人になると貝殻がなくなるので、あのような姿になります。水族館に行くのはとてもよい勉強になります。また、食事の
無理難題を解決するという物語や神話は、かぐや姫をはじめ、考えてみるといくつもあります。無理難題を解決できる人だけがお姫様と結婚できたり、王様になったり、と。無理難題を解決して主人公の成長を期待するとともに、無理難題を解決できるスーパーヒーローを期待するということもあるのでしょう。ほら貝に蟻を使って糸を通すという話は、ギリシャ神話にもあります。ミノス王に疎まれて他国に逃げたダイダロス。彼は知恵者としても知られていました。他国に逃げた彼を探し出すために、ミノス王は海の神トリトンのもつほら貝に糸
センリョウ、マンリョウのほかに、ヒャクリョウ(百両、カラタチバナ)、ジュウリョウ(ジュウリョウ、ヤブコウジ)、そして、イチリョウ(一両、アリドオシ)までがあります。いずれも赤い実が実ります。アリドオシを見たことがないのですが、漢字では長く鋭い棘をもつ植物で、漢字では蟻通しとのこと。鋭い棘が蟻を刺しつらぬくからと記されていましたが、あるいは、「有通し」と書いて千両や万両とともに、おめでたい植物としてお正月飾りにすることもあるそうです。和歌山県田辺市では「蟻通神社」に行ったことがありま