ブログ記事136件
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)「移流霧」は暖かく湿った空気が冷たい地表面や海面に移動したときに空気が下から冷却されることにより、空気内の水蒸気が過飽和になることで凝結して発生する霧のことをいいます。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)「放射霧」は、主に陸上で風が弱いとき、地表面の放射冷却によって地表面に接した気塊の温度が低くなる、すなわち気塊の水蒸気圧はそのままで気温が低下することによって、水蒸気が過飽和に
こんばんは。今回の一般知識は、霧についての問題です。発生の要因によって、主に移流霧、放射霧、上昇霧(滑昇霧)がありますが、(a)、(b)、(c)の文の内容が正しいかどうか考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。18日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識まず、今回の問題の表題である「フェーン現象」とは何かについて、簡単に触れておきたいと思います。フェーン現象とは、気流が山を越えることによって風下側の気温が上昇する現象のことをいいます、強風を伴って、湿度が低下して乾燥するため、火災が発生する原因になることがあります。また、フェーン現象には2種類あり、水蒸気の凝結によって降水が伴うもの、つまり空気塊が移動中、飽和した状態時に湿潤断熱減率に沿って温度が変化するもの
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学からフェーン現象についての問題です。標高0mの平野にある標高1500mの山があり、大気はどこでも気温減率が6℃/kmで、標高0mの気温は30℃であるとき、山の左側の高度1200mの微小な空気塊を、山を越えて右側の標高0mの麓まで、周囲と混合しないように断熱的に下降させたとし、このときの下降後の空気塊の温度は何℃かという内容の計算問題です。この「フェーン現象」とはどういう現象かについても簡単に触れながら、計算で何℃と求められるのか、次回、一緒に考
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識Aまず、比湿の定義について確認しましょう。大気の熱力学におきましては用語がたくさん出てきますのでそこが結構難しいところなんですが、比湿とは、水蒸気と水蒸気を含んだ状態の空気との質量比、言い換えますと、水蒸気と空気全体との質量比のことをいいます。すなわち、比湿=水蒸気の質量(g)/空気全体の質量(kg)ということです。以上を踏まえて比湿の定義に代入して求めますと、10/(990
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学からの問題です。問題では、A、B、Cの3種類の湿潤空気塊があって、これらの空気塊の比湿をそれぞれ求めて大小関係どうなのかを考えるという内容です。次回、一緒に考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。10日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回は、図8の(A)(B)についての問題です。この両者の状態曲線の1000hPaから600hPaの範囲における静的安定度の特徴を両者の違いに着目して述べよ、という内容で、明確な条件付き不安定の範囲が100hPa以上あるときには、その範囲を20hPa刻みで言及せよ、と但し書きがあります。一般知識の大気の熱力学の復習になりますが、しっかり知識が定着しているか考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験2・問2問題文及び図表は一般財
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・実技試験1・問4まず、問題にある「対流不安定」について簡単に触れておきたいと思います。上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、あるいは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位(相当温位)が高度とともに低くなる気層となる場合、その気層は対流不安定な気層となります。そこで、図13(左)に着目して、高度とともに相当温位が低くなる気層はどこか見ます
こんばんは。今回の問題も図13(左)の12日18時についての問題です。問題では、尾鷲上空で対流不安定となっている層の上端と下端の高度を解答した上で、そのように判断するにあたってどんな特徴に着目したのかを述べる内容になっています。一般知識の大気の熱力学で学習した「対流不安定」とは何だったか、復習しながら次回、一緒に考えて見たいと思います。第62回試験・実技試験1・問4問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。6日分の考察編は次回更新の予定
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識初めに問題に入る前に、混合比、温位、相当温位について触れておきたいと思います。まず、混合比は混合比(q)=水蒸気の質量/乾燥空気の質量で表されます。これを湿潤空気の気圧(p)、水蒸気圧(e)、乾燥空気の分圧(p-e)で表す場合の混合比(q)は、q=0.622×(e/p-e)ふつうe/pは0.04を越えることはなく、つまり水蒸気圧は湿潤空気の気圧より2桁小さく、分母のeは省略することができ、q=0.
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学から、シリンダーとピストンでできた容器に未飽和の湿潤空気を封入し、ピストンがA、B、Cの位置にあるときの混合比q、温位θ、相当温位θeそれぞれの関係式(a)(b)(c)の正誤について検討する内容の問題です。大気の熱力学に入りますと、混合比、温位、相当温位といろんな概念が出てきますので、初学者の方が最初につまずきやすいところでもあります。今回の問題を通して、それぞれの概念を整理しておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第62
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず、「温度減率が0.6℃/100mの大気中の高度Aにおいて、周囲の大気と気圧が等しく、周囲より温度が4℃低い空気塊を静かに放出した」というところに着目して考えてみます。この空気塊の温度は周囲の大気の温度よりも低い、ということはすなわち、空気塊の空気密度が大きいですので、落下してい行くことになります。いま大気の温度減率は0.6℃/100mであるのに対して、問題では未飽和の空気塊の鉛直運動を考えて
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学から、大気中を鉛直方向に運動する未飽和の空気塊について、本文中の(a)(b)の空欄に当てはまる適切な語句を選択する内容の問題です。大気中の高度Aにおいて本文中の温度減率のとき、周囲の大気と気圧が等しく周囲より温度が4℃低い空気塊を静かに放出するとどうなるのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。9日分の考察編は次回更新の予
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第43回試験・一般知識(a)まず、気塊の鉛直加速度の式が与えられていて、その下の段落では、「地表付近で温められた気塊が、気温が17℃の高度まで上昇し、そのときの気塊の温度が周囲の空気よりも6℃だけ高かったとすると、この高度における気塊の鉛直加速度は、」とあります。気塊の温度をT、周囲の空気の温度₸は絶対温度Kですので、・気塊の温度T=273+(17+6)=296(K)・周囲の空気の温度₸=273+17=290(K
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学から、ある気塊が周囲の空気から受ける浮力に関する文章を穴埋めする内容の問題です。この問題は、後のエマグラムにおける自由対流高度、中立浮力高度へと繋がっていく知識ですので、一見すると難しいように見えますが、問題文をよく読めば、基本に沿った内容であることがわかると思いますのでチャレンジしてみてください。次回、一緒に考えてみたいと思います。第43回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用していま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第42回試験・一般知識今回は、気体A〜Dがあり、気体B、Dの圧力を気体A、Cと同じ1000hPaに断熱的に変化させたときの4つの気体の密度を小さい順から並べよ、ということで考えてみます。まず、一覧表の温位の欄において、気体A、Cのところが空欄になっています。ある気圧における気体を断熱的に1000hPaまで変化させたときの温度のことを温位といいますので、A、Cは圧力が1000hPaで温度がともに310Kであることから、温位はA、Cとも
こんばんは。今回は、大気の熱力学から気体の密度についての問題です。一覧表に気体A〜Dがあり、気体B、Dの圧力を気体A、Cと同じ1000hPaに断熱的に変化させたときの4つの気体の密度の大きさを気体密度の小さい順に並べよという内容です。次回、一緒に考えてみたいと思います。第42回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。14日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識まず、本文を読んで、この問題で最終的に何の値を求めるのかを明確にしましょう。「空気塊が山脈の最高点にあった時の空気の相対湿度」であるということで考えてみます。相対湿度とは、「一般気象学」p60にありますように、「単位容積(1㎥)内の水蒸気の量とその時点の温度に対応する飽和水蒸気密度の比である。」ますが、当問では、本文の下の表で、温度と飽和水蒸気圧の関係が示されていることから、ある空気塊がもつ水蒸気圧の飽和水蒸気
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学から、ある空気塊が山脈の斜面に沿って上昇し、山頂を通過して反対側の標高0mのふもとまで下降したとき、温度が30℃、相対湿度40%の状態になっていたとし、空気塊が途中、山頂に達したときの相対湿度は何%だったかを考える問題です。問題文を一気に読んでしまうとわからなくなってしまいますので、よく読んで整理しながら考えてみましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識(a)今回の問題は、「地表面付近の未飽和の水蒸気を含む空気塊」とあることから、湿潤空気塊を持ち上げたときの温位および水蒸気の混合比の変化を考えるわけですが、その前に乾燥空気塊を地表面から持ち上げる際の温位の変化を「一般気象学」p72図3.14「自由対流高度の説明図」を見ながら考えてみます。乾燥空気塊を断熱的に持ち上げるときは水蒸気の凝結は考えなくていいわけですから飽和に達することもありません。すなわち、空
こんばんは。今期の一般知識は、大気の熱力学から、地表面にある空気塊を断熱的に持ち上げた際の温位と水蒸気の混合比の変化についての問題です。大気の熱力学の学習が進みますと、エマグラム(状態曲線)を学習、さらに、実技試験においてそのエマグラムを使う問題が良く出題されますので、それらにつながる基本的な知識となりますので、問題を通してしっかり学習しましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問3前回は、地上にある空気塊を持ち上げ凝結高度まで上昇させて、発生する雲の雲底の高度を求めました。今回は、ここからさらに上昇させ、どの高度まで雲が発達するのか考えてみます。空気塊が持ち上げ凝結高度まで上昇して空気塊が飽和し、水蒸気が凝結し始めますと、空気塊は湿潤断熱線に沿って上昇することになります。持ち上げ凝結高度で、ちょうど270Kの湿潤断熱線と重なっていますので、これに沿って上昇することから
こんばんは。今回は、前回、雲底の高度(持ち上げ凝結高度)に達した空気塊が、今度は自由対流高度を越えて上昇して空気塊の浮力がなくなる高度を求め、その高度を雲頂高度としたときの気温を求めよ、という問題です。前回同様、エマグラムの知識が問われる内容ですが、その後の空気塊の動きにおける、自由対流高度、および空気塊の浮力がなくなる高度とはどこで決まるのか、次回、一緒に考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問3問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1今回は、図9の輪島の状態曲線(エマグラム)について、この大気の状態のときの地上にある空気塊が上昇したことで発生する雲の雲底の高度を求めよ、という内容です。まず、この「雲底の高度」とは何かを考えます。地上における空気塊は温度が-1.2℃、露点温度が-5.5℃という状態です。この時点での空気塊は未飽和ですので、空気塊の上昇は乾燥断熱線に沿って上昇していきます。一方、この空気塊の混合比は露点温度5.5℃から等
こんばんは。今回は、図9の輪島の状態曲線(エマグラム)を用いた問題です。まずは、地上にある空気塊が上昇したことで発生する雲の雲底の高度を求め、その際に参考にしたすべての等値線名を解答せよ、という内容です。一般知識の大気の熱力学の復習になりますが、実技試験では、実際に自分でエマグラムを操作して求める力が問われますので、この問題に限らず、過去問題の同様の問題も使って慣れておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂い
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識問題文では、地表近くの空気塊があり、気圧が1000hPa、温度26℃、水蒸気の混合比が12.4g/kgで与えられています。一方、水蒸気の混合比についての式が、水蒸気の混合比[g/kg]=620×水蒸気分圧[hPa]/気圧[hPa]と与えられていますので、まず初めにまだわかっていない地表近くの空気塊の水蒸気分圧eとして、eを求めてみますと、12.4=620×e/1000両辺を620で割って0
こんばんは。今回の一般知識は、大気の熱力学から、水蒸気の混合比、気圧、水蒸気の分圧の関係式を使い、さらに温度と飽和水蒸気圧の関係および高度と気圧の関係を表わした表を使って、持ち上げ凝結高度と飽和水蒸気圧の正しい組み合わせを求める内容の計算問題について次回、一緒に考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。11日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第41回試験・専門知識まず、問題にありますように、図のエマグラムの細実線は観測された気温の鉛直分布で、太実線はA点にある未飽和の空気塊を断熱的に持ち上げたときの温度変化ということで(a)から見ていきます。(a)未飽和の空気塊をA点から持ち上げていきますと、初めは乾燥断熱線に沿って持ち上げ、やがてその空気塊の露点温度に達するところのB点で飽和します。これが持ち上げ凝結高度(LCL)です。すなわち空気塊内の水蒸気が凝結し始める高度にな
こんばんは。今回の専門知識は、一般知識の大気の熱力学と重複しますが、第41回試験より、エマグラム上での空気塊の断熱変化ついての問題です。実技試験においても問われる内容ですので、試験本番で迷わないように復習しておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第41回試験・専門知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。29日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第2回試験・一般知識今回は、「混合比が0.018kg/kgの水蒸気混合空気と、同じ気圧、温度をもつ乾燥空気が存在する。両者の同体積における質量差(密度差)を見積もる。」ということで考えてみます。混合比の定義につきましては、その後の文の通りで、混合比=水蒸気の質量/乾燥空気の質量で表されます。いま、乾燥空気の質量を1kg、水蒸気の質量を0.018kgですから、この水蒸気混合空気の質量は、1+0.