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さて、伝統木組みの建物も、完成となりました。小屋組みが終了し、屋根タルキの施工をしています屋根貼り作業前の写真と殆ど変わっていないように見えますが、筋違が入り金物を打っています。土台周り建物の内部の土台は鋼製束を設置しました。長い年月が経つと、外周の盤石が下がるので、中心の土台を同じように下げる必要が出てきます。鋼製束ならば調整が楽なので、これを採用しました。外周の土台も、束と石付基礎とは固定していないので、調整が容易です。古民家は、土台と基礎を固定してい
伝統構法の仕口(木と木が組み合わさる部分)の紹介です。今回はプレカットを応用して、伝統構法の仕口を再現してみました。柱を立てます差し鴨居の設置差し鴨居は俗にいう「受け梁」で、下に広い開口を設けたいときに用います。今回は、物置の入り口として広い出入り口が欲しいという事で、差し鴨居を設置しました。小屋梁の渡りあご仕口(受け側)伝統構法でよく使われる「渡りアゴ」です。木と木を十字に交差させる時に用います。上の木と下の木を段違いにさせて合わせ目の欠き取り部分を最小限にして
石付きの基礎が出来あがり、十分な養生期間を置いて、いよいよ土台敷きです。一般の在来工法とは少し違っています。土台敷きの前に、お清めの儀式を行います塩、水、米、酒を四隅と中心の祭壇に撒いて、土地を清め、祝詞をあげて工事の無事を祈願します。(これは普通の工法の土台敷きと同じですね。)土台の下に束を設置する土台をひっくり返して、束を取り付けます。束の下には「基礎パッキン」を束の断面積の大きさに合わせて加工したパッキンを設置。これは木とコンクリートが直接触れないための工夫です
前回の栗石事業の続きです。いわゆる社寺建築の基礎のミニチュア版です。栗石の上に砕石を敷きます全面砕石を敷いて転圧します栗石の上に盤石を設置します盤石を敷いた状態盤石の上にコマ石を設置しましたなんか、これ、お墓じゃん・・・・これで基礎が完成です。・・などと簡単に書いていますが、各施工には秘儀が隠されています。今までの経験を駆使していて、各セクションは「コロンブスの卵」で、やってみれば「ああ~そういう事ね」となるのですが、実際やってみないと、そ
4/13、隣町の交野で開催された削ろう会に行ってきました。4/12稿「4/12㈯13㈰削ろう会全国大会大阪交野大会…ガッカリ万博も開会~伝統木造を守る?!」我が家を建ててくれた地元の日伸建設が事務局。お陰さまで大盛況!それにしても大阪・関西万博、初日こそ大入りだったものの、そのあとは入場者激減とか。ニュースを見ていると問題点噴出だし、能登の震災復興に労力や資材を回すべきだったんでは?!このせいで住宅価格も高騰してるようですが、何よりカジノのインフラ整備のための万博なんて!
1年半に渡り、ようやく全てが完了しました。施主の家族の皆様には多大なるご心配をお掛けしました。お陰様で満足して頂いたのではないかと自負しているところです。再生にあたっては当初の思いを探りつつ請けた以上は、見えない部分もしっかりと手を抜くことなく施工させて頂きました。元の姿に再生ではなかったものの、先祖の結晶が詰まった築百年の古民家を活かしながら、家族の生活向上の作りとなり、未来の子どもたちのためにも良い伝統的日本の住まいとなったのではないかと思います。
能登町にて建物診断です。築200年程の古民家。半壊の認定ですが、所有者さんは壊すか残すかで迷っていらっしゃいます。3月末までに申請すれば公費で解体してくれますが、所有者様としてはご先祖様から継いでいた大切な家。そう簡単には壊せません。一縷の望みを持って調査依頼されているのです。古民家再生協会の立場としては、残す方法を考慮しながら調査を進めます。伝統構法の古民家は基本的に地震に強く造られています。しかし震度7級の地震を受けると瓦はずれ、土壁は崩れます。その後豪雨を受け半年近く経過する
国土交通省にて会議です。4月からの建築基準法に向けた意見交換会の3回目です。日本伝統再築士会の役員が全員揃いました。古民家等伝統的建築物に対する新建築基準法への考え方、かなり纏ってきました。新しい流れにもしっかり対応していこうと思います。
薪ストーブを設置、初めての火入れをお客様にしていただきました。少しづつ馴染ませて行くことになるそうです。
4月から建築基準法の改正が実施されます。それに伴い建築物省エネ法も改正されます。しかしながら外皮基準に適合させることが困難なものに対する基準を定める、気候風土適応住宅基準ガイドラインが制定された、地域ごとの要件を検討するための長崎型ガイドラインの作成会議の最終日を迎えました。
1月22日は、聖徳太子を祀る「太子講」です。我が町佐々町では明治の時代であろうその頃から、受け継がれてきた大工職人の伝統行事です。世代交代で職人不足の厳しい状況の中ではありますが、少ない人数の中引き継いでいるところです。若い世代も加わり少しづつではありますが盛り上げていこうという機運が高まっています。懇親会でも楽しいひと時を過ごす事が出来ました。
この石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の新居に、暮らし始めてから、4度目のお正月を迎えました。(昨年末、息子の家のすぐ近くの畑付きの古家を、縁あってセカンドハウスにすることができました。)一昨年12/8に肝臓癌の摘出手術をし、昨年はその合併症に難儀しましたが秋にはすっかり回復。12/12には白内障の手術、晴れて眼鏡なしの新年です。そんな病院通いの続く一年間、ブログの更新も滞りがちでしたが、元気になった勢いで、年末12/29には名古屋に妻と久しぶりの旅行。我が家と同規模の
漆喰と言えば白と言うイメージでしょうが、色漆喰もあります。本来ならば色粉を使って練り上げるのですが、色のバラツキを防ぐのが大変な作業となります。安定した色を確保するため、メーカーで色を付け練り上げた練漆喰があります。今回も卵色の漆喰を使って仕上げています。落ち着いた感じが良いですね。
伝統耐震診断士学科講習を開催しました。伝統耐震診断は伝統構法に適した耐震診断で、福井県では伝統耐震診断と再築耐震改修に補助金も出ます。空き家アドバイザー協議会の井上理事長から、古民家利活用の資金と出口のお話を頂きました。今回、更新講習で来られた日本伝統再築士会の兎洞会長にも特別にお話を頂きました。国土交通省との勉強会や、じゃぱとら配布の効果について、他の受講者さんにも大変参考になったと思います。スキルアップで勉強したいと大阪から益田さんも来られました。実務で疑問に思った所を沢山質問頂きま
長崎県版気候風土適応住宅ガイドライン作成委員会に参加しました。長崎県担当者・長崎市担当者・長崎県建築士会、古民家再生協会のメンバーで構成された第一回検討会でした。今年度中の作成のためこれから慌ただしくなります。伝統構法については問題なく除外されるのですが、本来の純和風日本の住宅については考えておらず、どうにかしなければなりません。伝統構法の建物が普通に建てられるなら良いのですが、簡単には行きません。・・・となれば、和の家づくりを考慮しなければなりません。しっかりと努めたいと思います。
都心砂防会館にて建築基準法改正に関する講習会に参加しました。かなり多くの人達が来られていました。最大1,000名入る会議室がほぼ満席です。やはり建築関係者にとって大きな法改正、大変気になる講習内容です。来年4月改正ですが、今のうちに勉強して備えておかなければなりません。いつもお世話になっている国土交通省の担当官もいらっしゃいました。今回は新築の話がメイン。今後は、改修についても学んでいきたいと思います。
全国古民家再生協会神奈川支部の皆様と伊勢原市にて古民家再生総合調査を行いました。最近古民家再生総合調査の依頼が各地で増えてきています。私が愛用している床下診断ロボットのモーグル君の調子が良くなく不便になってしまいました。時々なのですが画面に縦線が入ったり、機器とパソコンの通信状況が悪くなったりするようになってしまいました。今回は騙し騙しではありますが、何とか診断することができました。伝統耐震診断機器は好調です。微動調査の精密機器でとてもデリケートではあるのですが、定期的なメンテナンス
伝統耐震診断士学科講習。伝統耐震診断連合会の会長を務めていただいている鶴谷さん。更新講習として参加して下さいました。私が伝統耐震診断について話ししている動画「クロニカ」を見て、清水さんが受講したいと埼玉から来てくださいました。井上先生のお話、松山の喧嘩神輿、諏訪の御柱、岸和田のだんじりでは死者が出ることもある。それでも禁止にならない。何故ならそれは日本の文化だからである。古民家は建築基準法には適合しない。それでも日本の大切な文化として残すことは出来ないのか?と言います。古民家を強引に
8月22日は夏の「太子講」です。大工の最も大切な年間行事として、代々継承してきました。大工の神として崇め奉り尊敬の念をもって供養をしています。その思いは、これからも変わることなく大切にして行きます。
八王子市で再築工事中の築300年の古民家。工事完了後の伝統耐震診断を行いました。伝統耐震診断では工事前と工事後に診断を行いどれだけ改善されたかを調べることができます。構造計算のみに頼らず、施工前後で測定を行い数値の改善具合を示すのは伝統耐震診断ならではのこと。手抜き工事をするとバレてしまう仕組みなのです。古民家は伝統構法で建てられていて、構造的には「柔構造」一方在来工法は「剛構造」となっています。再築基準では柔構造の地震力を吸収し、大地震後繰り返し起こる余震にも対応するため、制震ダン
8/2稿「連日の猛暑日…最高気温40℃に迫る!~地球沸騰化時代に相応しい家とは」で、その日はこの夏最高気温の猛暑だったなか退院したことを載せましたが、今日8/6の午前中は通院で出かけたので、試みに朝からずっとエアコンなしにしてみました。というのも、愛知県で伝統構法に取り組まれている『木と土と風の家家工房』代表の鹿嶌さんが、以下のように言われていたので、我が家でも試してみたんです。(鹿嶌さんのfacebookより要旨↓)・・・我が家にはエアコンがないので昼間も夜も窓を開
灼熱の議員会館へ行ってきました。古民家再生議員懇話会での要望に関連して、大口善徳代議士にご面会頂きました。来年の建築基準法改正について伝統構法古民家に対する緩和措置の合理化。リフォーム瑕疵保険、フラット35基準適応に対する、都道府県建築主事への認識・理解の徹底についての要望です。弁護士でもある大口先生。私の要望をしっかりと受け止め、要望内容を伝わりやすい言葉に纏めて下さいました。私も要望・質問することで、自分の頭の中が整理されていきます。大口先生ありがとうございましたm(__)m
6/11稿「窓全開…最高気温31℃~遅い梅雨入り」で、「8月には肝臓に入れている管を外せそう」と書いて・・・その入院(7/29~)から今日(8/2)退院してきました。結果的、血液検査の値により管を外すのはしばらく延期になったんですが、入院を続ける理由がないほど元気なんで、想定外に早く帰宅できました。冷房完備、高層階で眺望が良く、三食付き!リゾート気分の5日間。出てきたら、暑い!!!今日の枚方は、この夏一番の猛暑。深い軒とウッドデッキの琉球朝顔のお陰で室内には直接の陽射しはあり
築300年の古民家再生現場見学会。今回は主に専門家の皆さんにお集まり頂きました。築300年ともなりますと、過去数回における改修により、構想的な変化があります。元の造りや劣化現象を調査し、適当な改修方法を見つけていきます。事前に行った古民家再生総合調査は大きな効果を発揮しました。水平垂直の狂いもあります。新築のように完全に直そうとすると、どこかに無理が生じます。施主様とも相談の上、良い塩梅のところを探ります。今回は、リノベーションを教える建築の専門学校の先生もお越し下さいました。伝
トコダン企画販売です。姫路市で床暖房工事です。いつもお世話になっている尾上組さんの設計・施工尾上組伝統構法で家をつくる|伝統構法(伝統工法)では、金物を使わず「木組み」そのもので家を建てるという伝統的なやり方です。床暖房パネルの割付から古民家再生のリノベーション彼方を立てれば此方が立たぬの状態(苦笑い)棟梁に相談し、丁度よい場所で割付開始~この壁は残すので、この壁を囲うに床暖房施工部屋の形に合わせて、床暖房のレイアウトは自由自在それ
重要伝統的建造物群保存地区にある歴史的建造物の相続等による所有権の移転が全国各地で起こっています。建物の老朽化や耐震性等の不安、維持管理の負担から歴史的建造物を手放したいという古民家の所有者が増えてまいりました。手放すにしても出来ることなら建物を残して欲しいという要望も多いです。そういった時に古民家再生総合調査により、建物の劣化度や耐震性を調査します。歴史的建造物を現行法により耐震診断を行うと、ほとんどの場合倒壊の恐れありと診断されます。過去の大きな地震に耐え、現存しているその歴史的建
前回、伝統構法と在来工法との違いについて話題にしましたが、今回はその二つが混ざった「混構造」について説明したいと思います。昭和25年以前に建てられた古民家は、元々伝統構法で建てられています。その後増改築が在来工法で行われ、結果伝統構法と在来工法が混ざった「混構造」となっているケースが非常に多いです。例えば、次の写真の建物の向かって左側の赤い屋根の部分は元々あった伝統構法。向かって右側の部分は在来工法で増築されました。構造的に分かれていれば良いのですが、壁も屋根も一体となっています。伝統
今日6/11は、定期通院日。昨年12/7の入院手術から早半年。今日の検査・診察で、8月には肝臓に入れている管を外せそうだとのこと。今はシャワーしか浴びられないので、早く湯舟に浸かりたい!温泉に行きたい!!(参照:2023/12/29稿「入院中の病室の窓から・・・」)近畿地方の梅雨入りは平年6/6だそうですが、今年は当分まだのよう。今日の枚方、我が家の2階インナーバルコニーの外気温は、31℃!…真夏日。朝の天気予報から「室内での熱中症に注意!エアコンを入れて室温を28℃に。」
伝統構法と在来工法との違いについて説明したいと思います。一言でいえば、昭和25年より前に建てられたものが伝統構法、それ以降に建てられたものが在来工法です。建築基準法が出来たのが昭和25年、建築基準法施工後に建てられたか、そうでないかで分けられます。この機を境に、建物の構造基準が大きく変わりました。伝統構法は玉石基礎で、垂直方向の柱、水平方向の梁や貫等で構成されており、土台と基礎が緊結されておらず、地震等の動きに追付いし復元力を発揮する「柔構造」。在来工法はコンクリート布
現在再築工事中の築300年古民家。耐震改修工事が進んでいます。伝統構法で建てられている古民家は、石端建ての基礎で、構造も金物等で固定されていません。地震時には大工の棟梁の技術によって組まれた仕口や継ぎ手により地震力を揺り逃がすことで倒壊を防ぎます。建物の重量と壁量とのバランスを考慮し、耐震補強を行います。そしてその補強状況が一定の基準に達しているかを、常時微動による耐震診断で確認します。これを「伝統耐震診断」と言います。工事開始前の伝統耐震診断では、劣化現象もあり「相当に危険」と診断