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「でも!」「え?」「彼は凄いんだよっ!」「…なにが…」「彼の作るお惣菜には力があるんだ!」「…力?」「食べると元気になるっ!」「…翔ちゃん…それは惚れてるからだろ?」「ち、違うっ!食べたらわかる!それに彼の作るお弁当は毎日予約で完売するくらい人気なんだって!」「…へぇ…」「雅紀も食べたらきっとわかるって!」「…おぉ…」俺は大野さんの話をして若干興奮していたでも、雅紀が引いてることもわかっていただけど大野さんのことは変に誤解されたくなかったこの歳でなに考えてるん
大学に入ってすぐだった大勢の人混みの中で、その人のまわりだけキラキラと光っていたちょうどその時、強い風が吹いて…髪をかき上げた瞬間…その人がこっちを見た………ドキンッ!「おぉ~!」えっ…!「やっぱそうじゃん!すげぇ偶然!」嘘っ!来た!?「おぉー!翔くんじゃん!」え?「潤くん!同じ大学だったんだ!」「俺もびっくりだよ!元気だった?」「元気だよ~!てか何年ぶり?」「中学卒業してからだから…」「3年?」「3年!」「ははっ!」「ふはっ!」「あ、…松本くんの…友だち?
その日を境に、なぜかこの【櫻井翔くん】が俺たちとつるむことになった左に潤…右に櫻井くん…授業の時も大学内でも道を歩く時も俺を挟んでいつもこの二人が会話を交わすこの構図にも少し慣れてきた頃だった3人でカフェに寄ることに4人席のテーブルで、俺は悩んだ「ん?智?」「…えっと…」「こっち座れば」「…あっ…」「智、荷物!」「…あ、…ありがとう」ソファ席だった櫻井くんの隣に座り荷物を椅子席の潤に渡したドキドキ…「何飲む?」「っ、…えっと…カフェラテ…」「俺も」…ドキッ
翌日も大野さんはいつもの時間にやってきたいつも通りにお弁当を食べて一緒にお茶を飲んだ他愛のない話をしていても…俺は大野さんのことをじっと観察してしまう優しそうな目…スッと通った鼻…そして……柔らかそうな唇…ドクン…ドクン…「櫻井さん…?」「っ、え!?」「どうかしましたか?」「っ、ち…違う!」「?」何言ってんだ…俺…でも…大野さんの唇に目が行って仕方がないこの前みたいに…チュッて……ドキドキドキドキ…コンコンコン!ビクッ!ガラッ!「翔ちゃ~ん?生きて
こんな風に正直なところとか…献身的な優しさとか…癒してくれる雰囲気なんかも…どんどん色んな大野さんが発見できて嬉しいもっともっと知りたいって欲が出るきっと俺たち…同じ気持ちなんだろうなって感じるこのまま…本当に【恋人】になれるかもって期待も…「…そろそろ面会時間が終わる…」「え!」大野さんが悲しそうにそう言った「…あのさ!」「え?」「…今朝…シャワー…したんだ…」「っ、!」「確認…してもらえる?」「っ、…わ…わかりました…」大野さんが椅子から立ち上がったドキ
ニノと出会ったのは中学に入学してからだ自宅から離れた私立の中学を受験した俺には知り合いが全くいなかったそれはニノも同じだった教室で一番最初に話しかけてきれくれたのがニノだったそれからなんとなく俺たちはいつも一緒にいた気が合うかどうかは置いといて俺とは真逆のタイプだったそれから高校は別に進んだけど友人関係はずっと続いていたそんなニノからいきなりカミングアウトされたのが二十歳になって一緒に酒を飲みに行った時だった『実は今…コイツと付き合ってんだわ』そう言って見せてくれた
「っ、!!」途端に大野さんの体が硬直したのがわかったそれでも…離せなかった…「…勢いで…こんなこと…」「……」「でも…大野さんの方が大胆ですよね?」「っ、!」「……これって無理やり抱きしめてたりします?」「…あっ…」俺の言葉で大野さんが腕をゆっくり動かした背中に回る大野さんの手…するとより一層体が密着した…「…大野さん…っ、…俺っ…」抱きしめると…体も気持ちも昂った…「……櫻井さんの…」ドキッ!「……」ドキドキしながら大野さんの声に耳を傾けた「…櫻井さんの…匂
『友だちからお願いします』『友だちからお願いします』『友だちからお願いします』あれからずっと俺の頭の中であの言葉が木霊するんだってことは…その先に何がある?友だちを経て…『恋人』の文字が頭に浮かんだ途端に大野さんの微笑んだ顔が頭に浮かんだ…「っ、ち、違う!!!そうじゃない!!!」座っていた椅子が後ろへグラッとした…「うわっ!」ガッターン!!ガゴッ!「うっ!」「櫻井先生!!!」俺は頭を打ってそのまま意識を失った前代未聞だった脳神経外科医が椅子から転げ落ちて頭を
脳神経外科で働く38歳独身の俺って…端から見たらどう映ってるんだろう…元々職場では異性を恋愛対象として見たことは一度もない理由としては…家に仕事を持ち込みたくないからだその点、俺は仕事のオンとオフの切り替えが上手な方だと思うでも相手がそうじゃなかったら…それを考えただけで疲れが取れる気がしないこれって…ニノの言うように理想が高いってことなのかなぁだとしたら…ばあちゃんには悪いけど…俺は一生独身のままだと思うばあちゃんが元気なうちに恋人を紹介できたらって思ってたけど
口が勝手に動いていた…今言わないとダメな気がしたからだけど頭で考えて浮かんでくる言葉なんかじゃなかったずっと答えのわからない不思議な存在だったから「…俺の五感が大野さんを必要としてるんだ」「えっ…」「理由なんて後からわかるんだろうなって」「…櫻井さん…」「今言わなきゃいけないんだってことは直感でわかる」「…えっ…」「……俺と……友だち以上になってもらえませんか?」「っ、…それって…」「…どの言葉が適切なのかわからないけど…友だち…友だちでは叶わない気がするんです
「ばあちゃんっ!」勢いよく部屋に入った「…えっ…」嘘だろ……間に合わなかった…ベッドで眠っているみたいなばあちゃん…「…ばあちゃん…っ、…ばあちゃんっ!」ばあちゃんの手を取って握った手はまだあたたかくて…息を引き取ったなんて思えないくらい…こんなことになるなら…もっと頻繁に会いに来ておくんだった…「…ばあちゃ…っ、…」後悔しても…もう遅い…もう何を言ってもばあちゃんの耳には届かない…ピクッ…「…えっ…」握っていた手が…動いた…?「…翔…?」「!!!」っ、
「っ、いや…LINEでもお伝えした通りただの疲れ…と言うか…」「…嘘…じゃないですよね?」「えっ…」「僕に心配かけまいと…それで…」「いやいや!本当に!一週間休みなさいって命令です!だからこうして軟禁状態!」「…軟禁状態って…んふふ」ようやく大野さんが笑ってくれた「変に心配させてしまってすみません…」「良かったです…何ともなくて」「……」「……」妙な空気になってお互い黙ってしまった…「あ、これ…差し入れなんですが…食べ物って大丈夫ですか?ダメなら持って帰ります」
「自分でもどうかしてるって思ってるよ…でも…理由なんてないんだよ」「翔ちゃん…」「こんな気持ちになったのも初めてだし…自分でも怖いくらい彼のことばっかり考えてるんだ」「そんなに?」「それに…男だってわかってる…頭ではわかってるのに…目の前にしたら…もうそんなの関係なくなってるんだよ」「…翔ちゃん…」「…俺……このまま…自分の気持ちに正直になっていいのかなぁ…」「……」「…雅紀…?」「…ごめん…翔ちゃん」「え?」「正直…俺は…賛成とはハッキリ言えないな」「えっ…
理由は…わからなかったけど…俺は大野くんの言う通りに従った車でラブホテルに入り…受付を済ませ部屋へ…まさか大野くんとこんな場所に来るとは思ってもいなかった「こういう場所は久しぶりですか?」「っ、!!」「んふふ…緊張してる?」ドキッ!不意にくる…大野くんの柔らかい口調…酔っ払ったらいつもこんな感じだけど…基本いつも敬語でしか話さないだから…もっとこんな大野くんを引き出したい…「…アルコール…入ってないからなぁ」「あ!飲みますか!」「ううん…」「でも…」「素面の俺
軽い朝ごはんを食べてバタバタと準備をした洗濯を回したり後片付けをしていたら…「大野くん!急いで!」「待って!」いつもより準備に時間がかかった「忘れ物はない?」「多分!」「よし!」玄関を出て小走りで駅に向かった「んふふ…いつもこんな感じですか?」「いや、いつもは余裕あるんだけど…あ!新聞買い忘れた!」「え!」「今日はいいや」いつもなら電車に乗る前に新聞を買うだけど今日はそれも叶わなかった満員電車に乗るといつもの感覚に戻っただけど…何か足りない…あ、そうだタバコ…
大野くんと一緒に料理をしているとふと妻のことを思い出したもし…妻が料理をしている時に俺が少しでも手伝ったりしたらどうなってたんだろう…だけど…妻は俺がキッチンに入ることを嫌った新婚当初は換気扇の下でタバコを吸っていた俺だけどいつの日からかそれを禁止された換気扇の掃除をするのは妻だからだそれにタバコの匂いも嫌っていた自分の車で吸うことも許されなかった最終的にベランダで吸うことになったけど不妊治療の時にタバコを辞めるように言われたその時は…従った妻の決めたことが一番だから
予定日超過6日目です。まだまだ産まれる気配ありませんね〜。ぼっこんぼっこん蹴られてますよ。元気100倍だね〜。今日はねお家でゆっくり。こたつしまったり、衣替えの準備です。せっかく子供たちの半袖出したのに、え?また明日から寒くなるの??なんでやね〜んベランダに置いといた豆苗さん。2.3日お水あげるの忘れてました。もうダメかな、、、?ごめんね最近さ、黄砂だなんだって外に洗濯物干さなかったからうっかり忘れてましたよ。こっちの豆苗は3回目だからさすがにもう引退かな。お世話にな
エレベーターの扉が開いたら大野くんは黙って廊下へと進んだ部屋のドアが開いて中へ入ると「先に暖房を!」そう言って大野くんは中へと走っていった俺は靴を脱いでゆっくり部屋へ向かうと…ポスッ…!大野くんが勢いよく俺にしがみついた…「ふふっ…」思わず声が漏れた大野くんを抱きしめてその温もりを感じた…「仕事、大変だったみたいだね」「……」「一週間お疲れ様」大野くんの頭を撫でた子ども扱いしてるって思われるかなぁだけど…こんな風に甘えてくれると嬉しくて…「お腹空いてない?」「