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数日前のこと、夜中にくしゃみが出だしました。おや、風邪か?と思い、いつものようにビタミンCの大量摂取を開始するも、変化ありません。くしゃみ以外に風邪っぽい症状もなく、変だなと思っていると、今度は目がかゆくなってきました。ん?これは、、、花粉症か??そういえば、今日、診察室で患者さんが「そろそろ花粉症の症状が出だした」って言われていたような。実は私も4~5年前に花粉症を発症したのですが、ある本に書かれていることを実践してから、症状が出なくなっていました。その本がコチラ。
今回は、CO₂フラクショナルレーザー『アンコア』による妊娠線の治療についてご紹介します。CO₂フラクショナルレーザー『アンコア』の機器紹介⇒リンクはこちら(木沢記念病院形成外科のページ)最近では、妊娠線の治療にも、『プラズマ治療』や、先日ご紹介した薬剤『PRX-T33』が有効という話が出ています。よりダウンタイムが少ないという点では優れた治療と言えますが、まだまだ費用の面や効果の大きさの点で、CO₂フラクショナルレーザーによる治療も劣っていないと考えています。
それでは、傷跡のアフターケア実践編です。今回は、「顔の傷跡のアフターケア」に、私が実際の治療で愛用している商品を2つご紹介します。その①ピタシートピタシートホームページはコチラ傷跡に直接触れる部分の素材は、前回ご紹介したスライドと同じく、ハイドロコロイドです。そのハイドロコロイドの上にフィルムが貼り付けてあり、厚みと硬さがありますので、傷を圧迫して平らにする効果と、傷を安静に保つ効果が期待できます。何年か前の形成外科の総会で、形成外科学会の重鎮であられる京都市の
少し専門的になりますが、今回は手術の詳細についてご紹介します。眼瞼下垂の手術とは、まさに、『瞼を開けやすくする』ことを目的とした手術です。ですが、実は、瞼には、『瞼を開きにくくしている組織』が存在します。簡単に言うと、手術では瞼板からはずれてしまった挙筋腱膜を瞼板にしっかりと固定することを行うのですが、同時にこの『瞼を開きにくくしている組織』の処理を適切に行うことが重要です。では、この『瞼を開けにくくしている組織=開瞼抵抗となる組織』の処理について、説明します。①下
今日は、スマイルボトックスのご紹介です。これは、口角下制筋へボトックス注射を行うことで、口角が上がりやすくなる施術です。特に、笑った時に口角が上がりやすくなり、チャーミングに見えるようになります。そのため、『スマイルボトックス』と呼ばれています。口角下制筋とはどこにある筋肉でしょうか?愛用している『グラフィックス・フェイス・臨床解剖図譜』より画像をお借りします。拡大すると↓この筋肉です。口角下制筋が収縮すると、口角を下に引き下げて、『への字顔』
今回は、下腹部の瘢痕の治療についてご紹介します。下腹部、特に恥骨のあたりは、肥厚性瘢痕やケロイドの好発部位です。帝王切開や婦人科での開腹手術後に、手術の傷が肥厚性瘢痕やケロイドの状態になり、形成外科を受診される患者さんは少なくありません。短い治療期間で、かゆみなどの症状をとるだけでなく、見た目も改善させたい場合には、『瘢痕形成術』または『瘢痕形成術+電子線照射』がお勧めです。しかし、「もう一度、切るのは絶対にイヤ!」と言われることも少なくありません。その場合の治療は、保存
法令線やマリオネットラインの原因は、『たるみ』によるものが非常に大きいです。以前から何度も書いていますが、この『たるみ』を引き上げるのは、簡単なことではありません。過去の記事の繰り返しになりますが、機械系治療では、この法令線やマリオネットラインが全て消えるほどの効果はありません。糸のリフトや手術によるフェイスリフトまで行うと、かなり大きな改善が見込めますが、費用やダウンタイムの負担は相当なものとなります。そこで、『たるみ』によって深くなった法令線やマリオネットラインなどの「段差」を、ヒ
一昨日は有給休暇を取って浜松にある松尾形成外科・眼瞼クリニックにお邪魔させていただき、信州大学形成外科の教授であられた松尾清先生(リンクはこちら)の手術を見学させて頂きました。今回またまた松尾先生のクリニックにお邪魔した一番の目的は、前回手術見学をさせて頂いた後に私が行った手術で、疑問に思った症例について、松尾先生のご意見を伺うことでした。毎回、見学を終えた後は、もう全て分かったような錯覚に陥るのですが、手術を続けていくと、また新しい疑問が湧いてきます。手術を続けていくということは、こ
前回の続きで、シミ取りレーザー照射後の処置についてのお話です。今日は、レーザー照射後の処置について3つある選択肢のうちの二つめの、②『茶テープを貼る方法』についてご紹介します。この方法は、実は当院の患者さんが選択される方法の中では一番多い方法です。下の写真がその茶色のテープを貼った状態です。この茶テープを貼った場合、新しい皮膚が再生されるまで(約7~10日)、テープを剥がさないのが理想です。テープの粘着力が強いので、新しい皮膚が再生されていない時期に無理に剥がし
前回に引き続き、ペレヴェによるスキンタイトニング治療について、目の周りに施術した症例をご紹介します。目の周りの小ジワ改善目的の施術です。ご覧いただくとお分かりのように、劇的な変化というものではありませんが、ハリがアップし、小じわが改善しています。施術直後は、熱による腫れの影響も効果と捉えてしまうため、腫れがひくに伴って効果が減弱するように感じることもあるようですが、皮膚の深部に入った熱は、その後時間をかけて様々な若返り効果を少しづつもたらします。老化予防という観点からも
前回の続きで、傷跡のアフターケア実践編「体の場合」です。今回も、私が実際の診療で好んで使っている製品をご紹介します。その①メピフォーム表面の素材はシリコンで粘着性があり、繰り返し使えます。柔らかいので圧迫の効果は少ないですが、ケロイド体質の無い方や、形成外科医が縫合した場合など、標準的な経過をたどると予想される場合には、非常に使いやすい製品です。実は、私自身も帝王切開後の傷跡に使用しており、その使用感の良さから、最近、乳房再建後の患者さんにもこのメピフォームをお勧めしています
当院の美容治療の中で最も多いのが、いわゆるレーザーによるシミ取りです。そして、みなさん気になさるのが、レーザー照射後の状態です。当院では、レーザー照射を行った後の処置について、次の3パターンをご提案し、患者さんの希望に合わせて選んで頂いています。①テープなし②茶テープを貼る③ビジダームを貼る順番にご紹介します。①テープ無しの場合テープなしで過ごす場合、下の写真のような経過をたどります。この方法だと、かさぶたがしっかりした後(翌日~翌々日)、コン
(つづき)幅のある瘢痕組織や皮膚腫瘍を切除するときに無視ができないのが、『ドッグイアー』いう皮膚の状態です(下の模式図に「イアー」と書いてあるので、「イヤー」ではなく「イアー」と表記します)。直訳すると「犬の耳」ということになりますが、ここでの意味は、「皮膚を切除して1本の傷に縫い合わせたときに、傷の両端に生じる膨らみのこと」を言います。私がこのドッグイアーを患者さんに説明するときにお見せしている模型です。右端の赤い→の部分の膨らみの部分がドッグイアーです。左の
今回は、体の傷跡のアフターケアの実践編です。以前の記事にも書きましたが、私は自分の傷跡のアフターケアにも、『メピフォーム』という製品を使用しています。メピフォームのお値段は以下のようになっています。サイズ標準販売価格標準販売価格5×7.5cm¥2,000/1枚¥10,000/箱(5枚)4×30cm¥5,600/1枚¥28,000/箱(5枚)10×18cm¥7,000/1枚¥35,000
岐阜市の朝日大学歯学部附属村上記念病院の先生から、ある患者さんの治療の依頼を受けました。診察すると、乳頭の先端に腫瘍ができています。患者さんのお話によると、20代前半頃からできていたそうで、早く治療を行いたかったものの、その頃受診していた病院で、授乳が終わってからの方がよいと勧められ、これまで20年近くずっと治療せずにきたそうです。初診時の状態です。乳腺外科の先生から、おそらく良性の腫瘍だろうと聞いていましたが、まずは腫瘍の一部を採取し、病理検査に提出しました。結果は『
前回のブログでもちょっと書きましたが、先日東京で行われた形成外科・基礎学術集会にあわせて行われた「瘢痕治療のガイドライン」作成打合わせの準備のため、このところ自分の時間が本当にとれませんでした。そんな訳でブログもほったらかしになってしまっていましたが、またネジを巻きなおして記事を書いていきたいと思います。さて、前に眼瞼下垂(がんけんかすい)の記事を書いたときに「今後は眼瞼下垂も記事に加えていきたい」と予告しました通り、その後、数名の患者さんに写真掲載許可のお尋ねをしてみたところ、数
今回は、木沢記念病院で、『上口唇の瘢痕』を治療した患者さん方の治療例をご紹介します。【1】AさんのケースAさんは、自転車走行中に砂利道で転倒し、受傷されました。他院の救急外来で処置後、同じ病院の形成外科を受診し、目立つ傷跡を改善したいと相談したところ、「この部位では、できることは何もない。」と言われ診察が終わり、落胆していたそうです。その後、偶然、当院での瘢痕治療を知り、受診されました。初診時、瘢痕が肥厚して盛り上がっていましたので、まずステロイドの注射を行いました。
先日、「傷跡で悩まれている方が本当に傷跡を綺麗にしたければ、腕のよい形成外科医に再縫合を行ってもらうのが最短で最良の道だ」ということを書きました。このこと自体は間違いのない事実だと思いますが、ケロイド体質の方の場合は、単純に再縫合しただけでは傷跡が綺麗にならないことがあります。臨床的には、創の範囲を超えて広がるものを「ケロイド」、創の範囲にとどまるものを「肥厚性瘢痕」と呼びますが、その中間の性質をもつような病態もあり、両者を明確に分けることにはあまり意味はありません。それぞれの患者さん
今日はマリオネットラインへのヒアルロン酸注入のご紹介です。マリオネットラインとは?写真のように、口角の下にできるラインのことをいいます。一番の原因は、頬が下がってきたことです。頬のタルミが引き上がれば改善されるのですが、その頬のタルミを改善するのは簡単なことではありません(詳しくはタルミに関する連載記事⇒コチラから)。そこで、頬の引き上げが簡単でないのなら、「段差を埋めてラインを目立たなくしよう!」というのが、マリオネットラインへのヒアルロン酸注入の考えです(法令線
傷跡の治療について、前回の続きで「アフターケアの重要性」について説明したいと思います。傷跡を綺麗にしたいという患者さんに、前回の「傷跡の経過」のスライドと一緒に必ずお見せするもう1枚のスライドがこちらです。お腹の真ん中に縦に手術の傷跡があります。上下の傷跡はまだ赤いのに、青い点線で囲まれた部分の傷跡だけが白く綺麗になっているのがお分かり頂けるでしょうか。青い点線の範囲には、人工肛門を取り付けるための被覆材(皮膚保護材)が貼ってあったのです。左の方は四角いタイプ、
今日は久しぶりに長良川を見ました。と言っても鵜飼を見に行って来た訳でも、大好きな鮎を食べてきた訳でもありません(涙)。木曜日は本来大事な手術日なのですが、岐阜で開催されている『第9回日本創傷外科学会・学術集会』に参加してきました。と言っても、残念ながら学会を聴いてきた訳ではなく、ガイドライン改定作業の委員会にだけ参加してとんぼ返りしてきました。ガイドラインとは、各学会が定める治療の指針のことです。医療者への強制力などはないのですが、治療の参考にされる可能性がありますし、何か訴訟など起
体に傷を負ってしまう原因はさまざまありますが、傷跡が残ってしまった時、多くの方が少しでも傷跡を綺麗にしたいと思うものだと思います。下の写真は、ストーブで火傷を受傷し、肥厚性瘢痕になってしまった3歳の女の子の治療前後の写真です。私が医師4年目、形成外科医となってから2年目の時にさせていただいた瘢痕形成の手術です。手術を行った後、アフターケアをしっかり行い、ここまでになりました。治療によってかなり綺麗になりましたが、傷が完全に消えたわけではありません。残念ながら、完全には傷跡を消す
私が本格的に乳房再建を始めたのは木沢記念病院に就職した10年前のことでした。そこから実際に診療を行っていくうちに、健側の減量・挙上ができなければ、どうしても乳房の対称性が得られないことに気が付きました。とは言っても、そもそも日本では保険適応外の治療なので、大学の医局員時代には見たことも習ったこともありません。いちだクリニック勤務時代に、乳房のボリュームが小さい患者さんの挙上は何例も執刀させていただきましたが、乳房のボリュームが非常に大きい患者さんで、乳腺の実質まで減らさないといけないような本
先月の『傷跡の治療アフターケアの重要性~傷跡は育てるもの~』の記事で、傷跡にハイドロコロイドを貼付していたら、傷跡が綺麗になった事例をご紹介しました(記事はコチラ)。これはハイドロコロイドを貼ることによって、圧迫の効果と湿潤環境がもたらされた結果だと考えられます。アフターケアの目的で傷跡に何かを貼る目的として、圧迫と湿潤環境を保つ以外に、『減張』という目的があります。傷跡を綺麗にするためには、この『減張』ということがもうひとつの重要な要素になります。もう少し詳しく説明します。傷跡
今回は、ある患者さんの乳頭乳輪再建の治療例をご紹介します。(掲載のご承諾を頂いた患者さんには御礼申し上げます。)患者さんからの要望は、「陰部からの採皮は絶対に避けたい」ということと「保険の範囲内で済ませたい」という、この2点でした。となると、消去法で、『乳頭は健側移植、乳輪も健側からの移植』という方法しかありません。しかし、この方法はこの患者さんには向いていないと思われました。下の写真は、術前の状態です。採皮を行う健側は、乳癌の部分切除後に起きた「乳頭乳輪の位置異常」を修正し
前回の記事でもご紹介した瘢痕治療にも用いる機器であるフラクショナルCO2レーザー『アンコア』。この機器が木沢記念病院にやってきた日の興奮と嬉しさは今でも忘れられません。上のブログ過去記事の後日談ですが、治療終了から4~5年後、小児科外来の前でかわいらしい奥さんの隣で小さな赤ちゃんを大事そうに抱いた青年にばったり遭遇しました。すっかりパパの顔になってニコニコと幸せそうな彼の顔の傷には、まったく目が行くことがありませんでした。その後、この有益な治療を多くの患者さんに知って頂きたいと
数か月前の話になりますが、3ヵ月の赤ちゃんがベビーベッドから転落し、眉の上を4cmほど切って形成外科を受診されました。傷は筋肉に達するほど深かったので、すぐさま縫合処置の準備に入りました。こういう時こそ、形成外科医の本領発揮の場面です。拡大鏡を装着しての縫合を行いました。お母さんは痛々しいほどにオロオロされていたので、処置室から出てお待ち頂きましたが、すぐ真横で縫合処置をかぶりつきでご覧になっていたお父さんが、縫合の一針目から、「うわー、綺麗!」と感心してくださいました。縫合が終わりに
今回も、健側の挙上をされた方のご紹介を続けます。今回の患者さんは、他院に出張という形で私がエキスパンダーを挿入したのですが、術後に感染兆候があり、残念ながら抜去に至ってしまった方です。とても前向きな方で、感染が落ち着いたあと、再度、人工物再建にチャレンジしてくださいました。ただ、一度感染を経験しているので、手術そのものに非常に慎重になっておられ、とにかく安全性が高くなるのなら、健側の減量も行いたいと言われました。もともとご自分の胸が大きいと感じられていたそうなので、それならばと
続いてご紹介するのは、当院で4年前に人工物再建を行った患者さんです。(⇒写真はこちらからご覧ください。)最終的には人工物での再建に落ち着きましたが、最初は自家組織での再建を希望されていました。しかし、BMIが高かったので、安全のために乳房の切除と同時に、いったんエキスパンダーを留置することになりました。術後にダイエットを行っていただき、減量後に自家組織への入れ替えを行う予定でしたが、このブログでも何度も書いていますように、術後に痩せるのはそう簡単なことではありません。外来通院を