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僕は脚本家としては20年以上の経験がありますが、映画の監督をするのは今回でまだ二本目。慣れない新米監督です。脚本家と監督は当然のことながら、かなり違う仕事です。脚本はずっと机に向かって作業し、たまに打ち合わせはありますが、会うのはプロデューサーや監督など限られた人たちです。監督は毎日現場に行き、たくさんのスタッフ、キャストに囲まれてコミュニケーションを取りながらする仕事です。僕は普段無口なので、僕を知っている人は、監督をやったと聞くと不思議に思うようです。「喋らないでどうやって監督する
映画の準備作業には色々ありますが、前に書いたロケハンと並んで重要度が高いものとして「衣装合わせ」があります。映画でもテレビドラマでも、登場する人物は全て、どのシーンでどんな衣装を着るかが撮影前に決まっていなくてはなりません。これは眼鏡や靴、鞄など身につけるもの全般について言えることです。衣装合わせは、これらを決める作業です。まず衣装担当の人(スタイリスト)と監督が打ち合わせをします。そしてそれぞれの人物について、全体的なイメージやどのシーンでどんな衣装を着せたいかというようなことを話します
「世界は今日から君のもの」についてインタビューを受けるとき、必ず聞かれるのは「この脚本は尾崎さんが門脇麦さんに当て書きしたそうですね」ということです。その通りなのですが、ふと「そもそも、当て書きって何だっけ」と思いました。今回はこのことについて書いてみたいと思います。一般的に当て書きとは、誰か特定の俳優を決めて、その人をイメージして脚本を書くことです。そういう意味では今回の作品は門脇さんを主役と決めた上で脚本を書いたので、紛れもなく当て書きということが出来ます。でもそういう意味なら当て
映像作品を撮影する際に、監督が「絵コンテ」というものを書く場合があります。撮影するカットごとにカメラの動きやアングルなどを簡単な絵で書いたもので、監督が自分のイメージを固めるためと、スタッフにどんな映像を撮ろうとしているかを伝えるのが主な目的です。アニメの場合は必ず絵コンテが必要です。スタッフに絵を描いてもらわないといけないので、元になるものがないと何も作業出来ません。実写の場合は、現場で俳優を立たせて「このアングルから撮ろう」などと口頭で言ってもいいので、必ず絵コンテが必要ということはあ