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※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“空想的幸福論の二人”ですのでそのつもりで読んで頂けるとありがたいです✨。空想的幸福論[まとめ・後]長いのでお暇な時にでもどうぞ(^ω^)_凵2人のベッドシーン、描写は省きました。[2023.02.28]朝まだ日が昇る前に二人は目を覚ました。「夢の中でまた寝れるのだな・・・ふむ」「どこに感心しているの?チェヨンさん・・・」男性を自分のベッドに招き入れるなど人生で初めてで、ウンスに覆い被さって来るチェヨンに激しく動揺し、暫
空想的幸福論[まとめ・前][2023.02.28]※長いのでお暇な時にでもどうぞ(^ω^)_🍵『イマジナリーフレンド』私は小さい頃からそんな者が見えていたらしい。らしいというのは、まだ5歳だった私はそれが何なのかわからず両親に友達が出来たと嬉しそうに話し、両親も疑問に思わず、『良かったね』と笑顔だった事を今でも覚えているからだ。だが、1週間程経った頃、その友達の姿を見ないと両親は不思議がり私に尋ねて来た。『
彼方から第一部第一話・(改)眼が覚めたのは――とても柔らかで、とても綺麗な……金色の苔が生えた、見も知らぬ場所だった。いつもの日常を、送っていたはずだった。いつもの教室で、いつものように友人に囲まれ、お弁当を味わいながら、他愛もない夢の話しをしていた……通い慣れた道。見慣れた商店街の風景。下校途中の気安い会話、楽しげな軽口……店に展示されているテレビから、アナウンサーの音声が流れてくるのも、いつものことだったのに……今だって、いつもと同じ高校の制服を
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【後編】③「・・・違いますよ、ユさん、誤解しないで欲しい。俺はユ・ウンスさんに会えたから他はもう気にしていないと言ったんです」「・・・え?」ヨンは小さく笑うと、クルリと後ろにいるメヒに顔を向けた。「気にしていないとはそういう意味なんだけど」「何、言っているの?」「確かにこの間まで過去の苦しみはあったが、彼女とエレベーターで出会う為に必要だったのだと俺は思っている」「エレベーター?」「メヒに話すつもりは無い。『許すも許さ
とある一つの物語【前】どうして俺を信じてくれなかった?お前になら背中を預けられると伝えた筈なのに。伝え切れなかった何かがあったのだろうか?彼女が自分を信じるまでには何が足りなかったのだろう?「あの医員、帰ったら婚儀を挙げるらしい」渡された質素な飯を受け取りながら仲間の話に耳を傾けていたヨンは誰だ?と聞き返した。飯を渡して来た男はあそこにいる奴だと空いた手を炊き出し場に向けた。自分達先陣部隊の軍では無く、飯炊きする下っ端と共に動く面々の中に目立つ白衣の数人が見える。「どの医員だ?
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽鈴の鳴る方へ(18)「チェヨン君がまた誰かに呼び出されていたわよ」「・・・また?」昼休み何時もの中庭でユナとウンスが話していると、ビンが近付いて来て相変わらずだと言って来た。「学生寮内には関係者以外は立ち入り禁止ですからね、彼を捕まえるのはもう学校だけになってしまいましたかね」「塾に行っている時はそこを狙う女子生徒もいたんだけどねー」ヨンは以前は習い事を幾つか習っていた様だったが、勉強を部屋でオンラインで習う事に切り替え学生寮で勉強をする様になった。「だけ
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【後編】②別部屋にいたチュンソクは落ち着きなくデスクの周りを歩いていたが、近くから名前を呼ばれ足を止めた。「チュンソク部長、うるさいんですが」「しかし、トルベ・・・」「社長の知り合いなのだから、自分達がどう思うが決めるのは社長ですよ?」「知っているさ、だがあの女性は・・・」するとトルベも肩を竦め知っていますと声を出す。「俺も一応テコンドー経験者なんで、あの女性を知らない訳はないですよ。・・・それに、変な噂も大学は違えど聞いて
誓約恋人㉕「・・・・そうなの?」ヨンの周りに集まっている製薬会社の上層部とその中でしきりに自分の娘の内定を喜び彼に礼を言う父親。そして実は製薬会社の関係者だったサラさん。何となくついこの間も似た様な光景を見た気がするが、その違いはヨンが承認しているかいないかの差だろうか。彼女の父親を見ると会議室で見た事もあり、重役ともわかる。まるで自分など見えないかの様に彼らはヨンに話し掛け、サラの優秀さを褒めていた。「・・・・・」以前彼の叔母さんが話していたのは代々チェ家の婚約者はチェ家と関わり
※過去話にメヒが出ます。(恋人等ではありません)※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【中編】③ヨンは中学生時から学んでいたテコンドーを続ける為、テコンドーが強いとある大学に進学した。大会での優勝実績もあり国家代表常備軍にも選抜されていたヨンは大学の期待のホープとして有名人だった。そんな大学2年生の冬、テコンドーサークルが合宿がてら江原道にあるスキー場に行く話が持ち上がり、今まで他のスポーツをしてこなかったヨンはどうするかと悩んでいたがほぼ全員参加するからと誘われ、だ
心、境界線〔番外編〕①テーブルの上に置かれた小さな箱に、食事が終わりさてそろそろ席を立とうかとヨンの顔を見たウンスは思わず目線を下ろしそれを凝視した。つい先程まで普通に会話をしていた筈の彼は無表情になりコチラを伺っている。実はそれが緊張している時になる顔だと最近になって知ったウンスとしてはここで何か発するべきだろう。そうわかっている、この箱が何なのか。見て直ぐわかるデザインなのだから直ぐ手に取り蓋を開けるべきなのも・・・。「・・・」「・・・開けて欲しい」黙ってしまったウンスに遂に
契約恋人⑱「こんな広い部屋を1人で使っているの?」「元は両親が使っていた部屋で、1階上に上がったので空いただけなんだ」そもそもヨンが人事部や他の部署にデスクを置くと皆緊張するのか黙ってしまうという。「貴方が無愛想にしているから不機嫌だと思って声を掛け難くなるんじゃないかしら?」「多分、それだと思う。だから移った」「そこは昔と変わらないのねぇ」笑いながら言うウンスを眉を下げてヨンは見ていたが、インスタントコーヒーしか無いがとそれをテーブルに
こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【後編】①「彼女(メヒ)はヨンが小さい頃から通っていた道場の親族の娘らしく、ヨンがテコンドーをやめた後も道場、大学で練習をし国代表になったらしい。今は、引退し後輩達の指導をしつつテコンドー協会の為に活動をしているとか。・・・あの、どうして俺に聞くんですか?」「チェヨンさんに直接聞けないからじゃない。貴方だったら詳しく知っていると思って」――・・・確かに、知っているし、ヨンがテコンドーをやめ一時荒れていたのも知っている。それよりも
底から③最近寝覚めが良くない。日に日にあの夢を見る機会が増え、だがその内容は禍々しいものに変化していく。二人でよく鍛錬した場所にメヒが佇んでいるが、その姿は最期に見たあの中身が空洞になった姿だった。それでも彼女は言う。『懐かしいわ、ここも二人だけの場所よ。覚えてる?』「・・・ああ。・・・」だが、“覚えている”とは口から出なかった。はたして自分が覚えているのは、こんな姿のメヒと鍛錬した場所だろうか?浮き足立つ中、集中出来ない程に木漏れ日の様に穏やかな空気を浴びてい
でんべさん年越し企画【悋気】恋をするのは難しく・・・①「滅多に入らない酒が入ったんだが。ヨン、飲んでみたいか?」赤月隊で任務完了した日、近くの飯屋に入り夕餉を口に含んでいるヨンに尋ねて来た。ヨンは咀嚼しながら向かいに座って酒瓶を持ちながら此方を見ている兄弟子を見返すと嚥下し、首を横に振った。「いらない。前にくれた酒はあまり口に合わなかった」「はあ?お前、あれは元の商人から買った酒だぞ?」「それでもいらないよ。メヒにでもあげればいいだろう?」「メヒは呑まねぇよ」全くつまらない弟妹
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ㉖「向こうの部屋で寝ているよ」テマンに連れて来られた酒楼は、人気がある飯屋なのだろうか?という程に混んでいたがいるのは男ばかりで、ウンスは店の入口で口をへの字にしていた。・・・女性がいないわね。この店は女人禁制なの?「・・・そもそもが、女性が外では飲まない?・・・ん?」ウンスが考えていると、店の建物の横からテマンが手を振り、こっちと呼んでいた。「チェヨンさん、いたの?」「奥の部屋にいるって」離れの部屋まであるとは、随分と広
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽イトシイイトシイイウココロ㉚「・・・捨てて良いイムジャの物等ありません」しかしこの方がくれるなら、何でもではない。本当は・・・。「私のを貰って、チェヨンさんどうするつもりなの?」「・・・どう、とは?」ウンスの顔は驚きがまだ消えないのか、不思議そうに目を丸くしたままだった。「部屋に置いておく?常に持っていても誤解を生むだけだから止めた方が・・・」「何故自分が欲しいと言った物を身に付けて、誤解を生むのです?」確かに変な噂が立ってしまったが、
※こちらは何のシリーズにも繋がらない短編です。騒々協奏曲【中編】②「何何?チェヨン。株式会社TEAM・K。人材派遣会社。あ、コンサルティングも請負っていると?・・・人材派遣会社が?でも人材派遣会社にしては資産が・・・?・・・え?チェて崔財閥?」スマホであの男性の名前を検索すると、一般人とは思われない程の検索結果が出て来た。どうやら数年前に江南区に出来た会社が短い期間で一気に急成長し、少し話題にもなった事があったらしい。だが、その理由を辿り探していくと彼の家はこの国でも有名な
とある一つの物語【後】②『“チェヨン”さんが生きてて、本当に良かったわ!』もう一度頭の中でその言葉を繰り返し、ハッとヨンは我に返った。やはり、この女人があの戦場にチャンビンを向かわせその間自分の様子を調べていたのか。『お前は誰だ。理由を言え』内心では自分を知っている謎と溜まっていた不満を言葉としてぶつけるべきだとわかっている。だが、どうしても口が開かない。早く言えと焦る程、乾いていく喉に潤いを持たせようと嚥下までしていた。「・・・あー、ごめんなさい」返事もしないヨンにウンスは乾
底から①ゆらゆら。揺れているのは船か、はたまた自分か。ふと漂う波の薄暗い隙間から白い肌が見え、まさか噂に聞く妖という奴だろうか?浮遊感に任せながらそれを掴もうと手を伸ばしたが――。触れたのは、ただの冷たい水だった。確かに今白い肌の・・・「まさか下に何か沈んで・・・」しかし、ヨンの後ろから波間を覗く様に見ている顔が映りヨンは顔を上げ振り返る。「あぁ何だ、メヒか」メヒが持っている灯篭で彼女の顔が暗闇にぼんやり現れ、その顔が波間に映りこんだのだと思い漸くヨンは身体を起こした。小舟
契約恋人⑳ソウル市にあるウンスのマンションに着いたのは、高速道路の渋滞もあり結局夜になっていた。「此処でいい」「わかった」マンションの近くにある駐車場に車を停め、ヨンがウンスの鞄を出し渡すとありがとうとウンスはそれを受け取った。「秘書の方にいきなり地元に連れて行くって言われて、慌てて用意したし、家もそのまま放置しているのもあるのよね」「すまなかった」「いいわよ、もう過ぎた事なんだから」そういえばとウンスはヨンをちらりと見上げ、「貴方今からまた帰るの?」「いや、ソウル市内にある
勢いで書いておりますので違和感を感じてもスルーして頂けると嬉しいです(汗)✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣佳人(カジン)(2)「医仙、運命の人はおりましたか?」私は余計な事を言ってしまった?それとも怒らせた?だからあんなにしつこく聞いて来るのかしら?あれから事ある毎に聞いて来るヨンに最初はからかうなと怒っていたが次第に疑念を抱き始めていた。・・・だって私は現代に帰るのよ?なのに高麗に私の運命の人がいるっておかしいじゃない?そもそも高麗と現代では常識も価値観も
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽ジグザグ♣KとUの話②「知らなかったのが悔しい訳じゃなく、そこまで自分はまだ信頼されて無かったと・・・そこは、うん、もういいんだけど」自分で言ってまた落ち込みそうになり、ヨンはコホンと咳をするとソファーに向かい合わせに座っているウンスを見た。まだ理解出来ていないウンスは先程からはぁ?としか声を出していず、ヨンもきっとこのウンスに問い詰めても、わからないだろうとは見てとれた。・・・しかし。「・・・ウンスがまだ病院にいた時だけど」「うん」「オウ医師から嫌が
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ㉔次の日迂達赤隊の兵舎の中ではテマンが顔を左右に振り、困惑気味に返事をしていた。前にはトクマンやトルベ数人の隊士達がいる。「だから、隊長は何処に行ったのだ?」「た、多分。市井だと・・・」テマンはしどろもどろと話すが、テマンも何とも言えず口篭り話す事を躊躇している様だった。実はヨンが朝からいなくなっていたのだ。唯一知っているテマンは付いて来るなと言われ、戸惑っているうちにさっさとヨンは門を潜り市井に向かってしまった。しか
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽イトシイイトシイイウココロ㉘寝台にいるヨンは胡座をかき、腕を組んで睨む様に机にいるウンスを見つめて来た。その強い眼差しにウンスも動きを止めてしまう。「・・・聞きたいですか?俺がここにいる理由。俺もイムジャに聞きたい事があったんです」そう言うと、少し口を噤んだがふっと短い息を吐いた。「・・・暫くこの地にいて、イムジャはどう思いましたか?」やはり帰りたいですか?天界の貴女にはこの地は合いませんでしたか?・・・そんな事は言えず。ヨンがゆっく
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ㉕典医寺での攻防王宮から往診を終え帰って来たチャン侍医は微かに変わっている典医寺の空気を感じ取り、ぐるりと見回し薬員や医員達の様子を伺った。しかし、皆黙々と己の仕事をしているだけで、何時もと変わりない日常でもある。「・・・?」気のせいか?しかし、ふと医仙がいない事に気が付いた。「医仙は?」するとチャン侍医に声を掛けられた女人の薬員は、少し焦り気味に顔を伏せながら話を始めた。「・・・医仙様は、市井にお出掛けに・・・」
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽イトシイイトシイイウココロ㉙・・・何?怒っているの?寝てる途中で起こしたから?ウンスに聞きたい事があると言ったのに、ヨンの言葉が徐々に冷たい言い方に変わって来ている。そもそも顔はずっと顰めたままなのだが。微熱も大丈夫なのか、と心配もしているというのにヨンの発言は不機嫌のそれなのだ。ウンスも段々と何故自分はここに来てしまったのか?と疑問に思い始めていた。テマンにヨンが具合が悪いから診てくれとここまで連れて来て貰ったが、お酒の魅惑が無かった訳でも
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ⑰しかしその事であの硬い迂達赤隊が少し様子が変わったとしたら・・・?彼等を狙っている女人が王宮内にも市井にも沢山いるのは有名で、女官達でさえ密かに機会があるのなら・・・と考えている者もいるのだ。禁軍もそれなりに人気はあるが、やはり王様の信頼が厚く忠義を尽くしている迂達赤隊と横柄な態度で歩く禁軍との違いは明らかだった。「あの・・・医仙様?」「はい?」「最近迂達赤隊の方々が何処かに出掛けている等と言う話は聞きませんか?
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ⑱次の日の昼頃に典医寺に数人の女官が入って来て診療所から出て来たチャン侍医は何事かと驚いてしまった。しかし女官の一人が医仙と昨日の話を振って来て大凡の想像が付き、なるほどでは、と作り方を教える為に彼女達を典医寺の広間へと案内をした。簡易的に造った小さな小屋へと女官達を招き入れると、薬草とは別に干している乾燥させた花や花から抽出した精油を見せながら説明を始め、女官達は初めて聞く内容で理解していなそうな女官もいたが
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽イトシイイトシイイウココロ㉚・5「俺は今酔っています。酔った勢いでイムジャの気持ちを聞かぬまま自分の気持ちだけを伝えてしまいました。酔っ払いの戯言だと切り捨てても構いません」そう言いながらもヨンはじりじりとウンスに近付いて来る。「え?な、何?」あれだけで彼が酔うのかはわからないし、何故いきなり酒を飲み干して寄って来るのかもわからない。少し怒ってもいたのではなかったか?いや、それよりも・・・。彼の言葉をどう捉えれば良い?また勘違いして一人で