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本日12月22日は、冬至(とうじ)です。冬至といえば、柚子湯に入ると風邪をひかずに冬を越せる、とお聞きになったことがあるかもしれません。この日、正午の太陽の高度は北半球では最も低く、昼の長さはもっとも短く、夜の長さは最も長くなります。南半球ではこの反対です。太陽の光がこの日、弱まることから農耕中心の生活に危機が訪れると考えられました。またこの日からふたたび昼の日照時間が長くなり、新しい太陽が輝き始めるときとされ、世界中で陽気の回復、再生を願う日、太陽の誕
今日の関東地方は冷え込みが厳しく、いよいよ本格的な冬の訪れを感じました。しかし、ふと気付けばみんな赤い顔!子ども達の頑張りで、室温が一気に上がりました‼️そんな訳で、途中からは暖房を切ってお稽古を行った、本日の八千代伝統文化親子教室の様子をお伝えします。篠笛講座いつも通り、初心者🔰と経験者に別れてのお稽古でした。経験者チームは、発表会に向けて総仕上げを行いました。グループでの演奏、親子での演奏、其々頑張っています。初心者🔰チームも、息を合わせて演奏を行いました。大変良い仕上がりで、発
最近、一般的に手紙を書くことがかなり減っているのではないかと思います。EメールやSNS等はすぐに相手へのメッセージを送ることができて便利ですが、一方、時間を要しても、直筆の文字で手紙やカードをいただくと一層嬉しい気持ちになります。過日、友人から「なるべく手紙を積極的に書くようにしているのだけれど、女性の場合、なぜ最後にかしこ、とするのかしら」とのお尋ねがありました。女性の場合、手紙の終わりに「かしこ」と記すのは、「おそれ多く存じます」の意味で用いられます。平
礼法に関する様々な教え歌が残されています。そのひとつに次の教え歌があります。「昆布をは祝ひの物とする事はひろめヒロメの意義に依るなり」昆布は、比呂米または広布と記してひろめ、衣比須米または夷布と記してえびすめ、と読む古名があります。また、広布が音読されるとコウフと呼ばれ、そこからコンブへと変化したと聞いたことがあります。昆布は、繁殖力があり、子孫繁栄や喜ぶにも通じると考えられ、結納品の目録には子生婦と記されます。結婚披露宴をお披露目、というのは、ひろ
「煤(すす)払い」という、屋内外のお掃除をする行事があります。いろりで薪(たきぎ)を燃やす生活が中心だった時代は、煤がたまりやすかったことに由来いたします。現在は年末に大掃除をなさることが一般的かと思いますが、煤払いは12月13日に行われることが多く、各地の神社で行われるこの行事をテレビや新聞などで目になさることがあるかもしれません。煤払いは、「正月迎え」、「ことはじめ」、「煤取節供」、「ええことはじめ」、「まつならし」、「煤の年取り」、「十三日節供」など
約5年ぶりに訪れた鮨店のご主人から、大きさによってメジ、チュウボウ、マグロと同じ魚でも呼び方が変わること、魚の旬に関することなど、様々なお話を伺いました。その中で、次のことが印象に残りました。「修行していた頃は引き算、今は足し算の鮨が多い時代です」と、おっしゃたのです。食材の厚みや脂の乗りなどによって微妙に包丁の入れ具合を変える、生のままではなく少し火を入れて脂を浮き立たせるほうが好ましい魚かを判断する、お客様がお箸を使うか手で食べるのかによってしゃり(鮨
お稽古の折、門下の方から伺ったお話です。ある若手社員の方がクライアントのお祝いの席に持参した金子包み(祝儀袋)には、ハスの絵が描かれ、白と黒の水引が結んであったそうです。後日、クライアント先から苦情の連絡が入り、上司が遠方からお詫びにいらしたということでした。「なぜ、その包みを選んで持参したのか」と上司の方がお尋ねになると、「シルバーでハスが描かれていてカッコいいと思ったから」との返答があったそうてす。さらに、社会人の経験が長い方であっても、お稽古に関するこ
いよいよ師走に入りました。今の時期、二十四節気では小雪、七十二候では本日までは朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)です。朔は北を表すことから、朔風は北の風を指して冬の季語にもなっており、朔風払葉で北風が木の葉を吹き払う頃という意味です。明日12月2日は、橘始黄(たちばなはじめてきばむ)に入ります。橘の実が黄色く色づき始める頃、という意味です。橘は古くから日本に自生している柑橘で、常緑樹ということから、永遠、長寿、子孫繁栄などに繋がる縁起のよい木ともされてきまし
日本の代表的な贈答として、また一年を通じたならわしとしても大切にされてきたものの一つに「お歳暮」があります。「年の暮れ」という意味から、お歳暮は一年のしめくくりに日頃の感謝の意を品物に込めて差し上げます。もとは、先祖の霊に供えた「御霊(魂)祭(みたままつり)」の名残りとされています。御霊祭とは、年末年始やお盆に先祖の霊を祀る行事のことです。一方、お正月はおめでたい祭りという点を強調することから、死者を祀る儀礼の色が薄らぎ、一般的に先祖供養は7月または8月のお盆
日本の代表的な年中行事といえば五節供、すなわち1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日、と奇数月にある節供を思い浮かべる方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで1年の中で奇数月としてもう一つある、11月に着目したいと思います。11月の年中行事で欠かせないことは何でしょうか。七五三、とお思いになりますか。七五三も大切な行事ですが、日本人にとって、11月23日の新嘗祭(にいなめさい)は重要な年中行事です。新嘗祭は、しんじょうさい、にいなめのまつりな
過日、お世話になったホテルで感じたことです。新しい建物ではないのですが、館内に入る前から、居心地の良さを感じていました。エントランスの清掃と、スタッフの方々の身だしなみが整っていたからです。客室も清潔感があることはいうまでもありません。お食事の折、都合により、できるだけ速やかなお料理の提供をお願いいたしました。一品いただき終えると、少しの間(ま)を持ってお皿を下げてくださり、慌ただしさを一切感じさせずに次のお料理を出してくださる絶妙なタイミングも印象深かったです。
新幹線の車内誌で、杉原紙(すぎはらがみ)についての記事を読みました。小笠原流礼法の伝書に板の物積みようは杉原など一重そのまま紙の丈に包み…と、織物を板に巻きつけたものを杉原紙で包むことが記されています。杉原紙とは、武士や僧侶が贈物に用いた和紙で近世まで使われていました。杉原紙の起源について、美濃説(岐阜県揖斐川町の旧藤橋村)と播磨説(兵庫県多可郡杉原谷村,現多可町)、2つの説あり、現在は播磨説が定説となっているようです。この地は椙原(すぎはら)
光英VERITAS高等学校では毎年11月、卒業生を対象に、礼法授業のまとめとして私が講師を務めます。例年、授業の冒頭では、礼法授業に関する感想を何名かの方に伺います。お辞儀は、これからも役立てることができる。今まで渡し箸(嫌い箸のひとつで食器の上に橋のように箸を置くこと)をしていたので、作法ではよくないとされることに気づいた。面接の心得、特に面接官に背を向けないようにドアの開閉を行うことを理解できた。襖の開け閉てについての所作を身につけることができ
明日11月7日は、二十四節気の立冬です。立冬の期間は、11月7日から11月21日までの15日間を指します。陰暦では、10月を孟冬(もうとう)、11月を仲冬(ちゅうとう)、12月を季冬(きとう)と呼び、10月から12月を冬としていました。立冬からを冬と扱う場合もあります。このように、暦のうえで明日から冬に入るわけですが、確かに朝晩は冷えてきて、暖かいものを飲みたくなる時期ともいえましょう。先日、時折訪れるお店のココアを始めていただき、こころが和みました。
耳慣れない、という方もいらっしゃるかと思いますが、「亥の子」と呼ばれる行事があります。五節供に次ぐ嘉日として、亥の子の説明が小笠原流礼法の古文書に残されています。亥の月、亥の日、亥の時に祝う、ともあります。亥の月とは旧暦10月のことですが、イノシシは多産であるので子孫繁栄に繋がり、武家で祝うべきことであるとも記されています。今年は、11月2日が最初の亥の子の日です。最初、とあえて記した理由は、多い年は同じ月の中で3回、亥の日があるからです。小笠原流礼法の教えでは
この時期、ハロウィーンの飾りをあちこちで見かけます。ハロウィーン(Halloween)とは、万聖節の前夜を指し、「AllHallow’sEven」を短縮したことばです。万聖節とはキリスト教においてすべての聖人を崇敬する祝日のことであり、ハロウィーンはアメリカ、イギリス等で10月31日の夜に行われる行事です。この行事は、古代ケルト民族による、秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う風習がもとになっているといわれます。古代ケルト民族にとって、この日は一年の終わりの日で
今年の立冬は、11月7日です。立冬の前18日間は秋の土用、ということは10月20日から11月6日までです。土用については以前もブログで触れていますが、季節の変わり目であり、ゆえに体調を崩さないように注意する時期ともいえましょう。秋の土用は、「辰の日」に、「た」のつくものや青いものを食べるとよいと考えられています。たとえば、「た」のつくものは、たまねぎ、たこ、たけのこ、大根など、青いのものは、さんまやさばなどの青魚があげられます。ちなみに秋土用期間の辰の日は
過日、テーブルマナー講座でのお食事中に参加者のお一人で、教室や研修の講師を務めてくださっている師範の方が次のように話されました。「今の時期、伯爵邸の入り口付近で金木犀の香りが漂うのですが、今年はまだのようです。以前は、秋期が10月(現在は11月)スタートだったので、毎年、金木犀の香りがすると新しい期が始まる、と気持ちが引き締まります。もしかすると、今年は11月に金木犀が香り、受講生が同じ思いになってくださると嬉しいのですが‥」すると、もう1人の師範の方が「そ
1人でいるよりも、友人、知人、家族などと過ごすことを好む私は、会食以外もほとんどの夕飯はどなたかと一緒にいただきます。特に親しい友人や知人が住む京都において、1人での夕飯は数えるほどしかありません。しかしながら、少し前の京都出張に関してはなぜか「今まで行ったことのないお店に1人で行ってみよう」と思ったのです。そこで、かなり前から気になっているお味噌汁を中心に、様々なお料理をいただけるお店に電話で予約をいたしました。出張当日、京都へ向かう新幹線に乗り、座席前にあ
「穴八幡宮」の高田馬場流鏑馬は新宿区指定文化財です例年10月の体育の日(スポーツの日)に戸山公園で開催されていますコロナ禍で中止が続いていましたが、2023年から再開されています2017年などに見学に行ったときの蔵出し写真です流鏑馬像享保13年(1728)徳川8代将軍吉宗が奉納穴八幡宮隋神門拝殿祭典が行われています戸山公園まで流鏑馬行列流鏑馬は小笠原流古式礼法に従って行われます流鏑馬競技連続して三つの的を射します速すぎてうま
(体育の日)10月10日と言えば、どうしても体育の日をイメージしてしまいます。20年以上前から10月の第2月曜日に日付が変更されており、2020年からは、名称もスポーツの日に改められているんですよね。ここ数日、近くの小学校では、運動会の練習が行われています。幼稚園や小学校の運動会、みんな一生懸命で可愛いですよね。本日は、ベローチェでモーニングC(アイスコーヒーととろ~りモッツアレラチーズ&ハムのトーストサンド)を食べながら、図書館でリユース本として頂いたものを読書。「小笠原流礼
部屋の仕切りや押し入れの戸として用いられる襖ですが、なぜ、襖には絵が描かれているのでしょうか。平安時代の絵巻物には寝殿などの内部間仕切りとして襖が多く描かれていますが、当時は特定の名称がなく広い意味での障子のひとつとして扱われていたようです。襖は、唐紙ともいいます。その理由は、唐紙(中国から渡来した紙)で張ったものを唐紙障子と呼ぶからです。唐紙は部屋を仕切るだけでなく、装飾としての機能を持ちます。室町時代から江戸時代にかけて、襖によって空間を仕切る書院造
今年の中秋の名月は、10月6日です。この日は十五夜という呼び方もありますが、本来の十五夜は陰暦で毎月15日の夜を指します。したがって、満月とは限らないのです。なぜなら、陰暦は新月から満月までをおよそ15日として数えるわけですが、実際のところは月の満ち欠けの周期が一定ではないので、15日を待たずに満月となる月、15日を過ぎて満月になる月もあるからです。いずれにしても、満月は様々なことを行うさいの目印であり、生活の折り目を判断するうえでも欠かせなかったといえましょう。
久しぶりにあるカフェに伺いました。女性のオーナーの方がコーヒーを入れてくださり、手作りのケーキも美味しいお店です。初めてお店に訪れたのは恐らく5年ほど前なのですが、いつも変わらぬ接客をしてくださいます。たとえば、お会計後に「ご馳走さまでした」とお伝えしてからお店を出て、扉を閉めながらふと店内を見ると、その方は優しい笑顔でこちらに視線を向けてくださいます。カウンターの中で、コーヒーをお一人で入れていらっしゃるため、カウンターの外に出て接客することは難しいと思いますが
会食の折におみやげをお渡ししたさい、SNS等でお礼のメッセージとともに写真を添えていただくことがあります。過日、出張先で購入したお塩を友人にお渡したのですが、後日、「海老のライスペーパー揚げを作ったところ、頂戴したお塩のおかげで端まで美味しくいただきました」という嬉しいメッセージとお料理の写真をLINEでくださいました。写真を添えてくださったことで、その方のおこころが一層届き、感激いたしました。贈答品を撮影して送信するのは簡単なことのようで、実際、行動に起こす
小笠原伯爵邸の入り口は、上部の石にのみ、唐草文様が刻まれています。すぐに上を見上げると、ぶどう棚を模したガラス製のキャノピー(外ひさし)に、ぶどうの実や葉が浮かび上がっています。さらに、エントランス扉上部には、ぶどうと小鳥をモチーフにした鉄製の明かり取りがあります。曾祖父小笠原長幹は、この建物を42歳の時に建てました。先代や祖母を含めて五男六女のこどもに恵まれたことからも、ぶどうをモチーフにした思いが察せられます。なぜなら、ぶどうは古くから世界中
お世話になっている方が連れて行ってくださった中華料理店にて、8種類の中国茶をお料理にあわせていただきました。たとえば、最初にいただいた軽発酵の鉄観音は写真のように美しい薄緑色で香り豊かで甘みのあるお茶です。生プーアールは、今まで飲んでいた発酵したものとは異なり、苦味がなく、さわやかな味に感動いたしました。デザートの折にはシェフ自ら紅茶をいれてくださったのですが、卵型の茶器も可愛らしく印象的でした。シェフの優しいお人柄も感じられる素晴らしいお料理に感激
2025年秋の彼岸は、明後日9月20日が彼岸入り、26日が彼岸明けです。彼岸の中日(彼岸7日間の真ん中の日)は、9月23日の秋分の日です。今年3月のブログでも触れましたが、お彼岸は今日、自分があるのはご先祖様のお陰であるということに感謝をしながら先祖供養を行うだけではありません。この世とあの世が近づく期間でもあることから悟りの境地である彼岸へ到達できるよう、自分自身を見つめ直す機会とも考えられています。己を見つめ直すといえば、昨今、内省(リフレクション)
過日、友人からイギリスのおみやげでお塩をいただきました。早速、使用したところ、お料理の味が引き立ちイギリスにいらっしゃるたびにお求めになる理由がわかります。また、先日は別の友人からもおみやげでお塩をいただいたのですが、お塩は保存が楽ですし、調理には欠かせないものなので、いくつ頂戴してもありがたいお品です。さて、地球の70%は海、海水の3%の濃度でお塩が溶けており、海水のみならず、塩湖や岩塩など、様々なかたちでお塩は存在しています。また、調味料や保存料としてのみな
明日9月9日は、重陽の節供です。奇数は陽、偶数は陰ですが、9の陽の数が月と日に重なることから重陽と呼びます。重九(ちようきゅう)ともいいます。(小笠原流礼法重陽の節供飾り)中国を起源として、日本においては平安時代、宮中で菊の宴が催されました。小笠原流の教え歌には重陽の節供は九月九日ぞ菊の節供というも是なりとあります。このように、菊の節供という名でも親しまれていますが、菊は霊薬といわれ、延寿の効があると信じられていたことより、この日に菊酒を飲むこ