坂の途中に時々しか雨戸が開かない家があった。ある日友達の一人が「あの家のおばあさんにメロンパンをもらった。」と自慢気に話したので近所の子供達は大騒ぎ。当時メロンは果物屋さんの一番奥の棚の上に恭しく飾られていて、気軽に食べられる果物ではなかった。あのメロン?のパン?知らない人から貰ったものを食べてはいけないと親が言っていたけれど想像は膨らむ。でも雨戸は開かない。その後おばあさんはパン屋さんで、気が向くとメロンパンというものを売ってくれるらしいという噂も流れた。一度だけ雨戸が開いて、縁側に座っている