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私は長年、学習障害(LearningDisorder、LD)の子どもたちと家族を支援してきました。学習障害は、読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)など、知能は平均以上なのに特定の学習技能が極端に苦手な状態です。脳の情報処理の特性によるもので、努力不足や知能の問題ではありません。本人は一生懸命取り組んでいるのに結果が出にくく、強い挫折感や自己否定を抱えやすいです。そんな時に周囲の言葉がけが傷を深め、二次的な不登校やうつを招くケースを数多
スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究によると、発達障害や知的障害を持つ人々は、一般人口よりも平均寿命が20〜30年短いと報告されています。これは、医療へのアクセスの不平等、併存疾患の影響、社会的孤立、生活習慣の問題など、複数の要因が複雑に絡み合っているためです。以下に、具体的な例を挙げながら詳しく説明します。⸻1.医療へのアクセスの不平等と診断の遅れ知的障害や発達障害を持つ人々は、医療サービスへのアクセスにおいて多くの障壁に直面しています。例えば、コミュニケーションの困難さや医
WISC-V(ウィスク5)検査でPSI(処理速度指標)が低い子は「見る→判断→動かすばやさ」が極端に遅いため、「スピードが命」「時間制限厳守」「同時に複数の作業」の仕事はほぼ即うつ・即クビになります。逆に「自分のペースでじっくり」「正確さが評価される」「時間に追われない」仕事では驚異的な集中力を発揮します。1位検査・検品・品質管理(半導体・医薬品・食品)1個ずつ丁寧に見て不良品を弾くだけ。遅くても正確なら昇給・賞与アップ。大手メーカーで年収600~900万円も普通。2位手作業職人(
《発達障害ラボの動画講座》https://www.wisc4.info/WISC-V(ウィスクファイブ)検査の全検査IQ(FSIQ)が低くても、学校での勉強についていける場合があるのは、認知能力以外の要因や個別の強みが学習を支えるためです。以下、その理由を説明します。1.指標ごとのバラつきの影響全検査IQ(FSIQ)は、言語理解指標(VCI)、視空間指標(VSI)、流動性推理指標(FRI)、ワーキングメモリ指標(WMI)、処理速度指標(PSI)の平均値であり、
《発達障害ラボの動画講座》https://www.wisc4.info/発達障害を抱える人の平均寿命は、一般人口に比べて短い傾向があります。スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究では、自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合、平均18年短く、知的障害を含む発達障害全体で20〜30年短いと報告されています。注意欠如多動症(ADHD)では、男性で約7年、女性で9年短いという英国のデータもあります。5これは、生物学的・環境的要因が複合的に絡むためです。以下、主な理由を説明
《発達障害ラボの動画講座》https://www.wisc4.info/発達障害(ASD、ADHD、学習障害など)を抱える女性が性風俗産業で働くケースは、障害特性、社会的要因、経済的圧力の複合によるものです。カウンセラーとして実際、でこうした女性の相談を受け、背景を分析してきました。以下で主な理由を説明します。1.通常雇用の困難さ発達障害の特性(社会的コミュニケーションの苦手さ、注意散漫、感覚過敏)で、一般的な職場が適さないことが多い。例えば、チームワークや厳格なルール、多人
最近、「幼稚で自分のことしか考えられない大人」が目立つようになったと感じるのは、あなただけではありません。発達障害ラボでも30~40代の「感情調整が極端に未熟な大人」の相談が5年前の3倍以上に増えています。主な5つの構造的理由があります。「自己肯定感最優先教育」の副作用1990年代後半~2000年代の「褒めて伸ばす」「失敗させない」教育が本格化。・運動会で順位をつけない・テストで赤点をつけない・「あなたは今のままで素晴らしい」と無条件肯定→結果、「努力しなくても価
不登校は「学校に行きたくない」ではなく、心身のSOSです。うつ、不安障害、発達特性、トラウマ、いじめなど多様な背景があり、本人は強い罪悪感や無力感を抱えています。そんな時に親や周囲の言葉がけが、子どもの苦しみを増幅させ、回復を遅らせるケースを数多く見てきました。以下に、絶対に避けるべきNGな声がけとその理由を挙げます。「学校に行きなさい」「行かなきゃダメでしょ」→強制的な言葉はプレッシャーを極端に高め、パニックや自傷リスクを増大させます。本人は「行きたいのにいけない」状態であることが多
WISC-V(ウィスク5)検査でWMI(ワーキングメモリ指標)が低い子は「一度に頭に保持できる情報が極端に少ない」ため、「マルチタスク」「同時処理」「複雑な指示を覚える」仕事はほぼ即うつになります。逆に「1つの作業に集中」「メモを見ながらOK」「手順が完全に決まっている」仕事」では驚くほど活躍します。1位工場生産ライン(大手メーカー)同じ部品を同じ位置に永遠に付けるだけ。メモ見放題。トヨタ・デンソー・パナソニックなど正社員率高め。2位清掃スタッフ(オフィス・病院・ホテル)チェック
私は長年、起立性調節障害(OrthostaticDysregulation、OD)の子どもたちを支援してきました。ODは自律神経の調整障害で、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、倦怠感、吐き気などが主症状です。脳や心の問題ではなく、身体の血圧・心拍調整がうまく働かない病気です。本人は「怠けている」のではなく、本当に体が動かない状態で、強い罪悪感や無力感を抱えています。そんな時に周囲の言葉がけが症状を悪化させ、不登校やうつを二次的に引き起こすケースを数多く見てきました。以下に、絶対に避け
WISC-Ⅴ検査は、5歳0ヶ月~16歳11ヶ月を対象とした標準化された知能検査で、全検査IQに加え、5つの主要指標(言語理解、視空間、流動性推理、ワーキングメモリ、処理速度)を算出します。結果は平均100、標準偏差15で、信頼性・妥当性は高いものの、親御さんが「納得できない」と感じるケースは臨床現場で頻発します。その心理的・構造的要因を臨床家の立場から解説します。【親が納得しない5つの理由】「数字」と「子どもの実感」のギャップ「IQ=将来」の誤解検査当日の「コンディション」影響「診
日本においてWISC-Ⅴ(ウェクスラー知能検査第5版)を実施できるのは、極めて厳格に限定された資格保持者だけです。これは「子どもの人生を左右する医療レベルの診断ツール」だからです。【正式に実施が認められている資格(2025年現在)】医師・精神科医・小児科医(発達外来経験者)・児童精神科医・神経内科医(発達障害を専門とする場合)→医師免許があれば単独で実施可能です。公認心理師国家資格「公認心理師」を有し、かつ日本版WISC-Ⅴ検査研修を修了した者に限られます。研修を受
日本で発達に課題のある子どもが「親の希望」で通常級(普通級)に入学できるケースが多いのは、法制度・行政運用・文化的背景が複雑に絡み合った結果です。臨床家として、その構造的理由を整理し、詳しく解説します。【要約:親の希望が通る5つの理由】教育基本法の「普通教育優先」原則就学指導委員会の「親の意向尊重」運用特別支援学級の「空き不足」実態「インクルーシブ教育」推進の国策診断・支援の「グレーゾーン」多さ1.教育基本法・学校教育法の「普通教育優先」原則日本国憲法第26条・教育基本法第4
発達障害(特に自閉スペクトラム症:ASD、ADHD)の子どもに対して、ソーシャルスキル・トレーニング(SST)は科学的根拠(EBP)があり、対人関係の改善・いじめ防止・自己肯定感向上に有効です。しかし、実際の実施率は極めて低い(日本では1~2割程度)。「知っているのにやらない」背景を、構造的・心理的・実務的な5つの要因から解説します。【SSTを実施しない5つの理由】「専門家の絶対的不足」「保護者の認識不足・抵抗感」「学校・行政の制度未整備」「効果が見えにくい・長期継続が必要」「代
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが手のひらの親指のつけ根(母指球)を繰り返し噛む行動は、臨床現場でよく観察される常同的・自己刺激行動(stimming)の一種です。特に「強め」に噛み、噛みダコができるほど継続する場合、これは感覚調整、感情制御、ストレス発散の手段として機能していることがほとんどです。以下に、臨床家の立場から、その心理的・神経学的背景を詳しく解説します。1.感覚処理の異常(感覚過敏・感覚鈍麻)ASDの子どもは、感覚統合障害を合併することが多く、深部圧覚(深部感覚)への
発達障害(特にASDやADHD)を持つ子どもが「約束を守れない」と感じられる背景には、脳の情報処理の特性が深く関わっています。主な理由を挙げます。実行機能の未熟さ(特にADHD)・約束は「将来の行動を計画し、必要に応じて思い出して、衝動や気分の波に負けずに実行する」必要があります。・しかしADHDの子どもは前頭前野のドーパミン・ノルアドレナリン系の機能が弱く、-ワーキングメモリ(頭の中で情報を保持する力)が弱い-衝動抑制が難しい-時間感覚(タイムブラインドネス)が曖昧
《発達障害ラボの動画講座》https://www.wisc4.info/WISC-V検査(WechslerIntelligenceScaleforChildren-FifthEdition)の結果を病院や学校で受けた際に、紙の形で結果を受け取れないケースが多い理由は、検査の性質、倫理的配慮、運用方針に起因します。以下、その理由を詳しく説明します。1.専門的解釈の必要性WISC-V(ウィスクファイブ)検査は、単なる点数ではなく、言語理解指標(VCI
《発達障害ラボの動画講座》https://www.wisc4.info/WISC-V(WechslerIntelligenceScaleforChildren-FifthEdition)検査の結果において、指標得点(言語理解指標:VCI、視空間指標:VSI、流動性推理指標:FRI、ワーキングメモリ指標:WMI、処理速度指標:PSI)の差が大きい、つまり「ディスクレパンシー」が顕著な場合、子どもが「生きづらい」と感じる理由は、認知能力の不均衡が日常生活や学習、対人関係に影響を
日本で「算数・数学が嫌い」「苦手意識が極端に強い人」が異常に多いのは、単なる「教え方が悪い」ではなく、教育システム・文化・脳科学的な要因が複雑に絡み合った結果です。主な5つの理由を挙げます。世界一早く抽象化する日本の算数カリキュラム日本は小学1年で「10より大きい数」、2年で「九九」、3年で「割り算・小数」、4年で「分数」、5年で「割合・比」、6年で「比例・反比例」と、世界で最も早く抽象的概念を詰め込む国です。フィンランドは小学3年でようやく足し算・引き算、アメリカは
《発達障害ラボの動画講座》https://www.wisc4.info/反社会性パーソナリティ障害(AntisocialPersonalityDisorder,ASPD)は、持続的な反社会的行動、他者の権利の無視、倫理的・法的な規範の軽視を特徴とする精神疾患です。DSM-5に基づき、臨床心理の専門家として以下で詳細に説明します。定義と診断基準反社会性パーソナリティ障害(ASPD)は、18歳以上の成人に診断され、15歳以前から行為障害(ConductDisorder,CD
WISC-V(ウィスク5)検査で言語理解指標(VCI)が低い子どもは、言葉の説明・読解・抽象概念が極端に苦手です。「普通の会社員」「営業」「教師」「弁護士」のような「言葉が命」の職業はほぼ地獄になります。逆に、言葉を最小限にし、手や体、視覚、感覚で勝負できる仕事は驚くほど活躍できます。1位自動車整備士・バイク整備士実車を見ながら触って直す仕事。マニュアルは図解中心でOK。国家資格を取れば年収600~800万円も現実的。2位調理師・パティシエ・パン職人レシピは「見て真似る」「味見し
WISC-V(ウィスク5)検査で処理速度指標(PSI)が低い子どもは、「見る→判断→動かす」の一連の動作が極端に遅く、周囲から「トロい」「のろま」「やる気がない」と誤解され続けます。IQが高くても「時間内に終わらない子」になり、日常生活が驚くほど苦痛になります。1.朝の準備が地獄の30分着替え・朝食・歯磨きで毎朝30~40分かかる靴ひもを結ぶのに2分以上→小6でもマジックテープ靴ランドセルに教科書を入れるだけで5分固まる親が「早く!」と怒鳴る→パニックでさらに遅くなる悪循環2.
WISC-V(ウィスク5)検査で処理速度指標(PSI)が高い子どもは、視覚情報の処理や手作業が驚くほど速く、テストやドリルで圧倒的なパフォーマンスを発揮します。この「スピードの才能」を正しく活かせば、学年トップレベルの効率的な学習が可能になります。ベテランの臨床家として、処理速度指標(PSI)高めの子の最適な学校勉強法を解説します。1.処理速度指標(PSI)が高めの特徴と学校での強み処理速度指標(PSI)は記号探し・符号・絵の抹消で測る「視覚処理+運動速度」。高い子は、①同じ時間で2