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こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問1(3)「湿度の水平分布の特徴」を問う問題ということで、うっかり700hPaの湿数を見るのかと思ってしまいますが、問題文には「850hPa」とあります。したがって、図4の(左下)の等温線の分布と図5の相当温位の分布から、前線付近とその南北の湿度の高低を判断することになります。ここで相当温位とは何か振り返ってみます。相当温位=温位+その空気塊に含まれる水蒸気の凝結熱相当温位とは、ある湿潤空気塊を乾燥断
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。問1まず、前線解析の際に着目する特に重要な要素として850hPaの等温線集中帯と850hPaの等相当温位集中帯がどうなのか見てみます。図4(左下)の850hPaの等温線集中帯の南縁の気温は0℃、図5の等相当温位線の南縁は294Kとなっています。また、850hPaの等温線集中帯、850hPaの等相当温位集中帯とも、青の×印で示しました地上低気圧の中心に向かって暖気・高相当温位の空気が突っ込んでいる様子が見られます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1(3)今回は、図3の気象衛星画像における雲域Bと雲域Cについて、図4の850hPa相当温位・風12時間予想図を用いて、雲域Bと雲域Cのそれぞれに対して風と相当温位に分布との対応関係を風向・風速、相当温位の値に言及しながら述べよ、という内容です。雲域B、雲域Cとも、赤外画像ては白く写っており、雲頂高度が高い、あるいは雲頂温度が低いことを示唆していることから、ともに対流雲が発生していると判
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2今回は、図6(左下)の12時間後に予想されている東海地方の上昇流域について、図8(上)の12時間後の850hPa面の風・相当温位予想図で見たときにどのような特徴が見られるか、という問題です。問題に入る前に一般知識の大気の力学で学習する収束・発散について、古い問題ですが第9回試験・一般知識・問7を例に復習してみたいと思います。この問題は収束の大きさが2番目に大きいのは①から⑤のどれでしょう、と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問2(2)図5(中)の5日9時の850hPa相当温位・風予想図を見てみますと、まず山陰沖に、風向・風速の矢羽が反時計回りの循環、すなわち低気圧性循環があるのが確認できます。この中心を低気圧の850hPaの中心としますと、288Kの相当温位線が中心に向かって入り込んでいて周囲より相対的に相当温位が高い領域を作り出していることがわかります。したがって、このことを相当温位分布の特徴として、25字程度にまとめますと、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・一般知識(a)図は横軸に温位、縦軸に気圧をとし、ある未飽和の空気塊を断熱的に持ち上げたときの温位の高度変化を実線で、周囲の大気の温位を破線で示したものです。ある空気塊が断熱的に上昇あるいは下降しますと、その温度は変化しますし、また同じ空気塊であっても気圧によって温度が変化します。そうしますと、高さの異なる複数の空気塊を単純に比較するためにその基準となる物差しが必要になってきます。そこで1000hPaという
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問3帯状エコーP-Q-Rの位置が地上の前線に対応しているとし、図12でわかる850hPa面の前線こ勾配の大きさを求めるという設問です。図12の850hPa面の前線の位置は、地上前線の後面にある等相当温位線の集中帯の南東縁にあたります。これを赤の線で入れてみました。850hPa面の前線の位置がわかったところで、設問から、地上前線の地点Q付近における前線の勾配を求めていきます。地点Qから8
こんばんは。元日に、北陸地方を中心とする大きな地震があり、大変驚きました。大阪でも横揺れがあり、我が家は大丈夫だったんですが、当ブログをご覧の方、ご家族、お住まい、ご無事でしたでしょうか。時間の経過とともに、被害の状況がテレビなどを通じ徐々に伝わってくる状況で、まだ全体のことがわかりませんが、被災された方におかれましては、謹んでお見舞い申し上げます。それでは、問題の方ですが、早速考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問2(1)①今回は、12時間後の図6(下
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識ある空気塊があって、その空気塊の高度を上下させたときの温度を考えます。空気塊は断熱的に上昇させますと、気圧が下がって断熱膨張することによって気温が下降しますし、断熱的に下降させますと気圧が上がり断熱圧縮することによって気温が上昇します。すなわち気圧の変化によって空気塊の温度も変化してしまうことを意味しています。(受験時代のノートより)天気の移り変わりを考える上でこのままですと不便なことが多
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問2今回は、図8(上)の25日21時に見られる紀伊半島から四国にかけて表現されている降水域について、降水量が多くなると予想される2つの暖湿空気に関わる要因をいずれも「暖湿空気が、」の書き出しに続けて、書き出しを含む25字程度で述べよという問題です。前問の問2(3)で温暖前線を解析しましたが、温暖前線の前面では348Kから最大357Kの高い相当温位を伴う暖湿空気が強い南から南西の風となっているのに対し、温暖前線の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問(1)図1の地上天気図でみると、関東の南東海上の気圧の傾きは緩やかなのに、実はこの付近に弱い擾乱が存在しているというのですが、その根拠は何でしょうか、各図で見ていきたいと思います。①《雲分布および上/中/下層雲の別》図3(上)の赤外画像において、関東の南東海上付近に着目しますと、灰色の雲域があり、雲域Aのような、明灰色の帯状で一様な雲域ではなく、それよりは暗く、まとまっていることから、中層雲
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2(2)問題では、前問②の解答と850hPaの水蒸気移流を踏まえて、なぜ12時間後の方が36時間後よりも降水量が多く予想されているのかという、今回は「理由」を、「12時間後のほうが」の書き出しに続けて述べなさい、ということです。「理由・根拠」の解答が求められていますので、「〜から。」や「〜ため。」といった書き終わりで締めましょう。理由を述べる要素は大きく2つで一つは700hPaの上昇流の強さの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問2(3)低気圧Aと低気圧Bの位置を図10に重ねてみました。(低気圧A)まず、低気圧Aの中心付近の相当温位はおよそ336Kで南側には九州の西海上の五島列島を取り囲む形で330Kの領域があります。一方で北側には、朝鮮半島南部付近に339Kの領域があります。つまり、問題文の、地上低気圧の中心との位置関係に着目して、相当温位の高低の分布を述べますと、中心付近の北側ほど相当温位が高く、南側ほど低い分布を示している
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(2)【850hPaの相当温位場】図9に図8(左下)で四国付近に予想されている低気圧の中心位置を重ねますとこのようになります。解答では低気圧の中心位置がどういうところにあるのかを述べればよいのですが、この位置の状況をどう説明すればよいのか結構悩みましたがどうだったでしょうか?まず「傾度に言及して」という部分から考えた方がわかりやすそうです。相当温位の傾度については、ほぼ「大き
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(1)前線解析の際に着目する基本的な要素として、850hPaの相当温位では、等相当温位線集中帯の南縁、すなわち、等相当温位集中帯の暖気側や、風のシアーが挙げられます。今回の設問では、「この低気圧の中心を通る新たな前線の形成が予想される。」とありますので予想される地上の低気圧中心の位置と重ねてみますと、この付近から等相当温位線が南西に延びていることがわかります。その値を読み取りますと、北側
こんばんは。今回は、24時間後の850hPa相当温位・風予想図を用いて、低気圧A・低気圧Bの中心と相当温位の高低の分布との位置関係についての問題を次回、一緒に考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問2・(3)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。27日分の考察編は次回更新する予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4(2)今回は,内之浦において大雨をもたらす対流不安定以外の大気の状態のうち、水蒸気の供給について、相当温位、湿数および風に言及して述べよ、という問題です。(2)③に関連して、第18回試験・一般知識7の問題を採り上げたときに少し触れましたが、大気が対流不安定の状態になるには、下層に高い相当温位の空気が流れ込むことにより下層の湿潤な状態が維持されることが主な条件となります。問題では「大雨を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実後試験2・問2まず、問題文の下枠、ⓓを除くⓐ〜ⓕのこれまでの考察の結果をまとめますと、ⓐ:12時間後から36時間後にかけて、地上の台風中心の気圧変化量は0hPa。ⓑ:12時間後から36時間後にかけて700hPa面において南西側で乾燥域が広がり、北東側では湿潤域となる。ⓒ:12時間後から36時間後にかけての850hPa面における高相当温位域の形状は、楕円形から円形に変化している。ⓔ:850hPa面の相当温
こんばんは。今回は、前回と同じ関東地方及びその周辺に予想されている降水域について、700hPa鉛直p速度、850hPa相当温位、850hPaの風速の3つの要素について、12時間後と36時間後に見られる特徴をまとめた表にある空欄に入る語句・数値を穴埋めする問題を次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2(2)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。11日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4(2)今回は、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲で、相当温位のの極値が東西に延びている」とあり、この極値と湿数の関係について述べよ、という問題になります。まず、問題文の通り、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲」を青の線で囲ってみました。この囲った範囲における相当温位の極値とは、例えば、東経130.2°付近では
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問2図9の該当する枠内の湿潤域を図10に重ねてみました。温暖前線の解析につきましては、朝鮮半島南部から東に延びて、関東地方北部へ達する湿潤域と、等相当温位集中帯とがほぼ対応していますので、その南縁の333K~336K付近に温暖前線を描くことができます。寒冷前線につきましては、温暖前線に対応する湿潤域ほど帯状に延びていないものの、等相当温位集中帯に対応していることに、着目して、南縁の342K
こんばんは。今回は、図9の8日9時に、この低気圧の中心を通る新たな前線ができる予想となっていることについて、その前線に対応する850hPa等相当温位線の値を答えよ、という設問です。前線の解析が求められている作図の問題ではありませんが、前線解析のポイントを押さえながら、次回一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(1)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。21日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(2)aまず、700hPa鉛直p速度について、図7の関東地方の予想に着目しますと、12時間後(上)では、網掛け域で示される上昇流域に覆われており、特に関東地方で-36hPa/h、その南の海上で-34hPa/hを極値とする強い上昇流域が南北の帯状に延びていることがわかります。一方、36時間後(下)では、関東地方は引き続き上昇流域に覆われる予想ではあるものの、特に極値を持つ強い上昇流域は見られ
こんばんは。今回も引き続き、初期時刻に山陰沿岸にある低気圧において、12時間後の5日9時に予想される低気圧の位置付近における850hPa面の相当温位の分布にどんな特徴が見られるかという問題について、次回一緒に考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問2(2)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。23日分の考察編は次回更新する予定です。
こんばんは。(一財)気象業務支援センターから、第56回試験の試験案内が発表されました。受験申請期間は6月14日(月)~7月2日(金)、試験日は8月22日(日)となっていますが、別添の「新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う受験申請者への対応とお願い」によりますと、日程などの変更の可能性があるようですので、受験の予定の方は試験案内書をよく読んで、ホームページも小まめに確認するようにしましょう。また写真など今のうちに準備できるものは揃えておくと慌てず安心かと思います。ちなみに大阪会場は夏の
こんばんは。今回は、この低気圧が新たな発達のステージに入るという根拠について、トラフとの対応関係の変化と、相当温位分布の変化に着目して述べなさい、という設問です。設問では前問の④と⑤から、どういうことがいえるかが解答に求められています。次回、一潮に考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(1)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。23日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回は、図9の700hPa湿数で示されている湿潤域に着目して、図10の850hPa相当温位・風の予想図の枠で囲った部分の前線解析の問題について、次回、一緒に考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問2解答用紙のダウンロードはこちら→(一財)気象業務支援センターHP「過去の試験問題」※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。19日分の考察編は次回更新する予定です。
こんばんは。ここ何回か先月行われた気象予報士試験(第48回)の実技試験問題に関して感想と言うか、思った事を書いています。今回は実技試験2について何度かに分けて書きたいと思います。◎実技試験21.ストーリー時期は某年4月上旬の3日間で、北海道付近にある低気圧の推移、トラフの位置、日本の南海上に位置する停滞前線の推移、関東地方の風や気温の実況と良い言い方をすればバラエティに富んだ、悪く言えば各設問の繋がりが無くストーリーをイメージ出来ない問題構成となっています。そ
こんばんは。ゴールデンウィークが終わると、それまで気温が上がっても湿気のない爽やかな空気だったのが、次第に湿気を帯びて肌にまとわりつくような空気となる日が増えてきますが、今年もそんな時期になりました。奇しくも沖縄・奄美地方は今日、梅雨入りしました。6月に入ると本州も梅雨入りすると見られ、体調管理や食べ物の管理に気を使う時期になりますね。ところで「梅雨入り」について昨年、沖縄・奄美地方の梅雨入りがいつ頃だったのか調べてみました。すると昨年、沖縄・奄美地方が梅雨入りしたのが5
こんばんは。今回は、関東の南海上に存在すると考えられる弱いじょう乱について、その存在の根拠を図3、図4、図5からそれぞれ述べる問題を、次回一緒に考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問1※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの許可を頂いて使用しています。7日分の考察編は次回更新する予定です。