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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識ある空気塊があって、その空気塊の高度を上下させたときの温度を考えます。空気塊は断熱的に上昇させますと、気圧が下がって断熱膨張することによって気温が下降しますし、断熱的に下降させますと気圧が上がり断熱圧縮することによって気温が上昇します。すなわち気圧の変化によって空気塊の温度も変化してしまうことを意味しています。(受験時代のノートより)天気の移り変わりを考える上でこのままですと不便なことが多
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識まず、ア〜ウの鉛直分布の細実線で示されている、「飽和相当温位」とは何か、簡単に触れておきたいと思います。ある空気塊が水蒸気で飽和していると仮定して求めた相当温位のことを「飽和相当温位」といいます。例えば、ある空気塊の相当温位と飽和相当温位との差が小さいほど、その空気塊は飽和に近いことを表しています。(a)本文で「およそ6時間後に周辺でダウンバーストと思われる突風が観測されている。」とあることから、発達した積乱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問2今回は、図8(上)の25日21時に見られる紀伊半島から四国にかけて表現されている降水域について、降水量が多くなると予想される2つの暖湿空気に関わる要因をいずれも「暖湿空気が、」の書き出しに続けて、書き出しを含む25字程度で述べよという問題です。前問の問2(3)で温暖前線を解析しましたが、温暖前線の前面では348Kから最大357Kの高い相当温位を伴う暖湿空気が強い南から南西の風となっているのに対し、温暖前線の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問1今回は、図2の相当温位・風12時間予想図を用いて、九州に接近中の台風に伴う850hPa面の風速分布の特徴を述べるのが一つ、もう一つが850hPa面の相当温位分布の特徴を述べよ、という内容です。初めに台風に伴う850hPa面の風速分布の特徴について見ていきます。問題文では具体的に、「台風中心を取り巻く風速分布」に着目して、「風速が最大となる位置とその風速値に言及」、つまり風速が最大となる位置とその
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問2今回は、図6及び図7(下)に基づき、本文を読みながら空欄を穴埋めしていきます。まず、「予想図によると、18日21時には、地上低気圧の中心は500hPa面の渦度ゼロの等値線から推測される(①)の(②)に位置する。」とあります。まず、図6(上)の500hPa面における渦度の分布を見てみます。本文の「渦度ゼロ」とは、北側の正渦度域と南側の負の渦度域の境界の部分にあたり、500hPa面の強風軸に対応します。す
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2(第1段落)図1の地上天気図を見ますと、佐渡付近に中心を持つ低気圧があります。その中心気圧はその右側の数値にあります通り、①1006hPa、移動速度と移動方向は、②10ノットで、16方位で③南東へ進んでいることがわかります。次に、中国大陸から山陰にかけて梅雨前線が延びています。この前線の表示されている記号は④停滞前線となります。次に図2の7月17日21時を初期時刻とする850hPaの相当温位・風12時間予想図に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問2(2)問題では、前問②の解答と850hPaの水蒸気移流を踏まえて、なぜ12時間後の方が36時間後よりも降水量が多く予想されているのかという、今回は「理由」を、「12時間後のほうが」の書き出しに続けて述べなさい、ということです。「理由・根拠」の解答が求められていますので、「〜から。」や「〜ため。」といった書き終わりで締めましょう。理由を述べる要素は大きく2つで一つは700hPaの上昇流の強さの
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問3帯状エコーP-Q-Rの位置が地上の前線に対応しているとし、図12でわかる850hPa面の前線こ勾配の大きさを求めるという設問です。図12の850hPa面の前線の位置は、地上前線の後面にある等相当温位線の集中帯の南東縁にあたります。これを赤の線で入れてみました。850hPa面の前線の位置がわかったところで、設問から、地上前線の地点Q付近における前線の勾配を求めていきます。地点Qから8
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・一般知識(a)空気塊Aと空気塊Bは温度と気圧がともに等しいですので、1000hPaの高さまで断熱的に移動させたときの温度、すなわち温位も同じになります。したがって、本文の内容は誤りということになります。(b)今度も温度と気圧ともに等しい空気塊の比較ですが、(a)と違うのは空気塊Aは相当温位、空気塊Cは温位となっているところです。相当温位とは、その空気塊の温位に、含まれているすべての水蒸気が凝結することに
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。問2(1)①前線とはそもそも、異なる性質をもつ2つの気団が接する境界を意味するわけなんですが、前線の解析の問題では今回の問題のように、水蒸気の凝結による潜熱を考慮した相当温位の分布に着目しますと、通常は寒気側では空気が相対的に乾燥していて、暖気側では湿っていることが多いため、等温線よりも等相当温位線の方が前線の解析がしやすいです。850hPa相当温位・風の予想図での前線解析の着目すべき要素は等相当温位集中帯の暖気側の縁と風
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(2)図9(下)に四国付近に予想されている低気圧の中心位置と、8日9時に予想されるトラフAの位置を重ねてみますとこのようになります。設問で求められている解答の要素として、一つは500hPa面のトラフAに対して低気圧の中心はどういう位置にあるのか。もう一つは下層の暖湿空気に対してどのような位置にあるのかの2点についてまとめる必要があります。まず、トラフAに対する低気圧の中心につきまし
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2今回は、図12の黒の実線で示されている、東経136.5°の線について、図11の北緯38.4°付近における1000hPaと750hPa相当温位と湿数を読み取り解答せよ、という内容です。まず、図11(上)から、1000hPaおよび750hPaの湿数から見てみます。図の説明にあります通り、湿数は実線で描かれており、3℃ごとの実線、6℃ごとの太実線で描かれています。北緯38.4°を軸に見ますと、1000h
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(2)【850hPaの相当温位場】図9に図8(左下)で四国付近に予想されている低気圧の中心位置を重ねますとこのようになります。解答では低気圧の中心位置がどういうところにあるのかを述べればよいのですが、この位置の状況をどう説明すればよいのか結構悩みましたがどうだったでしょうか?まず「傾度に言及して」という部分から考えた方がわかりやすそうです。相当温位の傾度については、ほぼ「大き
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3(3)前回は、領域Aと領域Bとで降水域の分布と地形との関係の特徴について見てきましたが、今回は、両者の違いが明らかになったところで、その要因の一つに図15の相当温位の鉛直分布より、4つの山の山頂から鉛直方向に見たときの大気の安定性にあるとして、4つの山の山頂から鉛直上方100hPaの範囲で検討してみましょう、という内容です。では図15に着目して山aから順に見てみます。なお、等相当温位線は1Kごと、太実線は
こんばんは。元日に、北陸地方を中心とする大きな地震があり、大変驚きました。大阪でも横揺れがあり、我が家は大丈夫だったんですが、当ブログをご覧の方、ご家族、お住まい、ご無事でしたでしょうか。時間の経過とともに、被害の状況がテレビなどを通じ徐々に伝わってくる状況で、まだ全体のことがわかりませんが、被災された方におかれましては、謹んでお見舞い申し上げます。それでは、問題の方ですが、早速考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問2(1)①今回は、12時間後の図6(下
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問1図1にあります日本の南の停滞前線について、東経135°より西の部分に対応する等相当温位線の集中帯の南縁の部分を赤で入れてみました。この結果、その南縁の相当温位を読み取りますと、ほぼ348Kに対応していることがわかります。したがって、単位を付して答えよ、との指示ですので、348K、気象業務支援センター解答例では、345Kも正解としています。では。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(1)前線解析の際に着目する基本的な要素として、850hPaの相当温位では、等相当温位線集中帯の南縁、すなわち、等相当温位集中帯の暖気側や、風のシアーが挙げられます。今回の設問では、「この低気圧の中心を通る新たな前線の形成が予想される。」とありますので予想される地上の低気圧中心の位置と重ねてみますと、この付近から等相当温位線が南西に延びていることがわかります。その値を読み取りますと、北側
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2・問2(解答用紙)今回は、図11(上)、25日21時の850hPa面の予想における温暖前線を解答図に指定された太枠線で囲まれた範囲を前線記号を付して記入せよ、という前線解析の問題です。今回の問題に関する前線解析の要点は、用いる資料が850hPa相当温位・風の予想図だけですので、等相当温位集中帯の暖気側の縁に着目することになります。風の情報もありますので風向シアーの大きい部分も着目すべき要素なんですが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技2・問3(1)今回は、図9の29日21時を初期時刻とする850hPa相当温位・風3時間予想図を用いて、平島を中心とした半径約100kmに範囲内について、相当温位の分布の特徴と風の分布の特徴の2つに分けて、相当温位は数値に言及しながら、風は風向に言及しながら述べよ、ということで考えてみます。まず、問題文に、「大雨となった平島を中心とした半径約100kmの範囲内」とあります。そこで緯度1°の距離が約111k
こんばんは。今回は図8(右下)の地上予想図予想されている四国付近の低気圧について、この低気圧の中心が、850hPa面の相当温位場と、700hPa面の湿数の場のそれぞれにおいて、傾度に言及しながら述べよとの設問です。なかなか解答へ落とし込むときの表現が難しい問題ではありますが、次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(2)②※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。27日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。今回は、図6(左下)の東海地方に予想されている強い上昇流域について、図8の850hPa面の風の場と相当温位の場の特徴はどのようになっているか、風、相当温位とも数値を示して述べよ、という問題です。上昇流となり得る条件は一般知識の大気の力学の内容になります。あやふやな方は一般知識の復習も兼ねて次回一緒に考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。14日分の考察編は
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2今回は、図6(左下)の12時間後に予想されている東海地方の上昇流域について、図8(上)の12時間後の850hPa面の風・相当温位予想図で見たときにどのような特徴が見られるか、という問題です。問題に入る前に一般知識の大気の力学で学習する収束・発散について、古い問題ですが第9回試験・一般知識・問7を例に復習してみたいと思います。この問題は収束の大きさが2番目に大きいのは①から⑤のどれでしょう、と
こんばんは。今回は再び実技2の問題に戻り、内之浦において大雨をもたらす対流不安定以外の大気の状態のうち、水蒸気の供給について、相当温位、湿数および風に言及して述べよ、という問題です。前回の一般知識の問題の考察でほぼ触れてしまいましたが…しかし図10からはどういうことが読み取れるか、次回一緒に考えてみたいと思います。第55回試験・実技2・問4(2)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。4日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験2・問3(1)今回は、図11を用いた前回の①の結果より、北緯38.4°付近の1000hPa〜750hPaの大気の安定性として最も適切なものを下枠から選んで解答せよ、という内容です。①における相当温位の読み取りの結果、1000hPaが285K、750hPaが283Kでした。つまり、この1000hPa〜750hPa間の気層では、高度が上がるにつれて相当温位が低くなっていることがわかります。このような気層になるには、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験1・問4(3)今回は、地点aと地点bそれぞれにおける、地上の相当温位と600hPaの相当温位の値を読み取って、その差を求める問題ですので早速読み取ってみます。まず、地上につきましては、問題文中で指示が特にありませんので1000hPaの位置と考えます。地上につきましては、地点aおよび地点bの指し示す位置、600hPaにつきましては、各地点の鉛直上にある矢羽の根元の位置で相当温位の値を読み取ります。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4今回は、図10(下)の「内之浦を通る東西鉛直断面の相当温位・風・湿数」の24時間予想図を用いて内之浦上空の21時における図の範囲内の相当温位の最大値と最小値および、それぞれの高さと湿数を答えよ、という読み取りの問題です。まず先に、相当温位の最大値とその高度、およびその高度における湿数から見ていきます。読み方は図10の下にあります通り、相当温位は実線で示し、等値線は細実線1Kごと、太実線3Kご
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問4(2)今回は、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲で、相当温位のの極値が東西に延びている」とあり、この極値と湿数の関係について述べよ、という問題になります。まず、問題文の通り、「東経130°~東経132°および800hPa~900hPaに囲まれた範囲」を青の線で囲ってみました。この囲った範囲における相当温位の極値とは、例えば、東経130.2°付近では
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技1・問2(3)低気圧Aと低気圧Bの位置を図10に重ねてみました。(低気圧A)まず、低気圧Aの中心付近の相当温位はおよそ336Kで南側には九州の西海上の五島列島を取り囲む形で330Kの領域があります。一方で北側には、朝鮮半島南部付近に339Kの領域があります。つまり、問題文の、地上低気圧の中心との位置関係に着目して、相当温位の高低の分布を述べますと、中心付近の北側ほど相当温位が高く、南側ほど低い分布を示している
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(1)【トラフとの対応関係の変化】(1)④の設問では7日9時におけるトラフBの予想位置を解析しました。低気圧が発達する根拠として7日9時と8日9時の地上の低気圧中心とトラフの位置関係の変化を見ますと、トラフはこの間に地上の低気圧中心に接近して、低気圧と結合する予想であると読み取ることができます。したがって、これを10字程度でまとめますと、トラフBと結合する。(10字)《気象業務支援センタ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問2(2)aまず、700hPa鉛直p速度について、図7の関東地方の予想に着目しますと、12時間後(上)では、網掛け域で示される上昇流域に覆われており、特に関東地方で-36hPa/h、その南の海上で-34hPa/hを極値とする強い上昇流域が南北の帯状に延びていることがわかります。一方、36時間後(下)では、関東地方は引き続き上昇流域に覆われる予想ではあるものの、特に極値を持つ強い上昇流域は見られ