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「大阪も、まあまあ寒くね?」トレードマークの唇を尖らせて窓を見てる翔君は、札幌でおろしたと言っていたダウンを片手に持っていた。寒いと言っても前の札幌に比べたらそこまでとは思わないんだけど。ってか、むしろこの時期にしたら気温は高い方なんだけど。ドームの楽屋で「寒い、寒い」を連呼する彼の声を不思議に思いつつも、テーブルに座って黙って聞いていた。メンバーやマネージャーはそれぞれ何処かに行っており、残ってるのは俺たち二人だけ。ってか、最近は気を利かせてるのかなんなのか、ライブ前のこの時間帯
身体もだが、記憶の方だって完璧に治ってるとは言い難い。何よりあの日の出来事を全て忘れてしまっている。ってことは自分が発言したことも、当然同じように記憶にはない。ならば、もしかして。あの日と同じ思考回路になって、また『別れる』と言い出すのではないだろうか?もしくは俺がさっき考えてた事を知らず知らずに口にしてて、翔君に聞こえてたのかもしれない。そんな事が一瞬にして頭の中を駆け巡り、緊張の為か背中に汗が流れた。そんな俺の様子に気付いてないのか、彼は柔らかい口調のまま話を続けた。「身体の