先日、かつて勤めていた会社の女性たちとランチを共にする機会があった。元々世間が狭く、退職後はなおのことだった私にとってそれは、会話の相手といえばほぼ妻と限られた身内のみというお寒い現状に訪れた稀な時間というものであった。彼女たちとの話はいつしか今年空前の観客動員を記録した映画『国宝』に移っていった。この作品が封切られた頃がちょうど恒例の長野への移住時機に当たっていたために観る機会を逸したと思っていたのだが、妻から彼女の義妹とその娘が連れ立ってその映画を観た話を聞いて、ほぼ1か月を過ぎた今もなお上