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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問1(3)今回は、図4の赤外画像において、華南・華中から日本海にかけてみられる木の葉状の雲域と、前々問で解析した強風軸との位置関係はどうなっているか、という問いです。まずはじめに、専門知識の気象衛星画像の復習で、この「木の葉状の雲域」とは何かについて簡単に触れておきたいと思います。この「木の葉状の雲域」、すなわち帯状の厚い雲域が極側へ膨らみ高気圧性曲率を持ったものを「バルジ」とよんでいます。大気下層において
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1(4)今回は、図3(下)の水蒸気画像において、渤海から黄海を経て朝鮮半島南部にかけて西北西から東南東の走向に延びている暗域Qが図5の500hPa高度・渦度解析図における渦度場のどのようなところに位置しているのか、という設問になります。まず、水蒸気画像の暗域Qと図5の渦度場を見比べてみますと、この暗域Qそのものは負の渦度場にあるのですが、暗域Qのすぐ南側に並行して細長い正渦度域が延びているという特
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1今回は、穴埋め問題ということで、本文の段落ごとに読んでいきながら考えてみます。(第1段落)まず、「地上天気図(図1)によると、九州の南西海上に中心気圧(①)hPaの低気圧があって、東北東に(②)ノットで進んでおり、低気圧から前線がのびている。」とあります。図1を見ますと、北緯30°東経128°付近にある、前線を伴った温帯低気圧がこれに該当します。地上天気図において等圧線は4hPaごとに実線で引か
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1今回は、図4の300hPa天気図に基づいて、図3の気象衛星画像を参考にして、主要な強風軸1本を流れの向きを示す矢印付きの実線で記入せよ、という設問です。始めに300hPa天気図に盛り込まれている情報について図4を見ながら確認したいと思います。実線で描かれているのは等高度線で120mごとに引かれており高度240mごとに数値が付されています。低圧部の中心は「L」、高圧部の中心は「H」が記され、暖気の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)気象衛星画像では、同じ雲でも、可視画像と赤外画像とで写り方が異なることを利用して雲型の判別を行うことができます。ちなみに気象衛星画像から判別した雲の種類を「雲型」、地上から観測された雲の種類を「雲形」と使い分けられています。気象衛星センター2002:「気象衛星画像の解析と利用」p8図1-3-1可視画像と赤外画像による雲型判別の概念図に加筆そこでこの図も参考にしながら下線部を考えてみます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問1今回は、図3の気象衛星赤外画像において、日本の東にある領域Aと東シナ海にある領域Bの雲域について、両者とも灰色に写り輝度温度に大きな差が見られないとし、図4と図5を用いて700hPaの乾湿の状況と700hPaの鉛直流が示す状況、および雲頂高度の700hPa高度の比較を答えよ、という内容の問題です。まずは日本の東の領域Aから見ていきます。(領域A)まず、図4で700hPa湿数を見ますと、領
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2図10(上)のP-Q-Rを構成している帯状エコーについて図11の赤外画像と併せて見ますと、明白色であることから雲頂高度の高い雲、あるいは雲頂温度の低い雲で団塊状になっており、さらに個々の団塊状の雲が帯状の雲列を形成していることから、雲は積乱雲で、その積乱雲で構成されている帯状の雲列であることがわかります。したがって、設問の下枠から選ばれるのは「積乱雲」、その根拠は、明白色の団塊状の雲が帯状の雲列を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問1①a雲域Aについて、可視画像では白く、表面が一様で滑らかですが、赤外画像では暗灰色で雲頂高度が低いことから、したがって、①は表の下の枠内から、「霧または層雲」が選ばれ、aの根拠をまとめますと、可視画像では白く、一様で、赤外画像では暗灰色になっているため。(31字)《気象業務支援センター解答例》赤外画像では暗灰色、可視画像でなめらかな明白色となっている。(29字)ということになりま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)まず、気象衛星観測における水蒸気画像とは何か、ということですが、地上や大気から放射される赤外線のうち大気中の水蒸気よく吸収される6.5μm〜7.0μmの波長領域を観測して得られた気象衛星画像のことを言います。下の図にありますように、画像の明暗が対流圏上・中層の水蒸気の多寡に対応している部分は正しい内容です。一方、「大気の窓」につきましては、一般知識の大気における放射で学習した内容ですが、赤外線のうち
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・問1(4)問1(1)の穴埋め問題のおさらいをしますと、四国の南の低気圧は発達が予想されるため、海上強風警報が発表されている、ということでした。(4)①の問題では、図3の赤外画像と水蒸気画像とを見比べて雲域Aとバウンダリの位置関係をそのまま解答に落とし込めばOKでしたが、今回の問(4)②で問われている雲域Bは四国の南の低気圧に対応する雲域であり、出題者は、四国の南にある低気圧が今後、発達することを示唆するとみられ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問1まず、問題にある、「(1)⑨の雲」について、問1(1)の回のおさらいしますと、『中国東北区の雲域の低気圧に伴う極側に膨らんだ状態になっている帯状の雲域は、対流圏下層において南側から暖かく湿った空気が流れ込んでそれが上昇していることを示しており、低気圧が今後発達する可能性が高いことを示唆しており、このような雲域の状態のことを「バルジ状」とよんでいます。』ということでした。つまり、(1)⑨の雲とは、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験1・問4今回は、前問の問4(1)の強雨域の形状の特徴に関連して、図10の気象衛星赤外画像では雲域で見たところ形状にやや違いがみられ、上層雲の幅が強雨域よりも広くなっていることについて、強雨域の雲の上端が到達する高さに着目して、上層雲の幅が広がる理由を述べよ、という問題です。(気象庁HP:積乱雲ってどんな雲?より)まず、赤外画像では、気象衛星で観測された地球放射を輝度温度に変換させ、輝
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験2・問1今回は、問題文の前半部分、図2の気象衛星赤外画像に基づき、6日9時の台風周辺の雲分布の特徴を述べよ、という問題です。もしも単に「6日9時の台風周辺の雲分布の特徴を述べよ。」という問題だったとしますと、具体的に何に着目して言及すればよいのかわかりにくい難問になったかと思いますが、この問題では、「台風中心北西側と南東側を対比し、対流雲と上層雲に言及して」との指示をヒントに、あとは台風の構造の知識を背景
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1今回は、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句もしくは数値を考えてみます。(第1段落)まず、「図1によると、黄海には1008hPaの低気圧があって(①)ノットの速さで(②)に進んでいる。」とあります。低気圧の中心の北東側にある、進行方向を表わす白抜きの矢印と移動速度を表わす「30KT」を読み取ります。進行方向読み取る際は、緯線を視線に対して真横にして読み取るようにします。したがって、①は30、②
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1今回は、佐渡付近から福島県にかけての積乱雲域と、黄海の積乱雲域について、水蒸気画像の暗域との位置関係に関して共通する特徴を述べよ、ということで図3(下)の気象衛星画像を見てみますと、佐渡付近から福島県にかけて対流圏の中・上層において水蒸気量が多く、可視・赤外の両画像で同じところを見ますと、両画像とも明白色であることから、積乱雲域と判断できます。そのすぐ南側に暗域Pが接していることがわかります。また
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問1図2の300hPa天気図を見ますと、実線で描かれている等高度線とともに、破線で、等風速線が描かれています。一般的に強風軸を解析するときはこの等風速線の最も大きな領域に着目し、その鞍部を通る形で強風軸が解析されるのですが、今回の問題はそれだけで解析してしまいますと誤りになってしまいます。すなわち、図2でいうところの、八丈島を取り囲んでいる100ノットの等風速線が最大となっているのですが、この付近を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2今回は、初期時刻、15日21時の図2と12時間後、16日9時の図10の2つの赤外画像を用いて、16日9時の台風の中心付近における雲について、12時間前から変化した特徴を述べよ、という内容の問題で考えてみます。問1(4)では、初期時刻の15日21時における図2で見られる地上の台風中心とその周辺の雲域の特徴として、解答例は「台風中心と南西側では雲頂高度の低い対流雲、北東側は雲頂高度の高い発達した対流雲が多
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1今回は、本文を読み進めながら空欄を穴埋めしてみます。(第1段落)まず、「図1によると、九州の南には前線を伴って発達中の1008hPaの低気圧があり、(①)ノットの速さで東北東に進んでいる。」とあります。この九州の南にある低気圧に関する詳細な情報は図の右下にある英文で記載されています。直訳しますと、発達中の低気圧中心気圧1008hPa中心位置北緯31°東経130°東北東へ35ノ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問(1)図1の地上天気図でみると、関東の南東海上の気圧の傾きは緩やかなのに、実はこの付近に弱い擾乱が存在しているというのですが、その根拠は何でしょうか、各図で見ていきたいと思います。①《雲分布および上/中/下層雲の別》図3(上)の赤外画像において、関東の南東海上付近に着目しますと、灰色の雲域があり、雲域Aのような、明灰色の帯状で一様な雲域ではなく、それよりは暗く、まとまっていることから、中層雲
こんばんは。今回から、第61回試験の実技試験に入りたいと思います。実技1は、2018年1月22日9時を初期時刻とした日本付近における気象の解析と予想についての問題です。初めは、図1の地上天気図、図2の気象衛星赤外画像、図3(上)の500hPa解析図、図3(下)の850hPaと700hPaの解析図を用いて22日9時の日本付近の気象概況を述べた文の穴埋め問題を次回、一緒に考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用してい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2(第1段落)図1の地上天気図を見ますと、佐渡付近に中心を持つ低気圧があります。その中心気圧はその右側の数値にあります通り、①1006hPa、移動速度と移動方向は、②10ノットで、16方位で③南東へ進んでいることがわかります。次に、中国大陸から山陰にかけて梅雨前線が延びています。この前線の表示されている記号は④停滞前線となります。次に図2の7月17日21時を初期時刻とする850hPaの相当温位・風12時間予想図に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず本文では、日本海北部の低気圧に伴う雲域について、「中心付近には中下層の雲渦がみられ、その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。」とあります。文の後半にある「バルジ状の厚い雲域」が存在していることから、日本海北部の低気圧は発達期またはそれ以降の閉塞期(最盛期)のいずれかに絞られてきます。さらに、今度は水蒸気画像に着目しますとわかりやすいのですが、低気圧の中心に向かってその後面から暗域が入り込ん
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問1赤外画像は地表面や雲から放射される赤外線、すなわち地球放射をとらえて画像化しているものです。ここで、一般知識の「大気の放射」のところで学習する「ステファン・ボルツマンの法則」を改めて思い出しますと、「ある物体が黒体であるとき、その放射強度はその物体の絶対温度よって決まる。」ということでした。すなわち、放射強度をI*、比例定数のステファン・ボルツマン定数をσ、Tを温度としますと、その関係は、
こんばんは。今日、6月14日(月)から第56回試験の受験申請期間が始まりました。7月2日(金)消印有効までということですが、受験の予定の方はお早めに申請されますことをお勧めします。それでは問題を考えてみたいと思います。第55回試験・実技2今回の問題は図8の水蒸気画像を用いて、鹿児島県吐噶喇列島の平島(たいらじま)付近上空への乾燥空気の流れについて、暗域または明域の位置と朝鮮半島付近の渦状の雲に着目して述べよ、という問題です。まず、問題文中の「平島付近上空への乾燥空気の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1図3の雲域Aがある北緯30°東経110°の周辺について図2(上)でどうなっているか見てみますと、5760mの等高度線の低緯度側への曲率が大きく、そのさらに南側の5820mの等高度線も曲率が大きい部分が見られます。また、この付近での極大点を伴う正渦度の強い領域が見られることから、雲域Aは500hPaのトラフ付近に形成されことがわかります。そこで、正渦度の強い領域に着目しますと、+219の数値が見ら
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1第53回試験・実技2・問1(3)解答今回は、前問で解析した300hPa面の強風軸と図3(下)の水蒸気画像において矢印Pで示されている暗域との位置関係を述べよ、との設問です。解答図の300hPa面の強風軸と暗域Pの位置を見比べてみますと、強風軸は暗域Pのすぐ西側をほぼ南北に延びていることがわかります。前問で解析ができていれば、強風軸が暗域Pのどこの方位の側にあって、走向がどの方向に延びているかを解答欄に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・専門知識(a)まず、領域Aの雲域ですが、北緯49°東経119°付近の中心気圧988hPaの低気圧の前面に位置しており、本文にあります通り、可視画像では灰白色、赤外画像では灰色で、上層雲ほど輝度温度が低くなく、霧または層雲ほど暗くないことから乱層雲などの中層雲あるいは中・下層雲と判断されます。したがって、本文の内容は正しいということになります。(b)次に、領域Bを見ますと、可視画像では灰色に写っており、赤外画像では領域全
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第46回・専門知識A破線で囲った領域内において、南北の走向に線状の雲域が何本も等間隔に並んでいて雲列を形成していています。この雲列の最も西側をよく見ますと、東北地方を南北に連なる奥羽山脈に沿っていると考えることができます。また、可視画像で灰色に見える特徴から、この雲列は積雲または層積雲といった下層雲で構成されていると読み取ることができます。これらのことから、この雲列は、奥羽山脈の山越え気流の風下にできる波状雲であると考
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1まず、図3の気象衛星画像は赤外画像であり、問題文では、「雲頂高度に言及して」とありますので、専門知識の復習として、雲頂高度による赤外画像の見え方について触れておきたいと思います。赤外画像は、地表面、海水面、雲から放射された赤外線、すなわち地球放射をとらえて画像化しています。一般知識で学習した「ステファン・ボルツマンの法則」では、ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度で決まる、ということでし
こんばんは。今回は、図3の気象衛星赤外画像から、日本海の低気圧が発達中であることを示唆する雲域の形状の特徴について、雲頂高度にも触れながら述べよ、との問題です。専門知識の復習になるかと思います。専門知識で学習した知識が定着しているか、設問を通して確認してみましょう。次回一緒に考えてみたいと思います。第53回試験・実技1※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。14日分の考察編は次回更新の予定です。