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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2・問2一般的に図7のような気象衛星赤外画像から対流性の強い降水があると考えられる雲域は、前回の問題の領域Cにおける考察で述べましたように、白く団塊状の雲域です。図7の北緯30°以北の東シナ海に着目しますと、こうした雲域が見られるのですが、これらの雲域のうち図10のメソモデルによる850hPaの相当温位・風と前1時間降水量の12時間予想図で、その周囲200km以内に20mm以上の降水が予想されていない雲域に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)まず、気象衛星観測における水蒸気画像とは何か、ということですが、地上や大気から放射される赤外線のうち大気中の水蒸気よく吸収される6.5μm〜7.0μmの波長領域を観測して得られた気象衛星画像のことを言います。下の図にありますように、画像の明暗が対流圏上・中層の水蒸気の多寡に対応している部分は正しい内容です。一方、「大気の窓」につきましては、一般知識の大気における放射で学習した内容ですが、赤外線のうち
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)まず、赤外画像で明るく、可視画像で暗いことから、上層雲と判断されます。次に、この領域Aに見られる波状の雲列は何かということですが、この雲列は下線部にもありますように、強風軸に対応していると推定され、強風軸周辺において密度の異なる空気が接して風速の鉛直シアーが強くなって、「ケルビン・ヘルムホルツ波」という波動性の振動が発生します。この波の上昇部で、雲が発生することで乱気流が目に見える形となります。この雲列
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問1図3の気象衛星赤外画像のうち、初期時刻についてですので、左上の2日21時に着目します。さらに図1の日本の南の低気圧の中心位置(北緯27°東経138°)付近に着目して「雲頂高度に言及」の点で見たときの閉塞過程の特徴と「寒冷前線に言及」の点で見たときの閉塞過程の特徴に分けて考えてみることにします。まず、「雲頂高度に言及」の点で見てみますと、低気圧の中心付近では、発達期のような明るい雲域が見られ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2・問1まず、気象衛星赤外画像の特徴について簡単に専門知識の復習をしておきましょう。気象衛星赤外画像は、地表面や雲から放射された赤外線を捉えて、それを画像化したものです。一般知識の「大気における放射」では、ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度によって決まる、という「ステファン・ボルツマンの法則」を学習しました。すなわち、黒体放射のエネルギー量をI、ステファン・ボルツマン定数をσ、物体の絶対温
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(気象衛星センター「気象衛星画像の解析と利用」1999p15図2-3-1雲型判別ダイアグラムより)(a)「可視画像では灰白色に見え、赤外画像では灰色である」という写り方の特徴が書かれています。特に赤外画像においては、上層雲ですと白く見え、逆に、下層雲ですと、暗く見えますので、この場合ですと、図のCm(中層雲)と考えられます。高層雲・高積雲・乱層雲が中層雲に相当します。したがって正しいということになります。(b
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・専門知識今回は気象衛星画像から、可視画像と赤外画像に基づいて(a)~(d)で述べられている特徴からA~Dのどの雲域に当てはまるかを考える内容になっています。早速(a)から考えてみます。(a)まず初めに「トランスバースラインが発生している。」ということですが、①~⑤の選択肢を見ますと、AかCのいずれかになっています。(気象衛星センターHP:衛星画像の特徴的なパターン「トランスバースライン」より)
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第47回試験・専門知識(a)領域Aの雲域を見てみますと、可視画像では明灰色、赤外画像で白いことから、上層雲を主とした雲域と判断されます。また、問題の冒頭では、「総観規模の低気圧」とあることからも分かりますが、この極側に膨らんだ雲域は発達が進んでいる低気圧の特徴を示唆しており、この雲域の形をバルジとよんでいます。対流圏下層で南から大量の暖湿な空気が流れ込みながら前線面を滑昇し、前線の寒気側で高気圧性曲率を持って膨らむ現象です。したが
こんばんは。今回は、気象衛星画像の読み取りの問題を一緒に考えてみたいと思います。第46回試験・実技試験1・問2からです。問2図3は12日9時の気象衛星の画像である。これと図1を用いて図3の破線で囲まれた三つの雲域A,B,Cに関する以下の問いに答えよ。(1)高気圧中心の南側に位置している雲域Aを構成する雲の種類を十種雲形で答えよ。また,その根拠を可視画像と赤外画像それぞれの特徴に基づき20字程度で述べよ。(2)雲域B
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験1・問4今回は、前問の問4(1)の強雨域の形状の特徴に関連して、図10の気象衛星赤外画像では雲域で見たところ形状にやや違いがみられ、上層雲の幅が強雨域よりも広くなっていることについて、強雨域の雲の上端が到達する高さに着目して、上層雲の幅が広がる理由を述べよ、という問題です。(気象庁HP:積乱雲ってどんな雲?より)まず、赤外画像では、気象衛星で観測された地球放射を輝度温度に変換させ、輝
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問(1)図1の地上天気図でみると、関東の南東海上の気圧の傾きは緩やかなのに、実はこの付近に弱い擾乱が存在しているというのですが、その根拠は何でしょうか、各図で見ていきたいと思います。①《雲分布および上/中/下層雲の別》図3(上)の赤外画像において、関東の南東海上付近に着目しますと、灰色の雲域があり、雲域Aのような、明灰色の帯状で一様な雲域ではなく、それよりは暗く、まとまっていることから、中層雲
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず本文では、日本海北部の低気圧に伴う雲域について、「中心付近には中下層の雲渦がみられ、その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。」とあります。文の後半にある「バルジ状の厚い雲域」が存在していることから、日本海北部の低気圧は発達期またはそれ以降の閉塞期(最盛期)のいずれかに絞られてきます。さらに、今度は水蒸気画像に着目しますとわかりやすいのですが、低気圧の中心に向かってその後面から暗域が入り込ん
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験2まず、専門知識のおさらいとして赤外画像について触れておきたいと思います。赤外画像は、地表面や雲から放出される赤外線(地球放射)を捉えてそれを画像化したものです。一般知識では、「ステファン・ボルツマンの法則」について学習しました。これは「ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度によって決まる。」ということでした。これを利用し、放射量を測定することによって物体の絶対温度を求めることができます。こ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・専門知識(a)領域Aは赤外画像で暗く、可視画像で白くなっている部分があり、大陸上にあること、3月であること、また「位置と形状の変化がみられない」ことから、下層雲ではなく、積雪であると判断されます。したがって下線部は誤りということになります。(b)領域Bは赤外画像で暗灰色で、可視画像で白く、海上であること、3月であること、本文に「ほとんど移動しておらず、可視画像で輪郭がはっきりした斑状に見える」とある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・実技試験1・問1(2)今回は、図2の破線部の雲域内にある館野について図5の状態曲線を用いて、雲域の雲頂高度を推定せよ、ということで考えてみます。まず図5の状態曲線(エマグラム)において館野の上空の雲域に関連する何がわかるか、それは実線で表されている気温の分布と破線で示されている露点温度の分布によって空気の湿り気がわかるところにあります。気温と露点温度の差のことを「湿数」と呼んでいます。この湿数が大
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1今回は、図4の300hPa天気図に基づいて、図3の気象衛星画像を参考にして、主要な強風軸1本を流れの向きを示す矢印付きの実線で記入せよ、という設問です。始めに300hPa天気図に盛り込まれている情報について図4を見ながら確認したいと思います。実線で描かれているのは等高度線で120mごとに引かれており高度240mごとに数値が付されています。低圧部の中心は「L」、高圧部の中心は「H」が記され、暖気の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問1今回は、図3の気象衛星赤外画像において、日本の東にある領域Aと東シナ海にある領域Bの雲域について、両者とも灰色に写り輝度温度に大きな差が見られないとし、図4と図5を用いて700hPaの乾湿の状況と700hPaの鉛直流が示す状況、および雲頂高度の700hPa高度の比較を答えよ、という内容の問題です。まずは日本の東の領域Aから見ていきます。(領域A)まず、図4で700hPa湿数を見ますと、領
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1(4)今回は、図3(下)の水蒸気画像において、渤海から黄海を経て朝鮮半島南部にかけて西北西から東南東の走向に延びている暗域Qが図5の500hPa高度・渦度解析図における渦度場のどのようなところに位置しているのか、という設問になります。まず、水蒸気画像の暗域Qと図5の渦度場を見比べてみますと、この暗域Qそのものは負の渦度場にあるのですが、暗域Qのすぐ南側に並行して細長い正渦度域が延びているという特
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問1図2の300hPa天気図を見ますと、実線で描かれている等高度線とともに、破線で、等風速線が描かれています。一般的に強風軸を解析するときはこの等風速線の最も大きな領域に着目し、その鞍部を通る形で強風軸が解析されるのですが、今回の問題はそれだけで解析してしまいますと誤りになってしまいます。すなわち、図2でいうところの、八丈島を取り囲んでいる100ノットの等風速線が最大となっているのですが、この付近を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1今回は、佐渡付近から福島県にかけての積乱雲域と、黄海の積乱雲域について、水蒸気画像の暗域との位置関係に関して共通する特徴を述べよ、ということで図3(下)の気象衛星画像を見てみますと、佐渡付近から福島県にかけて対流圏の中・上層において水蒸気量が多く、可視・赤外の両画像で同じところを見ますと、両画像とも明白色であることから、積乱雲域と判断できます。そのすぐ南側に暗域Pが接していることがわかります。また
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識まず、本題に入る前に、水蒸気画像とはどういう気象衛星画像なのかについて、簡単に触れておきたいと思います。(気象衛星センターHP:画像活用>観測画像の特性>水蒸気画像の特徴より)水蒸気画像は、波長6.2μm〜7.3μm(バンド8(6.2μm)、バンド9(6.9μm)、バンド10(7.3μm)の)赤外線を観測して得られた画像で、対流圏中・上層における水蒸気量の多寡の領域の分布がわかるという特徴が
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1(3)今回は、図3の気象衛星画像における雲域Bと雲域Cについて、図4の850hPa相当温位・風12時間予想図を用いて、雲域Bと雲域Cのそれぞれに対して風と相当温位に分布との対応関係を風向・風速、相当温位の値に言及しながら述べよ、という内容です。雲域B、雲域Cとも、赤外画像ては白く写っており、雲頂高度が高い、あるいは雲頂温度が低いことを示唆していることから、ともに対流雲が発生していると判
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2(第1段落)図1の地上天気図を見ますと、佐渡付近に中心を持つ低気圧があります。その中心気圧はその右側の数値にあります通り、①1006hPa、移動速度と移動方向は、②10ノットで、16方位で③南東へ進んでいることがわかります。次に、中国大陸から山陰にかけて梅雨前線が延びています。この前線の表示されている記号は④停滞前線となります。次に図2の7月17日21時を初期時刻とする850hPaの相当温位・風12時間予想図に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問1(3)今回は、図4の赤外画像において、華南・華中から日本海にかけてみられる木の葉状の雲域と、前々問で解析した強風軸との位置関係はどうなっているか、という問いです。まずはじめに、専門知識の気象衛星画像の復習で、この「木の葉状の雲域」とは何かについて簡単に触れておきたいと思います。この「木の葉状の雲域」、すなわち帯状の厚い雲域が極側へ膨らみ高気圧性曲率を持ったものを「バルジ」とよんでいます。大気下層において
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回は、図3の気象衛星画像のうち、赤外画像を用い、黄海の地上低気圧の中心とその周辺の雲域の特徴を、雲頂高度と雲域の分布に言及して述べよ、ということで考えてみます。この黄海の地上低気圧について問1(1)では本文の第2段落の最後に、「黄海の低気圧の中心付近の気温が周りと比較して低くなっており、このような低気圧は寒冷低気圧(寒冷渦)と呼ばれている。」ということでした。この問題はすなわち、寒冷低気圧
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1第53回試験・実技2・問1(3)解答今回は、前問で解析した300hPa面の強風軸と図3(下)の水蒸気画像において矢印Pで示されている暗域との位置関係を述べよ、との設問です。解答図の300hPa面の強風軸と暗域Pの位置を見比べてみますと、強風軸は暗域Pのすぐ西側をほぼ南北に延びていることがわかります。前問で解析ができていれば、強風軸が暗域Pのどこの方位の側にあって、走向がどの方向に延びているかを解答欄に
こんばんは。今回は、図7の気象衛星画像の北緯30°以北の東シナ海に、強い対流性降水が想定される雲域が見られることについての問題です。問題では、これらの雲域のうち、図10のメソモデルによる850hPaの相当温位・風および前1時間降水量の12時間予想図で、その周囲200km以内に20mm以上の降水が予想されていない雲域について、雲頂高度の最も高いところの緯度・経度を1°刻みで求める内容です。「20mm以上の降水が予想されていない雲域について、雲頂高度の最も高いところの緯度・経度」と少しひ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2図10(上)のP-Q-Rを構成している帯状エコーについて図11の赤外画像と併せて見ますと、明白色であることから雲頂高度の高い雲、あるいは雲頂温度の低い雲で団塊状になっており、さらに個々の団塊状の雲が帯状の雲列を形成していることから、雲は積乱雲で、その積乱雲で構成されている帯状の雲列であることがわかります。したがって、設問の下枠から選ばれるのは「積乱雲」、その根拠は、明白色の団塊状の雲が帯状の雲列を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回は、図2(下)の300hPaの強風軸と図3の気象衛星画像のうちの水蒸気画像について、北側にある強風軸と、水蒸気画像の暗域との位置関係を述べよ、という問題です。まず、問1(1)の考察では具体的に触れていませんでしたが、300hPa面の強風軸について改めて見てみます。300hPa天気図には等風速線が破線で描かれています。強風軸は風速の大きい領域が突き出していて尾根になっている部分に着目して解
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第50回試験・実技2・問3今回の問題は赤外画像による雲型の判別ということで、簡単に判別の方法を振り返ってみます。(気象衛星センター1999「気象衛星画像の解析と利用」p15図2-3-1雲型判別ダイアグラムに加筆)赤外画像について、図では縦軸方向に見て、雲域が下層になるにつれ暗く、逆に上層になるにつれ明るく写ることが示されています。すなわち、雲頂温度が高く、雲頂高度が低い雲ほど暗く写り、逆に雲頂温度が低く