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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・専門知識(a)まず、気象衛星観測における水蒸気画像とは何か、ということですが、地上や大気から放射される赤外線のうち大気中の水蒸気よく吸収される6.5μm〜7.0μmの波長領域を観測して得られた気象衛星画像のことを言います。下の図にありますように、画像の明暗が対流圏上・中層の水蒸気の多寡に対応している部分は正しい内容です。一方、「大気の窓」につきましては、一般知識の大気における放射で学習した内容ですが、赤外線のうち
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1(3)今回は、図3の気象衛星画像における雲域Bと雲域Cについて、図4の850hPa相当温位・風12時間予想図を用いて、雲域Bと雲域Cのそれぞれに対して風と相当温位に分布との対応関係を風向・風速、相当温位の値に言及しながら述べよ、という内容です。雲域B、雲域Cとも、赤外画像ては白く写っており、雲頂高度が高い、あるいは雲頂温度が低いことを示唆していることから、ともに対流雲が発生していると判
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)気象衛星画像では、同じ雲でも、可視画像と赤外画像とで写り方が異なることを利用して雲型の判別を行うことができます。ちなみに気象衛星画像から判別した雲の種類を「雲型」、地上から観測された雲の種類を「雲形」と使い分けられています。気象衛星センター2002:「気象衛星画像の解析と利用」p8図1-3-1可視画像と赤外画像による雲型判別の概念図に加筆そこでこの図も参考にしながら下線部を考えてみます
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回は、図3の気象衛星画像のうち、赤外画像を用い、黄海の地上低気圧の中心とその周辺の雲域の特徴を、雲頂高度と雲域の分布に言及して述べよ、ということで考えてみます。この黄海の地上低気圧について問1(1)では本文の第2段落の最後に、「黄海の低気圧の中心付近の気温が周りと比較して低くなっており、このような低気圧は寒冷低気圧(寒冷渦)と呼ばれている。」ということでした。この問題はすなわち、寒冷低気圧
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問1今回は、図2(下)の300hPaの強風軸と図3の気象衛星画像のうちの水蒸気画像について、北側にある強風軸と、水蒸気画像の暗域との位置関係を述べよ、という問題です。まず、問1(1)の考察では具体的に触れていませんでしたが、300hPa面の強風軸について改めて見てみます。300hPa天気図には等風速線が破線で描かれています。強風軸は風速の大きい領域が突き出していて尾根になっている部分に着目して解
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問1①a雲域Aについて、可視画像では白く、表面が一様で滑らかですが、赤外画像では暗灰色で雲頂高度が低いことから、したがって、①は表の下の枠内から、「霧または層雲」が選ばれ、aの根拠をまとめますと、可視画像では白く、一様で、赤外画像では暗灰色になっているため。(31字)《気象業務支援センター解答例》赤外画像では暗灰色、可視画像でなめらかな明白色となっている。(29字)ということになりま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・専門知識(a)まず本文では、日本海北部の低気圧に伴う雲域について、「中心付近には中下層の雲渦がみられ、その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。」とあります。文の後半にある「バルジ状の厚い雲域」が存在していることから、日本海北部の低気圧は発達期またはそれ以降の閉塞期(最盛期)のいずれかに絞られてきます。さらに、今度は水蒸気画像に着目しますとわかりやすいのですが、低気圧の中心に向かってその後面から暗域が入り込ん
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1今回は、佐渡付近から福島県にかけての積乱雲域と、黄海の積乱雲域について、水蒸気画像の暗域との位置関係に関して共通する特徴を述べよ、ということで図3(下)の気象衛星画像を見てみますと、佐渡付近から福島県にかけて対流圏の中・上層において水蒸気量が多く、可視・赤外の両画像で同じところを見ますと、両画像とも明白色であることから、積乱雲域と判断できます。そのすぐ南側に暗域Pが接していることがわかります。また
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1(4)今回は、図3(下)の水蒸気画像において、渤海から黄海を経て朝鮮半島南部にかけて西北西から東南東の走向に延びている暗域Qが図5の500hPa高度・渦度解析図における渦度場のどのようなところに位置しているのか、という設問になります。まず、水蒸気画像の暗域Qと図5の渦度場を見比べてみますと、この暗域Qそのものは負の渦度場にあるのですが、暗域Qのすぐ南側に並行して細長い正渦度域が延びているという特
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第58回試験・専門知識まず、本題に入る前に、水蒸気画像とはどういう気象衛星画像なのかについて、簡単に触れておきたいと思います。(気象衛星センターHP:画像活用>観測画像の特性>水蒸気画像の特徴より)水蒸気画像は、波長6.2μm〜7.3μm(バンド8(6.2μm)、バンド9(6.9μm)、バンド10(7.3μm)の)赤外線を観測して得られた画像で、対流圏中・上層における水蒸気量の多寡の領域の分布がわかるという特徴が
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1今回は、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句もしくは数値を考えてみます。(第1段落)まず、「図1によると、黄海には1008hPaの低気圧があって(①)ノットの速さで(②)に進んでいる。」とあります。低気圧の中心の北東側にある、進行方向を表わす白抜きの矢印と移動速度を表わす「30KT」を読み取ります。進行方向読み取る際は、緯線を視線に対して真横にして読み取るようにします。したがって、①は30、②
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2(第1段落)図1の地上天気図を見ますと、佐渡付近に中心を持つ低気圧があります。その中心気圧はその右側の数値にあります通り、①1006hPa、移動速度と移動方向は、②10ノットで、16方位で③南東へ進んでいることがわかります。次に、中国大陸から山陰にかけて梅雨前線が延びています。この前線の表示されている記号は④停滞前線となります。次に図2の7月17日21時を初期時刻とする850hPaの相当温位・風12時間予想図に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第47回試験・専門知識(a)領域Aの雲域を見てみますと、可視画像では明灰色、赤外画像で白いことから、上層雲を主とした雲域と判断されます。また、問題の冒頭では、「総観規模の低気圧」とあることからも分かりますが、この極側に膨らんだ雲域は発達が進んでいる低気圧の特徴を示唆しており、この雲域の形をバルジとよんでいます。対流圏下層で南から大量の暖湿な空気が流れ込みながら前線面を滑昇し、前線の寒気側で高気圧性曲率を持って膨らむ現象です。したが
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・専門知識(a)まず、赤外画像で明るく、可視画像で暗いことから、上層雲と判断されます。次に、この領域Aに見られる波状の雲列は何かということですが、この雲列は下線部にもありますように、強風軸に対応していると推定され、強風軸周辺において密度の異なる空気が接して風速の鉛直シアーが強くなって、「ケルビン・ヘルムホルツ波」という波動性の振動が発生します。この波の上昇部で、雲が発生することで乱気流が目に見える形となります。この雲列
こんばんは。今回は、レーダーエコー合成図の帯状エコーP-Q-Rについて、これを構成する雲の種類を設問の下枠内から選んで解答し、その根拠について気象衛星赤外画像に基づいて解答せよ、という問題です。専門知識の気象衛星画像の復習としてしっかりと確認しておきましょう。次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技2※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。31日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1(3)今回は、図3の雲域Bについて、一つ目は図2(上)に描かれている500hPaトラフとの位置関係について、二つ目は、雲域Bにおける雲の連なる方向や位置を地上の寒冷前線と関連付けて述べよ、という2つの設問について考えてみます。(500hPaトラフとの位置関係)まず、図2(上)の灰色で示されている500hPa面のトラフの位置について確認してみますと、トラフは朝鮮半島の東岸から南南西に延び、チ
こんばんは。今回は、気象衛星画像の問題です。図中の雲域Aと雲域Bについて、雲の種類や、その判読した根拠などを表に穴埋めしていく形になっています。次回、一緒に考えてみたいと思います。第52回試験・実技2・問1※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。3日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技2図10(上)のP-Q-Rを構成している帯状エコーについて図11の赤外画像と併せて見ますと、明白色であることから雲頂高度の高い雲、あるいは雲頂温度の低い雲で団塊状になっており、さらに個々の団塊状の雲が帯状の雲列を形成していることから、雲は積乱雲で、その積乱雲で構成されている帯状の雲列であることがわかります。したがって、設問の下枠から選ばれるのは「積乱雲」、その根拠は、明白色の団塊状の雲が帯状の雲列を
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問1まず、問題にある、「(1)⑨の雲」について、問1(1)の回のおさらいしますと、『中国東北区の雲域の低気圧に伴う極側に膨らんだ状態になっている帯状の雲域は、対流圏下層において南側から暖かく湿った空気が流れ込んでそれが上昇していることを示しており、低気圧が今後発達する可能性が高いことを示唆しており、このような雲域の状態のことを「バルジ状」とよんでいます。』ということでした。つまり、(1)⑨の雲とは、
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験2・問1図3の雲域Aがある北緯30°東経110°の周辺について図2(上)でどうなっているか見てみますと、5760mの等高度線の低緯度側への曲率が大きく、そのさらに南側の5820mの等高度線も曲率が大きい部分が見られます。また、この付近での極大点を伴う正渦度の強い領域が見られることから、雲域Aは500hPaのトラフ付近に形成されことがわかります。そこで、正渦度の強い領域に着目しますと、+219の数値が見ら
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験2・問1今回は、問題文の前半部分、図2の気象衛星赤外画像に基づき、6日9時の台風周辺の雲分布の特徴を述べよ、という問題です。もしも単に「6日9時の台風周辺の雲分布の特徴を述べよ。」という問題だったとしますと、具体的に何に着目して言及すればよいのかわかりにくい難問になったかと思いますが、この問題では、「台風中心北西側と南東側を対比し、対流雲と上層雲に言及して」との指示をヒントに、あとは台風の構造の知識を背景
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1第53回試験・実技2・問1(3)解答今回は、前問で解析した300hPa面の強風軸と図3(下)の水蒸気画像において矢印Pで示されている暗域との位置関係を述べよ、との設問です。解答図の300hPa面の強風軸と暗域Pの位置を見比べてみますと、強風軸は暗域Pのすぐ西側をほぼ南北に延びていることがわかります。前問で解析ができていれば、強風軸が暗域Pのどこの方位の側にあって、走向がどの方向に延びているかを解答欄に
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第32回試験・専門知識(a)下線部にある「クローズドセル」とは何かといいますと、気象衛星画像で、多角形や塊状の雲が周辺部の晴天域で囲まれたセル状の雲域をクローズドセルとよんでおり、主に層積雲で構成されています。つまり、気温と海面水温との温度差が小さいときに発生することが多く、寒気の流入が弱い場合に発生することが多いです。一方、「クローズドセル」に対して「オープンセル」という雲域があります。雲のない領域を取り囲んだドーナツ状ある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・専門知識(a)領域Aから見てみます。可視画像では灰色で、表面に凹凸がなく一様であることが読み取れます。また、赤外画像では暗灰色に写っていることから、雲頂高度が低い雲と判断できます。したがって、大気下層に安定層があると考えられ、その下では霧または層雲が発生していると判断されますので、下線部の内容は正しいということになります。(b)次に、領域Bを見てみます。可視画像では灰色でよく見ますと領域の西側でいくつも筋状になっ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験2今回は、初期時刻、15日21時の図2と12時間後、16日9時の図10の2つの赤外画像を用いて、16日9時の台風の中心付近における雲について、12時間前から変化した特徴を述べよ、という内容の問題で考えてみます。問1(4)では、初期時刻の15日21時における図2で見られる地上の台風中心とその周辺の雲域の特徴として、解答例は「台風中心と南西側では雲頂高度の低い対流雲、北東側は雲頂高度の高い発達した対流雲が多
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問1(3)今回は、図4の赤外画像において、華南・華中から日本海にかけてみられる木の葉状の雲域と、前々問で解析した強風軸との位置関係はどうなっているか、という問いです。まずはじめに、専門知識の気象衛星画像の復習で、この「木の葉状の雲域」とは何かについて簡単に触れておきたいと思います。この「木の葉状の雲域」、すなわち帯状の厚い雲域が極側へ膨らみ高気圧性曲率を持ったものを「バルジ」とよんでいます。大気下層において
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技試験1・問4今回は、前問の問4(1)の強雨域の形状の特徴に関連して、図10の気象衛星赤外画像では雲域で見たところ形状にやや違いがみられ、上層雲の幅が強雨域よりも広くなっていることについて、強雨域の雲の上端が到達する高さに着目して、上層雲の幅が広がる理由を述べよ、という問題です。(気象庁HP:積乱雲ってどんな雲?より)まず、赤外画像では、気象衛星で観測された地球放射を輝度温度に変換させ、輝
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・実技試験1今回は、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句または数値を考えてみます。(第1段落)まず、「図1によると、千島近海には前線を伴った低気圧があり、ゆっくりと(①)ノット以下の速さで北に進んでいる。」とあります。地上天気図では、高気圧や低気圧の進行方向や進行速度が記入されています。進行方向は白抜きの矢印で表示され、速さはノット(KT)で表示されます。1KTとは1海里(1852m)を1時
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1まず、図3の気象衛星画像は赤外画像であり、問題文では、「雲頂高度に言及して」とありますので、専門知識の復習として、雲頂高度による赤外画像の見え方について触れておきたいと思います。赤外画像は、地表面、海水面、雲から放射された赤外線、すなわち地球放射をとらえて画像化しています。一般知識で学習した「ステファン・ボルツマンの法則」では、ある物体が黒体であれば、その放射量は物体の絶対温度で決まる、ということでし
こんばんは。今回は、問1(3)①で解析した強風軸についての問題の続きで、今度は、図4の気象衛星赤外画像に見られる華南・華中から日本海にかけての木の葉状の雲域と強風軸の位置関係についての問題です。設問に対する直接的な解答の要素ではありませんが、木の葉状の雲域が何かについても触れながら、次回一緒に考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問1(3)(前々問の解答例)※記事中の問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。10日分の考察