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2025.12.12一日一季語榾(ほた・ほだ)【冬―生活―三冬】をんなきて火よりも淋し大根榾黒田杏子建物の燻煙囲炉裏の焚き火から立ち上る煙は、家中の萱や木材を燻して、防虫、防腐により建物の寿命を大きく伸ばす。現存する古民家でも、建物の保存のために、なるべく薪をくべるよう努められている。毎日、燻煙することで茅葺の屋根の寿命は40~50年。燻煙しないと20~30年の寿命だとか。囲炉裏上部の火棚には焚き火のヤニが大量に付着する。白川郷の神田家では現在も真夏でも火が焚かれ、
3月は別れと出逢いの季節。皆さんはどんな思い出がありますか?北国や雪国は時期が遅れるが、寒くて冷たい冬に数ヶ月閉じ込められていると、梅が咲いた・・と聞けば見に行きたくなる。桜が咲きそう・・と聞けば、親しい友人に声をかけ「一緒に桜を見た後一杯やろうよ」と誘いたくなる。3月は卒業を祝い、待ち遠しい入園、入学、入社を控えて、ワクワクしながらもかすかな不安を抱えて準備していると、その桜が咲き始める・・・そうした3月を前に、さいたま市に住
2025.12.11一日一季語甘蔗刈(かんしょかり《かんしよかり》)【冬―生活―仲冬】甘蔗刈のおほぞら誰も裏切らず櫂未知子全長約3メートルまで成長するサトウキビ。畑ではオノやカマを使ってサトウキビを刈る。とれたてサトウキビを丸かじりすると、甘~い汁が口いっぱいに広がる。収穫時期(12月中下旬~4月中下旬)には、原料茎長(葉部含まない)は約2mほどにも。茎自体が目的の収穫物で茎に糖分を蓄える。以前は手刈りが当たり前だったが、圃場整備が進み機械での収穫が容易になったり、生産
2025.1.1一日一季語初富士(はつふじ)【冬―地理―新年】初富士の裾野入れたる海の音中原道夫平成一〇年「銀化」創刊主宰この句の景は、初富士の大きかりける汀かな富安風生大正時代から昭和後期にかけての俳人・富安風生(とみやすふうせい)の作品を意識しているように感じる。どちらの句も、壮大な富士の姿が目に浮かんでくる。⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。【関連季語】初筑波(はつつくば)初浅間(はつあさま)初比叡(はつひえい)【季
事務所のお引越ししてから、段ボールに入った大量の荷物の梱包を解いて、移動した什器備品・書類などを予定していたロッカーや本棚の棚や引き出しに収め、電話、ネット回線、メールPC・コピー複合機の設定、それに不要なものの選別と廃棄などもあり、大変な作業量で大変な疲労感だったが、昨日あたりから通常業務にはいった感じようやくブログも再開できる状況になった。ブログを再開するといっても、何から始めていいやら・・・このお休みの間に私が何をやっていたかといえば、裏千家歴代好み物(茶道資料館
2025.01.16一日一季語竜の玉(りゅうのたま《りゆうのたま》)【冬―植物―三冬】返済は迫らずに待つ竜の玉鈴木良戈鈴木良戈さんに初めて会ったのは、初学の時、新大久保の俳句文学館で開催されていた、沖の中央例会の受付。短冊を渡され、多摩支部での句会とは、比較にならない人数の句会に圧倒された。そんな私に、優しく句会の事を教えてくれたことを思い出す。竜の玉は、非常に鮮やかで美しく、まるで宝石のように見える。硬くてよく弾むので、子供たちが弾み玉といってそれで遊んだりもする。
2025越生わくわくデー音楽ライブステージ(雨天決行)TikTokhttps://vt.tiktok.com/ZSfa3fwL7/坂戸市公益活動団体『北坂戸フォークソング倶楽部』発起人山木ジョージです。2025越生わくわくデー音楽ライブステージ(雨天決行)1.日時令和7年12月14日(日)10時00分~15時00分2.会場越生梅林内梅園会館3.駐車場越生梅林駐車場4.主催越生町観光協会5.共催梅の里くらしサポートセンター6.音楽ライブタイムテーブル(投げ銭ライブ)10:
2024.12.13一日一季語煤払(すすはらい《すすはらひ》)【冬―生活―仲冬】てつぺんに塩酸の壜煤払ひ今井聖俳句年鑑2025年版カラー口絵2024年100句選小林貴子選より今井聖1970年より加藤楸邨に師事。寒雷編集部を経て、1996年「街」を創刊、主宰。句集三冊。著書に小説『ライク・ア・ローリングストーン俳句少年漂流記』(岩波書店)、岩波ジュニア新書『部活で俳句』他。脚本を馬場當(ばば・まさる)に師事し1995年映画「エイジアン・ブルー浮島丸サ
2025.10.23一日一季語冴ゆ(さゆ)【冬―時候―三冬】とある革命に目覚めて月冴ゆる瀬戸優理子俳句四季2025年11月号わたしの歳時記冴ゆさっぽろ俳句倶楽部の活動である、夏雲システムを使った句会。第26回SHK通信句会「冴ゆる句会」の句を主にとりあげていただいた。歴史的な革命と言えば、フランス革命。フランス革命は、封建制度や身分制度に対する不満が高まる中で発生した。この句の革命は、このような大きな歴史的な革命ではなく、身近な子供の成長についてかも。9
2025.09.30一日一季語蚯蚓鳴く(みみずなく)【秋―動物―三秋】歌女鳴くや「地球の果て」といふ酒場中村和弘角川俳句2025年10月号巻頭作品50句より秋の夜、どこからともなく聞こえてくるジ丨という音。その昔、蛇は歌が上手だったが、目が見えなかった。蛇に歌を習いに行った蚯蚓が、目と歌を交換したという。柳田国男によって紹介された説話が季語となった。ところで、「螻蛄鳴く」という「秋」の季語もある。これはまさに螻蛄が鳴くのを指した季語。*長谷川等伯松林図
2025.01.26一日一季語着ぶくれ(きぶくれ)【冬―生活―三冬】着膨れし母の両手の小さかり細川洋子三十代で沖に入会した時、若手として舵の会などで一緒だった。青垣の句会にも、一度来られたことがあった。石川啄木の「たはむれに母を背負いてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず」この短歌を思い出してしまうような句。*沖平成9年2月号⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。【傍題季語】着膨れ(きぶくれ)【季語の説明】冬の寒さをしのぐた
2025.12.06一日一季語クリスマス【冬―行事―仲冬】磔像の爛るる聖夜ウクライナ直この俳句は、ウクライナの現状を背景に、キリストの磔像と、平和な祈りの象徴である聖夜という二つを鮮烈に取り合わせています。磔像は、苦しみ、犠牲、そして信仰の象徴としてありますが、それが爛れる(ただれる)と捉えられています。クリスマスの停戦を訴える声を無視するように、爆撃がつづくウクライナの現状を、この動詞によって象っているのです。聖夜:=クリスマスイブは、平和と喜びに満ちた夜として祝われま
2025.12.08一日一季語開戦日(かいせんび)【冬―行事―仲冬】ジョン・レノンと友の命日開戦日赤座典子1980年12月8日(月)22時50分ごろ、ビートルズのメンバーであったジョン・レノン(JohnLennon)がアメリカ・ニューヨーク市にある高級集合住宅ダコタ・ハウスの入口において、マーク・チャップマン(MarkDavidChapman)に銃撃され殺害された事件。レノンの殺害に関して、彼の反戦運動やその影響力を嫌った「CIA関与説」などの陰謀説も囁かれたが
2025.11.05一日一季語泡立草(あわだちそう《あわだちさう》)【秋―植物―初秋】ゆびきりの指の明るさ泡立草小西瞬夏小西瞬夏句集けむりの木秋の麒麟草は、花の群れ咲く様子を、酒造りの際に生じる泡に見立てた「アワダチソウ(泡立草)」という別名もある。山野で日当たりのよい所に生える。黄色い小さな花を円錐状の穂のように咲かせる。花の美しさをベンケイソウ科のキリンソウにたとえ、秋に咲くことから名付けられた。麒麟の由来は不明だが、黄輪草とも書く。⇒画像をクリックするとブロ
2025.06.12一日一季語苔の花(こけのはな)【夏―植物―仲夏】岩辷る銀の水苔の花東小薗美千子角川俳句2025年6月号結社歳時記未黒野特に春から初夏にかけて胞子をまく種類は特徴的な胞子体を観察できるので、絶好の“コケの”花見シーズン。人気なのはタマゴケ。名前の「タマ」の由来は、球形の蒴。未熟な蒴は青りんごのようなとても可愛らしい姿で、英名では“AppleMoss”と呼ばれる。しかし、だんだん胞子が成熟するにつれて、青りんごから目玉の親父のような姿に
2025.12.06一日一季語冬ざれ(ふゆざれ)【冬―時候―三冬】冬ざれやかつて砂金の採れし川山崎ひさを句集続青山抄より日本が「黄金の国ジパング」と呼ばれたのは、13世紀にマルコ・ポーロが『東方見聞録』の中でそう記したことが始まり。これは、日本には金が豊富にあり、建物の屋根まで金で飾られていると伝え聞いたためだとされている。初心者でも砂金採りが楽しめる体験型スポット【北海道・歴舟川(大樹町)】【山梨県・早川渓谷(身延町)】【島根県・石見銀山周辺】【静岡県・那賀川
2025.12.05一日一季語冬の泉(ふゆのいずみ《ふゆのいづみ》)【冬―地理―三冬】草の香の真青に立ちて冬泉杉山久子角川俳句2022年12月号作品12句凩より杉山久子氏は、第4句集「泉」で、2016年第1回俳句大学大賞受賞、第1回姨捨俳句大賞受賞。「泉」はその清涼感から「滝」などと同様に夏の季語とされるが、冬の日差しを受けた泉は、万物を眠らせていくような、独特の静けさがある。*2027年12月7日松本市内にて泉では何ですが、イメージとい
2025.10.11一日一季語梅擬(うめもどき)【秋―植物―晩秋】さみしげな子にくれてやる梅もどき仙田洋子ウメモドキという名前は、葉や花が「ウメ(梅)」に似ていることから名付けらた。別名に「オオバウメモドキ」は「ウメボトケ」。また、花や実が白色の品種を「シロウメモドキ」と呼び、黄色の実を付ける「キノミウメモドキ」や、葉の裏面や葉柄に毛が生えない「イヌウメモドキ」もある。球形の実が枝にたわわにつき、秋に赤く熟し、秋口から冬まで楽しめる。そんな梅にはなれない梅擬の哀愁を重ね合
2025.06.01一日一季語灼く(やく)【夏―時候―晩夏】ナミブ砂漠にて食糧の山羊と共寝の熱砂かな中村和弘第二十五回現代俳句大賞受賞「宿題の一句より」昭和初期の新興俳句時代に、誓子や秋桜子などによってはじめられた比較的新しい季語。灼くの傍題季語の熱砂。「砂灼ける」「風灼ける」などとも使う。前書きのナミブ砂漠は、アフリカ南西部ナミビア。ナミブ砂漠とカラハリ砂漠に代表される乾燥した地が広がる国。国名の由来は”何もない土地”。*ネットより引用」⇒画像をク
こんにちは。埼玉県ふじみ野市でクイリングを教えている大森千恵です。ワイヤークラフトやビーズ作りも楽しんでいます。☆☆☆ボタニカルクイリング・ジャパン認定講師レジュフラワー講師☆☆☆レッスンのご案内は本文末をご覧ください。名古屋の紙の温度さんでの日本クイリングギルド名古屋茶話会でした。今回は2泊3日とゆっくりです。ギャラリーでの歴代ボードメンバーの作品展示私の作品は「草花の歳時記」ミニクイリングタイムは大澤久美子講師によるお正月飾り
2月13日(木)の櫻撫子塾の公開講座【包み結びの歳時記講座】のご案内です。今回は、東大寺二月堂で行われる修二会の際に、本尊の十一面観音様に供えられる「糊こぼし」と呼ばれる椿の造花を作製致します。合わせて、椿に関するお話や私の椿をモチーフとした作品や持ち物をご紹介致します。*画像は、イメージです*〜「糊こぼし」〜〜立春の室礼〜先日の室礼のお稽古、立春大吉では、春を告げる盛り物としてしつらえました。日時:2025年2月13日(木)12:30
みんな大好き『カールさんとティーナさんの古民家村だより』(NHK)和と洋、古いものと新しいものが共存する古民家での二人の暮らしを中心に、豊かな自然の中、ゆるやかに繋がりながら生きる人々を描く映像歳時記です2月23日(日)放送予定なのが⬇︎episode.232024春episode.232024春-カールさんとティーナさんの古民家村だよりまた新たな古民家の再生を始めたカールさん。古民家ゲストハウス運営という新たな人生に踏み出す人も。集落ではホームステイの留学生を交え穏やか
2025.12.02一日一季語石炭(せきたん)【冬―生活―三冬】君をポップに石炭を焼べる秋尾敏角川俳句2025年12月号作品16句君をポップに引用地方によって、五平太(ごへいだ)、石炭(いしずみ)、岩木(いわき)、燃石(もえいし)、烏丹(うに)、烏朱(うし)などと様々に呼称されていたという石炭。石炭をリズミカルに焼べる。これは、蒸気機関車などを想像させられる。火室への燃料供給は人力(シャベル)による投炭。大きな動力を得るために、D51形では、3.27m2まで
青空を動かさぬよう魞を挿す佐藤日田路句集『不存在証明』より。季語は「魞挿す」で春。竹簀を水中に立て、その先を袋状にし、そこから魚が出られないようにした定置網漁具。(中略)おもに、河川、湖沼、入江などで用い、ことに琵琶湖が有名。ー『現代俳句歳時記春』角川春樹・編ー「竹簀(たけす)」は細い竹、細く割った竹などを編んで作った敷物のことだが、それを水中に立てるわけだから、魚を逃がさない「網」の役割になるのだろう。「定置網(ていちあみ)漁」は他の漁法のように、魚
4月30日のブログで、自分図書館で見つけた丸山真男の『日本の思想』のことを書いた。最後のページの右上の隅に鉛筆で「80」と書かれている、いつどこで買った分からない古本である。昔の古本屋は、値段をこのように表示していた。最近、そういう古本屋を見かけなくなった。教室に話をしに来た大学生に、これ何かわかる?、と鉛筆書きの「80」を見せてみたところ、案の定、それ何ですか?、という返事が返ってきた。古本屋と言えば、ブックオフしか知らない世代である。昔ながらの古本屋は、絶滅危惧種で
尾池和夫の記録(444)新氷室歳時記の完成氷室俳句会同人会の企画で『新氷室歳時記』を編集して完成しました。まず季語をしっかり選びました。例句は氷室俳句会の会員の句としました。例句のない季語も掲載してこれからの作句の目標としました。索引を現代仮名遣いで付けました。俳句の歳時記として活用していただきたいと存じます。
2025.12.09一日一季語寒風(かんぷう)【冬―天文―三冬】ひん曲がる迄寒風に晒されむ斎藤信義冷たさ・厳しさを表したい寒風冬らしさ・季節感を出したい北風格式高い文書寒風一般向けの挨拶北風⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。【傍題季語】寒風(さむかぜ)【季語の説明】冬の寒い風のこと。北風にかぎらず、寒さがひとしお堪える。【例句】寒風や土手の真下の狼煙跡遠藤和彦寒風や野鳥群
「色のイメージに意味があるのか」色彩の勉強を始めたころ、多くの色彩関係の本を読みました。その中に1993年3月15日第1刷の「色の彩時記~目で遊ぶ日本の色(朝日新聞社・発行)がありました。編集後記には「四季の自然の彩りには“色の息遣い”があることに感動を覚える」と書かれています。この本から学んだことも多くありましたが、その中に「色のイメージと意味」として、どんな意味なのか紹介する近江源太郎・著のページでした。まず色の王者は「赤」からと始まります。「
2025.11.11一日一季語蟬氷(せみごおり《せみごほり》)【冬―地理―晩冬】蟬氷踏めば砕ける少年期坂田晃一第一句集耳輪鳴る「蝉氷(せみごおり)」は、冬に手水鉢などの水面に薄く張った氷にはスジが入っていて、それが透明な蝉の羽に似ていることからつけられた季語。晩冬の氷の季語の傍題季語の一つ。この薄さだと、立春を迎えた後では薄氷となるような薄い氷。この句では、少年期のもろさとの二句一章とも、踏めば砕けるのは、蟬氷にもかかっている。⇒画像をクリックするとブログ
2025.08.23一日一季語馬鈴薯(じゃがいも《じやがいも》)【秋―植物―初秋】じやがいもに小鬼の角のごとくに芽杉山久子「貧者のパン」という言葉がある。南米生まれのじゃがいもは、インカ帝国滅亡ののち、スペインへ。そこから、フランスやドイツの啓蒙君主たちが普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。どこでも栽培できて、栄養価の高いじゃがいもは、かつて「貧者のパン」として、歴史を動かしてきた。北海道足寄に実家があった元妻の実家から、大量の馬鈴薯を送ってもらったことが