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エールフランス447便墜落事故-Wikipediaja.wikipedia.orgおはようございます、今日はこの件についてお話します。私達パイロットが事故を研究するのは、その事故の原因を考え自分たちが二度とその悲劇を起こさないために個々が対策を行うためです。ご覧になる方は不安になられるかもしれませんが、現在の航空業業界の安全の成り立ちを説明することで安心材料を増やしていただきたいとの思いがあります。さて、この事故は非常に有名です。原因はやはりPitotの
おはようございます。いつもありがとうございます。さて、今日から何回かに分けて後方乱気流についてお話したいと思います。まず、後方乱気流とは何か?別名ウェイクタービュランスともいいますが、「先行機のジェットブラスト(排気)や飛行中に翼端から発生する渦流(翼端渦)による気流の乱れ」ということができます。つまり、他機の後方を飛んでいるとその飛行機によって乱された気流の影響を受け、自分の飛行機が揺れてしまう現象です。「なんだ、大したことないんじゃないか?」と思われる
Morgenrot-現役パイロットによる航空のお話-DMMオンラインサロン現役の国内航空会社旅客機で機長を務める代表と、副操縦士によるオンラインサロンです。飛行機の不思議や豆知識、パイロットのマネージメント、危機管理、運航の現場の裏側など航空ファンにはたまらない内容をお届けします。lounge.dmm.comおはようございます。いつもありがとうございます。昨日は積乱雲の影響で目的地変更=ダイバートした、という話をしましたのでその話題からお話します。皆さん、「
昨日たまたまTikTokに流れてたのを見て,,,なんだこりゃあ!ーーー??ってなったんだけど。TikTokはアカがバレるのでYouTubeさがしました!この3本は北海道弁バージョンで、TikTokのは出雲に向かう機内アナウンスで、ナムも真っ青なラッパーになってた!興味ある人は山浦機長,JAL、出雲行きで検索したら出てくるかと?小樽出身菜々ねー!何の前知識もない状態でこのアナウンスされたら,え?え?何事?,,,ってなって爆笑でしよ??え?機内アナウンスが北海道弁!?JALで人気飛行機に
おはようございます。いつもご覧いただきありがとうございます!今日は、「離陸後フラップはいつ収納しているのか?」という疑問に答えます。離陸時にフラップが必要な理由は昨日説明しました。『離陸フラップが浅い理由』おはようございます。たくさんのコメントありがとうございました!いろんな考えをしていただいて、私もなるほどー!と思った解答もありました。では、「なぜ離陸時は着…ameblo.jpでは、いつまで必要なのか??一般的に、最近の旅客機では対地3000Feet(91
今日は自戒の念も込めて。。。やれやれな1日に思ったことを書いておきます。昨日は意に反して1日を飛行機の移動に費やしてしまいました。本来なら飛行時間は3時間。けれど機体に故障が見つかり、機内で動かぬまま1時間、合計3時間以上をラガーディア空港のラウンジで過ごしました。アートバーゼルで一年中で一番サウスビーチが混み合うシーズンです。朝9時に家を出て11時ちょっと前に発つ飛行機に乗り、マイアミに2時過ぎには到着し、午後はゆっくりできる予定でした。
おはようございます、昨日は着陸をテーマにお話しましたが、たくさんのコメントをありがとうございました!改めて「着陸」については皆さんが思われることが多いのだな、と感じることができました。遅くなりますが必ずお返事させていただきますので、返信欄もまたご覧になってください。皆さんがまた聞きたいことがありましたらコメントいただけると嬉しいです。今日は昨日お話していた「オートランド(自動着陸)」のお話を。オートランド機能は、ILS進入がある空港で可能です。会社によっ
今年会社を閉じ、夫も昨年より仕事量をうんと減らしリモートワークがメインな今、気軽に世界中のどこにでも住もうと思えば住めるようになりました。「どこに住む?」そんな話をよくするようになりました。夫は1昨年フロリダ州に運転免許証を移しました。所得税がかからず、うんと税金を節約できるためです。同じ理由で、リタイアした後、フロリダ州のパームビーチなどに引っ越すニューヨーカーのなんと多いことか。でも、長い話を短くすると、結局今年また、免許証をニューヨーク州に移しました。わた
おはようございます。連日、日本航空のA350と海上保安庁機の衝突事故について報道されています。乗客の撮影した動画で子供が「早く開けてくださいよー」といいながら脱出を待っているものがありましたね。この動画の良否は置いときまして、なぜ緊急脱出が瞬時に行われないのか?解説します。客室乗務員は、基本的に「機長からの緊急脱出の指示」を待ちます。場合によっては客室乗務員の判断で脱出を開始する場合もありますが、特例と言っていいでしょう。ではなぜ「機長」の指示が必要なのか?それは、「緊急脱出する
おはようございます。たくさんのコメントありがとうございました!いろんな考えをしていただいて、私もなるほどー!と思った解答もありました。では、「なぜ離陸時は着陸時よりも浅いフラップ角度なのか?」という問いに対しての答えです。フラップは、展張角度によって・「LIFT(揚力)のみ増加する角度」と・「LIFT(揚力)とDRAG(抵抗)両方が増加する角度」があるんです。浅いフラップ角度ではLIFT(揚力)のみの増加ですが、徐々に深くしていくとLIFT(揚
Morgenrot-現役パイロットによる航空のお話-DMMオンラインサロン現役の国内航空会社旅客機で機長を務める代表と、副操縦士によるオンラインサロンです。飛行機の不思議や豆知識、パイロットのマネージメント、危機管理、運航の現場の裏側など航空ファンにはたまらない内容をお届けします。lounge.dmm.comおはようございます。いつもありがとうございます。昨日は「エルロン・トリム」について説明しました。今日は「ラダー・トリム」についてです。昨日最後に、「ラ
<関連記事>パイロットになるは?国内編パイロットになるは?海外編国際線パイロットのスケジュール!パイロットに必要な英語力皆さんはパイロットと聞くと、年収が高い職業かと思われるかもしれません。しかし、実際は会社やランクによってかなりの差があることをご存知でしたか??今日は皆さんも興味があるかもしれない、日本、そして世界のパイロットの年収はどれくらいなのか、詳しく書きたいと思います!前置きが結構長くなるので、収入が気になる方はここをクリックしてスキップ!
1月2日の海上保安庁とJALの飛行機事故は38年ぶりの事故でした。38年間事故がない中で訓練を怠らずCA達の的確な対応によりJALの乗客は全員脱出することができました。炎の上がる中で脱出口は8つのうち3つしか使えなかったにもかかわらず370名近くの乗客が脱出に成功、最後の最後にCAと機長が脱出。その後10分でエンジン爆発。本当に危機一髪。素直に凄いなと思いました。CAや機長だけでなく乗客も冷静に指示に従ったのも大きいですね。本当によかった。私の友達に何人かCAが
おはようございます。いつもありがとうございます。最近更新が滞っていてすみません💦フライトだけではなく様々な業務で忙殺されておりまして・・・こんな状況がしばらく続くかと思いますがご了承ください。さて、先日のALTNの話にはたくさんコメントを頂きました。ありがとうございました。結果だけ見れば「なんで?」って思われるときでも、実はコックピットでは様々な検討とコーディネーションが繰り広げられているんです。そんな「舞台裏」をちょっとだけですがお話したことになります。さて
おはようございます、いつもご覧いただきありがとうございます!さて、ここまでフラップの役割について見てきました。「後縁フラップ」の役割については分かっていただけましたか?では今日は「前縁フラップ」についてみていきましょう。主翼の前縁についているこの高揚力装置、飛行機によって実は形が違うんです。例えばこのタイプです。①そしてこのタイプ②違いが分かりますか??①はエアバスが積極的に採用しているような気がしますが、「スラット」といいます。
今年もアートバーゼルの時期にサウスビーチにやってきました。こんなことができるのも、30年前、先見の明で夫がサウスビーチに小さなコンドミニアムを購入したから。まだわたしと知り合ったばかりの頃でした。当時はまだ治安もそこそこ。怪しげなエリアもたくさんありました。それでもアールデコの美しいビルを守ろうと立ち上がったひとたちのおかげで、アールデコ指定区にポテンシャルを感じ、このアパートを手放そうと思ったことは一度もありませんでした。ニューヨークとマイアミは飛行機で3時間。時
こんにちは。いつもありがとうございます。今日はこのニュースから。トラブル続きのJAL、パイロット・CAに5年半ぶり「滞在先禁酒令」前回は解除まで5か月(J-CASTニュース)-Yahoo!ニュース日本航空(JAL)で安全をめぐるトラブルが相次ぎ、国交省が2024年5月、行政指導にあたる厳重注意を行った。注意の対象になったトラブルは5件。そのうちの1件が、パイロットが滞在先の米国で飲酒トラブnews.yahoo.co.jpアルコールについては過去何度かこのブログで紹介してきていま
【はじめに】Bloombergに面白い記事がありましたので共有させていただきます!日本の航空業界に潜む問題について取り上げてくれています。※画像はイメージです日本の観光立国化阻むパイロット不足、即戦力の外国人には給与の壁記録的な数の外国人が日本を訪れる一方で、国内航空会社のパイロット不足が深刻化しつつある。現在、50代の機長の多くが定年を迎えていくことも減少に拍車をかける。www.bloomberg.co.jp【問題点と現状】政府が掲げる観光立国になるためにも更なる外国人の誘致は必須で
おはようございます。いつもありがとうございます。皆さんもご存知と思いますが、先日こんなインシデントがありました。(国土交通省の定める重大インシデントには当たらないそうですが、今回は便宜上インシデントと記します。)JALのA350、札幌行きJL521便が無線機故障ライトガンで着陸許可(AviationWire)-Yahoo!ニュース4月18日午後、日本航空(JAL/JL、9201)の羽田発札幌(新千歳)行きJL521便(エアバスA350-900型機、登録記号JA02XJ)が、函館の東
おはようございます、たくさんコメントいただきましてとても嬉しいです。読んでくださってありがとうございます。頑張ろう、という元気の素になります!またここに書くネタ切れか、と思いながらもご質問やご意見をいただくと、それに関するお話ができますので助かります!是非「これが聞きたい」などありましたらメッセージでもコメントでもいただければ嬉しいです!さて今日はGAのお話の予定でしたが、同じ話題が続くのでちょっと変更します。今日はスポイラーについてです。スポイラーは、着陸のときに羽の
おはようございます。いつもありがとうございます。ここ数日の話題として、「飛行高度」をお話しているんですが・・・高い高度はその飛行機の持つ最大巡航高度で制限されていましたね。では、どこまで低い高度を飛ぶことができるのか?今日は、「航空路の最低高度」についてのお話です。最低高度は、フライトする航空路ごとに決められています。元々フライトプランというものをファイルして、その通りのルートを飛行することになっています。以下の航空路図を御覧く
おはようございます!昨日はAPUについての質問に答えていただきありがとうございました!今日はAPUの役割についてお話します。APUについて理解してもらった後、何回かに分けてAPUが作動しない場合の対応、上空でのAPUの使用などを説明します。まず、基本的にAPUは地上で使います。最近は燃料節減のため地上でのAPUオペレーションを最小限とする方向ですが、今回は通常のオペレーションを説明します。飛行機が着陸すると、ブロックイン前にAPUをスタートします。その理由は2つ。エンジンをシャッ
おはようございます。いつもありがとうございます。前回のブログでお話したパイロットの搭乗記、たくさんの方に読んでいただけて嬉しく思います。ありがとうございます。悪天候で揺れた香港へのフライト〜連載【パイロットが乗客に!マニアック搭乗記】|AIRLINEweb-月刊エアライン×航空旅行-普段、飛行機の一番前にあるコクピットに座るパイロット。そんなパイロットは乗客としてキャビンに乗っても、フライトのことが気になってしまうもの。本連載ではパイロットが1人の乗客とし
過去記事「JAL国際線パイロットの酒問題(1)」で書いたJALのベテラン機長2名が過度な飲酒によって運航遅延した件ですが、JALがこの2名を解雇したことを発表しました。グループ内でも再雇用しないとしています。前回ブログに書いた際は「59歳の機長(飛行時間1万5632時間)と56歳の副機長(飛行時間1万3310時間)ってことは以前から飲酒運転してたかも」的に書きましたが、副機長は2018年にも飲酒が原因で国内線乗務前にアルコールが検知されたとも発表しています。ほとんどの操縦士は毎日節
おはようございます、いつもありがとうございます。さて、この数日間MELからのAPUについてお話をしてきました。皆さん、少しはご理解いただけたでしょうか?例えば、APUやキャビンのライトなど、装備品の不具合ではあるものの運航が可能だとする基準をMELといいました。では、フラップのフェアリング(翼の後ろの出ているカバーみたいなもの)とか、だいぶ前にお話したStaticDischargeWiresの一部が欠損しているときも、MELを適用するのでしょうか??(フラップ下の細長い
おはようございます、今日は飛行機のブレーキについて説明します。先日、ブレーキはラダーペダルをつま先で踏むことで作動すると言いました。つまり、車と違って左右別々にブレーキを踏むことができるのです。最初は左右均等に踏むことができず、苦労したものです。またブレーキのシステムは基本的に油圧で作動します。車と同じです。違う点は、「メインホイール」にしかブレーキが装着されていないことです。車は4輪についてますよね。B737やA320だと、あの大きな飛行機をメインホイー
おはようございます。いつも読んでいただきありがとうございます。昨日までは、後方乱気流が特に離着陸に大きな影響を与えること、その発生のメカニズムについてお話してきました。今日は、その後方乱気流=ウェイクタービュランスを軽減させるために取られる「管制間隔」についてご説明していきます。「後方乱気流区分」といものがあります。その飛行機の「最大離陸重量」によって決められるのですが、その区分は以下のようになっています。①Super:A380など、超大型の飛行機
今回の旅行では地方へも行ったのですが、電車の旅も捨てがたいということで往路を電車(3時間)、中間をレンタカー、復路は飛行機で旅行しました。電車は凄く快適でした。席は「ここはA駅からC駅までは予約されています」みたいに表示されていて、例えば隣に他の人が座りそうだから別の空席のところへ移ろうかな、なんてのもその表示を見て判断できるのはとても便利でした。日本のニュースで新幹線指定席にチケットを持ってない人が乗って…云々というのを読むことがあるけれど、新幹線も席が予約されているかどうかは座席に表示さ
おはようございます、昨日はPitot系統の防氷について書きました。今日はその他の防氷について。まずは操縦席の窓についてはWindowHeatといって、これも常に加熱しています。もちろん着氷防止の理由もありますが、もうひとつ、バードストライクなどによる破損防止の役割も兼ねています。操縦席の窓は何枚かに分割されていますが、側面窓のHeatingについては会社によってオプションのことがあります。そして、一番大きいのは「EngineCowlAnti-ice」および「Wi
おはようございます。昨日の質問にご回答頂きありがとうございました!なかなか難しい質問でした。正解にたどり着くには、今日から何度かに分けてお話する「原則」を理解していただいてから、となりますのでお付き合いください。でははじめに、「旅客機がなぜ高いところを飛ぶのか?」についてお話します。その理由は、「燃費がいいから」です。基本的に、高度が高ければ高いほど「空気の密度」が低くなります。そのため、「空気抵抗」が減ります。「空気抵抗」が小