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私は根治を目指した進行乳がん診療において、造影CT画像をとても大切に考えています。その理由の1つが、単純CT画像では、①リンパ節と血管の見分けがつき難く、頚部や鎖骨上・下、縦隔、腹部リンパ節転移を見落とす可能性が高い。ためです。『進行乳がん治療における単純CT画像と造影CT画像』50歳代で、切除不能、縦隔リンパ節転移陽性の方が転院して来られました。「もう治ることはない、あとは延命治療、原発巣を切除することは出来ない」と主治医に伝えられ…ameblo.jpこれはあくまでも私自身の能力に当
ある本を読んでいましたら、マザー・テレサの次の言葉に出会う事が出来ました。「自分は、いわゆる偉大なことはできないが、小さなことの一つひとつに、大きな愛をこめることはできます。」私が乳がん診療を行う上で一つひとつの事柄に、正にその様な気持ちを込めて行っている事に改めて気付かされました。もちろん早期乳がん診療に対してもそうではありますが、殊更進行乳がんの根治を目指す為には、ありとあらゆる事に対して最大限に神経を研ぎ澄まさなければ、到底根治に辿り着く事は叶いません。(※あくまでも私の診療の場合
昨日2026年2月19日「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん」に対する治療薬として、HER2チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)である、tucatinib(ツカチニブ、ツカイザ)の日本での製造販売が承認されました。経口投与薬で、trastuzumab(トラスツズマブ、ハーセプチン)とcapecitabine(カペシタビン、ゼローダ)との併用となりそうです。HER2蛋白は、「細胞外ドメインー膜貫通部分ー細胞内ドメイン」からなります。ツカチニブは細胞内ドメイン
40歳代前半ルミナルタイプ肝・骨・内胸リンパ節転移再発の方が転院して来られました。それまでの内分泌療法は良く奏功していました。この方は延命ではなく、出来る事なら無病状態到達からの根治を望まれました。『向かいたいゴールへ向かう為にベストな治療を選択する事』40歳代前半、右乳がん術後の方がお越しになられました。30歳代半ばに根治手術を受けておられました。ルミナルタイプ乳がんで、術後補助内分泌療法としてタモキシフェ…ameblo.jp内胸リンパ節転移と骨転移は完全寛解に到達と判断しました。
進行乳がんの中には、「StageⅣ(ステージ4)乳がん」があります。その他に「再発乳がん」や「切除不能乳がん」があります。再発乳がんの中でも、「局所再発乳がん」と「遠隔転移再発乳がん」とがあります。今回はその中でも特に、「ステージ4乳がん」と、「遠隔転移再発乳がん」について、少し深く掘り下げたいと思います。時に乳がんの治療を受けられている方々のブログ等で、「初発ステージ2、手術から5年後に肝転移発覚。ステージ4になりました。」と言う記載や、それに似
50歳代で、ルミナルタイプ、切除不能、縦隔リンパ節転移陽性の方が転院して来られました。主治医には、「もう治ることはない、あとは延命治療、原発巣を切除することは出来ない」と伝えられたそうです。それをどうしても素直に受け入れることが出来ず、私のセカンドオピニオン外来にお越しになられました。私は、これまでの治療経過や現状から、必ずしも諦める必要は無い、まだ何とかなるもしれない、無病状態に到達し得る可能性は充分にある、と考える事をお伝えしました。そう私が考える理由を、具体的に出来るだけ分かり
乳がんは他のがんとは桁違いに治療が長期化しやすい、特異的にしつこいがんです。あんぱんののぶちゃんのモデルとなった小松暢さんは4年超、「ステージ4乳がん」と、女優の田中好子さん(最後はやはり「ステージ4」に)はなんと19年も闘病し、死を迎えてしまいました。「乳がんときれいさっぱり、短期間でお別れしたい…」方向けに「乳がん根治レーダー」を提供中です。1年間、「月刊がんでも生きる」を送付するとともに、大反響となった、「乳がんは神経細胞を利用し、再発・転移を狙い、さらに超長期間、潜伏もする」こと
トリプルネガティブ乳がんは、いくつかあるサブタイプのうち相対的に、特に進行乳がんで増殖速度が速く、治療困難例が多いと感じています。もちろんトリプルネガティブ乳がんでも比較的大人しいタイプがあったり、逆に他のサブタイプで増殖速度の速い乳がんも沢山あります。進行トリプルネガティブ乳がんの中でも治療に良く奏功し、一直線に完全寛解にまで到達する例もあります。この様なタイプは、たとえ進行乳がんであっても、その多くが長期無病状態から根治を充分に目指せると考えています。一旦治療に良く奏功して、一気に原
私の机の上に、私にはあまりご縁がないと思しき所からの小さな封筒が届いていました。何度か自分宛である事を確認してから思い切って開けてみました。完全に忘れていたのですが、過日に対応させていただいた時の御礼状と御礼の品でした。大した事ではないのでと、何度も固辞させていただいたのですが、5,6回お断りしても埒が開かず、仕方なく名前と病院名をお伝えさせておりました。素晴らしいボールペンをいただきました。でも普段使いだと、JRの職員みたいかなとも、ふと思いました。全てのものは使って初めてその価値
北の大地からもうお一方この方も無病状態で年末を迎えていただけました。本当に良かったです。それと以前、足の母趾が陥入爪で、そこが感染を起こして不良肉芽が盛り上がり、痛みを訴えておられた事がありました。その当時、基本的にはまだ進行乳がん治療を優先に考えないといけない時期でした。皮膚科や形成外科、整形外科に紹介すれば、色々と治療法はあるかと思いましたが、頻回の通院は無理ですし、診察までにそれぞれかなり待たなければなりません。万が一飛行機に間に合わなければ大変です。次にお越しになられるのは
少し前に金毘羅宮に参拝させていただきました。『春の金刀比羅宮へ』季節の変わり目です。皆さま体調崩されませぬ様に。私も様々環境が変わりつつあり、疲労・疲弊が蓄積してきています。でも今までの状態が続くよりは、変化の先の方が精神…ameblo.jpそちら方面にお住まいの方で私のブログを読んで下さっている方が居られるそうです。私のある患者さんがその方のご友人だそうで、その方のお店からお取り寄せされた鰹節をお裾分けして下さいました。シンプルに炊きたてのご飯に鰹節をたっぷり乗せました。看護師さんや
60歳代後半、ルミナルタイプ乳がん術後、骨転移再発、急速に進行する肝転移再発の方の治療に当たらせていただきました。『急速に進行する肝転移を目の前にしての医師の治療方針の違い』60歳代後半、ルミナルタイプ乳がん術後、肝転移再発、骨転移再発の方が来院されました。骨転移は何とかまだおとなしそうでしたが、肝転移は肝生検を挟んで2ヶ月足らず…ameblo.jp幸いにもこれまでにあまり治療薬は使われておらず、戦う武器は揃っていました。再発時の骨盤のCT画像です。矢印の先に骨転移があります。反対側の
60歳代女性、左乳がん40歳代でT1N0M0StageⅠの診断で、Bp+Axを施行。ER+,PgR+,HER2-,Luminaltype術後補助療法として、EC×4→LH-RHagonist+TAM(タモキシフェン)4.5年間で終了。その15年後、多発骨転移再発と診断。骨転移巣に放射線照射施行。AI(アロマターゼ阻害薬)+DENO(デノスマブ、ランマーク)12ヶ月間投与後腰椎転移がPD(増悪)。FUL(フルベストラント、フェソロデックス)+P
経口SERDの1つであるImlunestrant(イムルネストラント)が、ER陽性進行・転移乳がんに対する治療薬として、早晩臨床導入される事が期待されています。最良の内分泌療法薬にも関わらず、その治療対象がかなり限定的となる事が見込まれています。『かなり雲行きが怪しい経口SARDの臨床導入』私は内分泌療法薬としてSERDに分類される、fulvestrant(フルベストラント、フェソロデックス)を高く評価しています。唯一の利点でもあり欠点は、「経…ameblo.jp詳細は勿論異なる可能
60歳代前半、局所再々発、対側二次性炎症性乳がん、多発肺転移、いずれもHER2タイプの方が紹介受診されました。『局所再発、対側二次性炎症性乳がん、多発肺転移』50歳代後半、両側乳がん(局所再々発、対側二次性炎症性乳がん)、多発肺転移の方が来院されました。14年以上前(当時40歳代前半)に右中央部乳がん、T2N1M0…ameblo.jp経過からすると長期であり、根治しないままに再燃と消退を繰り返しながら、乳がんの転移が全身に広がっていっており、非常に悪性度が高いと考えます。また現在残っている
昨年進行乳がん治療中の患者さん方と屋形船から花見をしました。『観桜の想い出』今年は私の大切な方々と船上から夜桜を観る事が出来ました。前日雨が少し降りましたが殆ど影響無く、当日も当初は雨予報でしたが良い天気に恵まれました。参加された皆さ…ameblo.jp満開でした。進行乳がん治療は本気で根治を目指すつもりなら、患者さんも医師もそれなりにとても大変です。全ての方が、本来殆ど治らないとされている病気に立ち向かう訳ですから、その精神的負担は尋常ではありません。来院された時の病状によっては、無
40歳代前半、右乳がん術後の方がお越しになられました。30歳代半ばに根治手術を受けておられました。ルミナルタイプ乳がんで、術後補助内分泌療法としてタモキシフェンが開始されましたが関節症状が強く、LH-RHアゴニストとアロマターゼ阻害薬に変更し継続しておられました。根治手術からおよそ6年後、定期的な検査で右(患側)の内胸リンパ節の腫脹を指摘されました。穿刺吸引細胞診でClassⅢ。基本的にリンパ節の細胞診で良性か悪性か確定出来なくとも、そもそも正常なリンパ節には上皮系の細胞は存在しない