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読書日記2025-50ふうふうつみれ鍋居酒屋ぜんや⑦坂井希久子(著)[角川春樹事務所2019年9月発行]あらすじ武家の次男坊・林只次郎は、当代一の美声を誇る鶯ルリオの雛が成長し、美しい声音で歌い始めたことに喜ぶ。その雄の若鳥一羽を馴染みの旦那衆の誰に譲るかを、居酒屋「ぜんや」で美味しい食事を囲みつつ決めることになった。豆腐と筍のうま煮、筍羹、筍ご飯と筍づくしの絶品料理が並ぶなか、旦那衆は鶯への愛情をそれぞれの表現で主張するのだが……。心にも体にもしあわせ沁み渡る、傑作人情
新川帆立さんのミステリー小説、新刊です。この方の作品は読みやすいし面白いですね!読んで最初に思ったのが、「これは本当の話なのか?作り話なのか?」でした。ルポライターが犯罪の加害者にインタビューするドキュメンタリー風の構成で、実際にあったかのような感覚を与えます。テーマは少年犯罪です。それと『目には目を』というタイトルにもあるように、復讐の是非に関して。というか、人の命を奪った者が償いとして差し出せるものは、究極的には自分の命しかないのかっていうことを問いか
これはもう、文句なしの名作アルフレッド・ベスター著ジャンルSF著者アルフレッド・ベスターと言えば『虎よ!虎よ!』で記念すべき”第一回”ヒューゴー賞を受賞している作家だ、本作もヒューゴー賞に輝いている。アメリカでは”ヒューゴー賞”といえばSFでは最高の名誉なのは言うまでもない。賞を取ったから名作だと言うつもりは毛頭ないが、本作『分解された男』は古典SFの中でもきわめて良く出来ている。さて、どんなお話かと言うと・・・。舞台は近未来のアメリカ、どういうわけか人類
フェノロサと岡倉天心といえば、コンビの相方みたいに日本史の授業ではセットで覚えるべきものでした。そして岡倉天心は、教科書の写真がなんかヘン・・・奈良時代みたいな服装をしてませんでしたでしょうか。(何者なんだこの人?)というインパクトで覚えやすかった記憶があります。これって今思うに、天平文化推しが趣味でやってるコスプレだったのでしょうか・・・そういう推し活の姿が後世の若者たちに晒し者になってるってのはなんだか・・・本人にとって良かったのか悪かったのか。(余談
桂望実さんの『地獄の底で見たものは』の感想になります。あらすじ離婚、クビ、収入ゼロ……。もう、だめかもしれない。そこからも、人生は続く。日常に突如現れた落とし穴から、したたかに這い上がる!『県庁の星』の桂望実が描く、アラフィフ女の低温地獄。長年夫を支えてきたつもりだったのに、急に離婚を切り出された専業主婦。新規事業を立ち上げて15年、働きぶりを否定された会社員。ともにオリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。22年間続けたラジオ番組をクビになり、収入が途絶えたフリー
最近のお気に入りで、よく読むのです。文豪たちが書いたシリーズ。今回は喧嘩のお話。表紙は太宰治と中原中也でしょうね。ところでこのシリーズの収録作品は確かに文豪の短編なのだけど、中には「????」という、ラリって書いたんじゃねーのかと思われる解釈不能のものも含まれるので、意外とそれが楽しみだったりする。まずは、やはり・・・●『市井喧争』/太宰治〜押し売りとの言い争いで劣勢になる太宰〜サブタイトルが哀愁を誘う・・・これは太宰治のエッセイ的な作品。この人って
読書日記2025-51当確師正義の御旗真山仁(著)[光文社2024年5月発行]あらすじ当選確率99%を誇る選挙コンサルタント、聖達磨。現与党の次期総裁選が近づき、続々と議員が候補に名乗り出る中、彼が参謀を務めることとなったのは、新時代のリーダーと目される政治家・本多さやか外相だった。時を同じくして、新聞社のベテラン記者が静かに動き出す。聖も関わりのある、22年前に起きた大疑獄の可能性を秘めた事件に迫るために……。『ロッキード』も話題の著者がつぶさに描く選挙戦エンタテイ
米内光政さん。盛岡旅行に行った時に、「盛岡市先人記念館」に地元の偉人として展示がありました。海軍大臣、総理大臣経験者。そして、太平洋戦争末期の鈴木貫太郎内閣で、終戦に向けて協力した立役者です。そして、明治五年から続いた帝国海軍の歴史に幕を下ろした人でもあります。なのにどうも・・・地味影がうすい(リスペクトされている方からは怒られそうですが)先人記念館で展示を見ても、いまいちピンとこなくて、伝記を読んでみました。この本は先日読んだ『山本五十六』と同じ阿川
わたしはどうも、愛ゆえの狂気というのがテーマとしてすきらしく。この本がまさにそんな感じで、ホラー短編集で面白かったです。作品が書かれたのが93年から98年までの間で、時代としては少し古い描写ではありますが・・・(携帯電話がなくて固定電話だったり、個人情報保護がユルユルだったり)それでも、人間の感情の交錯は不変だな、と思いながら読んでいました。いくつか抜粋。⚫︎『よもつひらさか』神話と現実を織り交ぜたファンタジーホラーなお話。最終話だったけど、これが一番印象に残りまし
レビューしなくてもいい内容かなと思いましたが、一応読んだので感想だけ残しておきます。今回読んだのはコチラ↓ルポ学校がつまらない公立小学校の崩壊Amazon(アマゾン)小林美希さんの『ルポ学校がつまらない公立小学校の崩壊』という本です。本書は「学校がつまらない」と思う原因について調査した本というよりは、「公立小学校が崩壊しているorする」原因について書かれた本になります。①学校がつまらない原因は?型にハマった教育(教室のルール)に馴染めなかった子がク
澤村伊智さんのホラー短編集です。こういう、何気ない日常に潜む「ちょっとヘンなこと」ってのが一番怖い。この本は特に残酷だったり猟奇的だったりはしないけれど、じゅうぶん怖い。いやードキドキしましたねー。いくつかピックアップ。●ひとんち「その家特有の不思議な習慣」がテーマ。例としては、麦茶に砂糖を入れて飲む習慣とか、物に変な固有名詞をつけて呼ぶとか。それで思い出しました。わたしの育った家では、納豆に砂糖を入れてかき混ぜて食べる変な習慣がありました。
主人公の松尾純一郎の立場になって、自分と松尾さんを重ね合わせながら読み進めました。自分の夢を叶えるために55歳で大手ゼネコンを希望退職して、退職金を注ぎ込んで喫茶店をオープンしたがうまくいかず、家族からは見放されて卒婚(熟年離婚)となってしまったバブル世代の57歳のおじさんのお話。妻から「あなたって本当に何もわかってないのね」と言われ、娘からは「お父さんって、本当に何もわかってない」前妻からは「あなたは相変わらず、何もわかっていない人なんですねえ」同期入社の友人からは「お前は本当に、何
ご訪問ありがとうございます。うしずのです。原田マハさんの本は「楽園のカンヴァス」と「ジヴェルニーの食卓」の2冊を読んだ事があり、どちらも凄く面白かったので、じゃあ処女作はどんなだろうと思って読ませて頂きました。この小説はネタバレしたら絶対面白く無いんです。未読の方のために、なるべく決定的なネタバレが無い様に書きます。カフーを待ちわびて原田マハ宝島社文庫表紙の写真がナイス!!!あらすじ「あの絵馬に書いてある言葉が本当ならば、私をあ
これどこか別のところでも書いたかなあ・・・わたしが通った高校と、妹と弟が通った高校は同じ市内で別高校だったのですけど、妹弟の高校の世界史教師にヘンなのがいまして。授業中に「起立」つって立たせて、「バルチック艦隊に敬礼!!」と急に言うのだとか。まあ生徒は唖然ですわね。高校生の当時、弟からその話を聞いた時にすでに「まぁたまぁた、嘘だろ〜?」とわたしは本気にしなかったのですが、そのあと同じ教師の世界史授業にあたった妹も同じことを言っていて、にわかには信じがたいのですが、どうやら本
一穂ミチさん著『恋とか愛とかやさしさなら』のレビューになります。本屋大賞2025ノミネート作品。出版当時から「面白い」「泣けた」と超話題だったので、積読してあった本をハイスピードで読んで、ようやく本書にたどりつきました。結論からいうと、とてもよかった。さっそくですが、あらすじ&感想をどうぞ。恋とか愛とかやさしさならAmazon(アマゾン)評価4.5/5今まで一穂ミチさんにハマれなかった私ですが、前作『光のとこにいてね』で評価が変わり、本書では完全にファンにな
昨日か一昨日辺りから、スマホでブログを見ようとタップすると必ず「まずはこの広告をみろ!」とはがりに、要りもしないCMが表示されて非常に迷惑千万だ。面倒なのでブログを開かず終了させているので、スマホでアメブロは見られない。なんでこういう仕様になったんだろ。どっかのボタンかアイコンをタップしたのかな、などとキョトンとしてしまう。本当に邪魔なのだけど、何しろ「ノーペイ」だから文句は言えないしなぁ。なんだ、じゃあ見なきゃいいジャン、とばかりに、スマホでアメブロにアクセスするのをやめますか(笑)別
小説(読書感想)ランキングにほんブログ村※今回の記事は『薔薇王の葬列』に興味のない方以外は全く意味不明な記事なのでスミマセンm(__)m先に謝りますm(__)m☆最新記事NEW⇒【薔薇王の葬列最終回(78話)月間プリンセス2月号2022年1月6日発売】【薔薇王の葬列最新話(76話)月間プリンセス12月号2021年11月6日発売】【薔薇王の葬列(75話)月間プリンセス11月号2021年10月6日発売】☆薔薇王の葬列ネタバレその一主要登場人物
アガサの陽気な分身🎵オリヴァ夫人アガサ・クリスティの〝陽気な分身〟と云われるアリアドニ・オリヴァ夫人💕💕最初に描いた回です🙉🙉✨ドラマ名探偵ポアロ『死者のあやまち』アガサ・クリスティ原作ドラマの🍋ミス・レモン(とヘイスティングスの掛け合い)が好きなのですが再放映に気づいたときにはシリーズ後半で2人とも降板していました🙈💧そしたら後半にはオリヴァ夫人がいた❕💓♥️パディントン発~ナスコーム駅から車で何分かポアロさんは4時間近くもかかる遠方から呼び出されて
読書日記2025-18猫弁と奇跡の子大山淳子(著)[講談社2024年11月発行]あらすじ冴えない容貌、天才的な頭脳、人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。大福亜子と入籍を果たし、まだ式は挙げられていないものの、結婚生活にも少しずつ慣れてきた、そんな時。福引きの一等賞で、とんでもない「景品」をもらったという相談が――。いつもより、事件も謎も、喜びも驚きも、超特盛!感想累計53万部突破!の大人気シリーズ「猫弁」、第2シーズンここに完結!あ〜、サイコー!なのに完結
読書日記2025-4711ミリのふたつ星視能訓練士野宮恭一砥上裕將(著)[講談社2024年12月発行]あらすじ「たった11ミリ。小指で押した先ほどの的を通して、人は世界を見ている」不器用な青年・野宮恭一(のみやきょういち)は視能訓練士として着実に力をつけていた。ある日、野宮が喫茶店で出会ったのは、世界を立体的に見ることが難しい四歳の少女・灯(あかり)だった。限られた時間の中で灯の訓練を重ねるうち、野宮はロービジョンの小学生や糖尿病網膜症の漫画家など、さまざまな悩みを抱えた
はあ、やっとこの本の感想が書ける。長い長い書物ながら大変興味深く読み、感慨にふけり、しばしば悲しくなっちゃって涙を拭いてみたり。読んだ後で少し頭の中を整理していました。筆者の鈴木鶴子さんは、江藤新平のご親族の方です。新平の弟に江藤源作さんという方がいて(兄弟仲は良かったらしい)、その源作さんの孫が鈴木鶴子さんです。江藤新平が大伯父になるわけですね。この本は佐賀の観光パンフレットに「江藤ファン必読の書」と書いてあるくらいおすすめらしく、なるほど納得、と思いました。読んで良
これ本屋さんで見つけたんですけど、「火の鳥に大地編ってあったかな…?未完の原稿とか?」と訝しんでいたのですが、どうやら手塚治虫先生の構想原稿(わずか原稿用紙2枚ちょっと…)が存在するようです。時代は1938(昭和13)年、舞台は上海。メインの登場人物となるのは、関東軍の若き将校である間久部緑郎とその弟の正人。タクラマカン砂漠の中の「さまよう湖」に火の鳥が存在し、その血液に含まれる未知のホルモンが湖周辺の動植物や住民に長寿や活力などの影響を与え続けている。この事実を知った関東軍
荻原浩『我らが緑の大地』です。私の好きさレベル5段階評価の『5』です。『手始めに、有害な生物を駆除する。害虫、病原菌、草食動物、そして人間』植物の「魔の手」から逃れられるか!?人類の命運を託されたのは、ワーママ研究者と、その息子震撼のパニックサスペンス!スタートアップ企業・グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、植物の「会話(コミュニケーション)」について研究している。コマツナは虫にかじられると毒を合成したり、SOSを出して虫の天敵を呼び寄せたりするな
こんばんはご訪問いただきありがとうございます大好きな町田そのこさんの初のサスペンスということでドキドキしながら手に取りました「月とアマリリス」町田そのこ北九州市のある山で一部白骨化した遺体が発見され訳あって地元に戻りタウン誌のライターをしている元記者の飯塚みちるは元上司からの依頼でこの事件を追うことになります事件の真相に迫る過程でみちるは自分の過去と対峙することになるのですがドキリとしたのは人は自分が傷付けられたことには敏感であり自分が誰かを傷付けていた可能
三浦しをんさんのザ・王道”お仕事小説”をレビューします。『ゆびさきに魔法』というタイトルから、そしてこのきらびやかな表紙からも見てわかるとおり、今回はネイリストが主人公の物語になります。今までお仕事小説はたくさん読んできましたが、ネイリストという職業はお初かもしれません。その時点で興味津々だった私。さっそくですが、あらすじと感想をどうぞ!ゆびさきに魔法(文春e-book)Amazon(アマゾン)評価:4/5表紙がキラキラしていて、それだけで女心をくすぐる一冊。ネ
こんばんはご訪問いただきありがとうございます安定の面白さと痛快さがクセになる林真理子さんのエッセイ本2022年から2023年頃までの期間の出来事をしたためたものです「マリコ、東奔西走」林真理子つい最近のことと思って読みつつ安倍元総理の事件やロシアがウクライナ進攻を開始し連日報道されていた頃朝ドラ、ちむどんどんが物議を醸していた(笑)頃何だか結構昔のことのような気がしてしまい複雑な気持ちになりましたそして林真理子さんが日大の理事長に就任され一ファンとしては執筆
小説(読書感想)ランキングにほんブログ村※今回の記事は『薔薇王の葬列』に興味のない方以外は全く意味不明な記事なのでスミマセンm(__)m先に謝りますm(__)m☆最新記事はこちら【薔薇王の葬列最終回(78話)月間プリンセス2月号2021年1月6日発売】【薔薇王の葬列最新話(77話)月間プリンセス1月号2021年12月6日発売】【薔薇王の葬列(76話)月間プリンセス12月号2021年11月6日発売】【薔薇王の葬列(75話)月間プリンセス11月号
異性を追い回す変質者のことではないストルガツキー兄弟著ジャンルSF『ストーカー』と言っても、見境無く異性を追い回す昨今流行の変質者ではない。こちらは正当な意味の「盗掘者」の方だ。私、「ストーカー」という言葉はこの小説で何十年も前から知っていた。TVでそういった変質者を「ストーカー」と呼び始めた頃の違和感が懐かしい。本作、実写版で映画にもなったが、『惑星ソラリス』もそうだし本作もそうだが、共産圏の映画ってなんであんなに辛気臭いというか、陰気臭いという
Amazonkindleで2019年に発売され、加筆修正されて書籍化されたものだそうです。ずっと気になっていたので、書籍化されて良かった帯にはこう書かれています。「これは、あなたの歴史の常識への挑戦です。」神道とはなにか?天皇家の正統性とは?日本人はどこからきたのか?読む前から、ワクワクが止まりません。アマテラスの暗号〈歴史ミステリー小説〉Amazon(アマゾン)1,250円Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る元ゴールド
巷ではラグビーマガジン4月号が発売になっています。リッチー・モウンガ選手が表紙です。Rugbymagazine(ラグビーマガジン)2025年4月号[雑誌]楽天市場楽天市場で詳細を見るAmazon(アマゾン)で詳細を見るけれども私は、やっと2月号を読み終えました。雑誌は買うとキリがないので、読みたい記事がある時にだけ購入しています。2月号は、日本代表の前ナショナルチームディレクター、藤井雄一郎氏(現静岡ブルーレヴズHC)が秋の代表戦をレビューするというの