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読書日記2024-701(ONE)加納朋子(著)[創元クライム・クラブ2024年1月発行]あらすじ謎に彩られた日々の中で、あなたは私の一番になった『ななつのこ』から始まる〈駒子〉シリーズ、20年ぶりの最新作!大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読
好んで読んでいる小田菜摘さんの中華時代小説です。中華宮廷ものはジャンルのファンが多いのか、本屋さんにたくさん並んでいますね。正直、どれが何やら・・・小田菜摘さんのお仕事小説っぽいところが気に入っています。やはりこれもか。この本は、女子の医学校を卒業して女医になり、師匠や上司のもとで日々研鑽を積みながら一人前の医師となるべく励んでいる少女の物語。主人公・李翠珠はある事件をきっかけに後宮の医官として赴任することになります。後宮には現在、皇后はいなくて、複数の妃嬪たちが各
読書日記2024-69一線の湖砥上裕將(著)[講談社2023年12月発行]あらすじ小説の向こうに絵が見える!美しき水墨画の世界を描いた物語。水墨画とは、筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」主人公・青山霜介が、ライバル・千瑛と湖山賞を競い合った展覧会から2年が経った。大学3年生になった霜介は水墨画家として成長を遂げる一方、進路に悩んでいた。卒業後、水墨の世界で生きるのか、それとも別の生き方を見つけるのか。そんな折、体調不良の兄弟子・西濱湖峰に代わり、霜介が小
風貌も考えかたも、亡父そっくりになってきた。さいきんこのブログは、わたしなりの「私小説」だとおもっているから、わたしはブログを書き続けることによって父と和解し、また父を尊敬するに至ったと考えている。母との和解はないが、母がいなければわたしも不在という点で折り合いをつけている。そういう意味においてのわたしは、家父長制だろう。亡父は東大経済学部でマルクスを専攻し、日本の作家では夏目漱石を敬愛していた。だからなのか、柄谷行人さんのいう、「マルクスと漱石を等価で読む」という発言は私小説的に
新潟県の観光のことを調べると、イザベラ・バードという名前がたまに出てきます。全然知らなかったのでこの本を読んでみました。イザベラ・バードはイギリスの女性作家で、明治初期の日本にやって来て東北から北海道を旅行し、『日本奥地紀行』という本にまとめて大評判になりました。彼女は幼少期に脊椎の病気にかかり、自由に動けないためずっと部屋に引きこもって読書くらいしかできないという少女時代を過ごしました。その後、難しい手術を受けて運よく回復し、やっと外に出られるようになった喜びから、旅をして手記
猫このみです激痛生理痛&メンタル不安定を治したくて2020年2月に栄養療法を開始。生理痛は大改善!無痛まであと少し!?メンタルは微妙。虐待育ちが原因と知り高橋◯エ先生の教えを毎日取り組み中。栄養・身体ケア・トラウマ解放の3軸✌︎iHerb紹介コードBET1957AmazonKindleUnlimitedに登録したので、しばらく本の感想を投稿します♩読書4冊目はこちらワクチン不要論/内海聡初版発行日:2018年6月3日読んだ日2024.3.4〜3.8簡単に要
GW、ゴールデンウィークということばは、それこそゴールデンだったころの映画界が流行らせ、定着したことばである。当方が封切りの映画を観出したのは、高校生になってから。とはいえ、観る映画の大半は名画座ばかりだった。名画座と吉野家の時代だ、個人的には。1975年(昭和50年)のGWは、友人と銀座みゆき座で「フロント・ページ」という喜劇映画を観ようとした。監督ビリー・ワイルダー、ジャック・レモン&ウォルター・マッソーのW主演。当時としては鉄板の陣容である。で、初回を観るべく早めに家を出
これ、大隈重信記念館で購入した本。佐賀新聞社の発行なので、あんまり全国的には売っていない気がする。読んでみたけど別に大隈重信のことは書いてなくて、なぜここで売っているのだろう。ありがたいですが。「新平の借用書」「フルベッキの写真」「悪漢常一」という短編が三本掲載。取材したことの語りのような、時々小説のような。●『新平の借用書』筆者が、借主江藤新平で、地権を担保として第一国立銀行から五千円を借りている借用書を入手したことから始まった謎を推理するお話になっています。五
読書日記2024-68アミュレットホテル方丈貴恵(著)[光文社2023年7月発行]あらすじ警察の介入が一切なく、偽造パスポートでもグレネードランチャーでもルームサービスでお届け可能な犯罪者御用達ホテル。そこでは守るべき2つのルールが存在する。①ホテルに損害を与えない。②ホテルの敷地内で障害・殺人事件を起こさない。そんな絶対的なルールが破られる時、ホテル探偵が独自の捜査で犯人を追い詰める。感想犯罪者御用達なんていう凄いホテルで起こる事件を解決するホテル探偵の話。久々にこれ
完結した物語の文庫化。著:西尾維新ジャンル:SF?バトル?英雄譚?■□■去年の9月…書店で見かけたビニール本(のような)、ラッピングされた700頁越えの本書。(「ビニール本」ってもはや死語?)表紙イラストがラノベっぽいのでちょっと二の足を踏んだが、知らない著者だし、SFにバトルに英雄譚って嫌いぢゃないし、なにより講談社がラノベいくかな?と思ったので買ってみた。2巻目が11月半ばに出ると言うのは、そんな急ピッチで執筆されたものか?と思っていたが、わかったのは既に
13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。***500ページを超える作品。絶賛してる人がいたが、人の趣味っていろいろだと思った。東野さんは時々、想像以外のことを考える。途中、残った人でサバイバルするわけだけど、東京でたった13人の食料に困るかな?この人数で人口を増やそうとする考えもありえない。最後も都合よすぎ。いつものシリーズ物のような作品を望みます。**
【腐女医の医者メシ!】著者:さーたり出版社:KADOKAWAISBN:9784046823854発売日:2023年8月9日【作品紹介】オタクで3児の母の現役外科医が描く、食×医療、家族、オタ活、健康の話。医者の食事事情、さーたり家の時短レシピ、推し活でのコラボカフェ事情など、「食」にまつわるエピソードを収録した『腐女医の医者道!』スピンオフ!レシピも収録!(ブクログ/作品紹介・あらすじから引用)【感想】やっぱりさーたりさんの本は、面白い(笑)ガッツリ「料理の本
やあどーもどーもヤボ用などありまして、しばらく浮上しておりませんでした。ログインすらしておらず放ったらかしのアカウントだったのですが、意外にもブログ訪問してくださる方がいらっしゃいまして、ありがとうございましたいくつか読んだ本はたまっていたのですが、ちょうど新刊を読んだので、これなど。秋吉理香子さん作品は『婚活中毒』などで、イヤミスの人だーというイメージがありましたので、こちらもそんな感じかなと思い読みました。歴史あるミスコン「ミューズ・オブ・ジャパン」の二次審査を突
読書日記2022-183笑うマトリョーシカ早見和真(著)[文藝春秋2021年11月発行]✩✩✩あらすじ親しい人だけでなく、この国さえも操ろうとした、愚か者がいた。四国・松山の名門高校に通う二人の青年の「友情と裏切り」の物語。27歳の若さで代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。総理への階段を駆け上がるカリスマ政治家。「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」最初のインタビューでそう感じた女性記者は
この本、おすすめ。ミステリーとしても濃厚だし、女と政治っていうテーマでも深い。いやむしろわたしは、後者の女と政治っていうのが心に突き刺さりました。哀しみあり、憤りあり、そしてガンバレー!っていうエールもある。良かった。野党第一党・民政党所属の衆議院議員・高月馨は、中堅の女性議員です。口癖は「憤慨しています!」で、そう叫ぶ様子が面白おかしくテレビで取り上げられ、”憤慨おばさん”などとあだ名されています。この高月が、与党の衆議院議員・朝沼侑子にいつもの口調で噛み付くところからお
読書日記2024-5猫弁と狼少女大山淳子(著)[講談社2023年9月発行]✩✩✩✩✩あらすじ冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。婚約者である大福亜子と同居中で、幸せをかみしめている。猫がらみの脅迫事件の依頼を受けて調査中、未成年者略取の疑いをかけられて留置場に!当番弁護士の、「透明人間」こと沢村透明以外との面会を断り、事件については黙秘を貫く百瀬。警察から連絡ももらえず蚊帳の外に置かれた亜子は、百瀬を信じ
真保裕一『魂の歌が聞こえるか』です。私の好きさレベル5段階評価の『4.5』です。「素晴らしい音楽を世に送り出せ!」新人バンドのデビューに奔走するレコード会社。契約を勝ち取り、狙うはアニメの主題歌。次々と難題がふりかかり、予想外の事態に。え……?彼らは何かを隠してる!迫真の音楽業界ミステリ「我々はアーティストを裏から支える役回りだ」「耳ってのは脳と直結してる。音を聴くんじゃない。脳で読み取れ」「才能はあっても、芽の出なかった者が死屍累
50年近く前の小説なのでネタバレあり。記憶だけで長文書くので、大雑把なところもあり。明日のリメイク映画を前に、こんな話だったよ…と言う事で。さて、私はめったにネタバレ書きませんが、見たくない人はこれを読まないように。■DUNEの世界観遠未来の物語「DUNE/砂の惑星」には知っておけば理解しやすい世界観がある。この物語の歴史的前提に「人類とAIの戦い」があった。自我に目覚めたAIが人類に反旗を翻し壮絶な殲滅戦があったことを「ブトレリアン・ジハド」と呼び、これ以後人類は一
大谷翔平選手4打数4安打2ホームラン。大谷ハラスメントかもしれないが、彼が朝から大活躍すると眼の前が明るくなる。彼のようなプレイヤーは前代未聞、いや空前絶後かな。それがメジャーでも…というのが、本来の意味での異次元といった感を深める。野球ファンで、つくづく良かったとおもう。およそ60年観ている。金田・中西・稲尾・杉浦・南海時代のノムさんを憶えている。阪神タイガースの村山投手がプレイング・マネージャーで年間防御率0・98を達成、ON砲でもなかなか攻略出来なかった、なんてことも…1
朝日新聞出版上巻・青春篇2018年9月第1刷発行351頁下巻・花道篇2018年9月第1刷発行353頁戦後の長崎から大阪、オリンピック後の東京へ任侠、立花組組長の息子、立花喜久雄が父親の死をきっかけに大阪の花井半次郎家にお世話になり、日本一の女形歌舞伎役者として人間国宝に認定されるまでの一代記切磋琢磨する喜久雄と半次郎の一人息子・俊介長崎時代から喜久雄を坊ちゃんと呼び、影日向に支えてくれる徳次色々な場面で彼らと出会いその後長い付き合いとなる人々魅力的なキ
背筋『近畿地方のある場所について』です。私の好きさレベル5段階評価の『4』です。情報をお持ちの方はご連絡ください近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。怖かったです。なんせ、怖かったです~~~(TT)明るい内には読めない作品。何が怖いのか、よく分からないんですが、ジワジワ・・・トリハダが・・・朝から夕方に掛けて、なんとか読了。この<了>って字を使うのも縁起が悪く感じてしまう(;'∀')
ブラックコメディ…かな。著:岩井志麻子ジャンル:ホラー■□■こんにちわ、老害クレーマー(爆笑)のぱいっす。「ぼっけぇ、きょうてえ」以後、なかなか書かないなぁと思っていた岩井志摩子…出ました、第二弾のホラー小説。でもこれ…今回は純然たるホラーと言うよりもかなりブラックなコメディと言う感じを私は受けたけれど。ぼっけえ、きょうてえ(角川ホラー文庫)Amazon(アマゾン)455円しいてたとえるなら…「ぼっけぇ、きょうてえ」が…月もない暗闇の断崖絶壁
これ、リレー小説だそうです。共通するテーマは、日本刀「軒柱(のきばしら)」。鎌倉時代末期に、備前の刀匠・助平の手から生まれた名刀「のきばしら」が、その後室町時代、戦国時代、江戸時代、幕末、明治、昭和の各時代にどこからともなく現れ、それを手にする人物たちに災いをもたらしていくという。ある意味、ホラーな作品です。名刀の霊力っていうんですかねえ。忌まわしい過去をもつ刀ですが、いつの時代でも人々を魅了し、その人生を不幸にする・・・でも、この魅力に取り憑かれた人間は刀を手放せない、
【メンタル強め美女白川さん】著者:獅子出版社:KADOKAWAISBN:電子書籍発売日:2020年11月26日【作品紹介】女子の自己肯定感が世界を救う!メンタル強め美女・白川さんが、ひがみ、嫌がらせやマウントなど、女性を苦しめるプチストレスをはねのける。現代の闇と戦うすべての女子に捧ぐ、最強美女の痛快コミック登場!仕事仲間や女友達のマウントや嫉妬や嫌がらせ、SNSでの心無い中傷など、現代社会には女性を苦しめるプチストレスが溢れかえっています。「あざとくても可愛くいた
さて、A子振り返り短歌解説ですが、本をアマゾンではなく、書店で買ったとしても、彼氏彼女に繋がる出会いがあるとはわからない。結婚相手が、同じ本を選ぶとも限らない。アマゾンでポチるよりは、可能性はある、、それはさておき、本をネットで買うと失敗することもある。本レビューは、主観だ。それも含めての予想も面白いけど。
中央公論新社2019年6月初版発行302頁あるルールのもと、古代から未来までの日本を舞台に、ふたつの族が対立する歴史を描いた競作企画、螺旋プロジェクト作品のうち『古代』8世紀前半、首(聖武天皇)の時代を描きます東大寺大仏の開眼供養から4年仏教政策を推進した帝の宝算は尽きる道祖王(ふなどおう)を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持つ、前左大臣・橘諸兄(たちばなのもろえ)の命を受けた中臣継麻呂と道鏡は密かに亡き先帝の真意を探ることになりますタイト
阿津川辰海『午後のチャイムが鳴るまでは』です。私の好きさレベル5段階評価の『5』です。こいつら、最高すぎる……!昼休みの“完全犯罪”にご用心!?本格ミステリ大賞受賞作家の最高到達点!九十九ヶ丘高校のある日の昼休み、2年の男子ふたりが体育館裏のフェンスに空いた穴から密かに学校を脱け出した。タイムリミットは65分、奴らのミッションは達成なるか(第1話「RUN!ラーメンRUN!」)。文化祭で販売する部誌の校了に追いつめられた文芸部員たち。肝心の表紙
読書日記2024-67希望が死んだ夜に天祢涼(著)[文藝春秋2017年9月発行]あらすじ神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生の冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたものの、「あんたたちにはわかんない」と動機は全く語らない。なぜ、美少女ののぞみは殺されたのか。二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がってくる。まわりに頼れる大人や友人がいないネガだったが、あるとき、運命的な出会いをした……。感想ブロ友さんに教えて貰っ
植木等さんの遺作は映画「舞妓haaaan!」。脚本、宮藤官九郎さん。主演、阿部サダヲさん。吉祥寺の映画館で観た。伊東四朗さんも出ていて、とにかく笑える映画である。作中、阿部サダヲさんのミュージカルシーンがあり、その踊りが素晴らしい。野球シーンもあって高校時代、野球部だった阿部さんは柔らかいフォームでヒットを放ち、塁間を全力疾走する。やはり運動神経が優れている。植木さんの登場シーンは1シーン、3カット。西陣織を営む大旦那の役で白足袋を穿き、小唄を口ずさみながら現れる。阿部さんと
私が高校の時に大好きだったシドニィシェルダンの有名作品です。書店ではもう見かけなくなりましたが、この間ブックオフでシドニィシェルダンの本をたくさん発見し、大人買いしてしまいました。一言でこの小説の内容を説明するならば、ノエルパージというフランス人女性の復讐物語です。ここからはネタバレになりますので、読みたくない人はここまでで。真夜中は別の顔上Amazon真夜中は別の顔下Amazonあらすじノエルは、フランスの漁師の街で生まれます。ノエ