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二番煎じとの危惧を持って新宿武蔵野館へPEACOCKピーコック人物代行サービス会社のトップパフォーマー、マティアスは完璧ななりきりで恋人役父親役息子役と依頼はひっきりなしで、ついには夫婦喧嘩の練習台まで引き受けてしまうワーカホリックだ一緒に暮らす恋人ソフィアはそんな彼に真実を感じられず、家を出て行ってしまった思った以上にショックを受けてマティアスは徐々にペースを崩していく…それまで順風満帆、友達や恋人、息子に扮するのは演技ではなく相手
本作は2023年度エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀ペイパーバック賞の受賞作です。「長編賞」がハードカバー作品を対象とした格式高い賞であるのに対し、「ペイパーバック賞」は当初から手軽な形態で出版された作品が対象となります。日本でいう「文庫書き下ろし」に近い感覚ですが、アメリカではより「大衆市場向けで、リーダビリティを重視したエンタメ作品」という評価軸が強いのが特徴です。本作もその例に漏れず、スピーディーな展開とサスペンスフルな魅力で、一気に読ませる力のある一冊でした。ざっく
ハヤカワミステリマガジンのミステリベスト10で堂々1位となった前作「ハウスメイド」。刊行当初からシリーズ化が予告され、ミステリファン界隈をざわつかせていた待望の続編がついに登場しました。本作の舞台は前作から4年後。裕福なギャリック家のハウスメイドとして雇われたミリーは、雇い主のダグラスから「何があってもゲストルームには入らないこと」を強く言い渡されます。「静養中の妻ウェンディを煩わせないため」という説明に納得したミリーでしたが、ある日、血に染まったガウンを見つけたことで夫の虐待を疑い始め
布を裁ち、縫い合わせる。平面が立体に変化しニュアンスが生まれる。そんな風に仕事と人生を紡いでいく女たちの物語です。物語は現代から始まります。ある映画監督が女優たちを集め、新作の読み合わせを行います。舞台は1970年代のローマの衣装工房。映画は劇中劇のような構造になっています。工房を経営するのは二人の姉妹。従業員たちはそれぞれ、デザイナー、お針子、帽子担当、染色など担当が分かれ、皆誇りを持って仕事をしています。時代柄、女性の職業の選択肢は限られていたことでしょう。仕事場では、みんな和気
『暗殺の冬』はスウェーデンの作家クリストフェル・カールソンの、本邦初訳作品です。「十年に一度の傑作」という帯の文句に惹かれて読み始めました。その前に読んだのがノルウェー発『クライムキャスト』なので、図らずも北欧ミステリが続く形になりました。『クライムキャスト』にはあまり北欧特有の空気感を感じなかったのですが、本作は「王道の北欧ミステリ」。暗くて重厚で荒涼としており、怪異な伝説の影も潜んでいます。物語の主役は3人。そのうちの一人である「私」は、妻と離婚し、作家のキャリアにも行き詰ま
ついに『科捜研の女』が最終回を迎えてしまいました。26年もの長きにわたり、お茶の間に科学捜査の醍醐味を届けてくれたことに、まずは純粋に感動しています。そして、26年間ずっと変わらず美しいマリコ様……。。思えばポワロや寅さん、杉下右京など、長寿番組の主役は皆さん容貌が変わりませんね。その裏には、想像を絶する努力が隠されているのだと感じます。今回の『ファイナル』は、誰もいない科捜研のオフィスで、マリコが静かに白衣を脱ぎ、そっと椅子に置くシーンから始まります。「あぁ、本当に最後なんだな」
予告編を見たときから気になっていました。「ひつじ」が探偵……ミステリーとして成立するのか?その疑問を検証すべく鑑賞してまいりました。結論からいうと「あり!」、というか予想外に面白かったです。ひつじ飼いのジョージ(ヒュー・ジャックマン)は、毎晩ひつじたちに探偵小説を読み聞かせています。ひつじたちが内容を理解していることも知らず……。なかでも特に賢いリリーは、犯人当ても得意な「名探偵」でした。しかし、そんな平和な日々は突如として破られます。ジョージが何者かに殺害されたのです。さらに
『ゲルマン・アムネシア』という言葉があります。マイケル・クライトンが提唱した概念で、「自分が詳しい分野の記事については情報の不正確さに気づくのに、知らない分野の記事はなぜか信じてしまう現象」を指します。この「認知の歪み」は、SNSやウィキペディアの説明を鵜吞みにしてしまう心理を的確に言い表しています。ダン・ブラウンの作品を読むとき、私はまさにこの現象に陥ります。ウィキペディア的な情報の嵐に飲み込まれ、「よくわからないけど、なんだかすごい!」と煙に巻かれてしまうのです。前作『
「終止符には早すぎる」著者:ジャドスン・フィリップス出版社新潮社(2025/11/28)新潮文庫の「海外名作発掘」シリーズの1冊です。参加した読書会の課題本でした。読書会のおかげで本邦初訳の名作に巡りあえました。先日紹介した『吸血鬼ハンターたちの読書会』を読んで、私も“読書会”というものに参加してみたくなり…人生初の体験をしてきた次第です。少人数でアットホームな雰囲気の中、自由に意見交換を楽しめました。ゲストの編集者さんから、普通は聞けない“本の発掘の経緯”という貴