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ドイツ人作家マルク・ラーベの、日本初紹介作品です。ドイツミステリといえば、まず思い浮かぶのが大好きなネレ・ノイハウス。『深い疵』ではナチスの残党を登場させていました。他にもフェルディナント・フォン・シーラッハは、自身の出自(祖父がナチス高官)に深く関わる作品を執筆しています。このように、ドイツミステリというと、「ナチスを生んだ歴史」と絡むことが多い印象ですが、本作『17の鍵』は一味違います。本作には、その後のドイツ分裂からの再統一を経てなお、旧東ドイツの暗い歴史が影を落としており、その視点
知らない作品なので飛びついて、池袋HUMAXシネマズへホームスイートホームいつも以上に煎餅が売れないクリスマス前、煎餅屋の跡取り一郎は店を売るつもりだ気のいい妻がイブに出かけることになり、ついでに不動産屋にと権利書を預けてしまう妻が出かけた後、部屋に異変が起きて押し入れから怪しい男性二人が出てくる大騒ぎの後にわかったのは、一人は一郎の息子英郎で、もう一人は孫の史郎ということだもちろんにわかに信じられず、彼らに昨日の世界に連れて行かれる
Netflixでアガサ・クリスティーの名作『セブンダイヤルズ』の配信が開始されました。全3話のリミテッドシリーズで、長すぎず短すぎずのちょうど良い尺でした。原作からはかなり大胆な改変が施されており、原作を読んでいたからこその驚きが随所にありました。舞台はロンドン郊外の壮大なカントリーハウス、チムニーズ館。パーティーの翌朝、朝寝坊の常習犯ジェリーを驚かそうと、友人たちが共謀して8個の目覚まし時計を彼の寝室に仕掛けます。しかし、いくらベルが鳴り響いてもジェリーは起きてきません。彼は睡眠薬
「マーブル館殺人事件」著者:アンソニー・ホロヴィッツ出版社:創元推理文庫(2025/9/12)創元社HPより引用ギリシアでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランスの編集者として働いていたところ、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、作者が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこ
「終止符には早すぎる」著者:ジャドスン・フィリップス出版社新潮社(2025/11/28)新潮文庫の「海外名作発掘」シリーズの1冊です。参加した読書会の課題本でした。読書会のおかげで本邦初訳の名作に巡りあえました。先日紹介した『吸血鬼ハンターたちの読書会』を読んで、私も“読書会”というものに参加してみたくなり…人生初の体験をしてきた次第です。少人数でアットホームな雰囲気の中、自由に意見交換を楽しめました。ゲストの編集者さんから、普通は聞けない“本の発掘の経緯”という貴
シェイクスピアは、最愛の息子の死をどのように『ハムレット』へと昇華させたのか。本作はその想像の核心に踏み込み、創作の痛みと、妻アグネスの魂の慟哭を描いた物語です。マギー・オファレルによる原作を、クロエ・ジャオが映画化しました。物語は、若きウィル(シェイクスピア)がアグネスと出会うところから始まります。鷹を飼い慣らし、森をひとりで歩き、薬草を摘むアグネスは、「野生」と「神秘」を併せ持つ女性です。(今でいうとスピリチュアル系?)結い上げずにおろした髪、鮮烈な赤いドレス。人と違う個性を持つ
ついに『科捜研の女』が最終回を迎えてしまいました。26年もの長きにわたり、お茶の間に科学捜査の醍醐味を届けてくれたことに、まずは純粋に感動しています。そして、26年間ずっと変わらず美しいマリコ様……。。思えばポワロや寅さん、杉下右京など、長寿番組の主役は皆さん容貌が変わりませんね。その裏には、想像を絶する努力が隠されているのだと感じます。今回の『ファイナル』は、誰もいない科捜研のオフィスで、マリコが静かに白衣を脱ぎ、そっと椅子に置くシーンから始まります。「あぁ、本当に最後なんだな」