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■東京外国語大学(国立・東京都府中市朝日町)最初はパッとしないキャンパスだと思ったが、見て回って、そして帰ろうという時には結構、いや、かなり好きになっていた。JR武蔵境で西武多摩川線に乗り換え、多磨駅で降りる。さらに徒歩五分。多摩川線という短い路線、なかなか年季の入った車両で運行されている。が、本数は意外に多い。意外にスムーズにキャンパスまでたどり着くことが出来るだろう。この大学、もともとの由来は東大と同根で、日本でも最古参の大学の一つだ。とは
■長崎総合科学大学(長崎市)キャンパスは山の急斜面に位置するメーンの「グリーンヒルキャンパス」と閉鎖された長崎水族館を買い取ったサブ敷地「シーサイドキャンパス」の二つに分かれている。まずはシーサイドから。現在は大学と付属高校が使用しているが、その建物は菊竹清訓の師匠筋にあたる早稲田建築の武基雄教授による設計。コルビュジエっぽい系統のデザインだ。としか言いようがないなあ。そんなに広い敷地ではないのですぐ見終わるだろう。
■順天堂大学/本郷・お茶の水キャンパス(文京区本郷)お茶の水に映える高層ビルを林立させる順天堂大。そのシンボルと言えば、1991年落成のセンチュリータワーだ。ところが11月、新たな名所が誕生する。新A棟。戦前の旧順天堂医院を再現し、後ろに高層棟を添えた。最近、ぐんぐんと受験生の評価を高めている順天堂。実は大学としては後発の新興勢力だ。意地の悪い見方だが、歴史的な伝統もアピールしたいんだろうなあ、とか勘ぐってしまう。いや、別にケチをつけているわけではない。
■学習院大学(私立・東京都豊島区目白)賑やかな高田馬場から北へ1駅行っただけなのに、雰囲気は大違い。落ち着いた駅前30秒のロケーションに古風な門を構えるのが、旧皇族・華族御用達の名門校、学習院だ。写真は南一号館。18万平米と、都心部としてはかなり広めの敷地に、木造、ネオゴチック、戦後モダンと、良い具合の建物が老壮青のバランス良く集合している。前川国男や菊竹清訓、久留正道に権藤要吉といったビッグネームもそろい踏み。緑も豊かで、散歩しがいのあるスポットだ。
■大阪大学・豊中キャンパス(国立・大阪府豊中市待兼山町)大阪大学の(比較的)古い方のキャンパス。旧7帝大の流れをくむ大阪大学ではあるが、あまり古い建物はない。大阪市中心部から郊外に全面移転したためだ。そんな中、唯一レトロな建物が残るのが豊中地区だ。まずはキャンパス入り口。総合学術博物館(待兼山修学館)。阪大の前身の一つ、旧制大阪医大の附属病院石橋分院本館として建てられたものだ。分院の本館…訳が分からない。設計は大阪府営繕課。1931年
■一橋大学・国立キャンパス(東京都国立市中)夏目漱石の代表作「坊っちゃん」の主人公の兄が通っていたことで知られる(のか?)。官立高等商業学校としてスタートし、旧制・東京商科大学に昇格。関東大震災で神保町の校舎がほぼ全壊したため、国立市に移転。戦後に一橋大学と改称した。経済・経営系の名門大学だ。同じく経済系が看板学部の慶応は、地方の豪商など企業オーナーの子弟が通い、卒業後は家業を継ぐのがパターン。一橋は財閥系など東京の大企業に、近代的経営を担う幹部候補生として就職するのが戦
■神奈川大学・横浜キャンパス(私立・横浜市神奈川区)前川国男とはまた別系統である、バウハウス系昭和モダニズム建築の雄・山口文象が率いる設計事務所RIAによるキャンパスとして知られている。肝心の山口本人が手掛けた3号館は、解体されてしまったが。JR横浜駅からバスに乗って神大前まで。学生たちの後について5分ほど。坂の上に時計塔が見えてくる。そして入場。キャンパスの玄関口を固める1-3号館は、RIAによる建物を取り壊して作った、ピカピカの現代建築だ。
■電気通信大学(国立・東京都調布市)渋谷から井の頭線で明大前へ出て、京王線の急行に乗りかえる。千歳烏山を過ぎたあたりから、畑や木々が沿線に姿を見せ始める。20分もたたずに、調布に着く。にぎわう駅前を5分も歩けば甲州街道。その向こうに電気通信大学がある。通称は電通大。広告戦略を学ぶのではない。情報・電子工学系の4学科からなる情報理工学部が置かれた、バリバリの理系単科大学だ。キャンパスの面積は約11万5000平米。340メートル四方といったサイズで、
■法政大学・市ヶ谷キャンパス(私立・東京都千代田区富士見)2021年1月、7年がかりのリニューアル工事を完了した法政大学の市ヶ谷キャンパス。設計は日建。JR市ヶ谷駅で降りて、お堀端を進む。木々の間にボアソナード・タワーが見えてくる。さらに進むと、巨大なピロティをくぐって上る大階段。登った先は中央広場。キャンパスに到着だ。約2万8千平米とコンパクトな敷地。広場をぐるりと校舎が取り囲む。最近はやりの屋上庭園も、きっちり整備。見
■京都大学・桂キャンパス(京都市西京区京都大学桂)京大は現在、吉田・宇治・桂の主要3キャンパス制を取っている。その中で最も新しいのが桂で、2003年から供用が始まった。入居者はざっくりいうと、工学部の大学院生。工学部生は3年生までは吉田で、4年制以降は桂で本格的な研究活動に取り組む、というイメージだ。広大なキャンパスは、安井建築設計や昭和設計といった組織事務所や工学部建築専攻の教授たちが入り乱れて(協力して)設計した。なだらかな丘陵地帯に展開するキャ
■東京工業大学・大岡山キャンパス(国立・東京都大田区北千束)以前、仕事で東工大に行ったら、桜が咲いていた。近所の老若男女が群がって写真を撮っている。僕もさっそく、その列に加わった。しかし、後ろからキックボードのお子様に追突され、大変痛い思いをした。そんなこんなで、東工大は大岡山駅。東急目蒲線と大井町線が乗り入れる。地下ホームから外に出ると、篠原一雄設計の100周年記念館が見える。遥か昔、駅が地上にあった時代には、ホームに襲いかかるゴジラのように見えたら
■東京大学・本郷キャンパス中編(国立・東京都文京区)前中後編の3回に分けて、東大・本郷キャンパスを散歩しようと思う。前編では正門から入場して、本郷キャンパスの西側エリアを攻略した。次は赤門から入ってキャンパス東側へ向かう。本郷キャンパスは、加賀前田藩屋敷を転用したものだが、江戸時代からの門が赤門だ。現在は耐震問題などから、通行禁止となっている。というわけで、正門から文学部校舎を抜けて東エリアに。文学部校舎の立派なアーチに飾られたアーケードを抜けてさらに進む
■東京大学・駒場Ⅱキャンパス(国立・東京都目黒区)駒場には二つの東大キャンパスがある。1,2年生が主に学ぶIキャンパスと、理系の研究所が主に入るⅡキャンパスだ。Iキャンパスは旧・第一高等学校敷地で、Ⅱキャンパスは旧制東京大学航空研究所が発展・改変・再編されて、現在のつくりになった。さて、正門から入ると、立派な時計台が見える。しかし何やら奇妙だ。左右非対称。なんだか幾何学的な装飾。研究所というより、工場を思わせる。航空機、という未来の工業
■木造洋館が自慢の大学キャンパス①歴史あるキャンパス。レンガ造りの古めかしい建物。と、言いたいところだが、実は日本の大学、レンガ造りの建物はほとんどない。ほとんどの大学は、コンクリ技術が普及したあとに作られた。従ってレンガ造りに見えても、実は鉄筋コンクリート造レンガ風タイル張り、ということが多い。それが悪い、というつもりじゃないんだけど。でも、木造洋館校舎なら結構多い。本物の木造洋館が。そんな歴史あるキャンパスを、ご紹介させていただきたく存じます。
■慶應大学・日吉/矢上キャンパス(横浜市港北区日吉)1,2年生が通う日吉キャンパスと、理工学部の矢上キャンパス。日吉は付属中高と敷地を分け合ってもいる。日吉は戦前、大学予科(現在の1・2年次)が置かれていたので、まあ、今と同じ役割だ。戦中は海軍司令部に徴発されていた。ご存じの方はご存じだろうが、連合艦隊司令部は日吉の地下壕の中に置かれていたし、地上の校舎は、司令部ほど重要ではない海軍の部署に使われていた。でまあ、入り口からずどんと、幅の広い上り坂が直進。
■大阪大学・吹田キャンパス(国立・吹田市山田丘)大阪大学本部があるキャンパス。文系学部の大部分が入るもう一つのキャンパス・豊中地区に比べ、こちらはほぼほぼ理系学部と付置研究所、そして医学部からなる。1966年から造成が始まった郊外キャンパスなので、歴史的な建物は一切ない。とはいっても、すでに半世紀を超える歴史を持つわけだから、昭和中後期レトロな校舎はある。歯学部とか。タンパク質研究所もレトロ感のある白肌カーブだ。まあ、そんなこんなな
阪急夙川駅の周辺にある近代建築です。戦前、阪神電車が線路を通し西宮周辺に広く新興住宅地を宅地開発しました。大阪の大富豪や芸術家、文化人が多く移り住んだり別荘として邸宅を建てたり、多くのブルジョアが住むことによって競馬場や遊園地、様々な娯楽施設やホテルも建てられました。そんな娯楽施設と高級住宅地が造られた西宮は「西宮七園」と呼ばれ阪神間に広がるモダニズム文化地域でも特に中心地として発展。夙川もそんな西宮七園の香櫨園、苦楽園、甲陽園を流れてます。日本ゼネラルモーターズ旧社
阪急御影駅周辺には大きな邸宅に混じって、戦前から残る洋館が点在、残っています。旧住吉村の頃は観音林と呼ばれた地区で、当時の多くの著名な財界人が居住していた高級住宅街でした。K家住宅1926年(大正15年)竣工小川安一郎設計国登録有形文化財木造モルタル造り、複雑な傾斜のキツイ切妻屋根が目を引きます。19世紀末から20世紀初頭に流行したイギリスの田園住宅様式の影響がうかがえる住宅作品だそうです。道を挟んだ住宅もいい感じの洋館です。K家住宅192
■駿河台大学(埼玉県飯能市)駿台予備校グループが1987年に設立した大学だ。略称は駿大。いささか紛らわしい。予備校の方は都内一等地・お茶の水に本拠を構えているが、大学の方は、埼玉は埼玉でも、東京寄りというよりか、むしろ秩父寄りのロケーションだ。雄大な自然に囲まれたロケーション。その結果というべきか、建物も雄大。ビッグスケールだ。「部屋がのびているのか、それとも諸君の目の錯覚なのか、よぉく見るがいい」(ホーンテッドマンション)基本的
■宇都宮大学・陽東キャンパス(国立・栃木県宇都宮市陽東)行くなら午前中だ。早ければ早いほど良い。このキャンパスの見ものはオプティクス教育研究センターの東壁。陽の光を乱反射する姿が拝めるのは午前中だけなのだ。煌めいている。煌めきがゆらゆらと揺れている、波打っている。写真ではわからないので、動画もどうぞ。山本理顕の設計で工学部の付置研究施設。建物から少し離れた位置にワイヤーを張り、9.5センチ角の鏡面仕上げステンレスプレートを市松状に市松状につる
■木造洋館が自慢の大学キャンパス②(その①からの続き)歴史あるキャンパス。レンガ造りの古めかしい建物。と、言いたいところだが、実は日本の大学にレンガ造りの建物は、ほとんどない。日本の大学の大部分は、コンクリ建築の技術が普及したあとに作られた。従ってレンガ造りに見えても、実は鉄筋コンクリート造レンガ風タイル張り、ということがほとんどだ。別にそれが悪いというわけじゃないんだけど。でも、木造洋館校舎なら結構残っている。本物の木造洋館が。そんな歴史あるキャ
■愛知学院大学・日進キャンパス(愛知県日進市岩崎町阿良池)学院大と名が付く大学はおおむねミッション系なのだが、ここもある意味ミッション系。仏教系だ。愛知学院大学は1876年創立の仏教・曹洞宗の教学所「曹洞宗専門支校」が源流。というわけで、駒沢大の姉妹校となる。1953年に大学を設置した。名古屋の有力私大は南愛名中(南山・愛知・名城・中京)とくくられているが、一つ図抜けた南山を取っ払って、代わりに愛知学院を入れて愛愛名中、と呼ぶ場合もある。総学生数12000人の大規模校だ。
早稲田大学・所沢キャンパス(私立・埼玉県所沢市)(写真と文章を入れ替えました)初回訪問時は特になんとも感じなかった。2回目訪問時は帰りの電車の中で「おや、意外にいいキャンパスだったような気がしてきたぞ?」と首をひねった。緑豊かな丘陵という立地条件をうまく生かしたキャンパスだ。周囲に溶け込んでいながら、ドラマ感もある。日吉とか大岡山にこんな感じの高級マンションがあれば、かなりの値段がつくに違いない。設計は早稲田大建築の教授・池原義郎だ。都の西北
■慶應義塾大学・三田キャンパス(私立・東京都港区)言うまでもない名門校。そして、日本最古の歴史を誇る大学キャンパスだ。でまあ、慶應の三田キャンパスといえば、曾禰中條設計の図書館旧館と、雑誌などに良く出る東門が有名どころ。まあとにかく、三田駅に近いのは東門だ。というわけで、ごちゃごちゃとした飲み屋が集まる学生街を抜け、東からキャンパスに入った。階段を上ると、図書館旧館が見えてくる。丸の内の三菱1号館を彷彿とさせる作りで、1912年建立。キャンパ
■東京都立大学(荒川キャンパス)「都立大は都立大駅にはないんだぜ。入試会場を間違えるなよ」というのはよくある小ネタだが、都立大がすべて南大沢にあるとも限らない。1986年誕生の旧都立東京保健科学大学@荒川区が、2005年に首都大学東京に包摂される形で現在のありようになった。健康医療学部が入居する、ミニキャンパスだ。アクセスは千代田線の町屋か西日暮里。良くも悪くもごちゃごちゃしたところが魅力の駅前を抜けていくと、突然こぎれいなウォーターフロント風のエリア。そこ
東京理科大学・神楽坂キャンパス(私立・新宿区神楽坂)最近は早慶上理なんて呼ばれたりもする、最難関私学の一角だ。JR飯田橋駅を降りると、外堀を挟んで東京理科大と法政大がにらみ合っているかのような眺めが目に入る。神楽坂、九段下、四谷。晴れた日にぶらぶら歩くのに、飽きることがないエリアでもある。まずは飯田橋駅からお堀端の法政大側を通って、市ヶ谷方面へ向かう。お堀の向こうに理科大を見下ろす形になる。法政大のボアソナードタワーを通りすぎたあたりで、
■東京農工大学・小金井キャンパス(国立・東京都小金井市)大げさに言えば、「建築の玉手箱や!(関西弁)」という感じかもしれない。アールデコ(っぽい)からポストモダン(風)まで、何でもそろっている。と、言えなくもないかもしれない。緑と広場も豊富。池まである。散策しがいのある、素敵な近郊公園だ(違う)。見どころはたくさんあるけれど、特にコレというと、図書館でしょうか。横への広がりを意識した低層の建物だが、4本のキュービックなガラスタワーが中央部にそびえたっているのが印象的だ
■明治学院大学・白金キャンパス(東京都港区白金台)前に「明学の白金はスター選手をそろえたけど、全体としてはなあ」みたいなことを書いたような気がするが、よく考えると、それは言い過ぎだった。スター選手をそろえて、全体としてもレベルは高い。でも「横浜キャンパスはもっと評価されるべき」という結論変わりないけれど。さてキャンパスは都心一等地。敷地の前に歩道橋があって、そこから写真を撮る人も少なくない。僕が行ったときは、受験生と思われる制服姿の学生がすでにスマホで撮影中。僕は
■東北大学・片平キャンパス後編(国立・仙台市青葉区)(前編からの続き)さて、大学本部棟へ。1927年から35年にかけて作られた。こちらも内側が現代的に改修されている。まずは斜め前から見る。尖った角ではなく曲面で処理されているところが昭和モダン。それから、入口に回る。おやまあ!木の束を周りにくくりつけた斧を掲げたくなるようなデザイン。入り口両脇に上から旗を垂らしたら、さぞかし似合うであろう。念のためですが、褒めているんですよ?僕は第
■開志専門職大学(私立・新潟市中央区紫竹山)2020年開学の大変新しい学校だ。正確には大学ではなく、専門職大学という新しい区分の学校なのだが、まあ良いとしよう。事業創造学部、情報学部、そしてマンガ学部で構成されている。とまあ、それはさておき、キャンパスというか、校舎だ。何ともまあ、個性的。というほど、個性的でもないが、令和のニッポンでこのセンスはただ事ではない。テーマパーク的というにも、何がテーマなのか、モチーフが見当も付かない。