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鳥の囀りが朝の光を連れて来て透明のガラス越しから柔らかい温もりを運ぶフカフカのベッドの上で目を覚ました何処からか歌が聴こえる・・・蒼ちゃん?蒼ちゃんの声に似てるけど・・・ちょっと違う気がする声が透き通ってる・・・気のせい?起き上って広間に向かう始まりのエルフさん達がご飯を食べていた場所ここはそこら中が甘くて爽やかな花の香り漂ってる広間に入ると花の香りが強くなった蒼ちゃんの淹れるお茶の匂い「おはようございます」「おはよう、よく眠れた?」
セリー(緋~ちゃん)が神妙な顔をして戻て来た「セリーどうだった?」「神の庭で間違いないそうですこの場所はどの空間とも繋がっていない閉ざされた空間です誰がどんな事をしても入れない」それを聞いていた王子がようやく得心したと言う顔をした「つまりは本物の神の庭になったって事だ」「大ちゃんですか?」「ええ・・・大ちゃんが閉ざしたそうです」「なんの為に?」「それは・・・」俺の問いにセリーは言葉を濁した「セリー、俺は何を聞いても大丈夫
廊下に段差・・・ほんの数センチの段差なのに立ち入れない境界線を引かれた気がした貴方がこの段差を振り返らずに降りたから無限に道が広がったその道の一つに俺がいた俺が貴方を見つけ貴方が俺を見つけたそう考えたら・・・何だか不思議な廊下に見えた「櫻井様どうぞこちらに」家令さんが俺をすぐわきの和室に案内する家令と呼ぶ以上、資産管理もやってると言うことだろうか?日本で呼ぶ場合は執事と同じ意味というから執事なのかもしれない部屋に足を踏み入れるとそこは控
コーヒーの薫り?が鼻を擽る寝ぼけ眼を擦りながら起き上がるとキッチンに貴方が立ってた「あ・・・先生・・・おはようございます」貴方がゆっくり振り向いてニッコリ笑う「家にコーヒーって有りましたか?」何を頓珍漢なこと聞いてるのか自分でも分からないけど・・・インスタントコーヒー、切らしてたような気がする「さっき、コンビニに行ってインスタントのドリップコーヒー買ってきた一応、やかんは有った(笑)」「やかんも有りますけど・・・コンビニに行かれ
さとしはいつも柔らかい笑みを浮かべてた嬉しそうに笑う声も可愛くて・・・だから、あの悲鳴に近い声が胸に突き刺さったさとしは何処にいる?抱きしめに行くと約束したんだ無我夢中で公園を突っ切ってあの店に急いだ店の扉にはcloseの札が掛かってたまだ開いていない時間・・・迷惑なのは分かってるそれでも・・・ここにしか手掛かりがない・・・扉を思いっきり叩こうとした時後ろから声を掛けられた「叩かなくても、扉は開いてるよ」振り向くと緋~ちゃんが立ってた
僕が使っている部屋のベッドに4人で寝転がったコロニーに居た頃が遠い昔のような気がする「そう言えば・・・楽園の僕たちの家の広間これくらいの部屋だったよね」かず君が思いだしたように呟く始まりの5人が揃ってすぐに作った家は少し大き目の広間が一つそれと僕のお家(今の子どもコロニーにあった家)くらいの大きさの個人部屋が5部屋あった「広間を囲む様に5つの部屋のドアを作ったよね」ジュン君も思い出したのか懐かしそうな顔をする「そうそう、かずがサトシの隣の部屋がいいって
着替えて外に出ると健太くんが大きな声をあげた「うわ~・・・さくらいおにいちゃんもおそろい!」「本当だ、3人とも迷彩柄だね」「うん、いろがちょっとちがうけどなかよしさんだね」並んでみると少しずつ色が違うけどそれがまた、お洒落って気がする「おにいちゃん、ばしょとりしないとおにもつおけない」「そうだ、ビーチシートを敷かないと持ってる荷物を置いておけないね」「荷物?・・・そうだった・・・健太君の荷物もあるんだ・・・プールの中には持
ストローからお茶を飲む櫻井さんの顔が心なし紅い気がした・・・子どもからでも飲ませて貰うのは慣れていないと照れくさいのかも知れないオイラはそこまで気にならないけどそれは師匠の家で生活してるからかな「美味しいお茶をありがとう健太君、いざ!プールへ」櫻井さんが茶目っ気たっぷりな顔で拳を上げた「いざ!ぷーるへ!」健太君も一緒に拳を上げてオイラも一緒にって目線を送る「いざ!プールへ!」3人で拳を上げて大笑いする師匠から預かった軍資金を櫻井さんに渡
夜半から降り続いた雪は都会を銀世界に変えたいつもより早めに来たタクシースノータイヤでは心配なのかチェーンを巻いてる後部座席に座るとダイレクトに伝わる振動と音安全運転を心がけるならこれが一番の方法目を瞑って寝ることも出来ず車窓を流れる銀世界を眺めたあの後、寝たのかな?『お酒飲んでた』って言ってたけどkissしたから嘘なのはすぐに分かったきっと、飲むと起きてられる自信がなかったのかも?それと、出かけていく俺に気を使ったんだよね昔から、さり気無い思いやりが出来る貴方今も
夜が明ける前から大忙しのFriendshipの面々雅紀はカンテラのマスターとケーキ作り打ち上げと言う名のbirthdayパーティーの料理も2人が担当してくれる妖精君たちが食べられる物を作るのは和さんとマサキさん鮫島の爺さんの家で作ることになっている二宮と松本は今回の演出を担当音楽会の主旨から、あまり派手にならない手作り感満載の音楽会にする事になった「翔君・・・翔君どこに居るの?」愛しい貴方が俺の名を呼ぶ朝から(まだ夜が明けてないけど)顏がデレデレしてくる
休みの日は何やら忙しそうだ電話の向こう側に必ず誰かの声マスターだったり翔兄だったり賑やかなのが伝わって来る何をしてるのかはよく分からないが場所が「カンテラ」(笑)詮索はやめておこう「先輩、泊めて頂ける場所ですが都内のアトリエ?それとも海のアトリエ?」「どっちかなあ・・・海のアトリエの方が雰囲気はあるただし、都内から遠い・・・」「じゃあ、車の手配をします」「普通に電車を使えばいいだろ出張の行くのは榎本と小瀧の二人後で交通費請求するんだ
このお話は『キミの夢を見ていたい』から派生したパラレルの未来編です(短編予定)(プチ誕生日企画です)ここは中世?って思うほど古い町並みの旧市街そこに王子の住むお城があるここから車で数時間の所に侯爵と王子の離宮がありその近くに別名『神の庭』と呼ばれる国立公園がある王子はもうすぐ王になる侯爵家はマサキさんが当主になりショウ侯爵は王子の片腕となった王子が王になるのはこの国がエルフの国と密接に繋がってるからだ僕はこの旧市街の侯爵家所有のアパー
手紙には日時と場所だけが記載されてたランチの皿をカウンターに置いたマスターに小さな声で訊ねる「マスター・・・」「なに?」同じように小声で答える「指定された場所に行ったら彼がいるってことは無いよね?」もしそうなら、今すぐ話を聞きたい相葉君の方をチラッと見てマスターに向き直す「それはない・・・彼は全く関係ないんだ・・・昔々の事は分からないが現在の彼と君が逢いたいと思ってる彼とは全くの別人だよ・・・reserveの札の彼
好き勝手して家を出ていた俺自立していたなら胸も張れるが実家の恩恵だけは受けていた関西で言うアホぼん(お坊ちゃま)の典型そんな俺が一族の当主になると言ってももろ手を挙げて賛成してはくれない現在、俺は当主見習いになったばかり最初に厳命されたのは職に就く事無職では話にならないと思いっきり鼻で笑われた「翔さんが戻って来て嬉しいのよでも・・・すこし複雑かも知れない・・・貴方が当主になることは・・・」父を見ていると分かる父の中で次期当主は俺ではない誰かにと
純粋無垢で好奇心旺盛の妖精さんこっちに向かって歩いてくるけどちょっとだけ浮いてるような気がするのは気のせいかな?(いや浮いてる(笑))「こんにちはおじゃまちましゅ」両手をお膝に置いて可愛らしくお辞儀をする「いらっしゃいませ」僕たち4人とも同じ言葉を向ける「お邪魔します」お兄ちゃんがそれに応える様に笑顔で会釈をする4人で挨拶されたらちょっと引くかもしれない・・・「二人とも二階にどうぞ健ちゃん、案内してくれる?」マダムが
窓際のソファーが社長の定位置大概、横になって転寝をしているそんな社長を尻目に、窓を開ける副社長開けた窓の隙間から甘くて爽やかな香りが入りこんできた「何て言う花だっけ?」春の訪れを告げる花なのは知っているが名前が浮かんでこない白い花をつけるのと外側が赤っぽくて内側が白い花をつける・・・う~ん・・・思い出せない・・・「沈丁花だろ・・・」寝てるとばかり思ってた社長が目を瞑ったまま答えをくれる「あれ、起こしちゃった?」この場合『起こしちゃっ
担当君が帰るのを見て上田と二人で家を出た「直接、師匠の家ですか?」何故か上田も師匠呼びそう言えば、あの人名前なんだっけ?まあ、名前を聞いたとしても師匠と呼ぶから、問題はないけど「先に店に行くよ準備してる所に上がり込むのもなんだろ?」「確かに、邪魔っすね」それに暫く会ってないから少しでも早く顔が見たい「そうだろ今日の俺たちは正直、かなり末席(笑)」「ふふ・・・それもあるけど早く店に行きたいですもんね」上田、そこに触
朝一番の母の電話は今日が特別な日だと教えてくれたそれに意味があったのにこの年になって誕生日もないなと全く気にも留めなかった光の道の中はまるで陽だまりの中に居るような暖かくて心地いい感覚だった松岡邸の門が見えた所でまるで『早く行け!』とでも言ってるように思いっきり背中を押されたどっちから行こう・・・紅玉の前の道を行くかそれとも近道を使うか迷ってる場合じゃない・・・一刻も早く公園に急がないと坂をフルスピードで駆け下り紅玉へ向かう道とは逆
僕たちは未来に向かって歩き始めるお父さんから預かった緋色の花のクッキーとお茶をカバンに仕舞って人の世界に戻ってきたすっかりお日様は沈んだ後薄暗くなった中を4人で部屋に向かったドアを開けると既に翔先生は帰ってきてて笑顔で僕らを迎えてくれた「ただいま」「お帰り4人ともスッキリした顔をしてる大ちゃんも蒼ちゃんも戻ってるよ」「翔先生・・・蒼ちゃんに何か言ってくれたんでしょ?」「何もしていないよ俺は楽園での出来事については何も口にできないか
大ちゃんの苦悩・・・それは俺たちの苦悩でもある蒼の森から戻り、そのまま翔に電話をした「もしもし、もう寝てた?」「ううん、まだ寝てないよそれよりどうかした?」俺の声が尋常じゃなかったのだろう心配そうな声で訊ねる「カズとマサキと一緒に離宮に来てくれない?」「離宮にって、今から?」「うん、急を要する事なんだ先に行ってジュンにも来てもらう」「分かった、すぐに向かう」「お兄ちゃんは寝てるよな?」「寝てるかどうかは分からないけど今日は
迂闊だった・・・さっきまで話をしてた俺がふざけて抱き付いたばっかりにバランスを崩して押し倒す形に・・・押し倒しすのはいつもの事なのだが場所が悪かった・・・ソファーの上ではなく床勢いがついてたから慌てて背中に腕を回して床に激突は免れたが・・・腕の中で返事をしない大野を抱きしめて途方に暮れる櫻井「智君・・・智君」頬に手を添えて必死に呼びかけるけど声が返ってこない落ち着け!落ち着け心の中で唱えながらオロオロするばかり息を確認すると規則正しい息遣
新しい年が明け二人で日の出を拝み若旦那は上毛屋に戻って行った若智屋の元旦はいつもよりゆっくり始まる年初めの挨拶をし全員でお雑煮を頂き奉公人に新しい着物とお年玉を渡すこの一連の流れは若主人が店を継いでからずっと続いている若智屋の奉公人は江戸一の果報者と言われる所以だ(そんな店は江戸中を探してもないからだ)「皆、喜んでいたかい?」上毛屋に行く道すがら和也に訊ねる若主人「ええ、それは凄く喜んでいました」「和也・・・店の為に働いてくれてる子達だお
店に戻ると和さん達が迎えに出てくれていた「お帰りなさい疲れたでしょ」雅紀さんがセリーの背中に手を置いた「お風呂に入ってゆっくりして」エルフの国から来てるジュンさんが俺の背中に手を添える「夕飯の用意は出来てるから皆で食べようね」和さんがそう言って、ドアの鍵を掛けに行く迎えてくれた3人の後ろにディルやファーやジュンの影が見えた楽園の4人・・・いつも見ていた光景そこにフィーはいなかった事を思い出す「フィーの孤独を癒してたのがサトシ・・・」
お茶を飲む上ちゃんの横でラインを入れる櫻井休憩中なら見てくれると思うけど上ちゃんの横顔を眺めながらこの時代に跳んでくると言うことは何か悩み事があるのだろうかと考える「上ちゃん・・・何か困った事が有る?」遠回しに聞いても仕方ないと直球で訊ねる「困りごとですか?・・・今のところ・・・ないようで・・・あるようで・・・」何故か口ごもって肩をガックリと落とす「有るんだね・・・智君にしか相談できないこと?」「そう言う訳ではないのですが
沢山の恋をしてきたであろう君が俺の前では初めて恋をした少年に代わる楽園に居た頃の君と重なる(憶えているのも厄介だな)「翔君はどんな恋をしてきたの?」頬を紅く染めてグラスを口に運ぶ君に訊ねた「ゴホゴホっ・・・」思いっきり噎せ返って胸をトントンって叩きながらビックリした顔をする大きな瞳が零れそうだよ(笑)「こ・・・恋ですか?・・・」鼓動が速くなるのが分かるくらい焦ってグラスを運ぶスピードが速くなる「そんな焦る質問?」「まさか恋
戻ってきたさとちの笑顔を見てホッとしたお兄ちゃん繋いだ手をギュッと握り締めてニッコリ笑う「お歌謳った?」そう聞かれて驚いた顔をする「おうたきこえちゃの?」「さとち君の声と・・・大ちゃんの声かな?・・・」針の風に揺れる樹々のざわめきのような気もしたが二人の声が微かに聴こえたそれを聞いたさとちが凄く嬉しそうな顔をした「おにいちゃんにはきこえちゃんだ」「俺だけじゃないかも・・・ま~君達も耳を澄ませてたから」「たぶん・・・みんなには
智君の家の駐車場に車を止めてハタと気が付く一応、許可は貰ったけど断れない状況を作って押し掛けてきた相当痛い奴・・・な・・・気がする気がするんじゃなくて相当痛い奴だ・・・貴方の事になると見境が付かなくなる俺の人生の中でこれほど愛おしくて大事な人はいない暴走するのは仕方ないよなあ・・・ゆっくり車から降りて玄関に向かうゲンキンなものでどんどん早足になる引き戸をゆっくりと開けると玄関先に貴方の靴が綺麗に並べて置いてあったそれを見ただ
翔さんが二階の書斎に行った後僕はアトリエに入った・・・絵描きの祖父ちゃんの子どもは5人そのうちの二人が誰かわからない・・・どこかに手掛かりは残ってないのかな?戸棚とか机の引き出しとか開いては閉じ、引いては戻しを繰りかえすけどあるわけがない・・・絵描きの祖父ちゃんの物はほとんど残っていないん?・・・じゃあ、ここにある絵ぼ道具は誰の?絵の道具だけは残してある?誰か使ってた気もするんだけど・・・コンコン・・・「智、入ってもいい?」母ちゃ
光の輪の前、眩しくて目を閉じて恐々と空ければ松岡邸の楠の横「くすのきのじいちゃんいっちぇきちゃ!」『お帰り、オオちゃんにはあえたのか?』「あえなかっちゃの!」楠との会話を想像するしかないがさとちの声は不安げではなくむしろ明るいやっぱり会話してる様子だったのは間違いではなく相手はオオちゃんだと確信する『会えなかったのかそれは困ったなあ手がかりが無くなってしまった・・・』「あおのもりにいったんじゃって・・・しょうせんせいがいっちぇ
夜の帳がおり星が綺麗な夜帰り支度を始めた副社長副社長、この敷地内の離れに住んでいるアパートの敷地に離れちょっと不思議な気もするが元々の家主が住んでいたのかもしれない(その辺りはよく分からない)「社長、そろそろ帰りますが宜しいですか?」社長は此処に住んでいたが旅行社になってからはここより狭い隣の空いてる部屋を使用している副社長が離れに住む理由は至極単純、荷物が多いから全く料理が出来ない副社長3食社長が面倒見ている「めがね君・・・客が来そうだ