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花城と言えば、きらきらと美しく光り輝く死霊蝶ですよね。謝憐にとっては可憐に舞う可愛らしい銀の蝶ですが、他の神官達からすると「残虐の限りを尽くす狂気じみた銀の蝶」(第一巻p141)なのです。花城が絶になる前に、長年棲み家にした万神窟(洞窟)でも、繭が登場します。なぜ蝶なのか、なぜ繭なのか。以前、なぜ蝶なのかについて、「蝶恋花」つまり、「蝶は花(殿下)が大好きだから」みたいな感じで薄〜く浅〜く解釈していたのですが、新しい説を発見したので、書いてみたいと思います。(正解はない
慕情は謝憐を裏切った印象が強く、性格も屈折しているので、なかなか好かれない面もありますが、実は彼はとても魅力的なキャラクターなのです。今回は、慕情について紐解いていきます。ネタバレを含むので、最後まで読み終えていない方はご注意ください。慕情という人物彼は「杯水二人」の質問で、砂漠で死にかけている二者がいたら、より生きる価値がある方に水を与えると答えました。謝憐が天界から追放されて、みんなで食べるものに困る生活を送っている時に、自分が中天庭に戻ることで突破口になろうとしました。与君山で謝
前回に引き続き「謝憐の心が動いた瞬間」パート②です。きっと悶えるの確定です!最後まで見ていくので少し長いです。後半、まだ日本語訳が出ていない範囲のネタバレを沢山含むので、小説で直接読みたい方はご注意ください!①水中キスでは花城と気付いた瞬間、もがくのをやめたし、この後濡れた花城を見て“かっこいい・・’’って見惚れるし、動揺しすぎて意味不明なことを色々言います。(もがくのをやめる時点で、受け入れたということでいいですよね)このキスシーンに関してこちらの記事でも詳しく書いています!『天官賜福11
天官賜福には何度か読んで初めて気がつく細かい伏線がたくさん隠れています。ネタバレを含むので、まだ最後まで視聴していない方はご注意ください。花城が謝憐を好きになったのは、人間だった子供の頃、神武大街で城壁から落ちた時に謝憐に助けてもらった瞬間で間違いないのですが、では謝憐はいつから花城が好きになったのか考察していきたいと思います与君山でのエスコート謝憐が初めて花城に会ったのは、与君山の鬼退治で花嫁姿になった謝憐を花城が優しくエスコートする場面(この時点では相手が花城だとは知らず、事件が解
新着情報・天官賜福日本語版原作第4巻は2025年3/26頃発売(紙書籍版・電子書籍版同日発売)・人渣反派自救系統―クズ悪役の自己救済システム第1巻日本語版書籍2025年2月14頃発売・馬伯庸(マー・ボーヨン)さん西遊記事変(ハヤカワ・ミステリ)2025/1/8頃発売2,530円先日から体調不良で入院しているチャオ・ルースー(趙露思)さんだけど、いつも拝見している方のブログ情報で(チャオ・ルースー(趙露思)さんに近しい人物の方のSNSの投稿で、現
謝憐と花城の心が通じ合った後の甘いシーンについて見ていきます。まだ日本語訳が出ていない範囲になるので、小説で直接読みたい方や、ネタバレNGの方は飛ばしてください。①二人が気持ちを通じ合わせた後、白無相が追いかけてきて「後で落ち着いたら話そう」と言って謝憐と花城は一緒に逃げるのですが、「落ち着いたら」のタイミングがいざやってくると、二人は少し気まずくなります。心が通じ合ってすぐだし、他に誰もいなくて二人だけなので、急に何を話したらいいかわからなくなります。謝憐は指先で顔を掻きながら、軽く咳払いし
完全なネタバレを含むので、まだ最後まで視聴していない方はご注意ください。この作品の一番の魅力は、何度観ても新しい発見があり、登場人物の深掘りがいくらでもできるところだと思います。本日は「謝憐の成長の軌跡」について若かりし頃の太子殿下謝憐は、仙楽国の太子として生まれ、権力には目もくれず「万人を救いたい」と修行して若くして飛昇しました。しかし、若くして飛昇したことを、仙楽国の国師(謝憐の師匠である梅念卿)は「早い、早すぎる」と言いました。挫折も苦労も知らない太子殿下は、万人を救うことの代償も何
黒幕と対峙する時、花城は自らが黒幕を倒すのではなく、謝憐にありったけの法力を注ぎ込んで、謝憐が黒幕を倒すのですが、花城はなぜ自分で黒幕を倒さなかったのか。理由は大きく分けて三つあると思います。大いにネタバレを含むので、未視聴の方はご注意ください。理由①謝憐の咒枷を解く為謝憐が二回目に天界から追放された時に、自ら君吾に頼んで二つの咒枷を付けてもらっています。そのために謝憐は法力が封印され、不老不死である以外は人間と何も変わらなくなります。この咒枷には法力を封印する機能以外にも、後半引玉のくだ
うう、年末までに日本版の進行に追いつかなければ😓今回は深い感動に震えた13話、いわいる「觀音廟恥知らず大告白」を振り返ります立体的な構成が物語を盛り上げる觀音廟でついに藍湛への愛を激白する魏嬰受け止める藍湛大陸版ラジオドラマで始めてこの大告白シーンを聞いた時あまりの感動に涙ぐんだ私です原作、さんざん読んだのにですよ途中で聴くのを止められるわけもなく風呂桶回から深夜に4話ぶっ続けで聴いたのを覚えていますここはもちろん原作もじゅうぶん素晴らしいのですがこのラジオドラマの構
この作品の一番の魅力は、謝憐と花城の愛の物語だけでなく、他の登場人物の描写が丁寧に紡がれている点だと思います。今日は『天官賜福』の中の「西方武神」の現任’’権一真’’と、前任''引玉''についてまとめてみたいと思います。ネタバレを含むので、まだ未視聴の方はご注意ください。ちなみに風師は、’’引玉殿下は謙虚で人当たりが良い’’と評価し、権一真については、''少し性格に難があり、人付き合いや世渡りがあまり得意でない''と評しています。引玉は陰が薄く、顔つきも平凡で存在感もありません。権一
天官賜福には何度か読んで初めて気がつく細かい伏線がたくさん隠れています。ネタバレを含むので、まだ最後まで視聴していない方はご注意ください。今回は黒水沈舟(賀玄)と水師(師無渡)と風師(師青玄)にまつわる伏線です。①黒水沈舟(賀玄)が師青玄達を風水殿に呼び寄せた時に、風師(師青玄)の像は腕と脚が取れていて、水師(師無渡)の像は頭が取れていた描写がありますが、これは後の風師と水師の結末を示しています。(しかし風師の腕と脚は、黒水沈舟によるものではありません)②賀玄(明儀になりすましてい
天官賜福には様々な愛の形があります。今日は愛するが故に、離れることを選んだ女性を紹介したいと思います。ネタバレを含むのでご注意ください。風信にはかつて好きな女性がいました。その女性との間に子供もいます。鬼市で謝憐に絡んできた売春婦の女鬼’’蘭菖’’がまさにこの女性です。そして、与君山で謝憐が聞いた子供の歌い声が、その子供の霊です。鬼になる前剣蘭は生きていた時は、仙楽国の、出身の良いお嬢様でした。かつては仙楽太子妃の候補にもなり、家族から期待され、もしかしたら謝憐の奥さんになるかもしれな
今日は天官賜福の最大の謎’’花城の通霊口令’’について考察してみたいと思います。(''謎''とされているだけあって、正式な答えはないので、あくまで考察止まりです!最後まで読んでもスッキリしないのでご注意ください!)まず、他の人の通霊口令を紹介したいと思います。(ちなみに通霊口令はみんな自分で設定するもので、現代で言えば、言葉の電話番号みたいなものです。離れている誰かと話したい時にこれを三回唱えると相手と繋がります。)各神官の通霊口令謝憐は、’’道徳経を千回唱えよ''霊文は、“
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑰で、前回の続きです。いつものことながら、だいたいのあらすじと緩めの意訳です。いつでも花城と対話する時は、彼に優しくやり込められたような気がするのですが、反撃する力もなく、負けるのでさえ本望のような気がするのです。本当にもう何も言うことがありません。突然、遠くに眩い光が空を駆け抜け、金属や岩が破砕される音が天地を揺がすほどに響き渡り、二人の行く手を阻みます。白い光が徐々に熱を失ったように薄れていくと、謝憐はようやくそれが一本の剣
完全なネタバレを含むので、まだ最後まで視聴していない方はご注意ください。この作品の一番の魅力は、何度観ても新しい発見があり、登場人物の深掘りがいくらでもできるところだと思います。本日は「君吾」について君吾の統治術君吾は、元々あった上天庭を転覆させてから、今の上天庭を築いたので、同じことが起こらないよう、他の神官の権力が大きくなりすぎないよう、常に気を配ることになります。そして、君吾にとって神官を牽制する一番簡単な方法は神官の「弱み」を握ることでした。まず明光殿の場合、二名の裴氏が
天官賜福にははっきりと書かれていなくて「謎」とされている部分がいくつかあります。今日は万神窟の最後の絵について考察していきます。割と大事な場面のネタバレを含むので、まだ最後まで読んでいない方はお気をつけください。万神窟の神像の素顔が明らかになった後、慕情と風信は壁の絵を見て、花城が当時謝憐が救った子供だと気付きます。謝憐が最後の絵を見る前に、慕情と風信に止められて、見ることができていません。二人の反応や前後の文章から、以下の条件を満たすことがわかります。①花城は謝憐との思い出を絵にしてい
天界からも鬼界からも恐れられる無敵の花城でさえ、謝憐の前では自信がなく臆病になることがあります。好きな人の前ではそんなもんですよね。今回はそんな二人の甘いやりとりを見ていきたいと思います花城「千燈觀」天界で神官の「長明燈」の数を競うイベントで、当たり前のように、どうせ誰も一つも上げてくれてないんだろうな、って思っていた謝憐にとって、三千灯も上げてくれた「千燈觀」はもうビッグサプライズなわけですよ。もう驚きと感動しかない。それなのに、花城は、「本当は言いたくなかったんだ。・・こんな鬼
今日は「天官賜福」のあとがきについて紹介したいと思います。全部ではなく、個人的に興味深く感じたところの意訳です。旧版のあとがき・いつもあとがきから書き始めるため、あとがきを書く段階ではまだ文章は書き終わっていないことが多いそうです。魔道祖師の次の作品なのでプレッシャーも大きかったかったものの、設定と人物像を書き始めた当初は、緊張よりも新しい世界への挑戦の気持ちが強かったとのことです。・2016年後半〜2017年前半にわたって、インスピレーションを得るためにいろんなところに旅行に行き、民
以前あげました、こちらの記事。『人渣反派自救系統:サハン原作読んだよ!』原作英語版第1巻、読んだよ!SCUMVILLAIN'SSELF-SAVINGSYSTEM(P)[MOXIANGTONGZIU]楽天市場3,1…ameblo.jpどうしても原作を読みたかったので買いました。TheScumVillain'sSelf-SavingSystem:RenZhaFanpaiZijiuXitong(Novel)Vol.1Amazon(アマゾン)2,24
丸数字が尽きてしまったので、タイトルを少し変えました。三千灯が上がるあたりは旧版のままです。各神官の灯の数も、全て旧版のままです。地師の数が444灯で、これについては以前別記事でも紹介したのですが、何度読んでもうまくできているなぁと感嘆します。『天官賜福64伏線や考察④』天官賜福、伏線シリーズ第4回です。(伏線の過去記事をまとめて採番したので今回④です。)最近気がついた伏線をまとめてみたいと思います。ネタバレを含むので、ご注意…ameblo.jp宴会がお開きになったあたり(p7
前回の続きです。『天官賜福160蝶夢④』前回の続きです。『天官賜福159蝶夢③』前回の続きです。前回、前々回はこちらから↓『天官賜福157蝶夢①』今回は、四巻以降の部分にはなるものの、旧版には…ameblo.jpそこから数日間、こんなふうに謝憐は日中は花城を連れて白錦を見張り、夜は花城の「極楽坊」に一緒に帰ったのでした。(少しだけ省略します。省略した内容は後述します)-----数ヶ月後、須棃国主は、皇城の凌波楼で凌波文会を開くことを公表しました。もし優勝すれば、優勝者
前回の温柔郷の記事は、過去記事の再掲でもあり、少し物足りなかったですよね。今回は、天官賜福の新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑪です。多分少し甘めです①賭坊で花城が謝憐の手を包み込みながら、壺皿を振る最後の一回の時に、花城が「さあ、最後の一回だ。緊張しないで」謝憐「緊張してはいませんp399」の会話がありました。新版ではその直後に、花城が''真剣な眼差し''で、軽いけれど''揺るぎない声で''、「孤注一掷、死亦無悔(一か八か、死んでも悔いはない)」と言い、謝憐も同じように、低い
今回から新版(2023年5月発売)の過去編の変更点・追加部分の紹介です。前回紹介した現在軸の最後の一文は「そして、ただ、一つの小さな小さな白い花がゆっくり舞い降ります」で終わりました。過去編の冒頭は、「あの白い花は、満天の彩帯と歓声の中を飛び越えて、剣の上に落ちます」からスタートします。現在軸と過去軸が素敵に繋がれています。・「鐘の音が大きく鳴り響くと、国師が生えてもいない髭を撫でるようにして言ったp172」の部分が、「鐘の音が大きく鳴り響くと、払子を持った高冠華服の青年道者が粛然と言
今回は「白話仙人喜宴哭喪」の章の紹介です。本筋は旧版からの改編は少なめだと思います。p142「町からわざわざ持ち帰った肉餅を抱えていた谷子は」が、「村長の家から連れ帰った谷子は」に変更されています。p144「もともと謝憐は、子供たちの預け先が決まったら花城のところへ行って丁重に礼を言うつもりでいたのだが、思いがけず彼の方がこちらへ来てくれた」が省略されています。「兄さんは忙しいだろうから、わざわざ来てもらうこともないと思ってこっちから来たんだ」が無くなって「兄さん、忘れ物」だけ
新版(2023年5月発売)の改編箇所です。今回は、謝憐と花城が賭けをするシーンのみの紹介になりそうですこのシーンは丸々追加されている部分なので、物語みたいな感じで読みやすいと思います(訳しにくいところは雰囲気意訳で失礼します)謝憐は壺の中の物を当てるのはどうか?と尋ねます。五局中三局勝てば勝ちで、壺の中を見てはいけないが、壺の中の物の試し方は問わない。五局のうち「生死」「赤白」「方圓(四角か丸いか)」「明暗」の四種の問いが必須で、最後の一局は花城がどれか選ぶ、というルールです。花城
天官賜福には何度か読んで初めて気がつく細かい伏線がたくさん隠れています。ネタバレを含むので、まだ最後まで視聴していない方はご注意ください。①謝憐が3回目に飛昇した時、霊文が’’風信はよく人間界に行っている’’と言っています。それは800年の間、風信がずっと人間界で謝憐を探していたことを示している可能性があります。②扶搖が初めて登場した時に「あなたは人の世の正道であり、世界の中心です」みたいなことを謝憐に言いますが、謝憐が初めて天庭から追放されて悲惨な生活を送っている時に、慕情から同じ
前回の続きです。前回、前々回はこちらから↓『天官賜福157蝶夢①』今回は、四巻以降の部分にはなるものの、旧版にはなくて、新版で新たに付け加えられたエピソードの紹介をしたいと思います。多分、日本語版小説は旧版を元に最後まで翻…ameblo.jp『天官賜福158蝶夢②』前回の続きです。(テーマが決まっていると更新が早い)前回はこちらから↓『天官賜福157蝶夢』今回は、四巻以降の部分にはなるものの、旧版にはなくて、新版で新…ameblo.jp謝憐がまだ考え事をしていると、花城は彼
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑯で、前回の続きです。(だいたいのあらすじと意訳です)「もういい」上の方にいる君吾が口を開きました。一言だけなのに、殿は一瞬で静まりかえり、皆君吾の方を向きます。謝憐も郎千秋の手を振り解きました。君吾は額を手で支えながら座っていましたが、謝憐には君吾は頭が痛いんだろうというのが分かり、処罰を待たずに先に口を開きます。「帝君、こうなったからには、お願いがあります」君吾は表情は厳粛ですが、謝憐にはもっと頭が痛むように見えました。「言
ネタバレを少し含むので、最後まで読み終えていない方はご注意ください。花城と謝憐の初めての出会いは、花城が城壁から落ちて謝憐に受け止められた時です。その後、風信によって傷の手当てのために連れて行かれますが、後の風信の言葉から、この時風信を蹴って逃げたことが分かります。二回目に会ったのは、花城が戚容に連れ去られて暴行を受け、馬車の後ろにくくり付けられて街中を引きずり回された時でした。この時謝憐は花城を助け、皇極観に連れて行きます。皇極観では花城に怨霊が集まり、謝憐の仙楽宮が燃えます。そしてそ
君吾がしたことについてまとめてみたいと思います。ネタバレを含むので最後まで未読の方はご注意ください。物語全体を通して、君吾目線で描かれている部分はほとんどないため、花城や謝憐の推測の中からヒントを得たり、全体の構図から推測するしかないので、意外とわかりにくい部分だと思います。今一度、まとめてみたいと思います。---①謝憐に与君山の任務を与え、宣姫に辿り着けるように胎霊で導かせ、裴茗の勢力を削ごうとした。②宣姫だけでは裴茗の勢力が削げなかったので、空殻を使って謝憐を半月関に遣わせ、