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写真の柄ですが、どちらも、元は同じ様に、黒く霞んで、菱形に汚れがこびり付いて居ました。それが、古い歯ブラシを、短くカットした物でゴシゴシやると、上の柄の様に、綺麗に成りました。本当は、販売する刀はみんな、鍔や金具類等も、細かな、錆を綺麗に落として、油を付けて揉んでやるとぐんと綺麗になります。刀に着いている鍔等の金具類もそうやって、綺麗にしてあげてから、写真を撮るともっと綺麗に見えるのですけど。ただ、時間的な制約は大きいです。当店の様に、独立したホーム
皆様に支えられながら、私一人でスタートした池田美術ですが、もう直ぐ丸7年に成ろうとしております。現在は株式会社池田美術として、名前だけは立派に成り、スタッフも増えました。これも、一重に皆様方のご指導ご鞭撻のおかげと、心よりお礼申し上げます。そして今般、既に取得していた隣地に、やっと「店舗」と呼べる様な新店舗をオープンさせることが出来る運びとなりました。お礼と共に、皆様にご報告させて頂きたく、書面をもってお知らせさせて頂きたいと思います。株式会社池田美
拵作成のお客様から、金具の材料について色々と聞かれることがあります。古い時代の金具であれば、鉄、真鍮,銀、銅、赤銅、臘銀等等、様々な,物が使われていました。それを職人さんが、1点1点丁寧に仕上げていきます。大変手間暇のかかったものが多いです。しかしながら、現代においても、そのような一点物の優れたものも作られていますが、多くが工場で大量生産されたものが中心となってしまいました。当店は、比較的安価な量産の金具を中心に扱う事で、より安価な実用品としての拵を作成
刀の研ぎの仕上げ方法は、所謂「化粧研ぎ」と言われるものと「差し込み」に分かれます。大きな違いとしては、「化粧研ぎ」は最期に「刃取り」と呼ばれる工程で、刃紋を小さな石でなぞるように研いで、刃紋部分を白く浮かび上がらせる点でしょうか。現在は、この化粧研ぎと言われるものが刀剣研磨の主流で、研ぎと言うと、化粧研ぎを施された物をイメージされる方が多いです。当店の場合は、説明に書いては居ますが、差し込み仕上げを基本として、化粧研ぎをしていません。その分安い料金で研ぎをさせて
先日、ホームページから照会がありました。他店で、注文をされたお刀を研いだ所、鎬筋の上に、2カ所ほど鍛え傷が出たようです。①それを、添え樋を入れて消すことはできないか?②業者はそれで了解してほしいと言うがどう思いますか?と言う2つの質問でした。これに対して、私は、「私は、鍛え傷は、大変大きく目立ったもの以外は、基本的に傷とは捉えていません。」「日本刀が古式製法によって作られた証であると考えています。」とお答えしました。近年の、日本刀を飾り物として、わ
軍刀と言うと、刀剣の世界では、粗悪品のイメージが付きまとい、あまり良い印象をお持ちでない方も多いのではないかと思います。ただ、私は軍刀大好きです。確かに、軍刀の中には、油で焼入れされたものなど本来の日本刀とは少し違う形で作られたものも多くあります。しかしながら、軍刀の中には、その当時の刀剣会を代表する有名な刀匠の作品も多数存在します。戦後人間国宝になられた方も、戦争の当時は軍刀を打っておられました。何度か、軍刀のランク付けをされたことがありますが、それら
以前、ブログで、樋鳴りを良くするため、深樋をすると、刀に良くない事だと書いた事があると思います。しかし、今も深樋の相談は時々寄せられます。居合刀の様な、単一の金属で作られて居れば、少なくとも、見た目は、そんなに問題ないと思うのですが、真剣の場合は、通常、比較的柔らかい芯鉄の上を硬い被鉄が覆うような構造になっているかと思います。樋を深く掘ると、その芯鉄の部分が出てしまって、その部分は、色の違う鉄が露出したり、隠れていた鍛え傷が表に出たりする事があります。また、
現代刀では無いのですが、時々こんな目釘穴の細い刀が有ります。柄職人さんから、「これじゃあ危なくて、振れないよ。」と返って来ました。測ってみると、約3ミリ、ちょっと細いですね。江戸時代位になると武士もあんまり戦う事を考えて無かったのでしようか。とは言え、当店としては、そんな細い目釘じゃ危なくて販売出来ません。こう言う刀、初めてでは無いですが、怖いですね。うーん参った。兎に角、実用強度が保てる様にしないといけません。しよ
写真を良く見て頂くと分かりますが、上の柄は、目釘が2本入っています。下の柄は、目釘は一つです。日本刀の9割は、目釘が1個の仕様だと思いますが、当店で新作刀を注文する場合は、殆ど2本目釘仕様で打って頂いています。形が中心の場合は、1本目釘でもそれ程柄は痩せませんが、試斬中心に使うと、柄の木は結構なスピードで痩せて、ガタツキが出てきます。しかし、衝撃を2点で支える、2本目釘にした場合、柄の持ちが相当に違います。写真、上の柄は、私が長年使用した、貞光の柄で
刀の柄巻きには、下図のように、様々な巻き方があります。ただ、多くは、「諸捻り巻」が中心になっていると思います。少し高級な巻としては、「撮み巻」と言うものがあります。居合で使うならどれが良いか、職人さんの腕の問題が大きいので、一概には言い難いのですが、「諸捻り」が1番使い勝手は良いかと思います。その1番の理由は、強くしっかりと巻き易いと言う点です。使う側としては、非常に安心して使えます。「撮み巻」の場合、下手な人が巻くと、巻が緩く、使っている間に、だん
シリーズ3回目の今日は、革の柄糸に表示してある「芯入り」「芯無し」について話をしたいと思います。まず、革の柄糸ですが、構造としては、薄い皮を左右から三つ折りにして、1本の紐状のものに作ってあります。この中に、薄い科学繊維で作った、帯状の芯を入れるのが、「芯入り」、何も入れないのが「芯無し」です。では、何のために芯を入れるのかと言う話ですが、これは革は収縮すると言う特性によります。正絹の柄糸であれば、多少強い力で引っ張ってもそれほど伸びて薄くなるという事はありませ
少し原点を振り向きたいと思います。刀剣商になったのは、以前の勤め先を退職して、「これなら何とかできそうか」と思ったからに他なりません。自治会などの地域活動と、それをやめろと言う会社との間に挟まれ、余りのパワハラのひどさに、心身ともにすっかりと働く気持ちをなくしてしまったので、心から疲労困憊して、仕事を辞めてしまいました。と言って、人に合わせるの苦手な私が、50も半ばになって、入れてくれるような良い就職先が思いつきませんでした。刀は、もともと大好きです。
久し振りに、長船助光刀匠の新作刀が入荷しました。この店を作って間もないころからの仲間ですが、今ではすっかり人気刀匠に成ってしまって、なかなか無理をお願いできません。偶に無理を聞いてもらって回してもらってます。長さ二尺四寸、反り1.8㎝、元身幅3.35㎝、元重ね0.65㎝、先幅2.65㎝、先重ね0.55㎝、刀身重量約830gの豪刀です。現在、研師さんによる研ぎと、ハバキ作成(銅一重)まで出来ています。流石に、武用刀の刀匠だけあって迫力満点の
何かブログネタの材料に成る良い物が無いかと、自分のブログの古い記事をテーマを絞って見ていました。懐かしいですね~。ある程度テーマを絞っても「あの時、こんな事もやったな~」と言う事が懐かしく思い出されます。嬉しかった事、嫌だったこと、その時は嫌でも何でもなかった事でも、今見ると苦しい事もいろいろ書いてますね。特に、いろんな理由でここを去ったスタッフの記事などを見ると心が痛むものも少なくありません。方向性の問題で去った人(もっと美術刀剣中心にしたかった人)。
柄の握り心地は、刀を扱う上で大変大きな要素に成ります。どんな名刀を手にしても、柄が手にしっくりこないと、思い切って刀を振る事も出来ません。特に私の様に、人より手の小さな人間の場合は、大変大きな要素と成ります。工作を行う時、ここを重視される方は、今までに、自分の使って使い易かった柄を見本として預けて下さいます。写真の3つの柄は、全て私の刀に付いている、或いは付いていたものですが、ご覧の通りどれも総じて、細く仕上げて有ります。私は、余り金具に凝る人間では
工作の依頼が有り、柄の太さの見本に、今お使いの刀の柄をお預かりしました。ただ、目釘穴の感じがおかしかったので良く見てみると、覗きこんだ向こうに、二方向から光が見えているのが分かるでしょうか。このお刀の目釘穴は、かなり広がってしまっていて、ちゃんと効いていない状態である事が分かりました。一般に刀屋さんでお刀を買う場合、刀屋さんは、美術鑑賞用としてお刀を販売するのが普通です。なので、拵は、他の刀の物を合わせてあるだけと言う事が非常に多いのです。要は体裁よく付
買ってきた刀の鞘が合わせであったり、市販の替鞘を使用していて、鞘の先の方を振るとカラカラと中で刀身が暴れるという経験をされた方は居られませんか。ちゃんと直したいと思えば、本歌で職人さんに鞘を作ってもらうしかありませんが、それは高額に成るので嫌だなーと思っておられる方に、比較的簡単に出来る修正方法をお教えします。私も、古い刀剣商に教えてもらってやり始めた事ですが。一ひねり加えました。いろいろあるやり方の一つとして、考えて頂いたら良いかと思っています。必要な物は、釣
鍔鳴りの基本的な修正方法は、銅による責金ですが、バーナーや、しっかりとしたバイス、金床も必要で、一般の家庭で簡単にとはいきません。しかし、一般の家庭でも簡単に出来る、鍔鳴りの修理方法も有ります。鍔鳴りの簡単な修理方法は、いくつかあります。その症状によって、どのやり方を選択するか考えなければなりません。今回お見せするのは、縁と鍔の間に隙間はなく、単純に鍔の穴が大きい場合に効果的なやり方です。まず、市販の「グルーガン」を用意します。これは、ホームセンターで、700円位で買ってきたグルー
この所、何故か、赤松太郎注文打ちのお仕事を良く頂きます。注文打ちを始めたのは、一昨年の九月からですが、一年程は、一振りしか注文が来なかったのですが、ここ三ヶ月、毎月コンスタントに一振りづつ注文を頂いています。当店の注文打ちは、他店に比べると安いので、それが浸透してきたのでしょうか。それとも、実際に出来たお刀を買って頂いた方からの口コミでしょうか。刀身は一般的な赤松太郎の刀身ですが、一年以上に渡り、毎月注文打ちをお願いしてきた為、一振りの打ちおろし単価は、一般の刀剣店に比べると大
お客様から、先日購入頂いた刀の斬れ味が凄くて感動したというメールを頂戴しました。そのお客様は、安いお刀をお買い上げ頂きましたが、同時に研ぎの依頼も受けていました。なので、お渡しした状態では研ぎ上がり状態でのお渡しと成りました。そりゃあ斬れますよ。当店で販売している新作現代刀と、「研ぎ上がり・斬れ味保証」としている物は何れも当店が懇意にしている研ぎ師が研いだものですが、必要以上に美術的要素を取り入れませんが、どんななまくらでも、ちゃんと斬れる様にはしてくれます。この点は、見事
これが唯一の当店の、広告塔なので、出来るだけ毎日ブログを書いていますが、ネタもすっかり尽きて来て、毎日、ひねり出すように下手な文書を書いてるだけなのに、昨日のアクセス数は、643人。(こんな数字で喜んでちゃダメなんでしょうけど)ありがたいけど、書いてる本人が、頭をひねります。まあ、書くのが得意で、人に読ませる、上手いブログを書いている人のブログはならもっと沢山の人の心を引けるのでしょうが、「私のこの下手な文書で・・・」と思うと何とも不思議です。居合や、刀の事を中心に書いていますが、日々更新
研師さんから、値上げ要請がありました。確かに、食料品も大変値上げしていますし、ガソリンも上げ止まったまま下がる気配もありません。いろんな生活に関するものの値段が上がっています。当然それを支える収入も上がらないと生活が成り立ちません。刀鍛冶さんも、炭代等かなり値上がりしているそうで、当店がお願いしている刀匠さんは、すべて値上げ依頼が来ました。白金師さんも値上がりしました。何とか今は営業努力で耐えていますが、いろんな工作材料がみんな上がると、それらを集合体の
こちらの脇指、先日、、サイズが少しおかしいと思い、先日現物確認に行って、唯一、登録証とは別物と完全否定された一振りです。登録証では、昭和26年3月と本当に、所謂大名登録の初期の登録証です。お客様から買取したお刀ですが、長さも反りも若干合いません。登録証には、各都道府県に元票と言って最初に登録された時の情報がいろいろ書き込まれています。例えば、鍛え目、刃紋、時代等が詳細に書かれています。それと合わなければ、「全国照会」と言って、「こんな刀がお宅の教育委
居合刀には、大きく分けて、標準刀身の比較的軽いお刀と、幅広、あるいは厚口刀身と呼ばれる重量のある刀身に分けられます。それ以外にも、女性や子供用として、薄口刀身もありますが、基本的には標準刀身と厚口刀身があると理解していただければ良いと思います。当店の場合、標準刀身として、雲竜拵と厚口刀身を使うものの、金具を安く設定した、練武刀池田美術モデルの2種類を中心に商品展開しています。(標準刀身の雲竜拵)(厚口刀身の練武刀)主に、男性で、私の所属する団体に入ってきた人
明日の日曜日、昇段審査を受けるため、アメリカ支部のユタ道場から、9人の方が来られています。審査は、夕刻から、京都支部において実施されることになったようですが、その前に肩慣らしをしたいので、昼間稽古をしている私達、誠和会で稽古させてもらえないかと、理事長より申し出がありました。もちろん、歓迎の旨返信返答しましたが、話の流れで、誠和会の稽古が終わった後、私のお店に立ち寄ってから京都支部に行くことになりました。「9人も入るスペースが、無いな〜」と思って、今日、一日掛かって、片
研師さんから電話がありました。一昨日送った、3振りの内、1振りについて「焼き刃がなく、研いでも刃がつかない。」と言うお話でした。しょうがないので、研ぎの依頼をされたお客様に電話をして、「一旦研ぎは見合わせましょう。」と言う話をしました。少し、話を聞くと、有名工の刀が安くで出ていたので、ヤフオクで落札したとの事でした。「何か方法が有りませんか?」と仰るので、再刃を検討しています。現状、刀としての機能は、無くなってしまっているお刀なので、これ以上お金を掛ける
奉納演武等、屋外で演武する時は、基本的に履物は白い鼻緒の雪駄と相場が決まっていますが、どんなものが使い易いでしょうか。まず、本物の雪駄、(他が偽物と言うわけでは有りませんが、足の触れる台の部分が竹の皮等で編んで作ってあるもの)は絶対ダメ。ホントにお金が余る位有るなら良いですけど。親子三代使えると言われるほど丈夫ですが、雨にぬれるとイチコロです。基本的に草を編んでる様な物なので、水を吸うと膨張して直ぐダメに成ります。数万円の高級雪駄が一瞬で草のふやけた物に
昨日、この関係で一つ記事を書きましたが、やや言い過ぎかなと思う反面、もっと言いたいと思う事も出てきました。私は、軍刀の評価に付いて、も不満があります。軍刀は、あくまで、武器であり、日本刀では無いと言う評価が有ります。しかし、私は、俗に「スプリング刀」と言われる大型ナイフに近い官給品の軍刀に至るまで、日本刀だと思っています。当時、それを心の拠り所として、出征した方々が多数おられました。「日本刀とは、単に、玉鋼を使用した刀の事では無い。」と思っています。
最近、また、柄糸について、いろいろ質問を受けることが多く成って来たので、かなり初期の頃に書いたブログの記事ですか、解説している記事が有るので、新しいお客様にも理解して頂く為載せてみたいと思います。皆さんは、柄糸と言うと、何を思い浮かべられるでしょうか?当店では、柄糸として、正絹、正絹絹紡糸、表革、ヌバックを販売しており、偶に、お客様の要望で木綿を取り寄せたりして居ます。拵の注文を受ける時、これらの商品の違いについて、色々と尋ねられることがあります。なので、少しその