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ひとつ前の当ブログの最後のところで、仲代達矢さんがイタリア映画の『野獣暁に死す』(1968トニーノ・チェルビー監督)に出演したことを書きました。ちなみに原作は後に『サスペリア』シリーズ(1977~)を撮るダリオ・アルジェントさんです。仲代達矢さんの役はメキシコ系の悪玉でした。『レッド・サン』(1971テレンス・ヤング監督)に出演した三船敏郎さんなんかはそのまま日本人の役(海外ではおそらく黒澤明監督作品のイメージが強いからでしょう)で侍の格好で登場しましたが。仲代さんは彫りの深い顔だし、ヒゲ
昭和の名優の一人である仲代達矢と圭吾兄弟が「徹子の部屋」に出演するシーンを見た。「七人の侍」の存在感溢れる演技はじめ、ブレヒト作品を積極的にとり上げた功績は大。(ちなみにブレヒト&クルトワイルの曲を日本に紹介したのは銀巴里の女王である瀬間千恵)さらに俳優養成所「無名塾」を創設し、役所広司、益岡徹、若村麻由美など多くの名優を育てたことでも知られる。弟である仲代圭吾は、シャンソン歌手として日本のシャンソン全盛期に活躍した一人。特筆すべきは「俺はコメディアン」のヒットで知
「他人の顔」(日/1966)安部公房の同名小説を勅使河原宏が監督。安部公房は「脚本」も担当。これでWOWOWの「安部公房特集」はすべて観たことに。あと残っている安部公房&勅使河原宏のコンビ作品は『おとし穴』(62年)だけ?仕事で顔に「重度のヤケド」を負ったことで顔を「包帯」で覆っている男。妻や会社の人はどこかよそよそしくなり、社会的にも疎外感や孤独感を感じていた男は、訪
「用心棒」と対極に柔らかさも持った姉妹編。小林桂樹の面白さ!<ストーリー>ある城下町、薄暗い社殿で井坂伊織(加山雄三)らの九人の若侍が密議をこらしていた。城代家老睦田(伊藤雄之助)に、次席家老黒藤(志村喬)と国許用人竹林(藤原釜足)の汚職粛清の意見書をさし出して入れられず、大目付菊井(清水将夫)に諭されてこの社殿に集っていたのだ。その真中へよれよれの紋付袴の浪人者(三船敏郎)が現れて、九人をびっくりさせた。その上、その浪人者は、城代家老が本物で
70年(昭和45年)のシーズン終了後に出された、長嶋茂雄さんのドキュメンタリーレコードです(71年4月発売)。このころ(60年代・70年代)は、人気スポーツやスポーツ選手のドキュメントをレコードとして出すことが多く、東京オリンピック(64年)の記念レコードをはじめ、いろいろな人気スポーツのLPレコードが出ていました。プロ野球では(時期は前後しますが)、長嶋さんのほか、金田正一さん、王貞治さん、巨人のV10を阻止した74年の中日ドラゴンズ、翌75年、初優
堀川弘通監督橋本忍さんのオリジナル脚本の映画化。とっても面白いミステリー・サスペンス映画。記憶をたどってみたら10年前に記事をアップしていました。でももの凄く雑で酷すぎる記事でしたので今回は画像も入れてもう少し丁寧に・・・見事などんでん返しですのでネタばれ出来ないのが残念。ある夜、目黒の高級住宅地で殺人事件が起きる。被害者は弁護士会々長・宗方(千田是也)の妻・靖江(淡島千景)。直
一緒に築いてきた作品の中であなたは永遠に生きている
「他人の顔」「他人の顔」全編1966年7月15日公開。阿部公房の代表作を映画化。人がある日から「他人の顔」を持つ異色作。1966年度キネマ旬報ベストテン第5位。原作:安倍公房脚本:安部公房監督:勅使河原宏キャスト:男:仲代達矢妻:京マチ子医者:平幹二朗看護婦:岸田今日子専務:岡田英次専務の秘書:村松英子アパート管理人:千秋実ヨーヨーの娘:市原悦子老嬢:南美江男の患者:観世栄夫女の患者:安双三枝精神病の男A:矢野宣精神病の
黒澤明は1970年に「どですかでん」で初めてカラー作品を撮って、その後ソ連で撮影した「デルス・ウザーラ(1975)」もカラーだった。しかし、当時の多くの黒澤映画ファンはカラーの大型時代劇が見たいと望んでいた。当初、予定されていた「乱」は予算の関係で断念。(「影武者」の次回作となる)代わりの企画が「影武者」だったが、それでも当時の邦画界では予算が組めず、世界に誇る“クロサワ”が日本では映画が撮れないという悲しい状況だった。しかし、「ゴッドファーザー」のフランシス・コッポラと
「二百三高地」「二百三高地」予告編1980年8月2日公開。日露戦争の旅順攻囲戦における、203高地の日露両軍の攻防戦を描いた作品。仲代達矢が乃木希典を熱演。興行収入:18億円。脚本:笠原和夫監督:舛田利雄出演者:仲代達矢、三船敏郎、森繁久彌、丹波哲郎、天知茂、夏目雅子、あおい輝彦、新沼謙治、湯原昌幸、佐藤允、永島敏行、愛川欽也、野際陽子、赤木春恵、松尾嘉代あらすじ:十九世紀末。ロシアの南下政策は満州からさらに朝鮮にまで及び、朝鮮半島の支配権
経験者は語る、岡本喜八と三船敏郎による最高の戦争エンターテイメント。岡本喜八監督ということで、ディキシーランド・ジャズナンバー「聖者が街にやってくる」のマーチングで始まるオープニングに期待度が高まった。小杉曹長(三船敏郎)と犬山一等兵(佐藤允)の掛け合いが戦争の悲惨さや理不尽さを、時にユーモラスに、時に鋭く描き出してる。「これから死ぬんです、かわいそうに」「銃殺は10人で撃ち、目をつぶるから誰が撃ったかわからない、だから誰も殺人犯にならない」というセリフが先の展開を暗示していて、セリフの端
『妻として女として』映画トーキー106分カラー昭和三十六年(1961年)五月三十日封切製作国日本製作言語日本語製作会社東宝配給東宝製作藤本眞澄菅英久脚本井出俊郎松山善三音楽斎藤一郎撮影安本淳編集大井英史配役西野美保高峰秀子河野綾子淡島千景南仲代達矢河野圭次郎森雅之河野弘子星由里子河野進大沢健三郎ルリ子水野久美福子淡路恵子花枝丹
『二百三高地』映画トーキー185分カラー昭和五十五年(1980年)八月二日封切製作国日本製作言語日本語ロシア語製作会社東映東京撮影所十九世紀末の大日本帝国とロシア帝国は厳しい対立関係にあった。ロシアに捕縛された日本兵沖偵介は友の兵士と銃殺刑の裁きを受けるが、処刑前にロシア帝国の進出に注意を語って撃たれる。ロシア帝国の南下政策は進み、朝鮮半島支配を狙う大日本帝国との対立は激しくなった。開戦か外交努力による和平かで国内の世論は分
【70点】1973年。監督:舛田利雄ようやく観ました。(観れました。)丹波哲郎、快演、熱演、大爆発でした。原作:池田大作・創価学会名誉会長(第3代会長)、小説(全12巻)。未読。創価学会の歴史と戸田城聖の生涯を描いた長編小説の映画化で、公開時は私12歳でした。1973年の観客動員数では、『日本沈没』に次ぐ第2位でした。その後、テレビ放映なし、レンタルなし、ビデオ・DVD販売なし、あきらめていました。(創価学会員は、たぶん見れるルートはあったと思います。)『鬼の筆戦後最大の脚本
仲代達矢が死去した際に、仲代が出演した映画「椿三十郎」(1962年黒澤明監督1時間36分配給:東宝)のラストシーンの凄さを紹介した。『仲代達矢のマイ・ベスト映画は何か?』「椿三十郎」のラスト。この睨み合いの後、映画史上に残る凄いシーン。三船と仲代のちょうど中間にいるのは加山雄三仲代達矢(1932.12.13~2025.11.…ameblo.jpyoutubeを検索したら、ラストシーンの2分がアップされていた。是非、見て欲しい。やっぱりこれは凄い!是非y
ひとつ前の当ブログの最後のところで、「コンプレックス」をキーワードに三島由紀夫さんと仲代達矢さんについて書きました。このお二人は映画で共演されています。勝新太郎さん主演の『人斬り』(1969五社英雄監督)です。勝新太郎さんが扮したのは、幕末に「人斬り以蔵」の異名をとった、土佐の岡田以蔵です。(大河ドラマ『勝海舟』では萩原健一さんが演じましたね)その人斬り以蔵を操るのが仲代達矢さん演じる武市半平太で、無学で単純、人のいい以蔵を演じる勝新太郎さん、以蔵を利用する冷酷な切れ者役の仲代達矢さん、い
歌舞音曲(かぶおんぎょく)好きなワタシも、いよいよ歳とって、舞台を観たことのある役者や、映画テレビドラマなどで涙を流しながら視聴したお気に入り役者達がどんどん、あちらの世界に行ってしまうのには本当に言いようのない寂しさを感じる。そのうち、自分もあっちへ行くんだけど、あっちではどんなふうになっているんだか。先に行った俳優達の芝居や歌を鑑賞するわけにはいかないだろう。今日の「徹子の部屋」、、急遽予定変更で、亡くなった仲代達矢の再放送。何本か、ビデオを流した最後に弟の仲代圭吾と出
連載「20代をどう生きるか」より役柄によって全く異なる顔を見せる個性派俳優として、映画やドラマに多数出演する滝藤賢一さん。華やかな芸能界で生きる現在の滝藤さんとは裏腹に、名優・仲代達矢さん主宰の俳優養成所「無名塾」で過ごした20代は人生のどん底だったといいます。辛酸を嘗めた下積み時代に仲代さんのもとで掴んだ俳優の極意に迫ります。(本記事は月刊『致知』2023年3月号連載「20代をどう生きるか」より一部抜粋・編集したものです)・・・・・・・・・・
小林正樹監督脚本・橋本忍撮影・宮島義勇音楽・武満徹この作品は小林正樹監督にとっても仲代達矢さんにとっても初めての時代劇だったそうですが監督は「椿三十郎や用心棒には無いものを撮ろうと思った。この映画は私の中でももっとも密度の高い作品です」仲代さんは「私が死ぬとき今まで出演した作品の中から一本選べと言われたらこの『切腹』を選びます」と語られていました。以前にもアップしていますがやはりこの映画で仲代さんを偲ばずにいられ
今朝の新聞に驚いた。仲代達矢さんが亡くなったという記事。92歳で現役の役者だった。私は確か90歳過ぎての舞台「肝っ玉おかあと子どもたち」を見た。比べて悪いが歌舞伎俳優で白翁や菊五郎は座ったままで舞台に立ち声も聞き取りにくい。でも仲代達矢は激しく動き滑舌よく喋るのが奇跡と思えた。まだまだ頑張れそうだったのに肺炎で亡くなった。彼の映画や舞台はよく見た。中でも強烈な印象に残っているのは映画「人間の条件」これは何部までもある長い映画で、深夜通しで上映している映画館に行った。当時コ
室内劇でも全く飽きさせない前半、そして列車内に場面が移ってから後のダイナミックな映像!<ストーリー>ナショナルシューズの専務権藤(三船敏郎)は会社の株を買い占めて実権を握ろうと画策し、5千万の金を集めた。その時、権藤の息子と間違えて運転手:青木(佐田豊)の息子が誘拐され、犯人から3千万円の身代金を要求される。戸倉警部(仲代達矢)らが権藤邸に張込み犯人との交渉が始まったが、権藤は身代金を払う決断をする。特急こだまの窓から身代金を渡し、子供は無事に戻
「他人の顔」「他人の顔」全編1966年7月15日公開。阿部公房の代表作を映画化。人がある日から「他人の顔」を持つという異色作。1966年度キネマ旬報ベストテン第5位。原作:安倍公房脚本:安部公房監督:勅使河原宏キャスト:男:仲代達矢妻:京マチ子医者:平幹二朗看護婦:岸田今日子専務:岡田英次専務の秘書:村松英子アパート管理人:千秋実ヨーヨーの娘:市原悦子老嬢:南美江男の患者:観世栄夫女の患者:安双三枝精神病の男A:矢野宣
俳優の仲代達矢さんがお亡くなりになったとのニュースを見て、真っ先に思い浮かべたのが、上記の映画です。この映画が公開されたのは1980年。まだ中学生だった私は、戦争映画ということもあって、友だちとそのお母さんの3人で映画館に見に行った記憶があります。当時は冷戦の真っ最中で、ソ連大使館から反ソ的で帝国主義賛美の映画を日本がつくったなんて、批判されていた時代です。映画は仲代さん演じる乃木希典と、小学校の教諭ながら、下士官としてとして予備役招集された小賀武志少尉(演・あおい輝彦さん)の2人を主軸
殺人罪で収監されたジェニー(ハンナー・ヘルツシュプリング)とピアノ教師のクリューガー(モニカ・ブライプトロイ)が刑務所で出会う事から物語は始まる。それぞれの過去が次第にわかってくると共にふたりの丁丁発止のピアノ特訓から何を求めているのかが主題となっていく。2006年製作のドイツ映画。あいにく配信はどこも無い。レンタルDVDにて鑑賞。作中、時間軸をずらしていくことで回想シーンを煩わしくさせない効果が生まれている。回想シーンは概ね対象となる人物の過去を説明する、現在に至るその人の心情を補充
日本を代表する名優・仲代達矢さんの訃報が伝えられた。享年92。昭和40年5月の新聞広告数々の舞台、映画、ドラマで、神話世界のニニギ(火の鳥・昭和53年=この映画ではぜか「ジンギ」名義に)や武田信玄とその影武者(影武者・昭和55年)、乃木大将(二百三高地・昭和55年)など歴史上の偉人から、サザエさんの従兄弟・ノリスケ(東宝のサザエさんシリーズ)まで、数えきれぬほど演じてきた役柄は、ここで列挙できるレベルではない。昭和41年2月の新聞広告そんな仲代さんは昭和40年代に、ポ
昨日、11月11日、仲代達矢様が旅立たれたと報道がありました。11月11日は、1995年にNHKで放送されたドラマ『大地の子』の初回放送日だったと、SNSでその偶然を知り、深い感慨に包まれました。『大地の子』は私にとっても忘れがたい作品です。山崎豊子先生の大ファンで中国語を専攻していた妻と二人、初回放送の日、テレビの前で厳粛な気持ちで放送開始を待ちました。そして、冒頭から引き込まれて、毎回、画面から溢れる物語の力と人間の尊厳に胸を打たれ、毎週欠かさず夢中で観ていた日々が、今も鮮やかに心に残