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過日、岐阜市ロイヤル劇場の「生誕100年山崎豊子原作特集」にて『不毛地帯』『華麗なる一族』を鑑賞。『不毛地帯』4月19日~4月25日上映私は子供の頃、『不毛地帯』はロッキード事件の発覚を受けて映画化されたものだと思っていました。ロッキード事件とは、全日空の旅客機導入に絡み、航空機製造のロッキード社、総合商社の丸紅、全日空、内閣総理大臣だった田中角栄、政界のフィクサー児玉誉士夫、等が関わった戦後最大の疑獄事件でした。何せロッキード事件を題材にした田中司画による読切漫画『灰色高官を追え
「金環蝕」(きんかんしょく)「金環蝕」予告編1975年9月6日公開。石川達三の同名長編小説の映画化。九頭竜川ダム汚職事件をモデルに、保守政党の総裁選挙に端を発した汚職事件を描く。第49回キネマ旬報ベスト・テン第3位。脚本:田坂啓監督:山本薩夫キャスト:星野康雄(官房長官):仲代達矢-黒金泰美がモデル石原参吉(金融王):宇野重吉-森脇将光がモデル神谷直吉(陣笠代議士):三國連太郎-田中彰治がモデル朝倉節三(竹田建設専務):西村晃
乱Amazon(アマゾン)近頃配信でよく映画を見るようになって、気付いた事がある。何しろ作品のチョイスが手軽で楽なので(その分、自分の好みの作品にばかり偏りがちなのが難点だが。もっとも一般の方はそれで何の問題もないが、私たちプロは何でも吸収しなければならず、ノンジャンルで映画を見る事は必須。なので、そこが「我々にとっては」難点)、ある時ふと「久しぶりにあの映画が見たいな」と思うといとも簡単に見る事ができる。あれはたいそう便利なものだ。で、昨夜ふと「久しぶりに見たいな映画」を
『二百三高地』映画トーキー185分カラー昭和五十五年(1980年)八月二日封切製作国日本製作言語日本語ロシア語製作会社東映東京撮影所十九世紀末の大日本帝国とロシア帝国は厳しい対立関係にあった。ロシアに捕縛された日本兵沖偵介は友の兵士と銃殺刑の裁きを受けるが、処刑前にロシア帝国の進出に注意を語って撃たれる。ロシア帝国の南下政策は進み、朝鮮半島支配を狙う大日本帝国との対立は激しくなった。開戦か外交努力による和平かで国内の世論は分
恥ずかしながら「砂の器」は初めて見た。本当は野村芳太郎監督の奴を観たかったのだけれど有料だしどうせ無料ならドラマ版もソコソコ旧い作品だからイイかと思って視聴したら、こちらもナカナカの豪華キャストだった。砂の器1www.youtube.com砂の器2www.youtube.com今の今までこの名作を知らなかった(観た事が無かった)自分の方が恥ずかしいが、これはやはり近い内に是非野村監督作品も観たいと思った。脚本は山田洋次さんも参画しているのだ。
黒澤明は1970年に「どですかでん」で初めてカラー作品を撮って、その後ソ連で撮影した「デルス・ウザーラ(1975)」もカラーだった。しかし、当時の多くの黒澤映画ファンはカラーの大型時代劇が見たいと望んでいた。当初、予定されていた「乱」は予算の関係で断念。(「影武者」の次回作となる)代わりの企画が「影武者」だったが、それでも当時の邦画界では予算が組めず、世界に誇る“クロサワ”が日本では映画が撮れないという悲しい状況だった。しかし、「ゴッドファーザー」のフランシス・コッポラと
「上意討ち拝領妻始末」(1967)封建制度が招いた悲劇を描いた時代劇をAmazonプライムビデオで観ました。監督は小林正樹。予告編はコチラ。江戸時代中期のお話。笹原伊三郎(三船敏郎)は、剣の腕は一流、でも、20数年間、鬼嫁の尻に敷かれっぱなしの婿養子の立場でもあり、会津藩の武士としても中間管理職的存在の初老の男。息子に早く結婚してもらって、孫の顔が見たいなあと老後の夢を同僚の浅野(仲代達矢)に語ったりしています。そんなある日、藩の御側用人から長男である与五郎(加藤剛)に「
今日は70年代に映画版とドラマ版が相次いで製作された「青春の門」です。1975年に東宝で浦山桐郎監督、吉永小百合、仲代達矢などの主演で3時間を超える大作として映画化され邦画配給収入ランキング5位のヒット作となりました。その後1977年に第2作「自立篇」が製作され1981年(松坂慶子)と82年にも東映系でも再映画化されました。ドラマ版は1976年と77年(自立篇)にTBSでドラマ化され最近でも1991年(黒木瞳)と2005年(鈴木京香)にドラマ化されています。僕は世代的に70年代のドラマ版は知ら
大手建設社長・斉藤宗一郎が世田谷の自宅で殺される。警察の捜査から斉藤の息子・雄二が容疑者に浮かぶが、それを聞いた嘱託刑事・小山田昭平は驚愕する。小山田の娘・光子は4年前、雄二と駆け落ちして以来、音信不通なのだ。小山田は事件の真犯人を突き止めることで娘に辿り着けるのでは…と考えるが、嘱託刑事に捜査権はない。そんな折、斉藤の娘で新聞記者の黎子が協力するというのだが…。①建設会社社長中山仁中山の秘書宮川一朗太から話を聞く。彼は事件当日、社長から頼まれた仕事のために盛岡へ行っていた。来年
食卓のない家1985年11月2日(土)公開長男の犯罪によって一家離散の危機に瀕した一族のそれぞれの苦悩を描く。あらすじ鬼童子信之・由美子の長男・乙彦が過激派の連合共赤軍による八ケ岳山荘事件に連座してから一年が経過しようとしていた。事件直後、鬼童子家には様々な投書や中傷、投石などの嫌がらせが続き、由美子は次第に精神が病んでいった。長女・珠江はフィアンセの親から婚約解消を言い渡され、次男の修は白け切っている。そんな中で信之だけは、成人に達した乙彦の犯罪は彼個人の問題で家族は一切関係ないという
「殺人狂時代」(1967)殺し屋をめぐるブラックコメディをひさびさに観ました。監督は岡本喜八。予告編はコチラ。地球の人口最適化のために無駄な人間を殺すことを目的とした「大日本人口調節審議会」という秘密組織を率いる溝呂木(天本英世)が経営する精神病院に元ナチスのブルッケンマイヤーがやって来ます。狂人こそ真の人間だと言う溝呂木は、入院患者たちに英才教育を施して一流の殺し屋に育て上げています。ブルッケンマイヤーは電話帳からランダムに選んだ3人の殺害を依頼。まず、松葉杖の男、義眼の
「乱」乱予告編1985年6月1日公開。配給収入:16億7000万円。英国アカデミー賞外国語作品賞受賞。脚本:黒澤明・小國英雄・井手雅人監督:黒澤明出演者:仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、隆大介、原田美枝子、井川比佐志、ピーター、植木等あらすじ:過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛将一文字秀虎は七十歳を迎え、家督を三人の息子に譲る決心をした。「一本の矢は折れるが、三本束ねると折れぬ」と秀虎は、長男太郎は家督と一の城を、次郎は二の城を、三郎は三
今回ご紹介するのは、1980年公開の東映映画『二百三高地』(監督舛田利雄、脚本笠原和夫)。製作費3億円が相場の時代に15億円をかけて製作された3時間に及ぶ戦争大作である。私は学生時代に、この映画を新宿の映画館で観て非常に感銘を受けた。その後、DVDが発売されてすぐ購入し、今でも時おり鑑賞している。『二百三高地』は、日露戦争(1904-1905年)において、日本とロシアが雌雄を決した旅順攻防戦を舞台にしているが、その時代の日本の政治家、軍人、民衆を広範に描いている。さらに、軍
「朝やけの詩」1973年10月27日公開。第24回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に参加。脚本:山内久、桂明子、熊井啓監督:熊井啓キャスト:仲代達矢-作蔵北大路欣也-朝夫、春子の恋人関根恵子-春子、作蔵の娘佐分利信-稲城慎吾川上夏代-軍蔵の嬶(妻)近藤洋介-神山松本克平-与一蝦名由紀子-道子野中マリ子-為次の嬶(妻)檜よしえ-まさ福田豊土-校長先生新田勝江-まき山本清-直二郎成瀬昌
「どですかでん」以降の黒澤作品ではもっとも面白かったのだが、何か物足りない・・・。<ストーリー>過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛将一文字秀虎(仲代達矢)は七十歳を迎え、家督を三人の息子に譲る決心をした。「一本の矢は折れるが、三本束ねると折れぬ」と秀虎は、長男太郎(寺尾聡)は家督と一の城を、次郎(根津甚八)は二の城を、三郎(隆大介)は三の城をそれぞれ守り協力し合うように命じ、自分は三つの城の客人となって余生を過ごしたいと告げた。猪狩の後の席で突然、家督を譲
『肉弾』映画トーキー116分白黒昭和四十三年(1968年)十月二十二日封切製作国日本製作言語日本語製作会社「肉弾」をつくる会ATG配給ATC製作馬場和夫脚本岡本喜八撮影村井博照明村井博美術阿久根巌スチール阿久根巌音楽佐藤勝録音渡会伸助監督中西源四郎池田誠増田周保撮影助手田畑圭補赤松威善美術助手小方一男安木吉信記録土屋テル子編集阿良木佳弘現像キヌタ・ラボラトリー
【あらすじ:MovieWalkerよりの引用(→☆)】ある城下町の夜、薄暗い社殿で若侍の、井坂(加山雄三)、寺田(平田昭彦)、保川(田中邦衛)、広瀬(土屋嘉男)、河原(太刀川寛)ら9人が密議をこらしていた。城代家老睦田(伊藤雄之助)に、次席家老黒藤(志村喬)と国許用人竹林(藤原釜足)の汚職粛清の意見書をさし出して入れられず、大目付菊井(清水将夫)に諭されてこの社殿に集っていたのだ。その真中へよれよれの紋付袴の浪人者(三船敏郎)が現れて、9人をびっくりさせた。その上、その浪人者は、城
日本のシャンソン全盛期を代表する歌手の一人。仲代さんがある時こう言われました。「こんな僕の歌を、特別味の良い酒を出す店でもない所で聴いてくれるなんて幸せだなァ」言葉だけでなく、そうした考えですべてのステージを行ってみえた事は「エルム」と言う空間でも良く分かりました。「交通途絶があってステージに穴を空ける事は避けたい」と言って、いつも前日入り。翌日は、あなじみのお客様を巡って「よろしく」と。人知れず努力を続けられました。「僕が兄貴(仲代達矢)みたいにイ
いつも使っているchromeからはアメブロのマイページが読み込めなくなってしまって、アメブロを見る時だけIEを使っています。障害のお知らせも出てないし、私だけの問題なんですよね?たぶん・・・ウイルス・ソフトとの関係でしょうか?アメブロを開くのがちょっと億劫になっています。さて、何となく往年の大作映画が観たくなって、『乱』(1985年)。恥ずかしながら初見です。シェイクスピアの『リア王』を毛利3兄弟の物語に大胆に翻案して描いた絢爛豪華な戦国絵巻。過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛
NHK放送史に残る名作として、このドラマが1995~1996に放送された。(2021夏の今また、再放送している)。ドラマと原作で、いろいろ違うところがあると言われていたので、興味があったが、”山崎豊子”の長編読破というチャレンジには決意を要した。内容が濃く、精緻な取材に裏付く本作は、新聞記事のように現実的で、読むのに骨が折れるけれども、本当のことを読んでいるのだという強烈な感覚がある。大地の子(一)Amazon(アマゾン)652円主人公”陸一心”を演じた上川隆也は、発
「北の螢」北の螢予告編北の蛍by森進一(映画の映像付き)1984年9月1日公開。明治初期の開拓途上の北海道を舞台にした異色ドラマ。脚本:高田宏治監督:五社英雄主題歌:森進一「北の螢」キャスト:月潟剛史:仲代達矢中村ゆう:岩下志麻すま:夏木マリ浜菊:中村れい子花奴:高沢順子きぬ奴:田中こずえ木藤勘兵衛:成田三樹夫各務靭良:夏木勲小鬼剛志:苅谷俊介吉田進:荒勢熊谷友三郎:二瓶正也高井良雄:高橋利道海野治作:宮内洋中島
『天国と地獄』1963年HighandLow(TengokutoJigoku)1963trailerwithsubtitlesDirectedbyAkiraKurosawaWrittenbyHideoOguni,RyûzôKikushima,EijirôHisaita&AkiraKurosawabasedonthenovel"King'sRansom:An87thPrecinctMyster...youtu.be(三船敏
「北の螢」北の螢予告編1984年9月1日公開。明治初期の開拓途上の北海道を舞台にした異色ドラマ。脚本:高田宏治監督:五社英雄主題歌:森進一「北の螢」キャスト:月潟剛史:仲代達矢中村ゆう:岩下志麻すま:夏木マリ浜菊:中村れい子花奴:高沢順子きぬ奴:田中こずえ木藤勘兵衛:成田三樹夫各務靭良:夏木勲小鬼剛志:苅谷俊介吉田進:荒勢熊谷友三郎:二瓶正也高井良雄:高橋利道海野治作:宮内洋中島仙吉:成瀬正三田伝吉:関根大学神田外記:益岡徹
【予告編:3分13秒】【あらすじ:MovieWalkerよりの引用(→☆)】会津松平藩馬廻りの三百石藩士笹原伊三郎(三船敏郎)は、主君松平正容(松村達雄)の側室いち(司葉子)を、長男与五郎(加藤剛)の妻に拝領せよと命ぜられた。武芸一筋に生きてきた伊三郎は、笹原家に婿養子として入った身で、勝気な妻すが(大塚道子)の前で忍耐を重ねて暮してきた。だから、与五郎には自分の轍を踏ませず、その幸福な結婚を願っていたため、なんとしても命を受けるわけにはいかなかった。伊三郎は親友で国廻り支配の
「青春の門」1975年2月15日公開。名作「青春の門」の最初の作品。配給収入:5億4800万円(1975年邦画5位)受賞歴:第18回ブルーリボン賞新人賞『青春の門』(大竹しのぶ)第49回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞『青春の門』(大竹しのぶ)原作:五木寛之『青春の門〈第一部・筑豊篇〉』脚本:早坂暁、浦山桐郎監督:浦山桐郎キャスト:伊吹信介-浦山春彦(3歳時)/松田剣(6歳時)/田鍋友啓(10歳時)/田中健伊吹重蔵-仲代達矢伊
人によっては11日間の連続休暇となる、今年のゴールデンウィークも終わりを迎えます。仕事を完全に卒業した“サンデー毎日”の身ですが、この期間は子供が帰省し、孫の相手をしていたり、高校の同窓会があったりと思いのほか忙しい日々でした。映画を見たり、ブログを更新する日々のルーティンは完全に崩れていたわけです。もう少し早くに更新したかった映画『華麗なる一族』ですが、1974年公開の山本薩夫の監督作を鑑賞したのは、岐阜の“昭和の映画館”ロイヤル劇場です。4月の最後の日曜日、JR東海が主催する“さ
「きれいどころ」をやったのでやっぱりこちらもやらなくちゃね「昭和の男前」また、2回に分けましたお生まれ順に並べるというのがちょいと面倒だったのだけどやってみるとあら、このお二人同じお歳なのね、なんてそういうとこ面白いのね森雅之・1911生池部良・1918三船敏郎・1920岡田英次・1920三國連太郎・1923船越英二・1923大木実・1923佐田啓二・1926安藤昇・1926
「雲霧仁左衛門」雲霧仁左衛門予告編1978年7月1日公開。池波正太郎の原作を初の映画化。超豪華俳優陣による本格時代劇。興行収入:6.3億円。脚本:池上金男監督:五社英雄出演者:雲霧一党雲霧仁左衛門(辻伊織):仲代達矢七化けのお千代:岩下志麻木鼠吉五郎:長門裕之因果小僧六之助:あおい輝彦黒塚のお松:倍賞美津子州走りの熊五郎:夏八木勲山猫三次:川谷拓三治平:下川辰平三坪の伝次郎:松野健一大工小僧七松:隆大介犬神の亀造:早川純一火付盗
五社英雄監督宮尾登美子さんの長編小説の映画化大正、昭和の高知を舞台に侠客・鬼龍院政五郎(仲代達矢)とその娘・花子(高杉かおり)の波乱万丈の生涯を12歳で政五郎のもとへ養女に出されその興亡を見守った松恵(夏目雅子)の目線から描いた作品宮尾登美子さんの土佐の花街を舞台にした小説は置屋の紹介人だった宮尾さんの父親が残した日記、営業日記を参考として取材し創作されたそうで鬼龍院政五郎も実在の親分でその人物が当時まだ存命で聞かせて頂いた話
日本の戦争映画で「二百三高地」は日露戦争を描いた作品としては最高傑作だと私は思っている。日露戦争の旅順攻囲戦に焦点を当てた映画で二百三高地は旅順戦を象徴するような戦いである。北海道の旭川第七師団が陥落させた二百三高地。多くの将兵がこの地で戦死した。映画「二百三高地」で第三軍司令官乃木希典陸軍大将を演じた仲代達矢の乃木大将が一番大好きである。児玉源太郎陸軍大将を演じた丹波哲郎も良かった。ロシアは、1896年の露清密約の後、1898年に遼東半島を租借し、旅