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「他人の顔」(日/1966)安部公房の同名小説を勅使河原宏が監督。安部公房は「脚本」も担当。これでWOWOWの「安部公房特集」はすべて観たことに。あと残っている安部公房&勅使河原宏のコンビ作品は『おとし穴』(62年)だけ?仕事で顔に「重度のヤケド」を負ったことで顔を「包帯」で覆っている男。妻や会社の人はどこかよそよそしくなり、社会的にも疎外感や孤独感を感じていた男は、訪
歌舞音曲(かぶおんぎょく)好きなワタシも、いよいよ歳とって、舞台を観たことのある役者や、映画テレビドラマなどで涙を流しながら視聴したお気に入り役者達がどんどん、あちらの世界に行ってしまうのには本当に言いようのない寂しさを感じる。そのうち、自分もあっちへ行くんだけど、あっちではどんなふうになっているんだか。先に行った俳優達の芝居や歌を鑑賞するわけにはいかないだろう。今日の「徹子の部屋」、、急遽予定変更で、亡くなった仲代達矢の再放送。何本か、ビデオを流した最後に弟の仲代圭吾と出
室内劇でも全く飽きさせない前半、そして列車内に場面が移ってから後のダイナミックな映像!<ストーリー>ナショナルシューズの専務権藤(三船敏郎)は会社の株を買い占めて実権を握ろうと画策し、5千万の金を集めた。その時、権藤の息子と間違えて運転手:青木(佐田豊)の息子が誘拐され、犯人から3千万円の身代金を要求される。戸倉警部(仲代達矢)らが権藤邸に張込み犯人との交渉が始まったが、権藤は身代金を払う決断をする。特急こだまの窓から身代金を渡し、子供は無事に戻
ほぼ前知識なしで見たので、仲代ファンの自分としては、仲代さんがどのぐらいの、どんな役どころで出るのか少々不安だったが、心配ご無用。悪役ではあるが出番も多く、おいしい悪役なので嬉しかった。さすが、敬意を払って下さっている。先日の「徹子の部屋」にゲスト出演されたときに、イタリアが好きというお話になり、イタリア映画に悪役での出演があると仲代さんがおっしゃっていたので、不覚にもそんなことは知らなかった私、すぐにDVDを購入!というか、DVDになっていたことに感謝だ。仲代さんの主役映画は色んな大人の事情
殺人罪で収監されたジェニー(ハンナー・ヘルツシュプリング)とピアノ教師のクリューガー(モニカ・ブライプトロイ)が刑務所で出会う事から物語は始まる。それぞれの過去が次第にわかってくると共にふたりの丁丁発止のピアノ特訓から何を求めているのかが主題となっていく。2006年製作のドイツ映画。あいにく配信はどこも無い。レンタルDVDにて鑑賞。作中、時間軸をずらしていくことで回想シーンを煩わしくさせない効果が生まれている。回想シーンは概ね対象となる人物の過去を説明する、現在に至るその人の心情を補充
11月に観た映画・寸評2『白と黒』(1963年日本)監督:堀川弘通キャスト:小林桂樹/仲代達矢ある弁護士(宗方治正)の妻(靖江)が殺害される。殺したのは宗方の助手で靖江と不倫関係にあった浜野一郎。しかし、逮捕されたのは前科四犯の脇田。ところが、死刑廃止論者の宗方は助手の浜野とともに脇田の弁護を担当することになり…。いわゆる心理サスペンスで、真犯人を知りながら脇田の弁護を担当する浜野の苦悩と不安、エゴイズムがストーリー展開を引っ張っていく。話が進むにつれて
去る11月8日、俳優の仲代達矢さんが亡くなられた。92歳だった。私が仲代さんを初めて観たのは、大河ドラマ『新平家物語』(1972)の主人公・平清盛だった。私が通しで大河ドラマを見たのは小学6年のときの『国盗り物語』からだから、その前作の『新平家物語』は総集編か何かで、清盛が死の床にある場面で初めて仲代さんを観た。大河ドラマ『新・平家物語』で平清盛を演じる仲代達矢さんNHKアーカイブスよりその次に観たのは、角川映画で金田一耕助シリーズ『女王蜂』(1978)だ。仲代さんはヒロイン役を演
「他人の顔」「他人の顔」全編1966年7月15日公開。阿部公房の代表作を映画化。人がある日から「他人の顔」を持つ異色作。1966年度キネマ旬報ベストテン第5位。原作:安倍公房脚本:安部公房監督:勅使河原宏キャスト:男:仲代達矢妻:京マチ子医者:平幹二朗看護婦:岸田今日子専務:岡田英次専務の秘書:村松英子アパート管理人:千秋実ヨーヨーの娘:市原悦子老嬢:南美江男の患者:観世栄夫女の患者:安双三枝精神病の男A:矢野宣精神病の
日本映画の黄金期を支え、演劇界の重鎮として最後まで現役を貫き、俳優養成の私塾『無名塾』を設立して役者の後進育成にも力を注ぎ、昭和、平成、令和と3つの時代で第一線に立ち続けたまさに『巨星』と呼ぶにふさわしい名優・仲代達矢さんが11月8日、肺炎のため92歳で亡くなられました。仲代達矢さんが残された功績は日本のみならず世界の映画史に深く刻まれています。日本映画の歴史を語る時、仲代達矢という俳優の名は、艶やかなスター俳優という輝かしい光に包まれた人というより、いつも静な重さを背負い、鋼の
黒澤明は1970年に「どですかでん」で初めてカラー作品を撮って、その後ソ連で撮影した「デルス・ウザーラ(1975)」もカラーだった。しかし、当時の多くの黒澤映画ファンはカラーの大型時代劇が見たいと望んでいた。当初、予定されていた「乱」は予算の関係で断念。(「影武者」の次回作となる)代わりの企画が「影武者」だったが、それでも当時の邦画界では予算が組めず、世界に誇る“クロサワ”が日本では映画が撮れないという悲しい状況だった。しかし、「ゴッドファーザー」のフランシス・コッポラと
「鍵」鍵プレビュー1959年6月23日公開。谷崎潤一郎の同名小説の映画化。第13回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞。キャッチコピー:「愛欲描写の凄まじさに、映画化不可能を叫ばしめた谷崎文学の完全映画化!」原作:谷崎潤一郎「鍵」脚本:長谷部慶治・和田夏十・市川崑監督:市川崑出演者:京マチ子、叶順子、仲代達矢、中村鴈治郎、北林谷栄、菅井一郎、浜村純、山茶花究あらすじ:この頃、古美術鑑定家の剣持(中村鴈治郎)は京都T大の内科に通っている。近頃
冥途の土産~ilmiocinemaparadiso~第66回『切腹』(1962年)第16回カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞(映画.comより)監督小林正樹脚本橋本忍音楽武満徹出演仲代達矢石浜朗岩下志麻丹波哲郎三國連太郎<解説・あらすじ>「人間の條件」などで知られる社会派の名匠・小林正樹が初めて本格時代劇に挑み、1963年・第16回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した作品。滝口康彦の小説「異聞浪人記」を原作に、「七
『小樽港の軍港化につながる「特定利用港湾」に指定しないでください』の署名期限は11月30日に延期します!昨日から、続々と署名が郵送されています本当にありがとうございます。高市さんの発言で、益々危機感を感じていますが、防衛とは、他国との外交努力に尽きます。経済だって、この発言でまた、ぼろぼろです・・.。先日亡くなった戦争体験者の仲代達也氏が言った。最大の『抑止力』は戦争を起こさないための外交努力。戦争を知らない若い議員(小樽未来会派)が、なぜ、防衛力強化するこ
「どですかでん」以降の黒澤作品ではもっとも面白かったのだが、何か物足りない・・・。<ストーリー>過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛将一文字秀虎(仲代達矢)は七十歳を迎え、家督を三人の息子に譲る決心をした。「一本の矢は折れるが、三本束ねると折れぬ」と秀虎は、長男太郎(寺尾聡)は家督と一の城を、次郎(根津甚八)は二の城を、三郎(隆大介)は三の城をそれぞれ守り協力し合うように命じ、自分は三つの城の客人となって余生を過ごしたいと告げた。突然、家督を譲るこ
昭和の名優の一人である仲代達矢と圭吾兄弟が「徹子の部屋」に出演するシーンを見た。「七人の侍」の存在感溢れる演技はじめ、ブレヒト作品を積極的にとり上げた功績は大。(ちなみにブレヒト&クルトワイルの曲を日本に紹介したのは銀巴里の女王である瀬間千恵)さらに俳優養成所「無名塾」を創設し、役所広司、益岡徹、若村麻由美など多くの名優を育てたことでも知られる。弟である仲代圭吾は、シャンソン歌手として日本のシャンソン全盛期に活躍した一人。特筆すべきは「俺はコメディアン」のヒットで知
日本を代表する名優・仲代達矢さんの訃報が伝えられた。享年92。昭和40年5月の新聞広告数々の舞台、映画、ドラマで、神話世界のニニギ(火の鳥・昭和53年=この映画ではぜか「ジンギ」名義に)や武田信玄とその影武者(影武者・昭和55年)、乃木大将(二百三高地・昭和55年)など歴史上の偉人から、サザエさんの従兄弟・ノリスケ(東宝のサザエさんシリーズ)まで、数えきれぬほど演じてきた役柄は、ここで列挙できるレベルではない。昭和41年2月の新聞広告そんな仲代さんは昭和40年代に、ポ
ひとつ前の当ブログの最後のところで、仲代達矢さんがイタリア映画の『野獣暁に死す』(1968トニーノ・チェルビー監督)に出演したことを書きました。ちなみに原作は後に『サスペリア』シリーズ(1977~)を撮るダリオ・アルジェントさんです。仲代達矢さんの役はメキシコ系の悪玉でした。『レッド・サン』(1971テレンス・ヤング監督)に出演した三船敏郎さんなんかはそのまま日本人の役(海外ではおそらく黒澤明監督作品のイメージが強いからでしょう)で侍の格好で登場しましたが。仲代さんは彫りの深い顔だし、ヒゲ
過日、岐阜市ロイヤル劇場の「生誕100年山崎豊子原作特集」にて『不毛地帯』『華麗なる一族』を鑑賞。『不毛地帯』4月19日~4月25日上映私は子供の頃、『不毛地帯』はロッキード事件の発覚を受けて映画化されたものだと思っていました。ロッキード事件とは、全日空の旅客機導入に絡み、航空機製造のロッキード社、総合商社の丸紅、全日空、内閣総理大臣だった田中角栄、政界のフィクサー児玉誉士夫、等が関わった戦後最大の疑獄事件でした。何せロッキード事件を題材にした田中司画による読切漫画『灰色高官を追え
今日は、仲代達矢さんの無名塾公演で、能登演劇堂へ。能登演劇堂を訪れるのは2回目です。能登中島駅からは歩いて20分駅にも展示があります。ホームにも風情があります前回もやったような気がする顔ハメこの能登演劇堂での無名塾公演は地域活性化の想いもあり、地域の皆さんがボランティアスタッフやエキストラとして出演し支えています。今回は能登半島地震復興公演です。とても綺麗なホールです。ホリゾントが解放されて外から登場するオープニングに会場から歓声が上がり興奮しました。カトリックとプロテス
名優が旅立たれました。若い頃、氏の出演する舞台は何本も見ました。あの頃は新劇が盛んでしたからね。俳優座、民藝、文学座と各劇団の公演が目白押しでした。氏の舞台で一番印象に残っているのは、ゴーリキーの名作「どん底」のサーチン役です。安宿に社会の最底辺でもがく人々がいる。その中の一人、サーチンは露悪的で毒舌家、でもいたずらっ子のような憎めない面もあり、何とも魅力的に演じていました。一幕目が終わり、休憩
#仲代達矢仲代達矢さんといえば黑澤明&小林正樹監督作品が真っ先に挙げられますが、個人的には岡本喜八監督作品の中の彼が好きでした。特に飄々とした役を演じているときは、他の監督作品には見られない気持ちよさがありました。ご本人も「岡本さんの作品はいつも出るのが楽しい」と語ってくれましたね。