三島由紀夫が語った「ぼくはオブジェになりたい。」という一言は、あまりにも短く、しかしその内側には激しい情熱と切実な願いが凝縮されています。この言葉を表面的に受け取れば、奇抜な表現、あるいは気まぐれな文学的比喩のように見えるかもしれません。しかし三島由紀夫という人間の生き方、思想、文学、そして時代背景を重ねていくと、この言葉は志ある若者に向けた、極めて真剣で切実な人生の問いかけとして立ち上がってきます。三島由紀夫は、生涯を通じて「生きるとは何か」「人はどのように存在すべきか」という問いに取り憑かれ