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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識まず、問題文の最後に「ただし、大気の密度はどこも同じで一定とする。」とあります。この問題においては、質量保存の法則、すなわち直方体に入ってくる空気の量と直方体から出ていく空気の量が等しい、ということと、実際に空気は地上から上空にかけて気圧が下降し、空気密度が小さくなっていきますが、ここでは考えなくてよいことを意味しています。問題を整理しますと、⭐︎直方体の南側と北側の面を通過する風はなく、西側と東側で
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)「一般気象学」p183の図7.4の『温帯低気圧の発達の模式図を見ながら考えてみます。温帯低気圧の発生・発達に結びつく約数千km規模の偏西風帯の波動のことを「傾圧不安定波」とよんでいます。この傾圧不安定波がもしも起こらないとしますと、ジェット気流を挟んで赤道側では吸収する太陽放射エネルギーが宇宙空間へ出ていく地球放射エネルギーよりも大きくなるため大気の温度が上昇しようとする一方、極側では逆になり大気の温度
こんばんは。本日、(一財)気象業務支援センターから1月26日に行われました第63回気象予報士試験の問題と解答例が発表されましたので、予定通り、本日から最新の問題を採り上げながら気象予報士試験の合格を目指す皆様と一緒に勉強していきたいと思います。なお、当ブログをご覧になられる方で、これから気象予報士試験の勉強を始められた方もいらっしゃるかと思いますので、簡単にガイダンスさせていただきますと、当ブログは、これから2024年8月予定の試験当日まで「問題編」にてご自身でまず問題を考えてい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識今回は、「一般気象学」p177の図7.10、「東西風の南北鉛直分布」を見ながら考えてみます。(a)図によりますと、亜熱帯ジェット気流に対応する中緯度付近の強風軸は、南北両半球とも200hPa付近の高度に現れていることがわかります。したがって、本文の内容は誤りとなります。(b)次に12月〜2月と6月〜8月の図とを比較しながら考えてみます。北半球の亜熱帯ジェット気流の部分に着目しますと、12月〜2月では亜熱
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)「一般気象学」p259の図9.10『5hPa(高度約35〜37km)天気図に見る成層圏の四季の移り変り』を見ながら考えてみます。まず、気象学における「擾乱」とは低気圧や高気圧のことを表します。夏の(a)の図では成層圏において極付近に中心を持つ高気圧に覆われていますし、冬の(b)の図では極付近に中心を持つ低気圧、すなわち「極渦」とアリューシャン列島の上空に出現している高気圧、すなわち「アリューシャン高気圧」
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、大気の熱力学から、ある空気塊の飽和水蒸気圧と飽和混合比を基準として、(a)、(b)、(c)の気温や気圧の異なる空気塊との大小関係を問う内容の問題です。早速(a)から見ていきたいと思います。(a)水蒸気圧とは、空気中に含まれている「水蒸気の分圧」のことをいいます。すなわち、気圧=乾燥空気の分圧+水蒸気圧、と考えることができます。この空気中に含まれる水蒸気なんですが、実は上限があり、上限まで空
こんばんは。早速ですが考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図において、「破線は等温位面」であることに着目します。対流圏における一般的な温位の鉛直分布は高度につれて高くなります。もしも、上空に冷たく乾燥した空気が入り込む、もしくは、下層に暖かく湿った空気が入り込むといった理由で、下層において高温・湿潤な空気、上層で低温・乾燥な空気となって、温位が高度とともに低くなる気層の場合、その気層は不安定(対流不安定)な気層となります。すなわち、この問題の冒頭に「安定」とある
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識(a)問題の図を基にして答えを導き出すための図を描いてみました。点Aを通るように10℃の等温線と14℃の等温線の間に垂線を描きますと、交差角が30°とありますので、30°と60°の直角三角形が△ABCと△ADEの2つできることがわかります。ここで、高校数学で学習する三角比の知識が必要になるのですが、気象予報士試験では30°と60°の直角三角形ではAB:AC:BC=1:2:√3となることを理解できていれば十分
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)本文は、併合過程について述べられた文ですが、「一般気象学」p90の図4.8『併合過程の説明図』を見ながら考えてみます。雲の中の水滴の併合過程では、単位体積(1㎥)に含まれる大きさの異なる水滴が多数存在している場合において、大きな水滴が小さな水滴よりも落下速度が大きいため、大きな水滴が小さな水滴に追いつき衝突して併合し大きくなります。この水滴の併合によってさらに大きくなりますと落下速度もさらに大きくなりま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識問題では、「北半球中緯度にある平坦な地域」と仮定しています。しかし、図の等圧線分布に着目しますと、気圧の高低については示されていないことに注意する必要があります。次に、本文中の「北にいくほど間隔が狭くなっており、」および「相対渦度の鉛直成分が図の範囲でどこでも正になっているとする。」という2つの条件について考えてみますと、北にいくほど等圧線の間隔が狭い、ということは間隔が狭いほど風が強いということがわかり、北半
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第44回試験・一般知識まず、問題文中の「空気と水が平衡状態に達しており、」とはどういうことか考えてみます。平衡状態であるということは、一つは、空気の温度と水の温度が平衡である、すなわちバランスを取っている、同じであることを意味し、もう一つは空気が水蒸気で飽和している状態である、ということを意味しています。これを踏まえて、(a)から考えてみることにします。(a)水蒸気圧先ほど「空気が水蒸気で飽和している状態である。」と述
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、大気における放射から、地球のエネルギー収支を基に地球大気の温室効果の原理について述べた文章の下線部(a)~(d)の正誤を判断する内容の問題です。早速、問題の冒頭の下に挙げられている4つの条件を念頭に、本文を読み進めてみることにします。「地球に大気がないときの、地表面が受け取る太陽放射量と放射平衡状態にある地表面温度の絶対温度をT0とする。」とあります。この大気のないときの放射平衡は上の図
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、北半球における発達期の温帯低気圧について、温帯低気圧の構造、どういう状況で発達するのか、また温帯低気圧の発達による熱の輸送などを述べた文の正誤を「一般気象学」p183の図7.14『温帯低気圧の発達の模式図』、およびp185の図7.16『発達中の地上低気圧と500hPaの気圧の谷の相互位置』を見ながら(a)から考えてみます。(a)図7.16をご覧いただきますとわかりやすいですが、本文の「低気
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識(a)まず、「プランクの法則」ですが「一般気象学」p111の図5.6「3つの違った温度の黒体からの放射」に着目しますと、図では温度が300K、250K、200Kである黒体からの放射量を電磁波別に示されています。この3つのグラフから2点わかることは、右の200K、真ん中の250K、左の300Kと温度が上昇するにつれて放射強度が強くなっていること。もう一つは、黒体の温度が上昇するにつれて短い波長の電磁波を強く放射
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・一般知識まずは、底面の鉛直流から考えてみます。上面の鉛直流は東西10km、南北10kmの領域で、下向き1m/sで直方体に入ってきますので、入ってくる空気の量は、10km×10km×1m/s=100となります。今度は東西南北の各側面における空気の出入りを考えてみます。いま、直方体の空気の出入りを考えていますので東西の側面は東西成分、南北の側面は南北成分に着目します。各側面の面積は10km×1km
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・一般知識今回は、1月における平均気温の緯度高度分布の図を基に、図中に示されたア~エの箇所における東西風の西風成分の鉛直方向の変化が正か負かの組み合わせを判断する内容の問題です。はじめに、問題の文中にある、「温度風の関係」について、簡単に触れておきたいと思います。「一般気象学」p145の図6.4、「南北方向の温度傾度により東向き(西より)の地衡風速が高度とともに増大する模式図」を見ながら考えてみます。簡単のた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・一般知識まず、図について問題文の冒頭に説明があり、「北半球中緯度において水平方向にも高度方向にも一様な西風が吹く場があり、ある波動がこの場に重なった状況を考える。」とし、さらに「図は、そのような状態における東西方向の鉛直断面図で、等圧面pおよびp+Δp(Δp>0)の高度を細い実戦で、気圧の谷の軸を太い実線で示している。」とあります。ここで、pとp+Δp(Δp>0)がわかりにくい方は、例えば、p=500、Δp=200
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第61回試験・専門知識(a)まず、台風の発達期において、積乱雲が上昇流を維持し続けることについて考えてみます。本文にありますように「水平風の鉛直シアーが強い」場合にそれが維持できるでしょうか?水平風の鉛直シアーが強い、例えば、高度が高くなるにつれて水平風の風速が大きくなるという場で考えてみますと、台風の大きな特徴の一つとして、眼の壁雲の形成に伴い、主に凝結による潜熱の放出によって、下層から上層にかけて周囲よりも温度が高い領域
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識はじめに今回の問題について、(a)、(b)それぞれにあてはまるのは何か、その解答に導くまでのプロセスが長くなりそうですので、(a)と(b)で考察編を2回に分けたいと思います。できるだけ平易に考察できるように努めますのでよろしくお願いします。(a)初めに熱力学第一法則について、ある空気塊を加熱することを考えます。この空気塊の加熱する熱量を⊿Qとしますと、この⊿Qは空気塊を構成する気体の分子の運動をより活発化
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識・問9今回は、本文を読みながら、下線部の正誤を考えてみます。まず、「発達した積乱雲の中で降水を伴う下降流が生じ、地表面まで達すると外出流となって周辺に拡がっていくことがある。ガストフロントは(a)この外出流の先端が周囲の空気と衝突する部分に形成される。」とあります。「一般気象学」p211の図8.7、『雷雨に伴うガストフロントの生涯の4段階』を見ながら考えますと、成熟期の積乱雲の下で形成された冷た
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第62回試験・一般知識まず初めに、温度風についての概要を触れておきたいと思います。温度風とは、実際に吹いている風ではなく、「ある2つの等圧面における地衡風の差」のことであり、等圧面間の平均気温分布における等温線と平行になります。また温度風は下層側の地衡風のベクトルの先から上層側の地衡風のベクトルの先に向かう形で、北半球では、高温部を右側に見る温度風のベクトルとなります。これを踏まえて、今回の問題の模式図に基づいて解答へ導くた
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第32回試験・一般知識今回は、エマグラムの模式図から、露点温度と湿球温位の組み合わせとして正しいものを選ぶ内容の問題です。相当温位エマグラムから直接求めることはできませんが、エマグラム上ではこれに代わるものとして「湿球温位」を求めることができ、ある気層が対流不安定であるかどうか判断する際に用いられます。ではこの「湿球温位」とは何か、問題の図を用いて考えてみます。気圧(高度)がP0で温度がT0のある未飽和の空気塊を考えます
こんばんは。今回は、大気の熱力学から気体の密度についての問題です。一覧表に気体A〜Dがあり、気体B、Dの圧力を気体A、Cと同じ1000hPaに断熱的に変化させたときの4つの気体の密度の大きさを気体密度の小さい順に並べよという内容です。次回、一緒に考えてみたいと思います。第42回試験・一般知識問題文及び図表は一般財団法人気象業務支援センターの了承を頂いて使用しています。14日分の考察編は次回更新の予定です。
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第63回試験・一般知識(a)本文の「地球大気において地球放射を最も多く吸収している気体」とは、温室効果ガスと考えられます。主な温室効果ガスとして、水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンが挙げられますが、温室効果への寄与率は、水蒸気が約50%、二酸化炭素が約30%、その他で約20%となっています。また、「一般気象学」p118の図5.10を見ますと、地球大気中において、長波放射は主に二酸化炭素分子と水蒸気分子によって吸収され
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・一般知識(a)災害対策基本法(非常災害対策本部の設置)第24条第1項非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該災害の規模その他の状況により当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、内閣府設置法第40条第2項の規定にかかわらず、臨時に内閣府に非常災害対策本部を設置することができる。非常災害対策本部の設置を規定した災害対策基本法第24条第1項につい
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識(a)登山などで標高の高いところへ行くことを想像するとわかりやすいかと思いますが、高度が高くなるにつれて空気は薄くなっていきます。これは言い換えますと、対流圏内における空気密度は高度が高くなるにつれて小さくなっていくことを意味します。したがって、「ほぼ一定」とする下線部の内容は誤りということになります。(b)「一般気象学」p251の図で、500hPa面の高度を対流圏中層のおよそ5000mと考え
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・一般知識(a)まず、設問の図が、北半球における夏季の6月〜8月なのか、冬季の12月〜2月なのかということですが、判断のポイントは赤道付近の熱帯収束帯の位置になります。すなわち、下層において異なる風向の風が収束することによって上昇流が生じていますのでそれが北側にあれば北半球の夏季、南側にあれば南半球の夏季と判断することができます。図の場合ですと北緯20°付近に熱帯収束帯の中心があることから、したがって北半球における夏
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・一般知識(a)まず、「水蒸気を除いた乾燥空気における窒素、酸素、アルゴンの存在比」とはそれぞれの占める割合はどれだけなのか、振り返ってみます。その割合として、窒素が最も多く約78%、次に酸素で約21%、アルゴンは約0.9%ほどで、残りの微量な割合の中に二酸化炭素、ヘリウム、ネオンなどが存在しています。では、この乾燥空気の構成する存在比を大気の鉛直構造で見た場合、どこの高さまで均質に存在しているのか、と
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・一般知識今回は、「気圧」と「コリオリパラメータ」について、質量、長さ、時間の形式で表したとき、a、b、cの部分はどう表現されるか、という問題です。まずは、気圧から見ていきたいと思います。【気圧】気圧、すなわち(大気の)圧力は、「単位面積(1㎡)あたりにかかる力」ですので、圧力=力/面積で表現されます。では次に、「面積」および「力」がさらにどう表現されるのか考えてみます。面積=長さ×長さで
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(a)(アメダス大宇陀:奈良県宇陀市)気象業務法第37条何人も、正当な理由がないのに、気象庁若しくは第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者が屋外に設置する気象測器又は気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。)、津波、高潮、波浪若しくは洪水についての警報の標識を壊し、移し、その他これらの気象測器又は標識の効用を害する行為をしてはならない。第44条第37条の規定に違反