ブログ記事5,448件
やっと起きたジェジュンは、目をこすりながらボーっとしていた。ジュンスに新しい抑制剤を貰うと、やっと頭がはっきりした。「ユチョンが特別に調合して作らせたんだ。香りも消えたね。どう?身体軽くなった?」「うん。すごく楽になった!ありがとう」「良かった。それでユノ兄がね、話があるって…」「え?ユノさん?お、お風呂に入らなきゃ!何着たらいいかな!あぁ顔むくんでる!どうしよう!」バタバタと部屋を歩き回るジェジュンに、ジュンスはクスッと笑った。まるでいつかの自分を見ているよう…僕もユチョ
やってきたジュンスは、ソファに眠るジェジュンを見て、部屋に充満する香りに気づき驚いた。「え?もしかして…これってジェジュンのフェロモン?」「そうだ。ヤバイんだ」「まさか…ユノ…!」「安心しろ。項も噛んでないし、そもそも最後までヤってない。こいつにはまだ早いだろ。危険だ」ホッとしたジュンスは、ユノの様子がいつもと違う事に気づいた。どうやら、ユノは心からジェジュンを心配しているらしい。ジュンスはオメガであるため、オメガのフェロモンにあてられる事はないが、このフェロモンは強烈
古い雑居ビルの一角、西方派事務所に、チャンミンと数人の部下はいた。「な、なんだ、おまえらっ」「私はCYグループの第一秘書です。単刀直入に言います。キムジェジュンを私達が買います」「はぁ?キムジェジュン?誰だ、知らねーなぁ~」しらばっくれる構成員に、チャンミンはフッと笑った。「知らない訳がないでしょう。アナタ達がわずかな借金のカタに捕まえ、チョ議員に高額で売りつけようとしているあの子です。それを私達が買うと言っているんです」「は?な、何言ってんだ。簡単に渡すわけねーだろ!あ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください。◆◆◆それから彼の事が気になって仕方がなかった。それは俺だけではないらしく、よく見てみればチラチラとキムジェジュンを盗み見する奴がたくさんいた。男だらけのその粗暴な場所に、一人天使が迷い込んでしまった、そんな印象を受けた。それほどにキムジェジュンは儚げで、危うい。入学して2週間が過ぎ、俺はまだキムジェ
ユノ(20)の弟のユチョン(19)遠い親戚であるチャンミン(19)は全員アルファで、アルファの中でも特に優秀だった為、幼い頃から話が合い、仲が良かった。そしてユチョンが子供の頃に出会ったジュンス(18)は、オメガ。ユチョンは、ジュンスが16歳になって「番になれる年令」になったと同時に、番になった。一般的に17歳と16歳の年で番になる事は珍しいが、ユチョンはチョン家の次男であり、ユノも認める頭の良さ、そして有り余る財力があるので問題はない。僅か17で「番」を決めたユチョンだが、それはお
【가시연(ガシヨン)】11支障が生じた。今頃はソヒさんと僕の対話で和気あいあいとした雰囲気が演出されてるはずなのに、食卓がチョン・ユンホの低気圧に押されて冷ややかなのだ。外で何があったのだろうか。僕が聞きたかったことをソヒさんが代わりに聞いたのにユノは答えがなかった。玄関に入った時からそうだった。僕の顔を見たらすぐに表情が無くなり、ネクタイを外した。その時から気づくべきだったのに...。この空気の中でご飯を飲み込むのが大変だった。席は守ろうと言う一念のもとで、いたずらに
「まぁ…ちょーっと体を触られるぐらいさ」いくら鈍いジェジュンでも、男が言っている意味は理解した。「い、嫌です…!そんな…」「だったらこのままホームレスになるか?バーさんは病院を追い出され、どうやって生きていくんだ?今までお前を育ててくれたバーさんに、そんな仕打ちをするつもりか?」「…っ!」男達に囲まれ、助けてくれる人は誰もいない。ジェジュンは恐怖に体が震えたが、必死で我慢した。「ま、ゆっくり考えろ。考えたところで、どうしようもないがな。また来る」男達はそう言っ
今日は久しぶりに、チャンミン兄とユチョン兄と食事に来ていた。ユチョン兄が予約したのは、goshenで、よりによってこの店かと思ったが、最近話題の店なのだから仕方がない。店内は満席で2階に回されたが、きっとユチョン兄が気を遣うと思ったので「2階に座ってみたかった」と先手を打った。店に入ったところでユノの姿はなく、ジェジュンはホッとしていた。「この店イイですね、料理も美味しいし雰囲気も落ち着いている。」「だろ?音楽もいいんだよな。22時過ぎたらさりげなく曲調変えてるんだよ」久しぶ
CYグループ理事室で、副理事長のムンスミンは、秘書からの報告書を片手に震えていた。「何ですって…?ユノがオメガを屋敷に住まわせてると…?母である私に何の報告も無しに、いつもいつもユノは勝手な事を!」濃いメイクに大きなダイヤの指輪を光らせ、忌々しい顔で長い爪をカチカチ鳴らしていた。スミンは、ユノの父チョンウンソクの妻であり、ユノの母、そしてチョングループの副理事長である。江南にある高級タワーマンションに一人で住むスミンであるが、時折ユノが住む屋敷に顔を出す。スミンも、ユノの子供に
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「ゲ、ゲイバー?」ジェジュンがバイトしているのは、表向きは小さなバーだが、そこに来る人も働く人も殆どがゲイの人という、いわゆるゲイバーという所で、バーテンとして働いていた。「な、んでそんなところで?」「時給がいいから」「時給がいいからって…でも…」「それにピアノも弾かせてくれるんだ。お客のリ
ジュンスさんに、部屋の外で待つように言われたけど…落ち着かない。この家に住めるよう、このお屋敷の主人であり、CYグループのトップに掛け合ってくれるという。初めてこのお屋敷に入ったけど…家というより、高級ホテルみたいな洗練された建物。廊下には絨毯が敷き詰められて、部屋もいくつもあって、絵画やオブジェが飾られている。家に入る前も、壁がどこまでも続いていて、どこまでがこの家の敷地か分かんなかったもん。はぁ…お金ってのは、ある所にはたくさんあるんだなぁ。僕には全く関係のない世界って感
「お~~いっ帰ったぞぉぉ~~」大きな声がして、門の方を見ると、赤い顔をした酔ったオジさんがよろよろと門をくぐってきた。「まーたあんたかいっ!何でここに帰ってくるんじゃ!ここはアンタの家じゃないがね!」「かぁちゃん~そう言うなよ、ヒック!うウィ~…。あれ?なんじゃあこのべっぴんさんは…」「アレがユノの父親じゃ。何べん叩きだしても帰ってきよる。困った父親じゃ!」ユノの父親と聞いて、ジェジュンは慌てて涙を拭いて立ち上がり、腰を折って挨拶をした。「初めまして。キムジェジュンと申し
一週間後、ジュンスが作ったジェジュンの部屋が出来た。一階にある入り口近くの倉庫だった場所をリフォームしたので、女性達との隔離が成されている。いくら子供とはいえ、ジェジュンも男なので、両方に気を遣った造りになっている。お風呂もトイレも部屋にあり、ベッドや机、簡単なクローゼットもある。質素ではあるが日当たりも良く、ジェジュンは口に手を当てて言葉を失った。「そんなに予算が無かったから…質素で悪いんだけど…」ジュンスが申し訳なさそうに言う。ユチョンと番であるジュンスは、ユチョン
みんなに駅まで送ってもらって、ユノとジェジュンは電車に乗り込んだ。ジェジュンはいつまでも電車の窓から、皆に手を振っていた。「ジェジュン、行きたいところがあるんだが」「うん、どこ?」降り立ったのは、二駅先のユノの家よりもう少し田舎の、無人駅。緑深い山際の地域で、その駅に降りる人は誰もいなかった。駅を抜けると、木々のざわめきと、鳥の声しか聞こえない。ユノはスタスタと歩きだし、ジェジュンはその後ろをちょこちょことついて行った。遊歩道を上り、高台に上がると、そこには小
長ソファで、ジェジュンの膝枕で眠るユノと、そのまま寝ちゃったジェジュン。「ふふふ。ユチョン、あれ見て」「ハハハッ。平和だなぁ」日々、スーパーαとして、チョン家当主として、CYグループのトップとして、大きな重責を負いながら働くユノを見るのが、ユチョンは辛かった。同じチョン家に生まれながら、その全てをユノが請け負い、自分はほんの少しのサポートをするだけですんでいるのは、全てユノのおかげだ。自分は決してユノの様にはなれない。だが、その事でユノから責められたことは一度としてないのだ。
「ユノ様、明日は首長会議です」「今の所何部族ぐらいありそうだ?」シン王が亡くなり、ユノはこの世界の唯一王になった。約束通りユノは部族の復活を唱え、それぞれの部族が復活した。仲間がいなくなった一族が集まり新しい部族を作ったり、二つの部族が合わさったりそれぞれ自分たちで考えて新しい部族を作った。元太陽族と残った平民達は、本来は排除されるべき存在。しかしユノはそのすべての民を赦した。シウォンは、ユノに感謝し、約束をした。「ユノ様…。本来なら残った太陽族や、あなた達に剣を向け
やっと落ち着いたチャンミンに、ユノがコーヒーを淹れた。ユノからチャンミンにコーヒーを淹れるのは、珍しい事だ。「落ち着いたか?」「はぁ…。ちょっと理性を持って行かれそうでした。ものすごいフェロモンだ。あのバニラちゃんが、あんなフェロモンだったなんて…」「俺も驚いた。だが…俺は確信している」「何をです?ちゃんと説明してください」ユノは、ざっとチャンミンに説明をした。「番に…ですか?」「あぁ、そう考えている。俺たちは運命の番だ」「しかし…」「お前の言いたいことは分かる。
―――出会った時から惹かれ合い、決して誰にも引きはがせない。どうしようもなく求め合い、本能のままに抱き合う魂の片割れ。人はそれを「運命の番」と呼ぶ――――うららかな春の日差しの中、真新しい制服に身を包んだ学生たちが、楽しそうに歩いている。少し大きめの制服、後ろには嬉しそうな母親たち。親と歩くのが少し恥ずかしい年頃で、少し離れて歩きながらも、何かと世話を焼かれている。今日、キムジェジュンは中学生になった。スラリと背が伸びたが、細身の体はそのままで、遠くから見ると女の子
電車の車窓からキラキラした海が見えている。漁師町らしく、漁船が波に揺れ、洗濯物の横には魚の干物が並んで干されている。電車を降りると、かすかに潮の香りがした。朝の太陽の光を受け、ユノは大きく伸びをした。「あぁ~…気持ちいいなぁ~」ここは、慶尚北道浦項市、東海に面しクァメギ(さんまの半干し)が有名な街「ソジャン」海産物が豊富な漁師町。近年、このレトロで美しい街をロケ地に使った映画が大ヒットし、若者から注目されるようになった。所謂「映え」が目的でたくさんの人々が訪れ、一躍観
まどろみの中、ゆっくりと目を開けると、心配そうな顔をしたユノ兄が僕を見つめていた。ユノ兄…ごめんね…僕ドジっちゃって…まだイベントの仕事もあるのに…心配かけてごめん…そう言いたいのに、眠気が襲って上手く声が出ない。「ジェジュン…ごめんな…」僕の髪を撫でるユノ兄の手が震え、目が赤く潤んでいた。ユノ兄、どうして謝るの?どうして泣いているの?僕大丈夫だから、泣かないで…。「ゆ、の…」「ジェジュンっ大丈夫か?」「ごめん…僕、眠くて…。起きたら、ちゃんと…謝るか
店は混んでいるのに静まり返り、みんな下を向いていた。ペロリとスンデを平らげたジュンスを連れ、二人はお金を払って店を出た。「美味しかった!また来てもいい?」「もちろんです。ありがとうございました」「あ、君、名前なんていうの?」「僕はキムジェジュンと言います。是非また来てくださいね^^」「うん。じゃあまたね~」二人が店を出ると、一斉にはぁ~~という声が聞こえた。まるで息を止めていたかのような、緊張が一気に解けたようなため息だった。「どうしたんですか?おじさん」「ったく
「チャンミナ、ユチョン起こしてくれよな?」「はーい。ジェジュン兄。車に気を付けて!」慌ただしい朝の時間の中、軽いハグをして、ジェジュン兄は玄関を飛び出していった。柔らかい茶色の髪が揺れ、濃紺の作業着のその下の儚い身体が見ていて苦しくなる。ヒョンが作ってくれた朝食をとりながら、あの細い身体で今日も肉体労働をしているであろう兄を思った。(チャンミンside)ジェジュン兄とユチョン兄と、兄弟になったのは、僕が12歳の時。両親の再婚から3つ上のジェジュン兄(15歳)と、
ジェジュン達のノロケにも慣れてきて、時々ふるまわれる日本食につられ、今日もジェジュン家を訪れていた。何でも、ジェジュンの弟と、ユノの従弟が今度バルセロナに遊びに来るらしい。「その時は、優もおいでよ。俺、いっぱい料理作るからー」ジェジュンは韓国でカフェを経営しているだけあって、本当に料理が上手い。日本食や、韓国料理はもちろんの事、市場のおばさんに教えて貰ったというスペインの家庭料理や、イタリア人のクラスメイトに聞いたというイタリアンもめちゃくちゃ美味しかった。「料理上手の恋人
「社長、先月の売り上げ出ました。あと新店舗の事で打ち合わせがしたいと業者から電話がありました」ユチョンは、頷きながら手にしたテイクアウトのコーヒーを啜った。ユチョンは順調に新店舗を出し、今ではソウルに5店舗出し、6店舗目を釜山に出店予定だ。法人化し、社長となったユチョンは、今はよっぽどのお客が来るときにしか店には立たない。今はもっぱら事業拡大の為に奔走している。ここまでユチョンの店が発展したのには理由がある。ジェジュンがモデルをした時の、CMディレクターだったホンが、ユチ
前にポロロパークご紹介しましたが今度は韓国のトーマス的な存在であるちびっこバスタヨのキッズカフェ行ってきました❤ちなみにちびっこバスタヨはポロロと同じアニメ会社でつくられているアニメなんですが、ポロロと同じくらい韓国の子どもたちに絶大な人気を誇りますユンジェがはじめて見たアニメもタヨでした最近ではティティポという電車のアニメも出てきてそれに伴い色々なおもちゃも出てくるわけで稼いどるなぁなんて話はさておき(笑)タヨキッズカフェは歩いていけるくらい家の近くにあるので10
ジュンスは部屋に帰り、風呂から上がったユチョンに尋ねた。「ねぇユチョン、18でヒートが来てないってどう思う?」「は?18?そりゃ遅いだろ。なんか問題があるんじゃねーか?誰の事だ?」「ジェジュンだよ。まだ来てないんだって」「一回診てもらった方がいいかもしれねーなぁ。連れてってやれよ」「うん。一緒に行ってくれる?」「はぁ?何で俺が…」結局ジュンスに押し切られたユチョンが、オメガ専門の病院に連れて行ってくれることになった。「すみませんユチョンさん」「別に。ジュンスがうるせ
強い風が吹いて、一斉に桜の花が散る。桜吹雪のはなびらが降り落ちる中で、振り返った君の明るい髪が揺れる。ひらり、ひらりと花が散る薄桃色の世界の中で、君が微笑んだ。それが君との出会いだった…。満開に咲き誇る長い桜並木を通り抜け、小高い山の上にある東方学院。レンガ造りの塀に囲まれた、歴史ある洋館づくりの学校は、広大な敷地に建てられている。財閥や代議士、医者や弁護士など親の職業は華々しく、いわゆるお坊ちゃん校であるが、スポーツでも有名な男子校である東方学院
supica☆J(スピカ☆ジェイ)と申します(*´ェ`*)YJ&CJ愛しています。3人の関係性が大好きです。離れ離れになっても輝く5つの星を愛し応援しています。「はじめまして」(最初にこちらをお読みください)http://yjminluvholic.blog.fc2.com/blog-entry-1.htmlFC2ブログと連動してまいります。どうぞよろしくお願いいたします♥-(´ε`●)
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆俺は学校が終わるのを待って、部活を休んで足早に学校を出た。携帯を掴むと、懐かしい声の主へ電話をかけた。「久しぶりですねユノ兄。どうしたんですか?珍しい。雨でも降るんじゃないですか?」いつもは顔をしかめる毒舌も、今日はなんだか優しく聞こえる。「チャンミ~ン!」ハグをしようとしてさらりとかわされる。
終わりましたぁ~~!はぁ~頑張りました!^^今回はコロナや、4・1の事もあり、体力的にもメンタル的にも食らいましたが、何とか最後まで完走することが出来ました!嬉しい!これも、いつもコメントやメッセージくださる皆様や、いいねを押してくださる皆様(ちゃんと見てます^^)のおかげです。ありがとうございます!最終話でコメント下さった皆様も本当に嬉しいです!芋焼酎が止まりません!^^いつも本当に励みになっていて、それで頑張っております!このお話は、なるべく5人