ブログ記事5,453件
ヒチョルが約束の場所、日本式料亭に着くと個室にはもうチャンミンが待っていた。「すみません、遅れまして」「いいえ、キム室長。私もちょうど今来た所です」チャンミンは、血の気のないヒチョルの顔色を見て驚いた。さすがにここ数日、寝る間も惜しんで奔走していたか…。ヒチョルは席に着くと、料理に手を付ける前に話し始めた。「もうご存じかと思いますので、単刀直入に申し上げます。是非チョン家のお力を貸していただいて、マスコミの報道を押さえて頂きたい」「キム室長、分かっていると思いますが…そ
次の日、朝食の為レストランに降りると、ユチョンとジュンスがコーヒーを飲んでいた。昨夜は熱い夜を過ごしたのだろう、ユチョンは「やぁおはよう!」とキラキラした笑顔を見せ、隣でジュンスは気だるげに肘をついていた。「おはようございまーす♪」元気そうなジェジュンの姿を見て、ユチョンはアレレ?と思った。もしかしたら今朝は起きて来られないのでは?と思っていたから。「え?ユノ兄…?もしかして、まだ?」「うるさい!今、段階を踏んでいる所だ!」旅行に来てまでもヤらないなんて、ユノ兄はよ
病院にジェジュンを連れて行き、手当てを受けさせる。ガラスで切った足には、包帯が巻かれているが、大事には至らなかった。ジェジュンは安心したのか眠ってしまい、頬に付いた青あざを見て、再びユノの怒りに火がともる。チャンミンが来て、ジェジュンの痛々しい様子に眉をひそめた。「ユノ兄、ジェジュンは?」「大丈夫だ。目が覚めたら家に連れ帰ってくれ」「行くんですか?」「あぁ。二度とこんな事させない」「分かっているでしょうが…一応あの人は、あなたの母親だという事を忘れないで」「うるせぇ」
ジュンスさんに、部屋の外で待つように言われたけど…落ち着かない。この家に住めるよう、このお屋敷の主人であり、CYグループのトップに掛け合ってくれるという。初めてこのお屋敷に入ったけど…家というより、高級ホテルみたいな洗練された建物。廊下には絨毯が敷き詰められて、部屋もいくつもあって、絵画やオブジェが飾られている。家に入る前も、壁がどこまでも続いていて、どこまでがこの家の敷地か分かんなかったもん。はぁ…お金ってのは、ある所にはたくさんあるんだなぁ。僕には全く関係のない世界って感
古い雑居ビルの一角、西方派事務所に、チャンミンと数人の部下はいた。「な、なんだ、おまえらっ」「私はCYグループの第一秘書です。単刀直入に言います。キムジェジュンを私達が買います」「はぁ?キムジェジュン?誰だ、知らねーなぁ~」しらばっくれる構成員に、チャンミンはフッと笑った。「知らない訳がないでしょう。アナタ達がわずかな借金のカタに捕まえ、チョ議員に高額で売りつけようとしているあの子です。それを私達が買うと言っているんです」「は?な、何言ってんだ。簡単に渡すわけねーだろ!あ
ジュンスは部屋に帰り、風呂から上がったユチョンに尋ねた。「ねぇユチョン、18でヒートが来てないってどう思う?」「は?18?そりゃ遅いだろ。なんか問題があるんじゃねーか?誰の事だ?」「ジェジュンだよ。まだ来てないんだって」「一回診てもらった方がいいかもしれねーなぁ。連れてってやれよ」「うん。一緒に行ってくれる?」「はぁ?何で俺が…」結局ジュンスに押し切られたユチョンが、オメガ専門の病院に連れて行ってくれることになった。「すみませんユチョンさん」「別に。ジュンスがうるせ
物心ついた時から、僕はオメガ専門の保護施設にいた。ここには捨てられたオメガの子供達が30人ほど、国の支援金で暮らしている。アルファに無理やり襲われ出来た子供、生まれた子供がオメガだったため捨てられた子供、番解除が出来なくて処理されたオメガの子供…。オメガ保護法が出来てから、捨てられるオメガの子供は減ったが、それでも時々つれて来られる。僕がどういう経緯でここに来たのかは分からない。ただ分かっているのは、僕が「捨てられた子供」という事だ。園長は僕たちに言う。「養子に行くのが、君
叔父さんには自分が会う、そうユノ兄が言った。ユチョンは一抹の不安がよぎったが、ここは大人のユノに頼ることにした。ユノ兄の希望で、場所はこの家、ジェジュンには知らせない事を約束し、ユノ兄のいい時間に叔父を呼び出した。「叔父さん、たまには晩御飯でもどうですか」ユチョンの誘いに、叔父は、疑うことなくやって来た。「あぁ、叔父さん、お久しぶりです」「なんなんだ、わざわざ呼び出しやがって。俺も忙しいんだぞ」よく言うよ、呼んでもないのにしょっちゅう来るくせして。
夕食は、貸し切りのコテージでのバーベキューだった。だがそれはジェジュンの想像を超えた、高級バーベキューだった。肉を焼くだけでなく、そこにはシェフがいて、前菜やスープ、凝った料理などが次々と運ばれてくる。当然デザートはパティシエが作っており、見た事もないような洒落たデザートだった。「わぁ美味しい!こんなの初めて~♡」「ジェジュンはこういう所の方が開放的でいいだろうと思ったんだ。気に入ったか?」「はい!ユノさん最高です!」「僕もホテルのコース料理よりこっちの方が好き~♡マナーもうる
やっと落ち着いたチャンミンに、ユノがコーヒーを淹れた。ユノからチャンミンにコーヒーを淹れるのは、珍しい事だ。「落ち着いたか?」「はぁ…。ちょっと理性を持って行かれそうでした。ものすごいフェロモンだ。あのバニラちゃんが、あんなフェロモンだったなんて…」「俺も驚いた。だが…俺は確信している」「何をです?ちゃんと説明してください」ユノは、ざっとチャンミンに説明をした。「番に…ですか?」「あぁ、そう考えている。俺たちは運命の番だ」「しかし…」「お前の言いたいことは分かる。
ホントだよ😤inkodeから許可が出なかったから主催者にも、会場にも黙って勝手に設置したとかマジで自分勝手だな最低👎
「ただいまー」ジェジュンが思ったより帰ってくるのが遅かったため、ユノはモヤモヤしていた。ちょっとそこまで送るぐらいだろ?何やってたんだ。イライラ。じろりとジェジュンを見るも、ジェジュンはきょとんとした顔をするだけだった。「あれ?俺の分のブドウは?ねぇユチョン、ブドウは?」「あっちにない?」チャンミンの方を指差すと、チャンミンが白々しく「勉強しようかな~」と呟いた。「あっ!チャミ!俺の分のブドウ食っただろ!あっ待て!」するりとかわされ、がっくりとその場に崩れ落ちる。
一週間後、ジュンスが作ったジェジュンの部屋が出来た。一階にある入り口近くの倉庫だった場所をリフォームしたので、女性達との隔離が成されている。いくら子供とはいえ、ジェジュンも男なので、両方に気を遣った造りになっている。お風呂もトイレも部屋にあり、ベッドや机、簡単なクローゼットもある。質素ではあるが日当たりも良く、ジェジュンは口に手を当てて言葉を失った。「そんなに予算が無かったから…質素で悪いんだけど…」ジュンスが申し訳なさそうに言う。ユチョンと番であるジュンスは、ユチョン
「ユノ兄!お疲れ様っす!」ドギツイ金髪の髪を揺らし、大きく頭を下げた後、小柄なジュノが駆け寄って来た。ジュノは去年まで街でチンピラに媚を売って生活していた22歳。かっぱらいやケチな詐欺をして生計を立てており、何度も警察の世話になっていた。ひょんなことから知り合い拾ってやったが、それから懐かれている。「まじめにやってるか」「やってるっすよ。シウォンさんが怖いけど」「シウォンはお前の兄貴分だ、ちゃんという事聞けよ」「分かってるっす」ペーペーの下っ端のくせに人懐っこいジュ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください。◆◆◆何だろう…ジェジュンの新しい一面を見るたび、どんどん惹かれていくのが分かる。俺はあまり人にそこまで執着したことがなかった。友達が多いと言われるが、誰ともそこまで深く付き合ったことはなかったし、気になる奴もいなかった。初めてだ…こんな気持ち。「お、俺、なんか飲み物、買ってくるっ……あっ!」
電話をしても、ユノは出ない。あぁっ!ヤバい!絶対怒ってるぅ(>_<)俺が用意するから!なんてエラソーな事言って、全然何も用意できてない。えーと…家に食材あったっけ?ワインは?プレゼント…は後日で許してもらおう。とにかく、まず家に帰ろう!それから怒ったユノをなだめて、ご飯作って…。「た、ただいまっ!」勢いよく玄関を開けるが、部屋は静まり返って、真っ暗だ。あぁ…怒ってどっか行っちゃったか…。トボトボと廊下を歩き、真っ暗なリビングのドアを開けた。パン!と音がして、顔に
ユノ(20)の弟のユチョン(19)遠い親戚であるチャンミン(19)は全員アルファで、アルファの中でも特に優秀だった為、幼い頃から話が合い、仲が良かった。そしてユチョンが子供の頃に出会ったジュンス(18)は、オメガ。ユチョンは、ジュンスが16歳になって「番になれる年令」になったと同時に、番になった。一般的に17歳と16歳の年で番になる事は珍しいが、ユチョンはチョン家の次男であり、ユノも認める頭の良さ、そして有り余る財力があるので問題はない。僅か17で「番」を決めたユチョンだが、それはお
「まぁ…ちょーっと体を触られるぐらいさ」いくら鈍いジェジュンでも、男が言っている意味は理解した。「い、嫌です…!そんな…」「だったらこのままホームレスになるか?バーさんは病院を追い出され、どうやって生きていくんだ?今までお前を育ててくれたバーさんに、そんな仕打ちをするつもりか?」「…っ!」男達に囲まれ、助けてくれる人は誰もいない。ジェジュンは恐怖に体が震えたが、必死で我慢した。「ま、ゆっくり考えろ。考えたところで、どうしようもないがな。また来る」男達はそう言っ
チョン家でカナダに移り住み、懐かしい家に帰ってきた。ユノ達一家は、ヨンミンの家の隣に家を建て、家族だけでそこに住むらしい。カナダが初めてのジェジュンとユンジェは、最初からテンションが高く、キャーキャー楽しそうだった。カナダは英語圏なので、英語が出来ないユンジェはどうするかと思っていたが、チャンミンが「今の時代、英語ぐらいできないと」と早くからユンジェに教育していたこともあり、ユンジェは驚くスピードで英語を習得していった。問題はジェジュンだった。基本的に勉強というものが嫌いらしい
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください。◆◆◆ユノがいなくなり、急に保健室が静かになった。ジェジュンは寒気がし、本当に熱が上がっているのを感じた。まずいな…今日はバイトなのに…。そんなことを考えながら、寒気や頭痛と戦っていると、イ教諭が声をかけてきた。「少し、職員室に行ってくるが…大丈夫か?」優しい声だった。ジェジュンはコクリと
ジェジュンが計画した事を、清に渡って全てを取りまとめたユノは、ようやく朝鮮への帰路についた。清からの帰国の船の上で、沈みゆく夕日を眺めると、やっとホッと胸をなでおろした。真っ赤な夕日が、大海原に沈む光景は圧巻だった。「すべてうまくいったぞ、ジェジュン…」数週間、寝る間も惜しんで走り回ったというのに、ちっとも疲れは感じられなかった。最初ジェジュンから計画を聞いた時、大妃を頼るというジェジュンが理解できなかった。その時のユノは、先の王妃が亡くなったのは大妃のせいだと思っていた
「ユノ、忘れ物ない?充電器持った?」「おっと、やべぇ」「もーしっかりしてよね。週末帰るんだよね?ご飯作って待ってるから」「マジ?楽しみだ♪」二人は付き合うようになり、すぐに同棲を始めた。海外遠征や合宿が多いユノと時間を作るには、同棲が手っ取り早かったから。次のオリンピックも目指すユノは、トップアスリートだから、厳しい食事管理が必要だ。だが、基本「自分の事は自分で」が二人のルール。寄り添い・助け合うが、依存しない・甘え過ぎない。ジェジュンもますます仕事が楽しくなり、バリバ
「アッパ(父親)…?んなわけねーだろ?どう見たって同じ年ぐらいだ」ふふふと笑うユチョンに、チャンミンが、恐る恐る尋ねた。「もしかして…ユノを造った人、ですか?」「そーいう事。あ、何?もう正体ばれちゃったの?ユノ」ユノは小さくうなずいた。「ふぅ~ん。ま、説明するのが楽になったからいいか」「どういうことなのか…説明してもらえますよね?」「おっけ~い」終始軽い男ユチョンは、ぺらぺらと話し始めた。ジェジュンとジュンスは話についていけずポカンとしていて、質問はチャンミンの
CYグループ理事室で、副理事長のムンスミンは、秘書からの報告書を片手に震えていた。「何ですって…?ユノがオメガを屋敷に住まわせてると…?母である私に何の報告も無しに、いつもいつもユノは勝手な事を!」濃いメイクに大きなダイヤの指輪を光らせ、忌々しい顔で長い爪をカチカチ鳴らしていた。スミンは、ユノの父チョンウンソクの妻であり、ユノの母、そしてチョングループの副理事長である。江南にある高級タワーマンションに一人で住むスミンであるが、時折ユノが住む屋敷に顔を出す。スミンも、ユノの子供に
次の日の朝、ユノとジェジュンはギリギリまでホテルを出てこなかった。空港に向かうリムジンに乗るときも、飛行機に乗るときもユノは片時もジェジュンの傍を離れず。お初エチにより腰砕けになってしまったジェジュンを気遣い、ジュンス達さえ近寄らせなかった。飛行機が飛び立てばすぐにジェジュンをベッドに寝かせ、傍でユノがマッサージしながら甘いトークを繰り広げていた。ユチョン達もさすがに呆れたが、自分たちが初めて結ばれた時もユチョンは同じような行動だったので、理解を示し、二人の邪魔はしなかった。「
皆様、アンニョン、キョウルです^^数多いブログの中からようこそお越しくださいました<(__)>嬉しいです^^アメンバー申請をしたいとお考えの方へ。一応ワタシも大した基準ではありませんが、条件を設けています。①18歳以上であること②ユンジェが好きこれだけです。つまりBLエロを許容できる大人である、という事です。プロフでそれが分かる方は、申請のみでオッケーですし、私は読む専門という方は、コメント欄でもメッセージでもいいので「18歳以上だし、ユン
SummerDream最後まで読んで頂き、ありがとうございました♡母の事もあり、明るい話を書こうと思っただけで発進したサマドリ。でも最後は温かく穏やかなラストを迎えられて嬉しく思います。ビッチちゃんだったジェジュンですが、父の死により、自分を赦せなくなっていました。父を憎まずいられたら助けられたのでは?何か自分にも出来たはずでは?何故優しくいられなかった?そうやって自分を傷つけるように、セフレ関係ばかりを持っていたジェジュン。それに気づかせてくれたのは、大人だったチ
YJLBのXジェジュンのコンサートに元メンの名前をアピールすること自体が馬鹿げてるとは思わないのか?禁止と書かれてなくても持ち込まないのが常識でしょ誰のコンサートに来てんだつーの!!😡👎馬鹿げてるのはどっちだちゅーの!!そんなの持って来なきゃスムーズにはいれたんじゃないのか!あんたらのせいだろ!!屁理屈も大概にしろ!!ジェジュンが問題にしてないんじゃなくて車からの動画だからそんなのに気づいてもないと思うけどね自己正当化も大概にしろや!!👎主催者側も大
養子先に来て2年が過ぎた。養子先は、田舎町で農業を細々と営む貧しい家だった。一応中学校には行かせて貰えたが、繁忙期は学校を休んで家の仕事をさせられた。「ジュンス!さっさと籠を用意しろ!これを倉庫に運べ!」「はい!」養子というより雇い主と従業員のようで、親子とは言い難い関係だったが、その方が良かった。今更、べたついた親子関係を演じるのも面倒だったからだ。毎日の仕事は辛かったが、ご飯は食べさせてもらえたし、お風呂にも入れた。施設で暮らした日々を思えば、仕事をするぐらいなんでも
昨日の気まずさからユノが自分を避けているのが分かっていたが、何か言う気にもなれなくてジェジュンは仕事に集中していた。付き合いも長いしケンカしたことも一度や二度ではないので、まぁどうせすぐに元に戻るだろうと思っていた所に、一番下の姉から電話が入った。「姉ちゃん?珍しい電話なんて…。どうしたの?」「ジェジュン!父さんがっ…危ないの!今回はダメだろうって…っ!アンタ、今すぐ帰ってきて!」姉の涙声に、一瞬頭が真っ白になった。だが、ジェジュンはすぐに気を取り直し、テフンに現状を告げた