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やっと落ち着いたチャンミンに、ユノがコーヒーを淹れた。ユノからチャンミンにコーヒーを淹れるのは、珍しい事だ。「落ち着いたか?」「はぁ…。ちょっと理性を持って行かれそうでした。ものすごいフェロモンだ。あのバニラちゃんが、あんなフェロモンだったなんて…」「俺も驚いた。だが…俺は確信している」「何をです?ちゃんと説明してください」ユノは、ざっとチャンミンに説明をした。「番に…ですか?」「あぁ、そう考えている。俺たちは運命の番だ」「しかし…」「お前の言いたいことは分かる。
熱も下がり、退院したジェジュンだが、ヒチョルの計らいでしばらく自宅療養となった。実際はすぐに働けるのだが、今回「じぇじゅん先生が死んじゃうかも(>_<)」と心を痛めたジホの為に、しばらく一緒にいてやれ、ということらしい。「お熱図りますね」「ジホ先生、お熱はどうですか?」「ん~。大丈夫ですね。頭痛いですか?」「大丈夫です」リビングで繰り返されるジホのお医者さんごっこに付き合うジェジュン、そしてそれを微笑ましそうに眺めながら仕事をする若い衆達。ユノに至っては仕事を放り出して、ジ
星のない真っ暗な夜空に。白い雪が舞い堕ちる。冷たくなっていく体、真綿のように降り積もる雪。体の感覚が消えるほどの冷たさ、痛みすら感じない体、自分を伝う生暖かい感覚。朦朧とした視界に入る、白い雪と、赤い血。僕は必死に手を伸ばしたいのに、体が動かない…。僕は…誰を呼んでいたんだろう……。「ジェジュン、起きて。遅刻しますよ!」「ん~~…」チャンミン兄の声で起こされ、寝ぼけ眼で携帯に手を伸ばす。「えっ!ヤバ!起きなきゃ…!」慌てて
ユノは、楽屋の外にいたテフンを捕まえた。「ジェジュンは私が必ず守る、そう言わなかったか?」テフンを睨み付けるユノの目は鋭く、テフンは一瞬ひゃっと声が出た。「分かっています。今、社長に報告し、ジェジュンにもSPを付ける事になりました。もう二度とこんなことは起こりません。安心してください」「これからジェジュンは俺の横にいさせる。何があるか分からんからな」「それはダメです」「なんでだ!」「ジェジュンの事になると、ユノさんの顔が恐ろしいからです!ちょっとは自覚してください!今も
古い雑居ビルの一角、西方派事務所に、チャンミンと数人の部下はいた。「な、なんだ、おまえらっ」「私はCYグループの第一秘書です。単刀直入に言います。キムジェジュンを私達が買います」「はぁ?キムジェジュン?誰だ、知らねーなぁ~」しらばっくれる構成員に、チャンミンはフッと笑った。「知らない訳がないでしょう。アナタ達がわずかな借金のカタに捕まえ、チョ議員に高額で売りつけようとしているあの子です。それを私達が買うと言っているんです」「は?な、何言ってんだ。簡単に渡すわけねーだろ!あ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「話があります…。今すぐジェジュンの家に来てくれませんか」ジェジュンからの電話だと思い、ヒチョルが電話に出ると、声の主は違った。低く抑揚のない声で話すユノの声に、勘がいいヒチョルは、何かあったのだろうという事がすぐ分かった。ヒチョルがジェジュンの家に着くと、いつも片付いている部屋が、誰かが暴れたよう
「ユンジェ!早く食べちゃって!」窓からいっぱいに入る朝日の中、ジェジュンは忙しく朝食の準備に追われていた。「ジェジュンおはよう♡」「あ、ユノおはよう♡」シャワーを浴びたユノが、いつものようにジェジュンを後ろから抱きしめて、おはようの軽いキスを交わす。新聞を取りながら、リビングで猫のジジと遊んでいるユンジェに、早く座れと促す。ユノに言われてやっとの事でユンジェもダイニングの席に座った。李一族と戦わずして自分たちの自由を得たユノ達。あの日から2年が経ち、平和な日常は保
ジェジュン達にギャーギャー責め立てられて、ヒチョルはたまらず耳を塞ぎました。「わかった、わかった。え~とアンタ名前なんだっけ?」「ユノです!当時は世間でも有名なイケメン王子でした」「あぁ!思い出した!確か私に、お前のようなみすぼらしい老婆を泊める部屋などない。とっとと帰れ!って言ったよねぇ。あぁ~思い出したらムカついて来た」「すまない。あの頃の私はイキがっていたんだ。今は猛省してます。許して下さい魔女様」「えー。どうしよっかなぁー」脚を組み、ニヤニヤしている魔女ヒチョルを見て
勇気あるジェジュンは、たった一人で馬車に乗り、野獣が住む古城へ向かいました。野獣なんて本当にいるのだろうか、でも父さんが嘘を言うとは思えない。とにかくバラを盗もうとしたのは僕のせいだから、ちゃんと謝ろう。暫く馬を走らせると、うっそうと木々が生い茂る古城を見つけました。ジェジュンは、恐る恐る、しかしお腹に力を込めて門を叩きました。「ごめんくださーい!誰かいませんかー!」しかし誰もいないのか、何の音もしません。門を開けて入ると、広い庭に色とりどりのバラがたくさん咲いており、
むかしむかしある所に、小さいながらも活気にあふれた村がありました。人々は毎日働き、夜には酒を飲んで踊り、子供達は元気に遊び回っていました。そこに、とある親子が住んでいました。発明家である父シンドンは、色々なものを発明しては、村の人たちを助けました。しかしお人好しのシンドンは、村人から殆どお金を取らず、貧しい暮らしでした。「ジェジュン、すまないな。こんなに貧しい暮らしをさせて」「父さん謝らないで。村の人たちも父さんに助けてもらった事で親切にしてくれる。みんな父さんに感謝している
「ユノ!待ってよ!地下に閉じ込めるなんて!」「コレが最善策だ。まだユンジェは自分を抑えることが出来ない。人の血の匂いがしない地下室で耐えるのが一番いい。みんな最初はそうするんだ」ヨンミンの家には、倉庫として使っている地下室があった。暗く明り取りの小さな窓しかない部屋だが、バンパイヤになり初めて血の渇きに耐えるとき、みんなこういう場所で過ごし、ひたすら我慢することを覚える。「そんな…!ユンジェが可哀想だ!」「ジェジュン、お前にはオオカミの血が残っている。お前の血の匂いがユ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆夏休みが終わり、新学期になった。夏休みはガッツリ空手の合宿や試合で忙殺された俺。充実した日々ではあったが、俺はジェジュンの事が気になって仕方がなかった。相変わらずジェジュンの電話は繋がらないし、家に行っても誰もいなかった。あれからヒチョルさん達と話すことも出来ず、気にはなるものの、練習の疲れが眠りを誘
神起医院へ車をぶっ飛ばすユノの脳裏に、チャンミンの言葉が何度も蘇った。「ジェジュン先生が危険な感染症に罹った患者と接触したらしく…」「危険な感染症?」「えぇ…南米発生の感染症で…もし感染したら致死率は20%を超えると」「はぁっ?!ジェ、ジェジュ―――――ンッ‼‼‼」「まだ検査が…あっユノ兄!」ジェジュンが危険な感染症に?致死率20%?ジェジュンが…死…?ユノの背中にゾッとした悪寒が走り、考えただけでも体は震え、冷たい汗が出て来る。それはダメだ!何としてでもジェジュンを救わ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「あ、あの…ヒチョルさんと、ジェジュンって、どういう関係…なんですか?」「あ?俺達?んー…お前口堅い?」「え?はっはい」緊張した面持ちで答える。「俺とぉ~ジェジュンはぁ~…」声をひそめ、ヒチョルがユノに耳打ちすると、ユノは耳をヒチョルの方に向けて、難しそうな顔をしている。ヒチョルはそん
「ユノヒョン、彼は僕の幼馴染のジェジュン兄。ジェジュン兄、ここで働いてるチョンユンホさん」やっぱり…彼だ…。ニコニコと嬉しそうなグンスから紹介を受け、ジェジュンは内心がっかりしたが、それを見せないようニッコリ笑うとユンホに手を差し伸べた。「…初めまして、キムジェジュンです」「なんで?」ユンホは握手し、ニヤニヤ笑いながら、ジェジュンを意地悪く見た。「もう3回会ってるだろ?初めましてだなんて…」「え?ヒョン、知り合いだったの?」ジェジュンはグンスの手前、知らな
窓辺に立ち、月を眺める二人。「ユノ様、助けてくれてありがとう」「ジェジュンにケガが無くて良かった。でもどうして夜の庭になんか…」「だって…最近ユノ様が僕を避けているような気がして。寂しかったの」「避けてなんか…。ただ俺は、ジェジュンを傷つけたくなかったんだ」「どうして僕が傷つくの?」「俺は力が強すぎる。長い爪も、この牙も…全部ジェジュンを傷つけてしまうから…」ジェジュンはそっと、ユノの大きな獣の顔に触れました。「でも、その牙が僕を助けてくれたじゃないですか。ユノ様が来
熱いシャワーを浴びながら、さっき起こった事を考える。ユノの長くてきれいな指で触れられた肌、握り込んだユノの芯、情熱的なユノらしい熱いキス……。思い出しては、体が熱くなり、含み笑いが零れる。でも、ユノはゲイじゃない。きっと何かの間違い、男だもん我慢できなくなる夜がある事はよくわかる。終わった途端、気まずそうに俯いてしまったユノの負担をやわらげたくて言ったけど、本当は怖かった。先にユノから「ごめん」と言われたくなかった。いいんだ、俺は嬉しかったから。だからユノは忘れてくれ
「ん…っつつ…」グンスが目覚め、痛む体を起こすと、部屋中に散らばった自分の服が目に入った。昨日最後まで店に残って…ユノ兄を誘惑する女たちからユノ兄を奪って…いつものモーテルに来て…。昨日の夜を思い出し、ユノに抱かれた事を思い出した。部屋に入るなりいきなり脱がされて、激しく抱かれた。そういうのは嫌いじゃない方だけど…ユノ兄はいつも後ろから自分を抱く。顔が見たいと言って体を起こそうとしても、強い力でねじ伏せられるように顔をベッドに押し付けられる。まるで誰かを憎んでいるように
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆放課後、のろのろと帰る用意をするジェジュンの元に駆け寄り、さっきから考えていた言葉をかけた。「じぇっジェジュン、一緒に帰らないか?」「え?ユノ、部活は?」「いいんだ。今日は休んだから」「いいけど…。大丈夫?俺と帰って」「ぇ?何で?」「俺と一緒にいたら、お前も色々言われるから…」俯いたジェジュ
晴れやかな日曜日、今日は朝からジホがテンションアゲアゲ↑。ユノとジェジュンと共に「お出かけ」をする予定なのだ。「ジホや、そろそろ行くよ。お鞄持った?」「うん!あ、ちょっと待って!ぷーちゃん…え?ふ、ふえぇぇ~ん!」いきなり泣き出したジホに、楽しそうにしているジホをデレデレ見ていた若い衆もビックリした。ぷーちゃんとはナリが生前買ってくれたクマのぬいぐるみで、大きさは20㎝ほど。ジホは、寝る時やどこに行く時もぷーちゃんを持っている。ただ5歳男児の扱いは荒いので、ぷーちゃんは満身
あんにょん(#^.^#)ユノの誕生日に何も用意できず💦今とある物を作成中だけど完成までの道は遠いので。過去ブログ中で自分で一番気に入ってる記事をリブログします♪↓やっぱり、、、ジェジュンの男性遍歴を妄想してる時間が一番楽しい!!!CM「ジェジュンの男遍歴ですか!?僕は全てを知ってます!今こそ真実wo・・・ムグッ」JJ「チャミナ、余計な事、言うなよ💦じぇったい言うな!」*******************
はい。こちらも今更??ですがシンドロームを起こした程だってことは知っていたので見ときました!!!言わずと知れた『応答せよ1997』ですが・・・年号順にと思い・・・放送された順番も気にせず1994を先に見てしまうという凡ミスから薄っすらと結末を知りつつ。見ます。こちらはシリーズの中でも特にファンが多いかと思いますのでまたまた簡単にはじまりは・・・2012年釜山の高校の同窓会で、1組のカップルが結婚を発表する!2人とはいったい誰なのかからはじまり。(お約束の思い出回想匂わせ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆ジェジュンを抱き上げて立ち尽くす俺。俺…何やってんだ…?「ユ…ノ…下ろして…怖いよ…」「あっすっすまん…!」慌ててジェジュンを立たせると、そのままジェジュンがふらりと身体を傾けた。「あぶないっ」とっさにジェジュンの身体を引き寄せると、また目の前にジェジュンの顔があった。さっきより
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください。◆◆◆穏やかな朝日を受け、川のせせらぎがきらめいている。川辺に立つ柳がゆらゆらと揺れ、それと重なるようにしだれ桜がしなり、揺れている。緑の柳の合間から見える、濃いピンクが映える。通り過ぎる車に、散った花弁が舞い上がった。長い冬を超え、やっと見せたその風景は。うららかで、匂い立つ、春そのもの。
ユノがドラマに入り、ジェジュンはメニュー作りに入った。休憩時間入ってきたメールを読むと、どれもおいしそうな料理の写真がいっぱい送られてきた。「美味くできたよ、今度作ってあげるね」「野菜満点のスムージー作った。今度味見してね!」時間が合わず会えない日も多かったが、ジェジュンがまめに送ってくれるメールが二人を繋いでいた。今日はsecretのチャンミンとジュンスが陣中見舞いに来てくれていた。ジェジュンからのメールを見ながらニヤついていると、横からジュンスが盗み見ていた。「
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「解離性健忘症…って分かるか?」解離性健忘症…たしか、大きなショックやストレスから精神を守るために、無意識に記憶を無くしたり、忘れたりする事だったはず。「ジェジュンは…それだと?」「あぁ。だけど、発症したのはもっとずっと前の事だ。あいつは子供の頃の記憶が曖昧なんだ」「え?それは、どういう…」ヒチ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆「ゲ、ゲイバー?」ジェジュンがバイトしているのは、表向きは小さなバーだが、そこに来る人も働く人も殆どがゲイの人という、いわゆるゲイバーという所で、バーテンとして働いていた。「な、んでそんなところで?」「時給がいいから」「時給がいいからって…でも…」「それにピアノも弾かせてくれるんだ。お客のリ
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆夕方、部活を早めに切り上げて、ジェジュンの部屋に向かった。チャイムを押そうとして、ふと眠っているかもしれないと思う。玄関ドアに手をかけると、カギがかかっておらず、俺はそのままそうっと家に入った。ジェジュンの部屋中から誰かの話し声がする。「…昨日はごめん。バイトの代わり探させて」「いいさ。休むとう
※当ブログに掲載されている小説の登場人物は、実際の人物、団体等と一切関係ございません。完全に作者の妄想小説であり、そういったものが苦手な方は読むことをお控えください◆◆◆次の日、ジェジュンが学校に来ていた。生徒たちは遠巻きにジェジュンを見つめ、この間まで楽しそうに話していた奴らも、遠ざかるようになった。その空気を察したジェジュンは、ポツンと自分の席に座り、ジッと窓の外を眺めていた。とても話かけられる空気ではなかった。昨日まで、ジェジュンと話そうと思っていたのに…。勇
皆様、今年も大変お世話になりました<(__)>今日は大晦日でございます。大掃除、おせち、買い出し、年越しそば、お忙しい事と思います。お疲れ様です。さて、ざっと今年の振り返りをしたいと思います。1月に「SummerDream」が終わり、2月から「Bolero」が始まり、7月まで連載してました。初めてのオメガバースで、汗をかきかき頑張って書きました^^6月にはハッピーセット第4弾で、いつものように2冊の本を発売しました。これでキョウルの本は、計8冊になりました。全巻持ってますっ